俺の竜、見てくれる?
育成日記コーナー


 

  そこここから湧き出す精霊。
  にじりよる新人竜使いとレンタ竜。
  そのひとつに狙いを定め、ロックオン。
  精霊を別の次元へと飛ばす。

  そして、たった40秒の戦いは始まった。


 竜使い・6日目

  ゆらゆらとした水の膜に覆われたドームの中に、僕たちは飛んだ。
 ロックオンをして、この不思議な空間に飛ばないと
 精霊にダメージを与えることができないらしいのだ。
 
 ともかく、戦闘だ。
 制限時間は40秒。
 だが、あせる必要はない。
 コマンドを入れる時には、ちゃんと時間は止まってくれる。
 ゆっくり作戦が練れるというわけだ。
 
 「て・・・敵は・・・?」
 周りを見渡すと、ふわふわと丸い鳥が4体浮いている。
 ・・・。
 ・・・か、かわいい。
 サンリオ・ピューロランドに住んでるんじゃねーのか、
 ってくらい、かわいい。
 しかし、敵は敵。
 容赦なく、こちらを攻撃してくるに違いなかった。
 僕はレンタ竜に命令する。
 「なにか技、技・・・、よし、これ、やってみてくれ」
 “ジーラL”を選択するやいなや、
 レンタ竜は2,3歩下がり、口に冷気を溜めはじめた。
 シュゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・。
 ためる、ためる、ためる・・・。
 その溜めっぷりときたら、
 便秘のOLさんとタメを張れるんじゃねーのか、
 ってほどだ。
 ・・・バシューーーーーン!
  放った冷気は、
 ついに出た3日目のアレみたいな勢いで敵に襲いかかる。
 直撃!
 ついでに周りの2体をも巻き込む!
 消え去るサンリオキャラクター!
 レンタ竜は圧倒的に強かった!

 残る1体もメグが乗る竜の尻尾になぎ払われ、
 戦闘終了。
 あまりにもあっけない初戦であった。
 おそらくチュートリアルであるから、
 雰囲気がつかめさえすれば良いのだろうが、
 ちょっと反則すぎやしないかと感じた。
 これでは、
 もぐらvsゴジラ、
 ゴキブリvsゴキブリホイホイ、
 イーアルカンフーvsケルナグール、
 みたいなものである。
 (最後のは大接戦か!?)
 
 
 戦闘も終わり、もといた空間に戻ると、最後のレッスン。
 『竜にエサとなる精霊を与えること』
 メグは、さきほど捕まえた精霊をレンタ竜に食べさせてみせた。
 食べることにより、まんぷく度とHPは回復し、
 なおかつ竜は強くなるようだ。
  ココが、我が竜を見よで一番のポイントだと僕は思う。
 自分の竜がどのように育つのか。
 それが、食べさせる精霊だけで決まってしまうのだから。
 
 赤い竜にしようか。
 青い竜にしようか。
 はたまた、足の速い竜にしようか。
 鉄壁の防御を誇る竜にしようか。
 バスローブ着て、
 ワイングラス片手にペルシャ猫をなでている竜にしようか。
 そのためには、どんな種類の精霊を与えなければならないのか。
 悩みは尽きないハズだ。
 
  うむむむ、うむむむ。
 まだ見ぬ我が竜、グリングリンの育成法にもう悩み始めていると、
 メグの乗っている竜がバチバチと放電し始めた。
 これは、あれだ!
 ステップアップだ!
 竜には変身段階のステップがあり、
 ステップを重ねるごとに強くなっていくワケだが、
 今、メグのレンタ竜はステップ3からステップ4になったのだった。
 一回りからだが大きくなって、いかにも強そうである。
 
 
 「うそ〜!アタシ竜の姿が変わるとこ初めて見たわ!
  メチャかっこいいじゃない!」
 はしゃぐ、メグ。
 一緒に喜びそうになる、僕。
 ん?
 はじめて?
 それは、メグ先生に差していた後光が消えた瞬間だった・・・。
 
 
 
 
 
               

 

 

雑記 : 今回のストーリーは(まだ序盤ですけど)、
ずいぶんと分かりやすく作られているようですね。
ひらがなも多いですし、
子供でも理解できるつかみになっているように思います。

これを良いと捉えるか、悪いと捉えるか。
僕は、敷居を下げる意味では、とっても効果的だと思いました。
おそらく先には桝田さんテイスト溢れるストーリーが
待っていることでしょうからね。

新たな桝田ゲー・ファンが増えるに違いない。