俺の竜、見てくれる?
育成日記コーナー


 

  青白く発光する門を潜り抜け、
  精霊の塔へと突入するシンゴ一行。
  この先には世界を害する精霊が待っている。

  しかし、竜の扱いもおぼつかない新人はそれどころではない。
  まずはメグから教えを乞うことに。
  習うより慣れろ。
  なにはともあれ竜に乗れ。


 竜使い・5日目

  ドカン。
 これから幾度となく潜ることになるであろう門を抜けると、
 目の前には、やや狭い空間が広がっていた。
 周りを石で固められていて、
 空気がひんやりしていそうな印象を受ける。
 
 ・・・ひんやりしていそうな印象を受ける。
 とかなんだとか冷静な感想を述べているが、
 そろそろ両の手が疼きはじめてもいた。
 りゅ…竜を動かしたい!
 そろそろ自分で操作したくなってしまっているのだ。
 カタカタカタカタ、コントローラも唸っている。
 そうか、コントローラ、お前もか!
 
  そんな異様な僕の様子を察したのか、
 さっそくメグのレッスンが始まる。

          〜レッスン1・竜の走らせ方〜
             まあ、やってみろ。

  押忍!メグ先生!
 やっぱりこーゆうのは体に覚えこませないといけませんよねっ。
 頭で分かっててもしょうがないっスもんねっ。
 と、勝手に自転車と同じことなんだろうと、解釈することにする。
 
 『ちゃんと後ろ支えてる?支えてるっ!?』
 『うん、支えてる支えてる』
 『うわー、ウソばっかり!支えてないじゃーーーーん!』
 ドンガラガッシャーーン。
 である。
  コケてコケて、ようやくチャリンコライダーの
 ライセンスが取得できるのだ。
 竜は生き物だけど、同じようなものだ、きっと。
 ということにしとこう。
 
  しっかし、竜の移動はふたつのアナログスティックを使うのだが、
 これがまた、なかなか思うようにいかない。
 この「思うようにいかない」は、このゲームの肝でもあると
 僕は思っているので、
 少しむずがゆいけど、これでいいのだと思うことにする。
 しっかし、妙な動きをしてしまうなぁ。
  
  ある程度、バタバタとそこらじゅうを走っていると
 「時間もないし続きは敵さん まじえて練習しましょ」
 と、メグ。
 そうだ、新人テストだ。
 移動の練習で終わってしまってはマヌケにもほどがある。
 素直にメグの後をついていくことにする。
 そして壁を目の前にして次のレッスン。

          〜レッスン2・ゲートの開け方〜
             ひらけ〜 ゴマ〜。

  押忍!メグ先生!
 僕知ってますよ!
 『アリババと40人だか50人だかの盗賊だか山賊だか海賊だか』
 の話っスよね、それ!?
 知ってますとも〜!

 と、バカ話は置いといて。
 精霊が封印したゲート(竜の股をかたちどった門)は、
 「希望の枝1」というアイテムで、その魔力を払えるらしい。
 アイテム枠が少ないため、その1枠が圧迫されることになるが、
 常にひとつは持ち歩いていた方が良さそうなアイテムだ。
 
 
  そして、ついに。
 ゲートの魔力を解き放ち、
 いざ、テスト会場へのゲートをくぐる。
 するとまた、青空の下へ出てきた。
 しかし場所は違うようだ。
 遺跡だろうか。
 そこここから柱が伸びている。

  ふーっ、よーし、いよいよ戦闘か!
 もう、どんな画面なのか見てみたくてどうしようもないぞ!
 フカフカッフカフカッとR1ボタンが蠢いている。
 そうか、R1ボタン、お前もか!
 
 「あ!そうそう忘れてた
  新人テストの合格ラインはこのメモの通りよ」
 と、興奮気味の僕を気に掛けることもなく、
 メモを渡すメグ。
 ふぅむ、どれどれっ。


 
竜 使 い 試 験 内 容

 塔内時間 8時間以内に
 下記に指定する 体数以上の
 精霊を 倒すこと
 本ミッションに限り
 司令本部に 納品の必要なし

 合格ライン: 5体 


 わはははは。
 明らかに10体と手書きで書いてある。
 こんなに分かりやすいと、さすがにピーンとくる。
 これはメグの
新人テスト便乗作戦だろう。
 愛いヤツめっ。
 
 さらに続いて。

         〜レッスン3・レーダーの見方〜
           マニュアルを参照のこと

 押忍!メグ先生!
 教えるの、めんどくさくなってねぇですか?
 オッケーですか?
 はい、わかりました。

 まだまだレッスンは続く。

          〜レッスン4・ロックオン〜
           マニュアルを参照のこと

 お、押忍!メグ先生!
 てーか、先生いらないじゃないですか!
 さっきからマニュアルしか見てないじゃないですか!
 こんなんだから、日本の子供たちの学力低下に繋がっちゃうんじゃないですか!
 と、久々にプチハッスルしていると唐突に、
 レーダーに注意しろ、とメグ。
  精霊が現れるようだ・・・。
 バトルとなったら隊長の僕の出番。
 気を引き締めなければ。
 メグも、バトルは僕の役目だと言っている。
 しかし、
 「アタシが戦ったらテストになんないじゃない。
  ま、みんなにはナイショでちょっとは手伝ってあげる。
  これで貸しは 3つね!」
 こんなことを言いやがってくださる。
 ・・・くそぅ。
 魂胆はミエミエなのに、貸しまで作られてしまうとは!
 むむむむむ・・・・。
 愛いヤツめっ。
 
 「で
え〜と バトルのやり方だけどーー
  とりあえず このへんがポイントだと思うのよねェ」
 もはや、レッスンが投げやりなメグ先生だが、もう気にしない。
 敵はもう、近くに忍び寄っているハズだ。
 マニュアルをよく確認する間もなく、
 「はい いってみよぉ〜〜!」
 と、先に歩みだすメグ。
 だんだん、せわしなくなってきた。
 ややすると、どこからともなく精霊どもが湧き出す。
 ・・・よし!
 ・・・このフカフカしたR1ボタンでロック・オンして!
 バトルじゃーっ!
 バトルの夜明けじゃーーっ!