俺の竜、見てくれる?
育成日記コーナー


 

  あまりにも頼もしすぎるレンタ竜。
  立ちはだかる精霊は、敵ではなかった。

  合格ラインとなる精霊10体の捕獲は、
  もはや時間の問題となっていた。


 竜使い・7日目

  反則的な強さを誇るレンタ竜であったが、
 それに乗っていることで拍子抜けする僕ではなかった。
 むしろ調子に乗ってしまった。

 『わはははは、そこいら中を焼け野原にしてやろうか!?』
 と、気分はまるで大魔王である。
 こうなったら、どっちが害悪なのか分かりやしない。
 
  とにかく目に付いた精霊を片っ端から
 ロック・オンして、ぶちかましていく。
 今の状況で、こわいものは無いと言ってよかった。
 『わはははは、冷蔵庫の中のプリンを食ってやろうか!?』
 と、気分はまるで風呂あがりの親父である。
 基本的に風呂あがり後の親父は無敵だ。
 
 気づけば割とあっさり、
 規定の10体は集まってしまった。
 「ありがとう!
  じゃなかった・・・おめでとう!
  これで新人テストの合格ライン突破よ!!」
 メグもとい、高山みなみさんの
 “わざとらしい祝福”の演技が相変わらず素晴らしい。
 だましてるけど、自分もうれしい。
 その苦笑いっぷりが想像できるようだ。
 続けて、メグは言う。
 「先生のアタシも鼻が高いわ。
  まだ時間があるから
  もう少し付き合ってあげてもいいわよ」
 僕はかなりの貧乏性なので、
 残りの制限時間もむだにはしたくなかった。
 なので、もちろん答えは『はい』だ。
 英語で言うなら『イェス』だ。
 気高いお嬢様風に言うなら『よろしくてよ』だ。
 すると、
 「今 最高の気分だからレッスン料はタダでいいわ。
  じゃ これもひとつ貸しね♪」
 と言われてしまう。
 また貸しかいーーっ。
 これで4つめじゃないかーーっ。
 ちょいと度が過ぎるぞーーっ。
 もし僕がカニだったら、
 泡吹いて卒倒しているところだぞ、まったく。
 
  そんなこんなで残り時間も、
 “そこらへんをやたらめっぽうな方向に走ってみる”
 という実に有意義な内容で終了。
 そのまま出撃ピットへ帰還すると、ハリー教官が待っていた。
 顔には笑み。
 「ほぉ、こいつは たまげた。
  はじめてにしちゃ 上出来だ!
  とはいえ、一人前には ほど遠い。
  そこでだ!
  これからも おまえら ふたりでチームを組むという条件でーー」
 やや、間が空く・・・。
 「合格にしといてやる!
  覚えとけ、ひとつ貸しだぞ!」
 おっしゃー!
 これで晴れて正式な竜使いになれたワケだ。
 しかし、またまた貸し。
 流行っているのか、これは!?

 この言葉を聞いてメグはというと、
 信じられない・・・といった風な表情をしている。
 「ホント・・・
  ホントに? ホントに今合格って言ったよね?」
 
 パラッパッパッパッパラーパーーーン♪
 
 急にハジけるようなファンファーレ的な音楽が流れ出す。
 と共に、ぴょい〜んと跳ねるメグ。
 「やったー!8回目にしてついに合格!
  ア〜ン♪ありがとう♪
  アンタってホント最高!
  これからも隊長って呼ばせて!
  アタシ、一生ついてくから!」
 8回は多すぎるだろうに、
 と思いながらも、返事はもちろん『はい』だ。
 ロシア語で言うなら『ダー』だ。
 プロポーズの返事風に言うなら
 『ふつつかものですが、どうぞよろしくおねがいします』だ。
 嫁入り道具は桐のタンスでよろしいでしょうか?
 
 が、
 「あ、ごめん!やっぱ一生は大げさだよね。
  じゃ、とりあえず3週間くらいで一生分カンシャするわ。
  これからもヨロシク!隊長

 とメグに軽く言われてしまう。
 ・・・う〜ん、このシビれるセリフ回し。
 いかにも桝田さんのセリフという感じがする。
 なんというか、したたかに生きる女の強さが出ているのだ。
 もしかしたら、女って、
 3週間で生まれ変わる生き物なのかもしれない。
 とも思わされてしまう。
 
 とにもかくにも、

『メグがシンゴチームに加わった』

 のであった。

 
 
 
 
               


やったね、メグさん。

 

 

雑記 : 長すぎる!
こ〜の育成日記は長すぎる!
このペースだと終わりが見えないぞ!

というワケで次回から
急に箇条書き日記になってたりして・・・。