オレンジズ6th album「スコア」制作日記(2013-2014)
2013年3月、ついにニュー・アルバムの制作開始!
2014年4月の
アルバム完成まで、キャプテン・ジェフのフォトと日記で綴ります。

●2013(Vol.1-61) ●2014(Vol.62-100)
◆Vol.1◆ 3月23日(土)19:00〜1:00、26日(火)14:00〜0:00 at Rabbit Studio


※注1【リズム録り】ドラム、ギター、ベースでベーシックなトラックを録音するコト。最重要課題はドラムをバッチリ録るコト。
※注2【クリック】曲に合わせて一定のテンポで鳴らすメトロノームみたいなモノ。僕らの場合、基本は4分音符をカーベルの音で鳴らす。
※注3【トラック】音楽情報を記録する時に使われる入れ物。現代のPCを使った録音では、いくつでもトラックを使えるので、歌、ギター、ベース、バスドラム、スネア・・・等、1つの楽器をそれぞれ別トラックへ入れ、音量やエフェクトなどを個別にコントロールする。
前回のアルバム『ジャンボリー』の録音を始めたのが2010年の3月。ちょうど3年前。ついにニュー・アルバムを作ります!しかもオレンジズ20周年盤!てことで、今回も録音の始まりからアルバムの完成まで絵日記を書くよ。時々はのぞいてみてね。そして応援してね。応援の方法は、励ましのお手紙(メール)をくれるとか、ショーを見に来てくれるとか、「オレンジズっていう凄いバンドが凄いアルバムを作ってるらしいよ!」と吹聴するとか・・・イロイロね。

この2日間で、3/28の第一回リズム録り(※注1)に向けての準備。前回同様、PCのNuendoという音楽制作ソフトを使って録音〜編集〜Mixするんだけど、まずは、あらかじめ決めておいた各曲のテンポでクリック(※注2)を作り、それにあわせて仮歌、仮ギター、場合によっては+ギターかキーボードを録音。計3か4トラック(※注3)使うわけだね。10曲分ひとりぼっちでひたすら録音。ギターはGibson Firebird V、Firebird Non-Reverse、Tokai Flying V、Epiphone Casinoを使用。全曲ショーでは発表済みでアレンジもほぼ完成してたんだけど、1曲だけ間奏が出来てなかったの。一人でアーダコーダやって完成。変拍子入りだ。

◆Vol.2◆ 3月27日(水)16:00〜0:00 at Rabbit Studio
PCのNuendoに録音した仮歌、仮ギター、クリック等、3〜4トラックをRoland VS-2480というハードディスク・レコーダーに録音して移す。自分の機材の問題で1度に2トラックづつしかアウトできないので、2度に分けて録音。2度に分けて移したトラックのタイミングをVS-2480内で合わせるのが結構メンドクサイ。PCの音楽制ソフトみたいに絵で波形が見えないから、勘で少しづつヅラしながら合わせるという。これを10曲分、かなりつまんない作業だね。って、ここまで書いたことの意味、実際自分で録音する人とかじゃなきゃわかんないかも・・・。わかんない人はゴメン、読み流しちゃっていいんだぜ。いつだって自由だぜ。

いろいろメモっとく用にノートを用意したの。

◆Vol.3◆ 3月28日(木)13:00〜22:00 at 都内某市営音楽室
某市営音楽室というのは、いわゆるバンドのリハーサル・スタジオの市営版。音楽室、会議室やホールが入ってる市営の施設だね。9時間使って2900円!安っ!前回のアルバム『ジャンボリー』もここ。ザ・ビフォアーズの名盤『嘘つきセブンティーン』(2001)もここ使ったんだった。メンバー4人全員カーキチなので(←ウソ)各自マイカーで集合、荷物を降ろしたら、駐車場探して停めに行かなきゃいけない。専用駐車場がないのが少し残念なのね。

まずは、マルのドラム・セット、録音師匠=篠原太郎クン(いつも大感謝!)に借りたマイク、マイクスタンド、ヘッドフォンアンプ、Roland VS-2480等のRECセット一式をセッティング。今回はバスドラム、スネアの上下、タム、フロアタム上下、ハイハット、トップのLR・・・以上9本のマイクをドラムに立ててたよ。9トラック使用仕様だ。セッティング完了したら、ドラムの音決め、レベル調節。軽く1時間はかかったねぇ。全録音準備完了したら、早速録音開始!・・・じゃなくて喫煙!メンバー4人全員喫煙者、意思の強いオトコの集まりだぜ。1F外の喫煙所まで行かなきゃいけないんだけど、外はポカポカいい天気。いつもよりだいぶ早いけどサクラはほぼ満開だ。

気持ちよく煙を吸い込んだあとはスタジオに戻り録音開始だ!前もってVS-2480に録音してあるジェフの仮歌、仮ギター、クリックにあわせて、ロビン(ベース)、ネロ(ギター)、マル(ドラム)が演奏。ドラムに9、ギター、ベースに各1の計11トラックをVS-2480に同時録音。ボクは録音監督&技師に専念だ。いいテイク(※注1)が録れるまで、1曲につき少なくて2回、多くて7回(!)演奏、何度か煙草休憩しつつ全10曲、20時頃には完了。ナカナカいいスタートを切ったんじゃん!。





※注1【テイク】1回目の録音をテイク1(ワン)、2回目をテイク2(ツー)というように呼び、いい=使うテイクをOKテイクと呼ぶ。

◆Vol.4 4月5日(金)18:00〜2:00 at Rabbit Studio
3/28第一回リズム録りDayにVS-2480に録音したドラム、ギター、ベースのデータをPCに移す作業。V-Fireというインターフェイスを使って、1テイクづつノートPCのNuendoへ9トラック同時録音していくの。そこでwavという形式の音声ファイルになるわけね。10曲×2〜3テイクだから、結構根気がいる作業。時々セブンのアイスラッガーを外して遊んでみたりして〜。

またまた、これらの機材も篠原太郎クン(※注1)に借りたモノ。しかも、前日に借りてきて自分で繋いでトライしてみたんだけど、やっぱりよくわかんなくて教えてもらおうと電話したら、「行ってセッティングしてあげるよって。」って、もう足を向けて寝れません!



※注1【篠原太郎】今更ですが・・・。かつてはThe BreakersのVo&Bassとして、現在はThe Brick's ToneのVo&GとしてBEATを鳴らし続けるオトコ。The Backdoor Men、The Specters、The Moonlights、The Bohemians等の録音、マスタリング、プロデュースも手がけ、その筋では右に出るものはいないのだ。Jeffと一緒にパワー・ビート・バンド(!?)、ザ・ピノキオズもやってます。


◆Vol.5◆ 4月8日(月)22:00〜2:00 at Rabbit Studio
先日ノートPCに出来上がった各曲、各トラックのwavファイルをUSBメモリーでメインPCへ移す。この日は「KIseKI」(※注1)のいいテイク(基本的には最終テイクだね)を選び、まずドラムを編集。クリックとズレてる部分を直したりするんだけど、あまりヤリ過ぎるとノリが損なわれたり味がなくなったりするから、そのさじ加減がヒジョーに難しい!しかも土台になるリズム(ビート)だから、ヒジョーに重要!A型なもんでヤリ過ぎ注意!

リズムが出来上がったら、仮だったJeffギターを録り直し。Gibson Firebird Vを弾いてたら1弦が切れちゃった。換え弦がないからギターをFirebird VIIに交換。ん〜、ちょっと音が違う気がする・・・けど、一応完成。キットまた弾き直すすね、コレ。ふぅ〜。



※注1【M-1】前回同様、完成するまでは曲タイトルはシークレットで。もったいぶってるわけじゃないぜ〜。生まれるまで赤ちゃんが男か女か知らないほうがイイっていう人もいるじゃんねっ。ということで、便宜上ナンバーふってあります。→ 完成したので、ちゃんとタイトルに書き換えました。(2014_8_21)


◆Vol.6◆ 4月11日(木)22:00〜4:00 at Rabbit Studio
「いつでもヒール・ユー」のドラム選び〜編集、仮だったJeffギターを録り直し。ギターはGibson Firebird V、それにLine6 POD 2.0というアンプ・シュミレーター(※注1)を使用。アンプ・シュミレーターはデジタル臭いから嫌だって人もいるけど、逆に実際アンプを鳴らすよりいい音が作れるって人もいるし。結局いい感じに聞こえればどっちでもいいよね。僕はギター録音では、PODはもう10年以上使ってて慣れてるからOKさっ。そしてもう1曲「スパイ」のドラム選び〜編集。仮Jeffギターは、いい音ではまってるから、とりあえずこれを生かすと。

※注1【アンプ・シュミレーター】ギター・アンプから出した音をマイクで拾うという行為を、それをせずに擬似的に再現する機材。いろんなアンプのシュミレートに切り替えられる。Jeffはほぼ、ショーでも使っているVOXアンプの設定。


◆Vol.7◆ 4月12日(金)22:00〜2:00 at Rabbit Studio
「ドンマイ」のドラム選び〜編集、仮だったJeffギターを録り直し。赤いTokai Flyin Vを使用。

ちなみに去年ハードオフでシルバーメタリックの同じモデルが安く売ってたから、ついつい買っちゃったんだけど、なんと音が違うんだよ、似てるんだけどね。赤いほうが好きな音が出るよ。グラムっぽい音にしたい時はこの赤いVを弾くんだ。

Flying Vを座って弾くときは、←左図のようにギターの凹んだところを右膝の上に乗せて弾きます。

◆Vol.8◆ 4月15日(月)22:00〜2:00 at Rabbit Studio
「KOE」、「宇宙(ソラ)のルーレット」のドラム選び〜編集、仮だったJeffギターを録り直し。「KOE」ではGibson Firebird V、「宇宙(ソラ)のルーレット」ではGreco FB(Firebirdモデル)を使用。このFBはかなりジャキっとした音で、MOD魂炸裂したい曲ではコレを弾くんだ。

そー言えば僕はリッケンバッカーのギター1本も持ってないんだよね。The Beatles, The Who, The Jam, CAROL…大好きなバンドはみんな使ってるのにねぇ。ヒネクレモノなのか出会いがなかったのか、自分でも不思議。最近ちょっと欲しい気分ではあるんだけどさ。ルックスは360が一番いいな。ファイアーグローかアズレグローか悩むけど。

◆Vol.9◆ 4月17日(水)20:00〜3:00 at Rabbit Studio
「恋のダイアリー」のドラム選び〜編集、仮だったJeffギターを録り直し。コード弾きのバッキング・パートはGibson Firebird Vで、単音でハモるパートはFirebird Non-Reverseで弾いてみた。


◆Vol.10◆ 4月18日(木)19:30〜1:30 at Rabbit Studio
「BEAT BEAT BEAT」、「すき。」のドラム選び〜編集。

基本的にはドラムがクリックとずれてる所を、クリックに合わせるように直していくんだけど、最近のPCを使ったレコーディングでは、歌でも演奏でも、どこまででも、どうにでも直したり変更したりできるようになってるから、どこまで直したらいいのか?直すことによってノリを失ってしまうことにならないのか?個性を失うんじゃないか?・・・前にも書いたかもしれないけど、いつもそのさじ加減を悩むんだ。で、録音師匠=篠原太郎クンに、「どれくらい演奏や歌を直すの?」って聞いたら、「結構バッチリやるよ。」って言ってたの。だから、悩んだらやっちゃおっ!ってとことんヤルことにしたよ。レコード(スタジオ録音モノ)っていうのは、記録だからそのままのほうがいいんだよっていう考えもあるけど、僕はそう思ってなくて、レコードは作品だと思ってるから、可能な限り素晴らしい音楽作品として完成させたいんだ。レコードではきっちりしてて、ショーではワイルド演奏が聴けますってのが好きだしね。例えばザ・タイガースなんてレコードには鍵盤も弦楽器も入ってるけど、ライブではギター・バンドでやっちゃう。みたいな。2倍楽しめるね。



◆Vol.11◆ 4月21日(日)18:00〜22:00 at Rabbit Studio
「Hit & Run」のドラム選び〜編集。これでとりあえず、第一回リズム録りで録音したドラムの編集は終わって土台は完成。次はRobinベース・パートを完成させるの。ベースを弾き直すか、リズム録りで録音したものを編集するか、一緒に聞きながらね。その後、Neloギター、合間にJeffギターとかを完成させていくよ。



←ひとりぼっちの作業を見守るフェバリット・グッズたち。ウルトラセブン、ガッツ星人、優香、ゲッターロボ、永井豪、アグネス・チャンのカセット、キャロルのレコード・・・etc.


◆Vol.12◆ 4月22日(月)15:00〜22:00 at Rabbit Studio


この日はRobinと二人でラビ入、ベースの日。第一回リズム録りの日にベースも一緒に弾いて録音はしてあるけど、ドラムを編集してあるから、タイミングが違っちゃってる部分もあったり、音的にもほかのベースで弾いた方がいいなと思ったのもあったりで、基本的には全部弾き直したほうがいいということで、1曲づつ録音だ。

まずは指弾き(※注1)の曲「いつでもヒール・ユー」、「BEAT BEAT BEAT」をHS Andersonというベースでプレイ〜録音。ピック弾きで「スパイ」、「ドンマイ」、「KOE」、「Hit & Run」をGibson Recording Bassでプレイ〜録音。このベースはベイ・シティ・ローラーズのウッディが使ってたのが有名(かな?)で、ショーで使うには重過ぎるのが難点だけど、音的にはオレンジズには一番あってると思う。レコーディングでは、ずっとメインのベースだね。いい音するんだよなぁ。



※注1【指弾き】エレクトリック・ベースは、指弾き、ピック弾きの2種類ある。大まかに言うと、ハネた感じの16分音符系や繊細なやつは指弾き、ロックな8ビート系はピック弾きが向いてる。ちなみに僕のベースはいつだってALLピック弾き。ポール・マッカートニー、ロニー・レイン、ウッディ、岸部おさみ、ルイズルイス加部、矢沢永吉・・・好きなベース・プレイヤーはみんなピック弾きだったし、指弾きってなんか見た目地味じゃん?主観だけど。


◆Vol.13◆ 4月26日(金)22:00〜2:00 at Rabbit Studio
「スパイ」のクリックのデータをVS-2480からPCへ移し漏れしていて、そのまま作業を続けていたんだけど、やっぱり目印として必要ってことで、データの移しなおし。ケーブルとか全部外して片付けてあったから、また全部繋いで・・・結構面倒くさい作業。まいったまいった。

◆Vol.14◆ 4月28日(日)15:00〜19:00 at Rabbit Studio


左:Gibson Recording Bass

右:Bacchus(改造版)

つぶれてるの:マジソン・バッグ!
2度目のRobinのベースDay。

前回6曲やってあるので、残りの4曲「KIseKI」、「宇宙(ソラ)のルーレット」、「恋のダイアリー」、「Hit & Run」、すべてGibson Recording Bassでプレイ〜録音。ただし「宇宙(ソラ)のルーレット」は、「第一回リズム録りの日に録ったベース(Bacchus)のままでいいんじゃん。」というRobinと、「やっぱGibson Recording Bassの音のほうがいいなぁ。」というJeffの意見が分かれたんだけど、結局元のBacchusベースに新たにGibson Recording Bassで弾いたベースの音を少しだけMixするというナイスで民主的なスタイルにしてオールOK!第一回録音全10曲のベース・パート完成!



◆Vol.15◆ 5月1日(木)21:30〜2:00 at Rabbit Studio
NeloギターDay。

前回ベースが終わったので、次はNeloのリード・ギターだ。「KIseKI」、「いつでもヒール・ユー」、「スパイ」、「ドンマイ」、「BEAT BEAT BEAT」、5曲のギター・ソロ(間奏)以外を録音。ギター・ソロ(間奏)は後日ジックリやることに。すべてNeloの友達=ミヤタ君のハンドメイド・ギターでプレイ。前にストラトやらテレキャスやらで録音してみたことがあるけど、結局ミヤタ・ギターが一番いいってことに落ち着いて、結局Neloがオレンジになってからは、ほぼずっとこのギター1本でやってるね。


◆Vol.16◆ 5月4日(土)19:00〜0:00 at Rabbit Studio


RobinやNeloの録音してる時、Jeffのリズム・ギターがイマイチに思っちゃった曲の録り直し。ほぼチューニングの問題。レコーディングでは、ギターのチューニングのズレが凄く気になるし、すごく気を使うんだ。チューナーを使って合わせるんだけど、それでも弦の押さえる場所で少し狂って聞こえたり・・・ほんと面倒くさいんだよね。弦楽器はそーいうもんだから仕方ないんだけどさ。「KIseKI」はチューニングも気になったんだけど、音もイマイチな気がして前とは違うギター=Epiphone Firebirdで弾いてみた。なぜそれかと言うと、トレモロアーム(※注1)が付いてるから。何箇所かビブラートさせたい箇所があったの。「スパイ」は、リズム録りの為に前もって弾いた仮ギターがいい感じだったから活かし(※注2)にしてたんだけど、チューニングが気持ち悪かったから弾き直し。Gibson Firebird V 。


※注1【トレモロアーム】正しくはビブラート・アーム(レバー)と言い、 弦のテンションを変え、ピッチ(音程)を変化させる機構である。
※注2【活かし】「活かしにする」=「OKとする」

◆Vol.17◆ 5月6日(月)22:00〜2:00 at Rabbit Studio

NeloギターDay第二夜。。

「KOE」、「恋のダイアリー」のギター・ソロ(間奏)以外、「宇宙(ソラ)のルーレット」のすべてを録音。もちろんオール・ミヤタ・ギター。

◆Vol.18◆ 5月16日(木)22:00〜2:00 at Rabbit Studio

NeloギターDay第三夜。。。

「すき。」、は今回のアルバム中一番のスロー・ソング。基本のバッキングをチェンバロとオルガンにしようと思ってたんだけど、それだけだとなんだかロック・バンドっぽくないから、Neloギターをメインにしようってことでアルペジオ(※注1)を弾いてもらったの。珍しく僕のセミアコ(※注2)Epiphone Casinoでプレイ。これ入れるとどこかビートルな感じになるのは気のせいカナ。And後半盛り上がった部分のギター・ソロはミヤタ・ギターで録音してNeloギター・パート完成。「Hit & Run」は、間奏のツイン・リード部分も含めすべて完成。


※注1【アルペジオ】分散和音。ギターだと「ジャーン」って和音で鳴らすんじゃなくて、一音づつ「ポロリロリ〜ン」って弾く奏法。
※注2【セミアコ】セミアコースティックギター。一般的に、薄型ボディーに空洞があるエレキギター。有名なのはGibson ES-335。

◆Vol.19◆ 5月22日(火)21:00〜1:00 at Rabbit Studio
「スパイ」のJeffギター、チューニングが気持ち悪かったから弾き直し。Gibson Firebird V。

◆Vol.20◆ 5月23日(水)22:00〜2:00 at Rabbit Studio

「BEAT BEAT BEAT」のJeffギター、活かしにしていた仮ギターのおかしな部分を少し編集。間奏のツイン・ギターを録音。それはギター・ソロではなくてバッキング。他の部分と同じTokai Flying Vでプレイ。仮のままだった「Hit & Run」をGibson Firebird Non-Reverseでプレイ。イントロ部分何か足りないと思ってピアノの低い音を入れてみた。ロックにピアノってあんまり好みではないんだけど(たとえばジェリー・リー・ルイスやリトル・リチャードは×、チャック・ベリーやエディ・コクランは○)、隠し味的に入れるのはアリだね。大好きなKISSの「狂気の叫び」でも使ってる手法。サウンドに厚みやガッツが出るんだ。

◆Vol.21◆ 5月24日(木)20:00〜2:00 at Rabbit Studio
まずは一人で「いつでもヒール・ユー」のJeffギター、一箇所だけフレーズを変えたいとこがあったんだけど、ギターを変えてみたくなって全部弾き直したのだ。Gibson Firebird VII でプレ〜イ!


22:00頃、Nelo来ラビ。「KIseKI」、「いつでもヒール・ユー」、「スパイ」、「ドンマイ」、「KOE」、「BEAT BEAT BEAT」で弾き残してたギター・ソロを録音。「KIseKI」は、バロックっぽくしたくてトリプル(3つの違うパート)・ギターだっ!ザ・ランチャーズの「真冬の帰り道」みたいなね。これですべてのNeloギター・パート完成!!

◆Vol.22◆ 6月2日(土)22:00〜2:00 at Rabbit Studio


今回の第2回リズム録りが6月25日に決定。あと5〜6曲録りたいの。Jeff以外の3人の各1曲づつとJeffの2〜3曲の予定。で、この日はMalの新曲「レモン」、まずバンドでやる前にdemo作ろっうてことで、二人での作業。Malに曲(歌詞はまだ全部出来てない)を教えてもらって、大体の構成を決めたら、PCのNuendoに録音していくの。テンポを決めて、ドラムを打ち込み、仮ギターを入れて、Malが歌を歌って・・・。そこまで約5時間!


←お土産に持ってきてくれたナボナの箱に入ってたミニパンフ。ナボナはお菓子のホームラン王です!Malちゃんフォト撮り忘れちゃったのだぁ。


22:00過ぎMal帰宅で、後はJeffの一人作業。構成を少しいじって、ドラムを直して、ギターを二人分とベースを考えて入れて完成。一人でだらだら7時間!キライじゃないんだね。オレンジズではリズム・ギタリストなのに、やっぱりベースを弾くのが一番楽しい作業。ん?何故オレンジズでもベースを弾かないのかって?メインVo.はギターに決まってるじゃん!っていうヘンな自分ルールがあるんだよ。ビートルズみたいにツイン・ボーカルなら、どっちかベースでもいいんだけど。ザ・ジャムでポール・ウェラーがベースじゃヘンじゃん!スモール・フェイセズでスティーヴがベースってナシじゃん・・・とかね。だからポリスは気持ち悪いの。


←demoテープではコレを弾いてみたのだ。篠原太郎クンがザ・ブレイカーズ時代に使ってたやつ。フロント・ピックアップとピックガードが交換されてる。あのサウンドになるね。

◆Vol.23◆ 6月17日(土)19:00〜10:00 at Rabbit Studio
今回のアルバム用にゴキゲンなナンバーをあと1つ作りたいと思って、6月に入ってから時々ラビっては(※注1)録音してみたりしてたんだけど、遂にこの日demo完成(後に歌詞を付け「L-O-V-E」になる)!ギリ間に合った!僕はほとんどの場合、打ち込みドラム、ギター、ベース、歌、コーラス、全部入れて、ほぼ完成形に近い形でdemoを作るんだ。ロックの曲作りは、サウンドやアレンジも含めてのモノだと思ってるし、いろいろ重ねていく間にメロディーやコード進行が変化していって、最後に歌詞が完成して歌う時にまたメロが変わったりするんだよ。その過程でマジックが起きるの。demoが完成して初めてわかるんだよ、おぉ!なんかまたいい曲デキちゃった!って。マジックが感じられなかった場合、その曲は長い眠りにつくのであります。まあ、僕は天才だから(←許して〜)、そんなのほとんどないけどねっ。


※注1【ラビる】動詞:ラビット・スタジオに行って音楽作業をすること。いや、何度も言うけど、ただの普通の実家の自分の部屋をラビット・スタジオと呼んでるだけだよ。お金持ちでもないし、お金持ちの息子でもないんだ、残念ながら。でも、両親には大変感謝しています。

◆Vol.24◆ 6月19日(水)15:00〜19:00 at 吉祥寺某リハーサルStudio
6月25日の第2回リズム録りの為のバンドリハ。録る予定の5曲を、1曲づつアレンジ(テンポ含む)を詰めていく作業。今回はバンドで一度も演奏たことのない曲が2曲。完成したばかりの僕の「L-O-V-E」と、マルの「レモン」に時間をかけたよ。前もってみんなにdemoを聞いてコピーしてもらってて、そこからアーダコーダとアイデアを出したり、各自のプレイを詰めてみたり・・・、これこそバンドの真価が問われるとこでもあり、愉快な瞬間でもあるんだよ。demoから発展するわけだからね。今ではThe WHOのPeteが作ったdemoがいっぱい聞けて、そりゃぁもう楽しいんだけど、やっぱりThe WHOが演奏した完成形はスゲー!からね。バンドっていいねっ!ってこと。

◆Vol.25◆ 6月24日(月)19:00〜1:00 at Rabbit Studio
翌日のリズム録りの準備。ハードディスク・レコーダー=Roland VS-2480に、録音予定の5曲分、仮歌、仮ギター、クリック等、2〜4トラックを録音。リズム録りの時にはそれを聞きながら、ロビン(B)、ネロ(G)、マル(D)が演奏するって寸法さっ。

◆Vol.26◆ 6月25日(火)13:00〜19:00 at 都内某市営音楽室
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さて、やってまいりました、第2回リズム録り!ちょうど機材搬入する時間に土砂降りの雨で、家から行く途中水はけ悪い道が何箇所かあって、マジで20?くらい溜まっててヤバかった。車停めたらエンジン止まりそうで、もう突っ込むしかないって感じ。船状態だよ。少しだけ楽しかったけどね。

で、とにかく機材搬入。前回は10曲、今回は5曲だから楽勝だぜっ!前回同様、まずは、マルのドラム・セット(ラデイック)、マイク、マイクスタンド、ヘッドフォンアンプ、Roland VS-2480等のRECセット一式をセッティング。前回はフロア・タムの下にもマイクをセットして録ってみたんだけど、あんまりいい効果がなかったので今回はソレはなし。バスドラム、スネアの上下、タム、フロアタム、ハイハット、トップのLR・・・以上8本のマイクをドラムにセット。それにロビンのベースとネロのギター、計10トラックに同時録音するわけさ。約1時間で準備して、一服後、早速録音開始!

1曲2〜3テイクづつやって、終わってタバコ吸って、またやって・・・、5時間くらいですべて完了!ドラム録音も手馴れたもんだぜっ。すべては録音師匠=篠原太郎クンのご指導の賜物であります。ビゲスト・サンキュウ!



←僕は録音監督

◆Vol.27◆ 6月27日(木)20:00〜23:00 at Rabbit Studio
25日に録った音はとりあえず置いといて、前に録った「すき。」のJeffのリズム・ギターを録音。このアルバム中、唯一のバラード系(テンポがスローってことね)。スローな曲には何といってもメロトロン(※注1)!さすがにホンモノは持ってないけど、PCにMTron(GFORCE社)っていうメロトロンを再現するソフトが入ってて、それを使ってるよ。画面に、ティーカップ(?)の汚れが付いたメロトロンの絵が出るのも愉快だし、とにかくホンモノと区別がつかないくらいクールな音だよ。

※注1【メロトロン】フルート、バイオリン、ピアノ、ストリングス、ギター・・・等、あらかじめ録音された磁気テープを音源とする鍵盤楽器。メロトロンといえば、ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」のイントロで聞けるアレだね。フルートの音。いまだにこの音はすごく良く使われてる。

◆Vol.28◆ 7月4日(木)20:00〜24:00 at Rabbit Studio
6/25第二回リズム録りDayにVS-2480に録音したドラム、ギター、ベースのデータをノートPCに移す作業。4/5(Vo.4)と同じ作業。今回は前回の半分の5曲だし、わりとササッと終了。

◆Vol.29◆ 7月5日(金)20:00〜23:00 at Rabbit Studio
前日ノートPCに移した各曲、各トラックのwavファイルをUSBメモリーでメインPCへ移す。そして、まずは3〜4あるテイクからベストを決めて(ほとんどは、その曲の最終テイク)、クリックに合うようにドラムの編集。いつものことなんだけど、タムタムとフロアタム(※注1)のトラックにかなり他の音が入っちゃってて、それはそれでアリなんだけど、僕はグチャっとした塊のドラムサウンドより、各音がそれぞれ分離して聴こえるのが好きだから、タムを叩いてない箇所は全部カットすることにしたのだ。これで特にシンバル、低音のバスドラムが無駄に鳴ってたのが消えて、スッキリした印象。さかのぼって他の全曲もこうしようと決めたのでした。あ〜、仕事増えたっ。But最高を目指してんだからショーガネーショーガネー。この日は「レコード・ショップへいこう!」のドラムを完成。

※注1【タム】バス・ドラムの上部に専用のホルダーでセットされているものをタムタム(Tom Tom)、演奏者の右手に床置き式でセットされているものをフロア・タム(Floor Tom)という。どちらもリズム・パターンを刻むという使われ方はあまりせず、主にフィルインをプレイする際に多用される。

◆Vol.30◆ 7月6日(土)21:00〜3:00 at Rabbit Studio
「L-O-V-E」とネロ曲「プレイボール」のテイク選びとドラム編集。

◆Vol.31◆ 7月7日(日)20:00〜24:00 at Rabbit Studio
ロビン曲「チェンジ!」のテイク選びとドラム編集。

◆Vol.32◆ 7月8日(月)22:00〜2:00 at Rabbit Studio
マル曲「レモン」のテイク選びとドラム編集。

◆Vol.33◆ 7月11日(金)22:00〜24:00 at Rabbit Studio
「宇宙(ソラ)のルーレット」のJeffギターの録り直し。

前にGreco FB(Firebirdモデル)で弾いたんだけど、イマイチ音の響きが良くないなと思ったの。弦を張り替えて再プレイしたらバッチGOO!ちなみに僕が使ってるギター弦はダダリオのレギュラー・ライト・ゲイジ。まぁ、結構みんな使ってるフツーのやつです。


◆Vol.34◆ 7月12日(金)22:00〜24:00 at Rabbit Studio
「KIseKI」、「スパイ」、「宇宙(ソラ)のルーレット」のタム・トラックの無駄な音消し作業。

And「KIseKI」Jeffギターの録り直し。前にGibson FIrebird VII でプレイしたんだけど、なんだかちょっとおとなしい感じがして、前日弦を張り替えたGreco FBをプレイ。これはジャキっとしたMODな音がするし、だいぶいい感じなったよ。

◆Vol.35◆ 7月20日(土)20:00〜24:00 at Rabbit Studio
遂に今回のレコーディング初の歌入れ!

あらら、始めてもう4ヶ月もたっちゃった。マジメにやろう。やってるけど。しかし歌の録音って正直あんまり好きじゃないんだなぁ。ギターとかベースとか楽器はスタジオいってジャーン!て弾けば直ぐ出来るんだけど、歌はそうはいかない。いい声が出るまで発声とか準備が必要だし、身体(喉メイン)を使って音を出すから、体調によって声も微妙に変わっちゃうしね。メンタルな部分も大きいし。とか、ほら、メンドクサイでしょ?ヴォーカリストになりたかったんじゃなくて、ジョン・レノンになりたかったんだもん。とは言え、ジョンはシンガーとしても天才だからねぇ(初期限定ね)。かっこいいだけじゃなくて、音程も正確だしうまいしね。まいったなぁ。・・・と、逃げてばかりはいられない。

この日は「KIseKI」と「スパイ」の2曲を歌ったのでした。マイクはずっと使ってるAKG ( アーカーゲー ) / C1000S。

◆Vol.36◆ 7月22日(月)22:00〜24:00 at Rabbit Studio
ラビスタは簡単な防音しかしてなくて、普通の住宅街の民家だから、夜中はあんまり歌えないのだ。この日は、ラビ入り時間が遅くなっちゃったから歌入れナ〜シ。「ドンマイ」のタム・トラックの無駄な音消し作業。

◆Vol.37◆ 7月24日(水)21:00〜2:00 at Rabbit Studio
「KOE」と「宇宙(ソラ)のルーレット」の歌入れ。

やはり歌入れは難しい。何度か歌ってると声が出てくるんだけど、それと引き換えに新鮮度とか集中力が切れてくることもあったりしてさ〜。メンタルな強さも必要なのだ。ところで、僕が憧れるシンガーはね、洋ではジョン・レノン('65年くらいまで最強)、レスリー・マッコーエン、邦ではジョニー大倉('75年まで)、萩原健一('72年まで)かな。ワルっぽくて甘くてキラキラしてる感じ。わかるかな〜?でも、レスリー以外みんな途中で変わっちゃうんだな。ヤング感がなくなっていくのかも。だから僕はそこは気にしてるよ。ロックはフォーエバー・ヤングじゃなきゃだもんね。

2曲歌った後、「KOE」タム・トラックの無駄な音消し作業。

◆Vol.38◆ 7月25日(木)21:00〜24:00 at Rabbit Studio
「いつでもヒール・ユー」の歌入れ。

ラビスタには、見えるところに大好きなバンドやアーティストのフォトがいっぱい置いてあるの。キャロルのLPやイアン・ミッチェル表紙のBAY CITY ROLLERS MONTHLY BOOK、ザ・タイガース森本太郎が表紙を飾る週刊マーガレットが写ってるでしょ。憧れ〜初期衝動。初心忘るべからずっ!歌入れは特に雰囲気作りが大事だったりして。

ドラムを一部編集。

◆Vol.39◆ 7月26日(金)20:00〜23:00 at Rabbit Studio
この日はCHANGE ENERGY'S (Vo:加藤ひさし /G:キタシンイチ /B:JEFF /Ds:cozi)でFUJI ROCK初出演を経験してきたよ。朝5時半起きがキツかったけど、楽しかった!

夜8時前には東京に帰ってきて、フェスな勢いで「BEAT BEAT BEAT」の歌入れ完了。ステージで適度に声を出してきてるから、準備要らずでサッと歌えたよ。

◆Vol.40◆ 7月29日(月)16:00〜2:00 at Rabbit Studio
RobinのベースDay。

6/25、第二回リズム録りDayに録った5曲すべて弾き直し。そのままでもイケるのあるんだけど、もっと良くなるかもってことで全部ね。すべてGibson Recording Bassでプレイ。いい音するなぁ。

Robin帰宅後、どんどん歌をヤっちゃいたい気分で、「ドンマイ」の歌入れ。

◆Vol.41◆ 7月31日(水)22:00〜24:00 at Rabbit Studio
「恋のダイアリー」と「すき。」の歌入れ。

22:00からだから1曲だけしか歌えないかと思ったんだけど、「恋のダイアリー」曲が簡単なのか自分に超合ってるのか、気持ちよく歌えて直ぐ出来たの。でもう1曲イケたんだ。2曲目はちょっと急いだから怪しいけど、後日確認で〜。

Vol.42◆ 8月8日(木)22:00〜24:00 at Rabbit Studio
「Hit & Run」の歌入れ。基本歌入れは、リードVoパートを完成させて、ダブルVoも録音するよ。ビートルズよく使ってたダブル・トラック(※注1)というレコテク。歌をダブると、なんかキラキラ感がUPするからね。その代わりに歌の細かいニュアンスは少し出にくくなるかな。僕は細かいニュアンスが出せるような上手いシンガーじゃないし、そんなの求めてないから、オレンジズではほぼダブるね。1曲全編の場合もあるし、サビだけの場合もある。リードとダブルのバランスは、場合によるけど10:6くらいかな。

※注1【ダブル・トラック】同一の者が、まったく同じボーカルやギターのラインを二度以上、重ね録りするテクニック。

◆Vol.43◆ 8月13日(火)21:00〜24:00 at Rabbit Studio
「レコード・ショップへいこう!」の歌入れ。

◆Vol.44◆ 8月14日(水)14:00〜24:00 at Rabbit Studio
ネロ来ラビ。第二回リズム録りDayでレコった5曲、「L-O-V-E」「レコード・ショップへいこう!」「プレイボール」「チェンジ!」「レモン」のギター・パートの録音。もちろんすべてミヤタ・ギターでプレイ。

ネロが帰った後、ひとりで「L-O-V-E」の歌入れ。これはショーでもやったことない完全未発表ナンバー。カッコいいロッキン・ナンバーに仕上がりそうで、ショーでヤルのが楽しみだね。これで、JEFFの全13曲のがリードVoが完成!でもキット、歌い直したくなるのが出てくるんだよね〜。。。


◆Vol.45◆ 8月17日(土)21:00〜2:00 at Rabbit Studio
早速、「宇宙(ソラ)のルーレット」の一部、「BEAT BEAT BEAT」の全編を歌い直し。音程ではなくて、力(りき)み過ぎててイヤだったんだな。

◆Vol.46◆ 8月29日(木)20:00〜24:00 at Rabbit Studio
「KIseKI」にタンバリンとティンパニをダビング(※注1)。本物のティンパニはもちろん持ってないからサンプリング音源で。この装飾的な部分の録音は、なんだかゲームっぽくて楽しいよ。とは言え、曲の印象を左右する場合も多いから重要だね。お化粧と同じで、素敵に化ける場合もあるし、やり過ぎて気持ち悪くなる場合もあると。

「いつでもヒール・ユー」のタム・トラックの無駄な音消し作業。

※注1【ダビング】 =オーバー・ダビング。すでに録音されているものに重ねて録音すること。元になるバンド・サウンドに何か付け加える、重ねて録音する時に、ダビングすると言う。

◆Vol.47◆ 8月30日(金)20:00〜2:00 at Rabbit Studio
「いつでもヒール・ユー」のサビのJeffギターのフレーズを変えたくなって、弾き直し。Gibson Firebird VII でプレ〜イ。

そしてチューブラー・ベルをダビング。何故かこの音が好きなんだよね。オレンジズ・レコでは結構使ってるよ。これが入ってる大好きな曲はいっぱいあるよ。ベイ・シティ・ローラーズの「太陽の中の恋」、キッス「ドゥー・ユー・ラブー・ミー」の途中とかね。でも何よりNHKのど自慢で有名かな。僕らが使ってるのはもちろんホンモノじゃなく、Roland SC-55 Sound Canvas の音源を使用してる。90年代のマシンで、かなり古いんだけど、結構気に入っててずっと使ってるんだ。エレクトーンにMIDI(※注1)で繋いで弾くんだよ。

※注1【MIDI】 電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための規格


◆Vol.48◆ 9月2日(月)23:00〜24:00 at Rabbit Studio
「ドンマイ」、サビ前に抜けてたJeffギター(2小節、2箇所)を録音。Tokai Flying V使用。

◆Vol.49◆ 9月3日(火)23:00〜1:00 at Rabbit Studio
「恋のダイアリー」と「すき。」の歌入れ。

「恋のダイアリー」、ギターのメロディをより鮮明に&厚みを出したくて、Neloリード・ギターの1オクターブ下の音でJeffギターを重ねる。Tokai Flying V使用。

「BEAT BEAT BEAT」のタム・トラックの無駄な音消し作業。

それにしてもレコーディング作業時は、特にタバコの本数が増えるね〜。普段の倍くらい吸ってしまうのだ。

◆Vol.50◆ 9月5日(木)13:00〜24:00 at Rabbit Studio
Robin & Neloのコーラス・レコDay。今日(こんにち)の録音システムだと、無数にトラックが使えるから、2声のハーモニーも別々に録れるんだ。そのほうが後でバランスもとり易いし、一人が失敗してやり直しってこともないから楽。でも二人一緒に録るほうが息が合ったり一体感が出たりするから、臨機応変に両方のやり方を使い分けるのだ。コーラスもリードVoと同じで、ほとんどをダブル・トラックにするよ。この日、コーラス全曲いけるかと思ったけど、無理だったね。さすがに集中力が切れてきて10曲で終了。 8時間くらいかけて「KIseKI」〜「Hit & Run」までの10曲分のコーラス録音。やっぱりコーラスが入るとだいぶバンドっぽくなるし、華やかになるし、完成に近い感じになるね。バンドっていいね。Photo撮り忘れた〜!

二人が帰った後、録音したもののチェック(おかしい部分はないか?足りない部分はないか?)して、仮2mix(※注1)。

※注1【2mix】 楽器、歌等、別々にあるトラックのバランスや音質を整えて2トラック(左右ステレオ)にすること。PCやipodやCDプレイヤー等で普通に再生できるようなmp3等のファイルにする。

◆Vol.51◆ 9月10日(火)22:00〜6:00 at Rabbit Studio
9月5日に録音したコーラスのチェック(未チェックの曲)〜仮2mix。

◆Vol.52◆ 9月12日(木)14:00〜4:00 at Rabbit Studio
Robinの歌入れDay。Robin曲「チェンジ!」のリードVo&ダブルVoを録音。さすがにRobin、早いね、すぐ完成したよ。本人は自分の声嫌いだって言うけど、よく通る華やかないい声してるし、音程もいいし、羨ましい限りだよ。

Robin & Neloのコーラス・レコDayにヤッた「BEAT BEAT BEAT」に、後日思いついたコーラスを追加。「L-O-V-E」、「レコード・ショップへいこう!」、「レモン」のコーラスを録音。

Robin帰った後、「BEAT BEAT BEAT」のAメロのJeffVo.にハモるパートを録音。ひとりハーモニーだね。大好きなチューブラー・ベルをダビング。

Vol.53◆ 9月18日(水)21:00〜0:00 at Rabbit Studio
「すき。」にアコースティック・ギター(コード弾き)をダビング。アコギ=フォーク=ロックじゃない!ってイメージのせいか、あの野暮ったいルックスのせいか、基本アコギは好きじゃないんだよね。だからほとんど使わないんだけど、バラード系にはやっぱり合う場合があるんだよね。曲の為なら、ショーガネーショーガネー。ビートルズだってローラーズだっていっぱい使ってるし。ビートルズが使ってたGibson J-160Eに似てるからって、たぶん80年代に買ったMorisのアコギでプレイ。ピックアップはついてないけど。

◆Vol.54◆ 9月26日(木)14:00〜2:00 at Rabbit Studio
「L-O-V-E」、Jeffコーラス、タンバリン、チューブラー・ベルをダビング。

「レコード・ショップへいこう!」、Jeffギターをダビング。Gibson Firebird V。

「プレイボール」、仮だったJeffギターをホンチャンに弾きなおす。Tokai Flying V。

「チェンジ!」、Jeffコーラス、タンバリン、チューブラー・ベル、隠し味的にアコースティック・ギターをダビング。

「レモン」、Jeffコーラス、タンバリンダビング。


◆Vol.55◆ 9月30日(月)20:00〜2:00 at Rabbit Studio
「L-O-V-E」、チューブラー・ベルのフレーズを変えて弾き直し。ピアノをダビング。

前のアルバムまで使ってたタンバリン(ダブル:簡単に言うと、名称がわかんないけど、あのカシャカシャ鳴る鉄の部分が2列になってる)が部屋中探しても見つからず、別のシングルのを使って録音を続けてたんだけど、ザ・タイガースの映画「華やかなる招待」の中でジュリーがダブルのを使ってるのを見て、やっぱりダブルじゃん!と、形から入る僕は、ダブルのをネットで探して取り寄せたのでした。それが来たんで振ってみたんだけど、凄く音が小さいし、全然理想の音じゃないの。何で鳴らないのだ?って、よく見たら木の穴の部分が狭すぎるからだって分かったの。カシャカシャ鳴るやつが振れる幅が全然ないから、構造的に鳴るわけないよね。じゃ穴を広げればいんじゃん、てことで彫刻刀で穴を広げたよ。8箇所くらい。全然良くなった!

◆Vol.56◆ 10月1日(火)20:00〜2:00 at Rabbit Studio
「L-O-V-E」、仮だったJeffギターをホンチャンに弾きなおす。Tokai Flying V。

◆Vol.57◆ 10月2日(水)15:00〜22:00 at Rabbit Studio
まずネロが来ラビで、「L-O-V-E」、「レコード・ショップへいこう!」、「チェンジ!」、「レモン」のネロのコーラス・パートを録音。そしてネロ曲「プレイボール」のリードVoを録音。コーラスを歌った後だったけど、やっぱりリードVoは一発ではいい声が出てこないね。2度3度4度・・・歌ってるうちにやっとイイカンジになるんだよ。リードVoはコーラスとは全然違うってことだし、一番手間がかかるね。まぁ、一番肝心なとこだから焦らずやるのさっ。

18:00頃ロビン合流。ネロ曲「プレイボール」にJeff & Robinコーラスをダビング。最後に3人で何曲かにクラップをダビング。僕らのクラップは通常、両手で両ひざを叩くスタイル。このほうがグラムっぽい厚くていい音がするんだよ。場合によって普通の手を叩く手拍子も混ぜたりね。とにかくクラップってのは凄いよ。入ってるのと、入ってないのじゃ全然違う。ビートが強調されて、よりノリがでるし、よりキラキラしてくるし、オレンジ・サウンドには絶対欠かせなくて、半数以上の曲に入ってるね。もっとかな。


◆Vol.58◆ 10月6日(日)20:00〜23:00 at Rabbit Studio
「KOE」に、チューブラー・ベル、ピアノ、ティンパニ、ブラス、タンバリン、Jeffギターをイントロ、Cメロ(※注1)にダビング。

途中、壁の上のほうのフックに、ずっとナイナイと思ってたタンバリンを発見!なんだよ!買っちゃったよ。直しちゃったよ。アホだなぁ。で、振ってみたら、新しく買って直したやつよりいい音するんだよ。まいったなあぁぁぁ。やっぱりこれ使おうってことで、「L-O-V-E」を叩き直し〜。まいったなあぁぁぁ。

※注1【Cメロ】だいたい、曲の後半、最後のサビにいく前に1回だけでてくる部分。少年隊「仮面舞踏会」で言うと「いっそエクスタシ〜♪」のとこ。古いかっ!僕の好きな60〜70’S の曲では、ほとんど出てこないね。80’S以降のJ-Popと呼ばれるようになった日本の曲には、ほとんど出てくる。あっ!やはり「仮面舞踏会」以降頻繁になったのかも!筒美京平!オレンジズの曲ではあんまり使わないようにしてる。短くてシンプルなのが好きだから。今回のアルバムでは、この曲だけかな。


◆Vol.59◆ 10月7日(月)20:00〜0:00 at Rabbit Studio
「宇宙(ソラ)のルーレット」の頭の部分を作成。歌とギターだけで少しスローに始まる部分なんだけど、メロトロンも入れてみた。いいカンジ〜。

◆Vol.60◆ 10月10日(木)22:00〜2:00 at Rabbit Studio
「KOE」にピアノ、マラカスを追加。タンバリン・パートを発見されたので叩き直しっ。うっ。この曲のCメロ部分、ビートルズのある曲のイントロにビートが似てることに気付いて、あらためてその曲を聞いてみたら、ずっとタンバリンだと思ってたのはマラカスだったの。だから、それを真似してマラカス入れてみたの。GOODです!さてさて、ビートルズのどの曲でしょう?ニヤリ。

◆Vol.61◆ 10月12日(土)15:00〜21:00 at Rabbit Studio
久々Mal登場!なかなか都合があわなくて、やっとMal来ラビ。抜けたままになってたMalのコーラス・パートを8曲録音。Malのコーラス・パートはそんなに多くないから、この日でオール・クリア。リンゴやムーンはあんまり歌わないでしょ?オレンジズでは全曲コーラスが入るから、Robin & Neloで足りない場合に入ってもらうんだ。Malは高い声が出るから、そういう声が欲しい時とかね。

コーラス全曲制覇した後、ついにMal曲「レモン」のリードVoを録音。ショーでも披露したことのない、歌詞も出来たてホヤホヤの曲だから、「歌詞、もうちょっとこ〜したらいいんじゃん」とか相談〜修正しながらね。わりと早く完成したよ。

Oh!これでついに全曲のリードVo&コーラスまでホボ録り終えたぞ!後は、1曲づつ確認しながら、楽器や、場合によってはコーラスを追加したり、直したり・・・って作業だ。これを足してみたらどうだろう?とか音を少し変えてみたらどうだろう?とかやりながら完成させていく、ちょっとパズルみたいな作業でレコーディング過程のなかではナカナカ楽しい部分だよ。一番大変な歌レコがすべて終わってるしね。Yeah!

●2013(Vol.1-61) ●2014(Vol.62-100)