28. 木工事(4)

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■2002年3月28日(木)〜31日(日)

壁や間仕切りの工事はほぼ完了しました。
この写真は2階の階段下の様子です。こうした複雑な形状の部分はやはり手が掛かるようです。

 

 

1階天井に軽天(けいてん)が施工されました。軽天とは軽量鋼製下地材のことで写真のような4cm角ほどのパイプ状のもので、店舗や公共施設の天井や壁によく使われています。木材に比べて反りや寸法の狂いがなく、施工性も高いので、最近は住宅でも使われることが多いそうです。手許のヘーベルハウスのカタログでは木材が使われたイラストになっていますが、しばらく前から軽天が使われているようです。


二世帯天井部分の軽天と鉄骨とは防振(振れ止め)金物で固定されています。


防振金物の拡大写真です。上部の金具で挟まれた黒い部分はゴムでできており、振動を吸収し防音性を高めます。


1階天井部分の軽天の上にグラスウールが詰められました。グラスウールは株式会社マグの「マグシルバーポリカット」です。

 


外気に触れる部分の天井には断熱性の高いグラスウールが使われます。この写真は1階南東側の和室の天井ですが、半分は2階ベランダの下にあたるため、天井の半分ずつ異なる性能のグラスウールが張られています。


・グラスウールについて

株式会社マグの「マグシルバーポリカット」はグラスウールの上下をフィルムでサンドイッチにしたもので、特に室内側には長期間使用するうちに室内の湿気を吸って断熱性が低下するというグラスウールの弱点をカバーするため、ポリエチレンフィルムを使用しています(室外側は孔あきアルミ蒸着プラスチックフィルム)。

我が家では全部で3種類のマグシルバーポリカットが使用される予定です。

品番

相当密度
(kg/m3)

呼び厚さ
(mm)

熱抵抗値(R値)
(m2・h・℃)/kcal

用途

PV50A

10

50

1.2

階上が外気に触れない部分の天井用

PV1655A

16

55

1.6

2階ベランダ下の1階天井部分、屋上ベランダ下の2階天井部分

PV16100A-HG

16

100

3.0

トップハット天井部分


通常、住宅用に使用されるグラスウールは、密度が高く厚さが厚いほど断熱性が高くなります。ベランダの下の階などは外気に影響され易いため性能の高いグラスウールが採用されていると思われます。特にトップハットの天井に採用されているグラスウールは一般住宅用としては高性能グラスウールに分類されるもので、品番記号の[-HG]がそれを表していると思われます(通常のものでは同じ密度・厚さのものでもR値は2.6にとどまる)。

・グラスウールの発ガン性について

以前、アスベストと並んで、グラスウールについても発ガン性が問題にされた時期がありましたが、どうなのでしょう。
(株)マグのHPからの情報を引用すると、

2001年10月9日より16日にリオン(フランス)で開催されたIARC(国際ガン研究機関)の評価見直し会議において、グラスウールを含む人造鉱物繊維はグループ〈2B〉からグループ〈3〉に改正されました。

IARCは1987年にグラスウールを含む人造鉱物繊維をグループ〈2B〉に分類しましたが、これは動物の肺や体内に、実際にはあり得ない程大量の繊維を直接注入するという、通常の呼吸による吸入とは異なる方法で行われた実験結果がベースとなっていました。

その後行われた数多くの調査・研究において、グラスウールが原因と考えられる異常が認められないことから、この度分類が変更されました。

グループ1

ヒトに対して発ガン性がある

アスベスト、カドミウム、タバコ等

グループ2A

ヒトに対して発ガン性でありうる

ディーゼル排気ガス、紫外線等

グループ2B

ヒトに対して発ガン性の可能性がある

ウレタン、スチレン、コーヒー

グループ3

ヒトに対する発ガン性について分類されない

紅茶、カフェイン、ヘアカラー

ということで、ひとまず安心して良さそうです。

また、同社のHPや硝子繊維協会のHPでは、他の断熱材と比較しながらグラスウールの特性を詳細に解説しています。もちろん自業者のHPですので割り引きながら見る必要はあると思いますが、具体的な実験の写真などを多用したなかなか意欲的なサイトで、一見の価値があると思います。特に我が家の外壁の断熱材としても使われているポリスチレンフォームを、白アリが好んで食べるという情報は興味深いものです。
ヘーベルハウスは床材に木を使わないため白アリの被害からは無縁と思っていましたが、断熱材が白アリの被害を受ける可能性があるとなると、それなりの警戒を必要とするかもしれません。

 

■2002年4月1日(月)〜3日(水)

1階の天井と一部の壁に石膏ボードが貼られました。

・石膏ボードについて訂正

前回(27.木工事(3))で、壁の下地にタイガーハイクリンボードが使用されると書きましたが、ハイクリンボードが使用されるのは押入の内側などクロスをはれない部分だけで、壁下地及び天井に使用されているのは一般的なタイガーボードです。


・配線の養生

天井にグラスウールが張られる前に、間仕切りの隙間に引き込んだ配線が、鉄骨の梁の角に接触しているのを見つけました。
安全面で気になったので監督さんに伝えたところ、改めてチェックして写真のように養生処理をしてくれました。
すでに石膏ボードを張ってしまった1階も、部分的にボードをはがして処理していただいたそうです。
もう少し早めにお願いすれば良かったと反省しています。


4月3日の夜、監督さんから電話がありました。なんと4月から異動が決まったそうで、後任の監督さんとの顔合わせのスケジュール調整の電話でした。
なるほど年度をまたがった場合、こういうこともあるのですね。でもせっかくここまで一生懸命やっていただいたのに、完成を見ずに異動とは残念です。


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