子どもをタバコから守る会・愛知

   タバコ対策ニュース 2006年7月〜12月

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               2006年1月〜6月


(2006.12.24)  県知事候補者アンケート

 来年早々に、愛知県知事選挙があります。1月18日告示、2月4日投
票です。

 これまでに、阿部精六氏(愛知県労働組合総連合(愛労連)元議長、愛
労連労働相談センター所長) 、石田芳弘氏(前犬山市長)、神田真秋氏
(現愛知県知事)の3人が立候補を表明しています。

 この3人の候補者に対して、子どもをタバコから守る会・愛知と日本学
校保健学会「タバコのない学校」推進プロジェクトから共同で、タバコ対策
に関するアンケート用紙を送り、回答を来年1月6日必着でお願いしまし
た。 (22日にアンケートを、速達で各候補者の事務所に送付しました。)

 回答していただけたら、告示前に、子どもをタバコから守る会・愛知の
会員の方に、メイルでお知らせするなどしたいと思います。
 そのときは、回答を投票の参考としてくださるようお願い致します。

 また、投開票後は、回答結果を、タバコ対策関係のメイリングリストに
紹介したり、「タバコのない学校」推進プロジェクトのホームページに掲載
したりしようと考えています。


(2006.12.23)  路上禁煙条例を可決/那覇市議会

                           沖縄タイムズ 12月20日

 那覇市議会の路上等喫煙防止条例に関する調査特別委員会(金城徹
委員長)は20日、悪質な喫煙者に対し禁止区域での罰則を定めた「路上
喫煙防止条例」案を全会一致で可決した。25日の市議会12月定例会
の最終本会議に提案、可決する予定。

 条例施行は2007年4月から。罰則は09年4月からの適用で、周知期
間を2年設けた。路上喫煙で罰則を設けた条例制定は県内初。禁止区
域は市長が定めることになっているが、これまでの議論から国際通りが
想定されている。


(2006.12.22)  名古屋のタクシー全車禁煙 来年5月

                     東京交通新聞 12月18日(月曜日)

 名古屋タクシー協会(森博一会長)は、14日開いた理事会で全車両一
斉禁煙化方針を決めた。来年5月から実施する予定。

 同協会加盟の法人・個人タクシー約8000台。地域内のタクシー全車
の禁煙化は大分で先行して取り組んでいるが、政令指定都市では初め
て。

 また名古屋地区では12日、タクシー運賃改定申請車両数が審査に必
要な「7割」を超えた。

 (意見)
 とてもうれしいニュースで、社会全体に与える影響も非常に大きいと思
います。
 しかし、今後、タクシー会社やタクシー乗務員に、受動喫煙防止の重要
性について啓発することがとても大切です。 
 「子どもをタバコから守る会・愛知」が、そのような啓発教育に協力でき
ることを期待しています。


(2006.12.21)  「子どもをタバコから守る会・愛知」の世話人らが
              タクシー協会を訪問

 12月15日に、中川恒夫世話人代表、稲垣幸司世話人と家田重晴世
話人が、愛知県タクシー協会と名古屋タクシー協会を訪問した。

 いずれの協会も、タクシー受動喫煙訴訟の判決(2005年12月)や新幹
線(JR東日本など)の喫煙車両廃止の方針などを受けて、タクシーの受
動喫煙防止対策について再検討を始めていたようである。

 今回、東海学校保健学会、(社)愛知県医師会、(社)愛知県薬剤師会、
(社)愛知県看護協会、(社)愛知県歯科衛生士会、及び子どもをタバコ
から守る会・愛知から、タクシー禁煙化の早期実現を要望しましたが、こ
のことは、タクシー協会にとって、ちょうど良い後押しになっているように
思われた。
 (所属のタクシー会社への良い説明材料となっていることであろう。)

 両協会とも、来年には所属会社のタクシー禁煙化が、ある程度進むの
ではないか、という感触があったので、今後の動向を、期待を持って見守
りたいと思う。

 なお、講演会や講習会などを開催する場合には、ぜひ当会に協力させ
てほしいとお願いしてきた。


(2006.12.20)  愛知【名古屋市】市外の人にも路上禁煙を 
              名古屋地区の鉄道が一斉PR
                        Chunichi Web Press 12月19日

 名古屋市の路上禁煙地区(名古屋駅、栄、金山、藤が丘)をもっと知っ
てもらおうと、名古屋地区を運行する5つの鉄道が、今月上旬から車内
で中づり広告を出したり、ポスターを張ったりとあの手この手でPRを展開
している。市は路面表示を大きくしてアピールしているが、市外から訪れ
た人への浸透度はいまひとつ。一斉にPRしようと、各事業者は無料で協
力を買って出た。

 PRを展開しているのはJR東海、名鉄、近鉄の3社と第3セクター鉄道
あおなみ線、市交通局。これまで車内アナウンスはまちまちで、PRにつ
いて有料としていた会社もあった。

 市職員が今年9月、全国で初めて過料徴収を実施した東京都千代田
区を訪れた際、「路上禁煙は鉄道でのPRが不可欠」とのアドバイスを受
けた。市は人の往来が増える年末がPRのチャンスとばかり、鉄道会社
などに協力を依頼。いずれも1週間から1カ月程度、無料での広報を引
き受けた。

 市は、中づり広告用の2800枚のポスターを各鉄道に配った。JR東海、
名鉄、近鉄、あおなみ線で中づり広告を展開。民鉄3社で路上禁煙の中
づり広告は初めて。名鉄は、特急電車のドア付近にあるテロップも流して
いる。市営地下鉄では全駅でポスターを掲示するとともに、車内でスポッ
ト放送を行っている。

 禁煙地区で違反をすると2000円を過料徴収される。7月から11月末
までに計約2200人が過料処分を受けた。住所が判明している1155人
のうち、市外在住は約7割。東京都や大阪府、岐阜、三重県などから訪
れた人が目立っている。 (原一文)


(2006.12.18)  岡山市立の全幼小中高 敷地内すべて禁煙

                             読売新聞 12月15日

 校舎でも校庭でも、たばこはダメ――。岡山市教委は、来年度からすべ
ての市立の幼稚園と小中学校、高校計192校園の敷地内を全面禁煙に
することを決めた。県内の市では初めて。教職員だけでなく、来校する保
護者や地域住民も対象で、子どもの受動喫煙を防ぎ、大人が喫煙する姿
を見せないことで禁煙指導を徹底する。

 健康増進法で、学校や事務所など多くの人が集まる施設の管理者に対
し、受動喫煙防止対策をとるよう努力義務を定められてから3年。全国の
政令市15市では、12市が市立学校園の敷地内全面禁煙を実施してい
る。県内では、今年5月時点で、公立学校園の敷地内を全面禁煙にして
いる市町村はゼロ、喫煙室を設けて完全分煙しているのが5市町、建物
内全面禁煙が8市町村だった。

 岡山市教委は2004年度から建物内を全面禁煙にした。今年11月現
在、教職員の喫煙率は幼稚園で0.7%、小学校7.4%、中学校15.6
%、高校14.3%。

 「喫煙者に厳し過ぎる」との声もあるというが、自主的に敷地内全面禁
煙を先行導入している学校園もあることから、禁煙体制を強化しようと踏
み切った。

 市教委は今年度中に、教職員を対象に講習会を開き、受動喫煙の害
などについて改めて指導、喫煙者には禁煙相談を行う予定。各学校園は、
来校者にも禁煙を守ってもらうため、来年度までに敷地内にポスターやシ
ールを張り、敷地内禁煙への協力を呼びかける。


(2006.12.16)  岡山県禁煙問題協議会がたばこの害訴え
             カレンダー作製  小学生が絵、標語 コンクール
             優秀作掲載/岡山
                              山陽新聞 12月11日

 岡山県禁煙問題協議会は、たばこによる健康被害を訴えた2007年の
喫煙防止啓発カレンダーを作製した。県の健康づくりの指針「健康おかや
ま21」の一環。県内の自治体や小中学校などに3500部を配布する。

 カラー刷りB2判。世界禁煙デー(5月31日)に合わせ、県内の小学4―
6年生から募集したポスターコンクールの優秀作8点を掲載した。

 県知事賞の総社市立常盤小5年の仲村陸君は、「STOP! たばこ生
活」との標語を添え、たばこの副流煙で周囲の人が被害を受ける実態を
分かりやすく表現。県健康づくり財団理事長賞の井原市立木之子小6年
の村上聖夏さんは、喫煙で肺がむしばまれていく様子を描き、「その1本
があなたの肺を灰にする」と警告している。

【写真】 たばこによる健康被害を訴えた2007年の喫煙防止啓発カレン
     ダー


(2006.12.11)   禁煙挑戦、半数が失敗 
               ノバルティス・ファーマ調べ
                        FujiSankei Business i. 12月7日

 「喫煙者の4人に1人が禁煙に挑戦したものの、半数以上は既に失敗」。
ノバルティス・ファーマは6日、2006年中に禁煙を試みた国内の喫煙者
を対象とした調査結果を発表した。
 
 今年禁煙を試みた喫煙者は24%で、きっかけは7月のたばこ増税が
60%を占めた。しかし、10月時点で52%が既に断念したと答えた。一
方、インターネットを活用して、禁煙に取り組んだ人の70%、禁煙外来を
受診した人の69%がそれぞれ禁煙に成功。ネットには、医師が禁煙を
続けるアドバイスをしたり、禁煙成功者がコツを伝授するサイトなどが開
設されているという。

 調査は10月、20〜50代の喫煙者7091人を対象に実施。


(2006.12.6)  大阪・御堂筋たばこアカン…吸ったら過料1000円

                           Yomiuri Online 11月11日

 大阪市の関淳一市長は10日、御堂筋周辺(北区・JR大阪駅前―中央
区・難波)の路上を喫煙禁止地区に指定し、違反者から1000円の過料
を徴収する方針を明らかにした。2007年度の施行を目指して検討して
いる「路上喫煙防止条例」に盛り込む考え。

 市は、同条例で、市全域の道路や公園などで喫煙や火のついたたばこ
の所持を規制し、中でも、やけどや受動喫煙の被害などが想定されると判
断した地域を、行政罰を伴う禁止地区に指定できるようにする方針。

 御堂筋を選んだ理由について、関市長は「『大阪はマナーの良い街』と
アピールするにはシンボル的な場所がいい」とし、過料の額に関しては
「高額にしても徴収できていない都市があり、効果を上げられる金額がい
い」と述べた。16日から1か月間、市民の意見を募り、決定する。

 路上喫煙禁止条例をもつ自治体のうち東京都千代田区と名古屋市は過
料2000円、札幌、広島両市は同1000円と定めている。


(2006.12.4) 路上喫煙 川越市も禁止へ 違反者は罰金1万円以下
            /埼玉
                               Web 埼玉 11月30日

 川越市は30日、路上喫煙禁止地区を指定し、違反者に罰金を科す「市
路上喫煙の防止に関する条例案」を12月議会に提案する。市民の身体や
財産の安全を確保するとともに、たばこの吸殻の散乱防止などを図るのが
狙い。

 路上喫煙防止条例を制定しているのは、県内では川口市や所沢市など計
7市。このうち、志木、朝霞、和光、新座の四市が川越市同様に罰則を設け
ている。

 条例案によると、市内全域では、道路や公園など屋外の公共に供する場
所(道路等)で喫煙しないように努めるほか、駅周辺や人通りの多い商店街
などを「路上喫煙禁止地区」に指定、この地区内の道路等での喫煙を禁止
する。違反者については1万円以下の罰金を科す。

 条例の施行は来年4月1日。ただ、罰則については同年10月1日から適
用する。現行の喫煙禁止地区案では、川越駅と本川越駅周辺、両駅と川越
市役所を結ぶ商店街などが喫煙禁止地区に指定される予定。

 同市は「条例制定は罰金を取るのが目的ではなく、注意をして辞めてもら
うことが第一義。施行後は条例の周知徹底を図るため、市職員などに市内
を巡回させたい」などと話している。


(2006.12.2)  名古屋市:路上禁煙徹底へ、大型の路面表示−
             −来月から4地区に /愛知

                    ヤフーニュース(毎日新聞) 11月29日

 ◇市外者に周知図る
 名古屋市は28日、市内4カ所(栄、名古屋駅、金山、藤が丘)の路上禁煙
地区に、より分かりやすい大型の路面表示を12月上旬までに整備すると発
表した。

 過料を導入した今年7〜10月の違反者は1733人で、7月の413人から
10月は469人に増えた。違反者のうち市内296人に対し、市外609人、不
明828人と、市外には禁煙地区指定の取り組みが十分広がっていない状
況だ。

 このため、65センチ四方の大型表示を54枚作成。現在の路面表示(45
センチ四方)計974枚に加え、4地区に追加設置し、禁煙地区であることを
鮮明にする。デザインはこれまでと大きな変更はないが、禁煙マークを大きく
し、目立つようにした。【清藤天】


(2006.11.30) 教師の卵、禁煙 兵教大が来春から学内全面で

                           神戸新聞ニュース 11月25日

  兵庫教育大学(加東市下久米)は、来年4月からキャンパス内を全面禁煙
にすることを、24日までに決めた。「教師の卵が自ら禁煙しないと、子どもに
禁煙指導はできない」との信念からで、同大によると「県内の国公立大では
初めてでは」という。喫煙者の教職員、学生には「ニコチンパッチ」を提供して
禁煙をサポートするなど、実施に向けた取り組みを本格化させる。
(金井恒幸)

 兵教大は学部生、大学院生を含め約1,500人の学生と、教職員280人
が所属する。

 受動喫煙防止の観点などから、同大は2003年10月、喫煙を指定の場所
に限定。しかし、喫煙者がなくならないため、たばこの害を説いた著書のある
勝野眞吾副学長が委員長を務める「キャンパス環境・安全委員会」が今年3
月、全面禁煙の方針を決めた。

 4月に、教育実習施設や付属の幼小中学校がある「山国地区」を全面禁煙。
10月には、嬉野台キャンパス敷地内と建物1階を禁煙し、建物2階以上の指
定場所でしか喫煙ができなくなった。

 「強制ではなく、禁煙の重要性を納得してほしい」と、今月22日には、全国
で「大学禁煙化プロジェクト」を進める奈良女子大の高橋裕子教授を招いた
講演会を開催。来年1月からは喫煙者を集めて計3回、ニコチンパッチを試
す「禁煙教室」を開き、たばこ愛好者を減らす方針だ。

 兵教大はキャンパスに隣接して学生や職員の宿舎があるが、「生活空間な
ので(禁煙しろとは)言えない」(同大)と当面は静観する意向。喫煙者のある
男子学生は「宿舎では吸えるので、学内では我慢します」と話していた。

【写真】 学内禁煙を訴える張り紙を見る学生ら=加東市下久米、兵庫教育
     大学


(2006.11.28)  禁煙タクシー、目標2割 都心の業界、
              値上げの代わりに
                               アサヒコム 11月25日

 運賃の値上げが審査されることとなった東京都心(23区、武蔵野、三鷹地
区)の法人タクシー業界が、値上げが認められた場合に、禁煙車の割合を2
割にまで引き上げる計画を検討していることがわかった。値上げに対する
「見返りサービス」としての位置付けだが、各社ともドライバーの「禁煙教育」
を迫られるかもしれない。

 都内の法人タクシー業界ではこれまでも、値上げのタイミングにあわせて、
空気清浄機や点字案内を全車へ設置するなどしてきた。「値上げによる割
高感をサービスの向上で抑え、客足をつなぎとめる」(あるタクシー会社)とい
うねらいからだという。

 そこで今回は、禁煙車に着目した。同地区の法人タクシーは328社で約3
万2500台。禁煙車を2割以上抱える大手も数社あるが、全体でみると禁煙
車は3%程度の約1000台にとどまっている。会社ごとにばらつきがあること
から、各社とも禁煙車を2割導入する目標を盛り込む計画を進めている。

 すでに2割以上を禁煙車としている、大手タクシー会社の幹部は「禁煙を希
望されるお客様が増えており、時代にあった対応だと思う」と話す。

 各社とも禁煙車に限らず、乗務員の車内喫煙を禁止しているが、食事など
の休憩中に外で喫煙すること自体は禁止していない。だが、禁煙車では「に
おい」が残らないように、ドライバーに完全禁煙を指導している。

 一方、現状では禁煙車の導入率には会社ごとにばらつきがある。すでに2
割を達成している会社に比べると、これから比率を引き上げなければならな
い会社にとっては、非喫煙ドライバーの確保や、喫煙ドライバーへの禁煙指
導が急務となりそうだ。


(2006.11.26) 喫煙者率26.3%に低下 11年連続で最低更新

                           Chunichi Web Press 11月23日

 日本たばこ産業(JT)が22日発表した2006年全国たばこ喫煙者率調査に
よると、成人でたばこを吸う人の割合は、昨年6月の調査に比べ2.9ポイント
減の26.3%に低下し、11年連続で過去最低を更新した。

 調査は8月に、全国の男女3万2000人を対象に郵送で実施。1万8595人
から回答を得た。昨年までは1万6000人を対象に訪問回収していたため、
JTは単純比較はできないとし「昨年試験的に実施した1万6000人の郵送調
査と比較した2.3ポイント減少が実態に近い」と説明している。

 男女別では、昨年の公表値と比較すると男性が4・5ポイント減の41・3%と
15年連続の減少。女性は1.4ポイント減の12.4%。喫煙者率が高いのは
年代別では男性が30代(48.7%)、女性は20代(18.8%)。地域では男
女とも北海道(男性50.9%、女性22.5%)がトップだった。


(2006.11.23) 禁煙徹底、全入学者に「誓約書」…中部学院大・短大

                      ヤフーニュース(読売新聞) 11月22日

 岐阜県関市にある中部学院大学と同短期大学部は、来年度の入学者全員
に構内や周辺での「禁煙誓約書」を提出させることを決めた。

 学校の敷地内や駐車場に加え、付近の幼稚園や養護学校などに配慮し、
周辺100メートルの範囲も禁煙対象地区に指定し、禁煙を徹底させる。文部
科学省の研究班によると、名古屋市の名古屋女子大が2004年春から学生
に誓約書を取っているが、男女共学の大学では聞いたことがないという。

 中部学院大は現在、人間福祉学部が設置され、福祉や幼児教育に力を入
れている。学生の主な就職先の福祉施設や幼稚園などは、喫煙者の採用を
見送るケースがあり、今年4月から構内を完全禁煙にした。たばこの自動
販売機もなくし、教職員も全員禁煙とした。


(2006.11.20)   ベランダでも防げない受動喫煙

                              Yomiuri Online 11月17日

 台所の換気扇の下やベランダに出てたばこを吸っても、家庭内での受動喫
煙は防げないとの調査結果を、東大大学院医学系研究科(国際地域保健学)
の中田ゆりさんがまとめ、日本公衆衛生学会で発表した。

 一般的なマンションで、喫煙者がいない家庭といる家庭での空気中の粉じん
濃度を測定した。

 喫煙者がいない家庭では、1立方メートル当たり0.03ミリグラム以下。一方、
台所の換気扇の下でたばこを吸った場合、換気扇では排気しきれないたばこ
の煙が、仕切りのない隣接のリビングに流れ込み、同0.1ミリグラムを超える
粉じんが測定された。

 ベランダで喫煙した場合は、窓を開けた状態では風向きによって煙がリビン
グに逆流したほか、約1.5メートル離れた隣家のベランダでも同0.08ミリグ
ラムの粉じん濃度が測定された。

 中田さんは、「子どもや家族を受動喫煙から守るためには、ベランダを含め
禁煙にすべきだ」と話している。


(2006.11.18)  市役所食堂での喫煙 見直しを/名古屋

            「ハイ編集局です」 中日新聞 11月17日 夕刊

 名古屋市役所西庁舎の地下食堂で昼食中、近くで市職員らしき男性4,5
人がテーブルを囲んで喫煙。このような場所、時間に喫煙ができるのがおか
しいと感じ、市民相談室で質問。担当の職員は「正午から午後0時40分まで
禁煙になっているが、それ以降は喫煙可になっている」と弁明。

 庁舎内は完全禁煙になっているのに、食堂だけ例外というのは、納得でき
ない。午後1時まで完全禁煙にすべきです。(岐阜・弁護士・男・55)

(補足) 
 最後の「午後1時まで」と限定をつけるのはおかしいですが、市役所食堂で
喫煙が行われているという実態を明らかにしていただいたことは大変有難い
です。
 「名古屋市役所内で健康増進法(第25条)の違反を行っているという、名古
屋市の無責任さを、徹底的に追及していくべきだと思います。


(2006.11.15)  以前この欄で「禁煙は難しくない」と書いたら、

                            Nishinippon Web 11月14日

 以前この欄で「禁煙は難しくない」と書いたら、社内外の多くの方から意見や
励ましを頂いた。繰り返しになるが、30年来の愛煙歴に別れを告げた今、自
信を持って言えるのは「こんな簡単なことがなぜ今までできなかったか」という
ことだ。

 意志の強さを自慢したいのではない。取材も執筆も、ぎりぎりまで取りかか
らないし、何より懸案のダイエットは遅々として進まない、そんな私だ。

 以前は禁煙を考えること自体が嫌だった。「たばこを我慢している自分」を
想像しただけで憂うつになり、それこそ一服したくなった。禁煙はつらいもの、
苦しいものと心の底から信じていたので「意志の弱い自分には到底無理」と
決め込んでいた。要するに「初めの一歩」を踏み出す勇気がなかったのだ。

 振り返れば、本当につらい思いをしたのは1度か2度くらいか。愛煙家の皆
さん、これ本当の話です。 (竹崎) =2006/11/14付 西日本新聞朝刊=


(2006.11.11)  たばこ自販機「もっと厳しく」/沖縄行政評価事務所 
              総事局へ改善求める/沖縄

                              沖縄タイムズ 11月7日

 県内のたばこ自動販売機の約25%は店の従業員が利用者を確認できな
い場所に設置されていることが沖縄行政評価事務所(安治川博所長)の調
査で分かった。

 また、たばこの業界団体が屋外での自販機の稼働を自粛している午後11
時―翌午前5時について、約7%の自販機が稼働していることも明らかにな
った。同事務所は、たばこ自販機の設置状況が未成年者の喫煙防止対策
に不十分だとして、6日、販売許可権を持つ沖縄総合事務局に対し改善を
求めた。(外間一先)

 調査は、青少年街頭指導ボランティアから「喫煙で補導される少年の補導
が一向に減らない。自販機から買っている」との相談を受け、7月から8月ま
での2カ月間にわたって実施。県内の自販機約7、000台から那覇、浦添、
宜野湾、沖縄の4市に設置されている236台を無作為に抽出して、設置状
況を調べた。

 調査の結果、従業員が商品棚で視界を遮られたりするなどして、自販機や
その利用者を確認できないものが60台(25.4%)。このうち12台(5.1%)

は自販機を設置している店舗が休・廃業しているとみられている。

 たばこ事業法や同法施行規則などには、未成年者喫煙防止の観点から、
店の従業員が自販機やその利用者を視認できるように設置することを明記
している。店舗が休・廃業する場合は自販機の撤去を求めている。

 また、たばこ販売協同組合や小売販売業者は1996年から、深夜の時間
帯の屋外にある自販機稼働を自主的に停止している。しかし、今回の調査
では屋内設置の6台を除く230台中、17台(7.4%)が深夜稼働していた。

 調査結果について、同事務所の榎並孝至次長は「設置状況が不十分な台
数が多く、割合が高いことに驚いている」と話し、小売販売業者、関係団体
に対して自販機の管理や深夜稼働の自粛を徹底するよう訴えている。


(2006.11.6)  世界の観光地、全面禁煙広がる・ハワイ、香港…

                                 Nikkei-Net 11月4日

 【ロサンゼルス=猪瀬聖】日本人に人気の世界の観光地が次々と「全面禁
煙」になる。今月からショッピングセンターやレストランが禁煙に移行するハ
ワイに続き、香港やフランスでも年明け以降、飲食店や商業施設の禁煙が
段階的に広がる。観光地はこれまで観光収入への影響を懸念し喫煙に比較
的寛容だったが、非喫煙人口の増加で方針転換した。日本人は喫煙者も多
いだけに、旅先で知らずに一服してトラブルに見舞われる可能性もあり、各
旅行会社は渡航者への情報提供を急いでいる。

 昨年日本から120万人が訪れた香港では先月、禁煙場所を大幅に拡大す
る改正条例案を可決。2007年1月からレストランやバー、カラオケ店などが
禁煙になる。屋外でも公営のビーチや一部の公園では喫煙できない。さらに
09年7月までに、ナイトクラブやマージャン店、サウナといった娯楽施設にも
禁煙を拡大する予定だ。


(2006.11.4) 歩きたばこ、京でも禁止 来春条例施行へ・
            四条河原町周辺、罰則も

                    ヤフーニュース(京都新聞) 11月1日

 京都市は31日、繁華街の路上での歩きたばこを禁止する「路上喫煙防止
条例」を来年5月に制定、施行する方針を明らかにした。四条河原町周辺の
道路を対象区域に指定し、施行から半年後をめどに罰則を適用していく。路
上喫煙防止関連の条例制定は全国の自治体で相次いでおり、政令指定都
市では10番目になる。

 防火や美観、子どもの安全面の問題から、歩きたばこを禁止する動きは全
国に広がっている。政令指定都市でも、1995年に横浜市が空き缶や吸い
殻の散乱防止条例で路上喫煙の禁止規定を設けたのをはじめ、2004年の
千葉市、05年の川崎市など、これまでに9市が制定している。このうち、7市
で罰金1000−2000円の罰則を設けている。

 京都市は、吸い殻や空き缶のポイ捨てを禁止する条例を設けているが、喫
煙そのものは制限していない。しかし、歩きたばこに対し、市民から「子ども
がやけどをした」などの苦情が寄せられ、条例化を決めた。

 条例の具体化に向けて今後、罰金額のほか、四条河原町周辺を中心とす
る喫煙制限区域の設定、監視員の配置などを市路上喫煙防止条例検討委
員会で協議していく。来年5月の市議会への条例案提案を目指す。罰則規定
は同11月から適用する。

 市文化市民局は「市民の安全を守る観点から、まずは繁華街で施行し、将
来的には観光地を対象区域に入れることも検討したい」としている。


(2006.11.3) 京都市:歩きたばこ防止へ条例 制定に向け検討委発足、
            来年5月議会提案へ /京都

                      ヤフーニュース(毎日新聞) 11月1日

 京都市は31日、「歩きたばこ」で侵される公共空間の安全性を確保するた
め、過料の徴収など罰則を含めた「路上喫煙防止条例」(仮称)制定に向け
検討委員会を発足した。市はアンケートなどで募った市民の意見も条例案に
反映し、来年5月議会での提案を目指している。

 「路上禁煙条例」は02年に東京都千代田区が制定以降、政令指定都市で
は9都市が制定。うち7都市が違反者に過料を科している。

 京都市の検討委は識者ら6人で構成。この日の初会合で、市は実効性を
担保するため過料1000〜2000円を徴収する罰則を検討▽条例施行後啓
発期間を設け、来年11月から罰則適用を開始▽通行量の多い道路数カ所
を「喫煙制限区域」として監視員を配置――などの基本方針を説明した。

 委員からは▽市民・観光客への十分な周知▽既に実施中の都市で発生し
た課題の調査・検証――を求める意見が出た。また、罰則については「十分
な話し合いを」などと慎重論も。罰則内容や禁止区域などの具体的な議論は、
市民アンケート実施後の第2回会合で行う予定。【山田奈緒】


(2006.11.2)  宮崎市:ポイ捨て、路上喫煙禁止条例案
             「違反者に罰則」−−審議会が答申 /宮崎

                     ヤフーニュース (毎日新聞) 11月1日
 ◇市民に説明へ
 宮崎市は、今年度の成立を目指しているごみのポイ捨てと路上喫煙を禁止
する条例案について、違反者に対して罰則を設ける方向で検討していること
を明らかにした。津村重光市長が会見で、「市民の理解は得られると思う。
市の広報誌などで説明していきたい」と話した。【関谷俊介】

 環境保全課によると、05年度の土日祝日116日間に繁華街などに散乱し
ていたごみの回収実績(1袋当たり45リットル)は、可燃ごみ60袋(04年度
65袋)、空き缶・空き瓶43袋(同52袋)などで、前年度に比べて減少してい
た。だが、「禁止を呼びかける看板の設置や携帯灰皿を配る街頭キャンペー
ンなどの啓発活動を中心に対応してきたが、依然としてポイ捨てが見受けら
れる」と指摘している。

 このため、津村市長は7月、学識経験者ら15人で構成する廃棄物減量等
推進審議会に諮問。3回の審議をへて、「ポイ捨てや路上喫煙に罰則を設け
る方向で検討する必要があり、1000〜2000円の過料を徴収するのが妥
当だ」との結論を出した。中核市では千葉県船橋市と大分市で、路上喫煙に
罰則を設けている。

 宮崎市は答申に沿って市としての考えをまとめ、13日〜12月8日に市民
の意見を聞く。


(2006.11.1) 病院前の客待ちタクシー、禁煙車限定じわり進む

                          アサヒコム 10月29日

 客待ちするタクシーを禁煙車に限る病院が出てきた。健康増進法が施行さ
れて公共施設の禁煙・分煙が進むなか、たばこのにおいがこもるタクシーの
規制に病院が取り組み始めた。禁煙車はまだ少ないが、ビジネスチャンスと
みて増やすタクシー会社もある。

 「『禁煙タクシー』のみ許可致します」
 東京都港区の虎の門病院の正面玄関前には、こんな看板がある。今年1
月に設置した。禁煙マークのないタクシーが入ってくると職員が注意する。

 外来患者は1日に約3200人。ポスターによる告知など理解を得るための
準備に2カ月かけ、優先的に禁煙車を回す国際自動車(港区)の協力で実現
した。
 「帰宅の際のことも含めて患者の方に対する医療サービスの一環と考えま
した。禁煙は時代の流れです」と吉村邦彦・呼吸器センター内科部長は説明
する。
 「禁煙車」とは車内で一度もたばこが吸われたことがなく、屋根の上やボデ
ィーに禁煙マークが付いている車をさす。

 東京大学医学系研究科の中田ゆりさんの研究によると、車内で1人が喫煙
すると粉じん濃度は通常の12倍に、2人喫煙すると31.6倍になる。「車内
で吸わなくても、直前まで吸っていた人が乗ると肺に残っていた煙が吐き出さ
れ、粉じん濃度は約4倍になります」と中田さん。「車内で多くの人が受動喫
煙を強いられていることを知ってほしい」と指摘する。

 国際自動車は04年12月に禁煙車を導入し始めた。現在は全体の2割強
にあたる約340台が禁煙車で、今年度内に500台まで増やす計画だ。

 全国的には札幌市の札幌社会保険総合病院(秦温信(はた・よしのぶ)病
院長)がいち早く禁煙車限定に踏み切った。保有する45台すべてが禁煙車
という山崎自動車工業(北海道江別市)が協力している。

 東京都中央区の聖路加国際病院も禁煙車以外の乗り入れ制限に踏み切
り、昨年12月、都内のタクシー会社約60社に理解を求める文書を送った。
しかし、通常車の乗り入れは続き、今年8月に再度申し入れた。

 それでも時折は通常車を見かける。ある運転手は「並んでいるのが禁煙車
ばかりだとためらうが、きょうはみんな通常車だった」と苦笑する。

 03年に健康増進法が施行され、病院を含め、公共施設では分煙、禁煙化
が進む。今年4月の診療報酬改定で禁煙指導に保険点数がつくようになり、
施設内の全面禁煙がその条件になったことも禁煙化への取り組みを後押し
する。

 とはいえ国土交通省などによると、禁煙タクシーは05年度末現在で全国に
5867台。前年度より2300台余増えたが、それでも全体の約3%に過ぎな
い。

 「たばこを吸いたい客もおり、禁煙車にすると売り上げが減る」とタクシー会
社が心配するためと東京乗用旅客自動車協会はみる。

 昨年6月に禁煙車を導入し、現在は2割にあたる約150台が禁煙車の日
の丸交通(文京区)も「今後増やすかどうかは社会情勢を見ながら決めたい」
と慎重だ。神奈川県タクシー協会によると、加盟社が持つ約1万台のうち禁
煙車はまだ約360台にすぎない。

 今年8月から「禁煙車限定」を掲げた東京都文京区の順天堂医院。タクシ
ー乗り場にいた女性(42)は「禁煙車でないと、車内で窓を開けてもたばこの
においが消えず、具合が悪くなることもあります。他の病院も禁煙車だけにし
てほしい」と話す。

 呼吸器内科の瀬山邦明助教授は禁煙外来も担当する。昼休みに職員十数
人と見回り、医院の外の道で吸い殻を拾う。構内で通常車を見つければ、運
転手に禁煙車限定の取り組みを丁寧に伝える。そうやって地道に働きかけて
いくつもりだ。

 【写真】禁煙車以外の客待ちを断る看板。タクシーの車体には禁煙車である
ことを示すステッカーがついている=東京都港区の虎の門病院で


(2006.10.31)  受動喫煙で調停成立、示談金80万円

                        ニッカンスポーツ・コム 10月25日

 職場で受動喫煙を強いられ被害を受けたとして、北海道の元会社員岡本
めぐみさん(35)が札幌市内の会社に慰謝料100万円を求めた調停が、札
幌簡裁で成立、会社側が女性に示談金80万円を支払っていたことが25日、
分かった。

 申立書などによると、岡本さんは00年から札幌市東区の会社に勤務。10
人以上の社員が自分の席で喫煙していた。02年に喫煙場所が設けられた
が、密閉されておらず受動喫煙を強いられ続けた。04年、東京の病院で化
学物質過敏性と診断され、休職。職場環境が改善されなかったため、昨年3
月に退職し、ことし4月に調停を申し立てた。

 申立代理人の黒木俊郎弁護士は「裁判ではなく調停という柔軟な手段で解
決できたのは画期的。全国の非喫煙者救済のために先例として大きな武器
になる」としている。

 会社側は社名の非公表などを調停成立の条件にしており、取材に応じてい
ない。

 受動喫煙をめぐっては、分煙措置が取られず健康被害を受けたとして、東
京都江戸川区職員の男性が区に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が04
年7月、区に5万円の支払いを命じている。


(2006.10.24)   禁煙の飲食店検索サイト、リニューアル 
               大阪の個人が管理
                            アサヒコム 関西 10月20日

 禁煙の飲食店を検索できるインターネットのグルメサイト「禁煙スタイル」は、
全国の約2250店を紹介している。大阪市西区のウェブプログラマー岩崎拓
哉さん(26)がたばこの煙のせいで外食を楽しめなかった経験から、個人で
開設し、管理している。10月中旬には、最寄り駅名などでも検索できるように
するなど大幅リニューアル。日本禁煙学会のメンバーからも「使いやすい」と
好評だ。

 岩崎さんはたばこの煙を吸うと呼吸が苦しくなったり、のどがはれたりする
体質があり、禁煙店でしか食事ができない。店を探すサイトはほかにもある
が、情報が古いなどと感じたため、昨年5月31日の「世界禁煙デー」に自ら
開設した。

 当初の登録数は関西を中心に約30店。サイト開設を知った二つの禁煙団
体から計1千店分の情報が寄せられたのがきっかけになり、閲覧が急増。利
用者や店側からの書き込みで毎日のように情報が更新される。また、自分で
店に赴いて取材することもある。

 今回のリニューアルでは懐石、フレンチなどの店のジャンルを24から49に
細分化。東京・六本木や大阪・梅田など15カ所しかなかった有名エリア別の
検索は37カ所に増やした。知名度の高い大型チェーン店は省いた。また、
禁煙席はあっても喫煙席との分離が不完全な店は掲載せず、「完全禁煙」
「完全分煙」「時間帯禁煙」のいずれかを、各店について表示した。

 日本禁煙学会理事の薗潤(その・じゅん)・西宮市保健所長によると、民間
の月刊誌や禁煙団体、行政などがつくったサイトでも禁煙の飲食店は紹介さ
れているが、「『禁煙スタイル』は情報が新しく、紹介されている店の数が圧
倒的に多い」という。

 飲食店での受動喫煙防止義務を定めた健康増進法が施行されて3年半。
岩崎さんは「どの飲食店でも煙が苦手な人が苦しむことなく、快適に過ごせ
るようになることを望みます」と話す。

 【写真】「禁煙スタイル」を管理する岩崎拓哉さん=大阪市西区で


(2006.10.22)  禁煙補助薬 市場活況 保険対象、
             国の健康施策が追い風 承認申請や開発続々

                             Yomiuri Online 10月18日

 たばこをやめようとする人向けの禁煙補助薬をめぐり、製薬会社の動きが
激しくなってきた。

 市場をリードする外資が医療用での国内承認を目指す一方、国内製薬会
社は外資と共同で新薬投入を計画している。医療機関での禁煙指導が公的
医療保険の適用の対象になったことや、国の健康づくり施策「健康日本21」
に喫煙率引き下げの数値目標が盛り込まれる方針となったことなどが追い
風になり、市場規模の拡大が見込めるためだ。

 売り上げ急増
 世界4位の医薬品メーカー、ノバルティス(スイス)の日本法人「ノバルティス
 ファーマ」が製造、販売するはり薬タイプの禁煙補助薬「ニコチネルTTS」は、
今年6〜7月の売上高が前年同期比で約2.5倍に急増した。

 ニコチネルは、医療用の禁煙補助薬として国内で唯一使用が認められて
いる。4月の診療報酬改定で、禁煙指導の受診に保険がきくようになったこ
とを受け、ニコチネルも6月から保険の対象になったことが、販売増の主因
だ。

 製薬世界最大手の米ファイザーも6月、医療用の飲む禁煙治療薬「バレニ
クリン」の日本での製造、販売に関し、厚生労働省に承認申請した。米国内
ではすでに8月に発売済みで、近く欧州連合(EU)でも発売する予定だ。

 国内勢では大正製薬が、英グラクソ・スミスクラインとともに、はり薬タイプ
の禁煙補助薬の共同開発を進めている。

 条件緩和 
 厚労省は従来、禁煙は個人の意思の問題と位置づけ禁煙指導にかかる
費用は、全額自己負担だった。しかし、禁煙によってがんや心臓病などの病
気が減れば、医療費削減につながるとして、保険適用で禁煙指導の受診を
促すことにした。
 現状、禁煙指導へ保険を適用するには、対象患者が「1日の喫煙本数に
喫煙年数を掛けた数が200以上になる」などの基準があるほか、医療機関
にも「敷地内すべてを禁煙にする」などの条件がある。

 厚労省は、保険適用で受診状況や禁煙成功率が上がったかどうかを見極
め、2008年にも保険適用の条件緩和が必要かどうか判断する方針だ。条
件が緩和されれば、禁煙補助薬に対する需要はさらに高まるとみられてい
る。

 大衆薬でも 
 ドラッグストアや薬局などで買える一般用医薬品(大衆薬)でも禁煙補助薬
を巡る各社の動きは活発だ。

 「ノバルティス ファーマ」は9月、製薬大手の第一三共と続けてきたニコチ
ネルの大衆薬版の共同開発を年内に終了し、その後は単独開発に切り替え
ると発表した。日本の大衆薬市場を本格開拓する主力商品とする狙いとみら
れる。

 米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ファイザーから大衆薬部門を年内に買
収するのに伴い、同社が製造していたガムタイプの禁煙補助薬「ニコレット」
も手中にする。「ニコレット」は05年に70億円を売り上げ、「年間10億円売
ればヒット商品」とされる日本の大衆薬市場では大ヒットとなっており、今後
の販売戦略が注目される。


(2006.10.20) 「ニコチンをビタミンに」根拠なし、表示削除を命令

                    ヤフーニュース(読売新聞) 10月19日

 たばこの先に付けて吸うと「ニコチンをビタミンに変える」などと表示して販
売されている粉末剤「ビタクール」「タバクール」について、公正取引委員会は
19日、効果を裏づける根拠がないとして、販売などをしている3社に対し、表
示をやめるよう、景品表示法違反(優良誤認)に基づく排除命令を出した。

 命令を受けたのは、販売会社「ビタクールジャパン」(東京都北区)と「ミュ
ー」(世田谷区)、製造・販売会社「オーシロ」(川崎市麻生区)。

 公取委によると、3社は包装紙やホームページなどに「ニコチン・タールを
減少させ、周囲への煙害も少なくする」などと表示、粉末剤0・7〜5グラムを
500〜3000円程度で販売していた。


(2006.10.17) 喫煙率の引き下げの数値目標を新設
             …厚労省3案諮問
                         Yomiuri Online 10月16日

 厚生労働省は16日、たばこを吸う成人を減らすため、2010年度
までに達成すべき喫煙率の引き下げの数値目標を新設する方針を固めた。
 04年現在で男性43.3%、女性12.0%の喫煙率を、〈1〉男性30%・女
性10%〈2〉男性35%・女性10%〈3〉男性25%・女性5%――以下に引き
下げる3案を検討している。近く3案を厚労相の諮問機関・厚生科学審議会
に示し、年内にも目標値を一つに絞って公表する。

 3案の目標値はそれぞれ、〈1〉「たばこをやめたい」と考える喫煙者がすべ
て禁煙できた場合〈2〉禁煙に自信のない人を除き、禁煙したい人がすべて
禁煙できた場合〈3〉1997年調査の喫煙率を半減させた場合――から導き
出した。

 喫煙率の目標は、適正体重や運動習慣、飲酒量などの目標を定めた00
年度からの10年計画「健康日本21」の中間見直しを06年度中にも行う際
に追加する。

 厚労省は、目標達成に向け、喫煙率が上昇傾向にある20〜30歳代の女
性の禁煙や、民間企業と連携した建物内の禁煙を促進する。たばこ価格の
値上げの機運を高めることも検討する。

 男性の喫煙率は下落傾向が続く一方、女性は01年以降、やや上昇傾向
にある。欧米主要国と比べると、日本は男性の喫煙率が最も高く、女性は最
低だ。

 健康日本21は、計画策定時にも数値目標が検討されたが、「個人の嗜好
(しこう)品にまで国が関与すべきではない」との反対意見が業界などから相
次ぎ、断念した。たばこ広告の制限などを盛り込んだ多国間条約が05年2
月に発効したことなどから、厚労省は「数値目標に理解が得られる状況が整
った」と判断した。

(意見) 皆さんにも厚生労働省のパブリックコメントに意見をお送りいただき
ましたが、どうやら、喫煙率の数値目標が公表されることになりました。どうせ
なら、第3案にしてほしいと思います。


(2006.10.14)   罰則付き路上喫煙防止条例スタート 
               新座・朝霞・和光・志木の4市

                               Web埼玉 10月10日

 罰則規定を盛り込んだ路上喫煙防止条例が新座、朝霞、和光、志木の4
市で10月1日からスタートした。四市内の全駅周辺に路上喫煙禁止地区を
設定。終日禁煙とし、指導や勧告に従わない違反者には1万円以下の罰金
を課すことができる。罰則付きの路上喫煙防止条例は県内初。4市とも当面
は罰金を2千円としてパトロールを始めたが、「罰金はあくまで最終手段。指
導される前に自制してほしい」と、市民のモラル遵守を第一に求めている。

 単一でなく、近隣自治体が足並みをそろえて路上喫煙を防止するのは全
国的にも珍しい。現在、新座、朝霞、和光、志木市の人口は合わせて約42
万2千人。禁止地区を設けた駅も、東武東上線和光市、朝霞、朝霞台、志木、
柳瀬川駅に加え、JR武蔵野線新座、北朝霞駅の計七駅になる。東武鉄道
とJR東日本大宮支社によると、七駅の1日の乗降人員は計約53万8千人
にも上る巨大人口エリアだ。

 禁止地区内の路上喫煙は一日中禁止。歩行中や自転車乗車中はもちろ
ん、立ち止まって吸うこともできない。巡視員が違反者を発見した場合、まず
指導を行う。従わない場合は是正の勧告書が本人に手渡され、それでも違
反を続けた場合は命令書となり、最終的には過料処分通知書とともに罰金
2千円を納めなければならない。支払わなければ督促状とともに、延滞金も
科されていく。

 【写真】駅前の路上に張られた縦80センチ、横60センチほどの路面シー
ル。路上喫煙防止を呼び掛けるため、新座市は市内に30枚を張った=東
武東上線志木駅南口


(2006.10.12)  【三河】 大人の喫煙に厳しい意見
              豊田で子ども市議会、市長に迫る

                           Chunichi Web Press 10月8日

 豊田市内の中学、高校から選ばれた40人の生徒が子ども議員となった「と
よた子ども市議会」が7日、市議会議場で開かれ、学校教育や地域活動、ま
ちづくりなどに活発な意見が交わされた。

 子ども議員たちは、各校で開いた地域子ども会議に出された意見や要望を
基に質問事項をまとめ、1人10分の持ち時間で鈴木公平市長をはじめ市幹
部らに質問した。

 学校教育では、導入済みの2学期制について「問題なく思える3学期制から
なぜ移行したのか。メリットがみえない」と厳しく指摘。市教育委員会側は「夏
休みが前期に含まれるため、遅れがちな教科の理解を深めて9月の試験に
臨め、成績にも夏休みの努力が反映される」などと理解を求めた。

 大人の喫煙にも厳しい意見が相次ぎ、他人に迷惑をかけない喫煙ルール
の確立、路上禁煙地区の設定などを要望。「1日何本吸いますか」と問われ
た鈴木市長は「疲れたときなど1日5回ほど吸う」と回答。これに対し、子ども
議員から「市長は市のために大事な人なので、健康を守るためにも禁煙を」
と要望され「やめるよう努力します」と約束させられる場面もあった。

 市は2007年9月の市議会定例会に、子どもの利益を尊重し地域で育成を
支え合うための「(仮称)とよた子ども条例」の提出を目指しており、この日の
議論を条例案づくりにも生かす。(小蔵裕)


(2006.10.10)  11月16日からハワイが全面禁煙に

                      スポニチ アネックス 10月4日

 米ハワイ州が今年11月16日から、公共の場所を全面禁煙とする“新禁煙
法”を施行する。喫煙可能な場所は個人の住居内やホテルの喫煙室など、ご
くわずか。05年にハワイを訪れた日本人は約152万人。愛煙家は開放的な
リゾート地で肩身の狭い思いを強いられることになりそうだ。

 ハワイ全域で喫煙を禁じる「新禁煙法」の施行に伴い、11月からは“常夏
の空間でちょっと一服”とはいかなくなりそうだ。

 禁煙区域は、ショッピングセンター、公共交通機関、ホテルのロビーなど。
公共建築物などの出入り口から20フィート(約6メートル)の範囲も禁煙場所
に指定されるなど、屋内外問わず、厳しく制限される。ハワイ州観光局は「原
則としてビーチでの喫煙もできなくなるだろう」と説明した。

 喫煙が認められるのは個人の住居とホテルの喫煙室、民間もしくは半官半
民の老人ホームなど限られた場所だけだ。

 違反者は個人で最大50ドル(約5900円)、法人は最大500ドル(約5万9
000円)の罰金が科せられるとあって、国内の旅行代理店は、渡航者向け
の案内を開始。JTBではパンフレットとホームページ(HP)で注意を呼びかけ
ている。

 一方、近畿日本ツーリストは年末年始用パンフレットに同法の説明の記載
が間に合わず、口頭などで案内。個別に案内用紙を配布して注意を喚起す
る。施行前とあって、大手旅行代理店関係者は「今のところ、キャンセルや目
立った混乱はないが、旅行者に事前案内をするように社内で周知徹底してい
る」と話す。

 ハワイの各島では02〜04年に順次“レストラン禁煙条例”を施行。適用は
レストランなど食事を伴う施設のみだったため、今回の新法に対する愛煙家
の反発は必至だ。

 ハワイ州観光局は「禁煙法の影響で旅行者が減るとは考えていない」として
いるが、今月20日ごろに決定する禁煙エリアの詳細では禁煙区域がさらに
広がる可能性もある。97年に約220万人だった日本人旅行客は、米中枢同
時テロの影響などで03年には132万人まで減少。05年に152万人まで増
加したが、回復基調に水を差す恐れもある。同観光局は「厳しくはなるが、全
く吸えなくなるわけではないので、旅行中は少し我慢をしてほしい」と話してい
る。

 ≪ホテルの喫煙室数は20%≫新禁煙法では、ホテルなどの宿泊施設にお
ける喫煙室数の上限を客室数全体の20%までと定めている。観光局による
と、ヒルトンは20%の喫煙室を設けることを予定。一方、マリオット系列は全
館禁煙にすることを検討しているという。今後の動向を見た上で判断するホテ
ルも少なくない。


(2005.10.9)  静岡路上禁煙スタート、中2男子街頭活動

                          ニッカンスポーツ・コム 10月1日

 「歴史ある通りをみんなが楽しく歩けるようになれば」−。指定区域での歩き
たばこを禁止する静岡市の条例が1日施行され、条例制定のきっかけとなる
請願をした同市の中学2年大石悠太君(13)が、街頭で路上禁煙を呼び掛け
た。

 ぜんそくの持病がある大石君は、たばこの煙で発作を起こした経験から昨
年、路上禁煙条例の制定を求める請願を市議会に提出。全会一致で採択さ
れ、条例化が実現した。

 同市葵区の啓発イベントに参加した大石君は「大好きな静岡の街が、美し
い国のシンボルになってほしい」と話し、街頭で歩行者にパンフレットを配っ
た。

 条例は、人通りが多い中心商店街での路上喫煙を終日、禁止する内容。
来年4月からは、違反者から2000円の過料を徴収する。


(2006.10.8)  初日は317人に指導 路上喫煙罰則適用/神奈川

                            Chunichi Web Press 10月2日

 川崎市は1日、路上喫煙防止条例の罰則規定(過料二千円)の適用開始
に伴い、市職員や地元町内会・自治会のメンバーらが、路上喫煙禁止区域
のJRや京急の川崎駅など市内主要五駅で、路上喫煙防止キャンペーンを
実施した。

 この日は市内統一美化活動も行われ、JR川崎駅西口では午前9時すぎか
ら、美化活動と連携して、約30人が路上で喫煙しないよう呼びかけたり、喫
煙者に注意し「警告書」を渡したりした。川崎区は広報車も同駅周辺で走らせ、
罰則適用が始まったことなどを伝えた。

 同駅周辺では午後1時20分ごろまで、キャンペーンを実施。喫煙を注意さ
れた人は計250人、うち注意を無視し足早に逃げるなどした人が3人いたと
いう。5駅で注意・指導を受けた人は計317人、注意を無視するなどした人は
計7人だった。

 市民局は「初日でもあり、警告書を渡すことにとどめた。注意した人で罰則
の適用が始まったことを知らない人もいたので、キャンペーンなどで周知させ
たい」としている。(飯田克志)


(2006.10.7) タクシー大手の日本交通 喫煙者は役員にせず
           社内禁煙徹底へ新内規
                              日本経済新聞 10月7日

執行役員以上は禁煙者から選びますーーー。
 タクシー大手の日本交通(東京・品川、川鍋一朗社長)は幹部社員の登用
で、タバコを吸わない人を優遇する社内規定を導入した。全2800台のタク
シー乗務員に社内禁煙を徹底させるため、役員が模範を示す。

 社長以下11人の現役員は規定導入に従い、喫煙者は禁煙する。営業所
長など37人の幹部社員にも禁煙を奨励、職場から灰皿を外して勤務時間
中の喫煙を防ぐ。禁煙の奨励金や違反した場合の罰則金はない。

 車内禁煙が広がるタクシー業界で、禁煙を役員昇格の条件にするケース
は珍しい。禁煙で社員の健康状態が改善すれば、乗務員の人手不足や健
康保険組合の財政悪化にも一定の効果があると見ている。

 禁煙者を優遇する内規について、東京労働局の中央労働基準監督署では、
「役員の選任基準を決めるのは経営陣の判断であり、問題性は見あたらな
い」としている。


(2006.10.6)  国分寺市:ポイ捨て、歩きたばこ規制条例 東経大、
            通学路を「禁煙区域」に /東京
                       ヤフーニュース(毎日新聞) 9月30日

 国分寺市は来月1日から、市条例によりたばこやごみのポイ捨てを禁止し、
指定区域内での歩きたばこを規制する。これに伴い、同市の東京経済大は
2日から2週間、JR国分寺駅から同大までの通学路を独自に「禁煙区域」に
して、職員らが学生にポイ捨てや歩きたばこの禁止を呼びかけるキャンペー
ンを実施する。

 条例は、市内の公園や道路など公共施設でたばこの吸い殻やごみのポイ
捨て禁止▽指定区域の路上での喫煙規制――の2本柱で、違反者への罰
則はない。今回、禁煙区域としてJR国分寺と西国分寺、西武線恋ケ窪の3
駅周辺を指定し、区域内に1〜3カ所の喫煙ポイントを設けた。

 一方、同大周辺の路上では、たばこの吸い殻が目立っている。市内唯一の
大学のため、ポイ捨てをする若者がいると、「東経大生のマナーが悪い」と付
近住民から見られかねない状況だったという。大学周辺は条例の禁煙区域
から外れているが、条例施行に合わせてキャンペーンを展開することにした。

 今回の取り組みに「学生側から異論は出なかった」といい、同大広報課の担
当者は「これを機に学生の喫煙マナーが改善されれば」と話している。学生の
通学路での歩きたばこ禁止は、キャンペーン後も続ける方針。【奥山智己】


(2006.10.4)  四国初「禁煙館」1日オープン−ホテル川六

                                 四国新聞 9月30日

 香川県高松市百間町のホテル川六は、四国で初めて全館を禁煙にしたホ
テル「エルステージ禁煙館」を、1日オープンする。敷地内に鉄筋コンクリート
12階建ての建物を新設。館内に女性専用フロアも設けた。「禁煙ブーム」や
「健康志向」を追い風に、新たな顧客獲得を目指す。

 禁煙館は、延べ床面積約2,100平方メートル。すべてシングルの112室
で、宿泊料金は6,200円。同ホテルは、常連客からの要望が多いことや隣
接する新館「エルステージ」の禁煙フロアが高い稼働率を残していることから、
需要は高いと判断した。

 禁煙館のオープンで、現在の本館、新館を合わせた同ホテル全体の客室
数は計291室に増える。このうち禁煙ルームは新館の4フロアと合わせ、計
168室となる。
 また、禁煙館オープンに併せて、本館もリニューアル。新たに露天風呂を整
備するなど、「ぐっすりをごゆっくり」をコンセプトに快適な空間づくりを追求した。
本館、新館、禁煙館はフロントや大浴場などがある一階の共用スペースでつ
ながっている。

 宝田圭一社長は「チェーン店とは違うこだわりが必要だと考えた。さまざま
な方面にアピールしていきたい」と話している。


(2006.10.3)   ポイ捨て×歩きたばこ/島根

                      アサヒコム マイタウン島根 9月29日

☆松江市に「きれいなまちづくり条例」☆
 松江市内全域でごみのポイ捨てや歩きたばこを禁止する「きれいなまちづ
くり条例」が10月1日から施行される。悪質な違反者には、市が氏名を公表。
07年4月以降はJR松江駅前と塩見縄手周辺の2カ所での違反者から、罰
金を徴収する。市によると、自治体が条例で歩きたばこを制限するのは山陰
地方では初めてという。

◇松江駅前塩見縄手◇喫煙制限区域に
 「国際文化観光都市」をめざす市は、きれいなまちづくりを推進しようと、3
月に条例を制定した。施行後は、たばこや空き缶の投げ捨て▽落書き▽飼
い犬のふんの放置▽歩きたばこ、の4つの行為が市内全域で禁止される。
市の嘱託職員が市内を巡回し、違反者を見つけた場合にはやめるよう指導
する。たび重なる違反者には勧告の文書を渡し、それでも違反を重ねた場合
には氏名を市役所本庁舎と支所の掲示板で公表する。

 さらに市は観光客が多く集まる同市北堀町の塩見縄手周辺と、同市朝日町
のJR松江駅周辺を美化推進地域に指定。それぞれの地域の大通りを喫煙
制限区域とし、吸い殻入れが設置されていない場所での喫煙を禁止する(地
図参照)。07年4月1日からは両地域での悪質な違反者に対し、2万円以下
の罰金を科す。

 市環境保全課によると、全国約1800自治体のうち、条例で歩きたばこを
禁止しているのは40自治体。中国地方では広島市に次いで2番目の施行と
なる。

 同課は28日、美化推進地域と喫煙制限区域の計20カ所の歩道に禁止行
為を知らせる表示を設置。松江市役所玄関前に懸垂幕を出したり、市内全域
96カ所にポスターを掲示したりして周知に取り組んでいる。観光客への周知
のため、旅行会社や周辺自治体にも文書やメールで条例の内容を通知して
いる。

 市の野津精一・環境保全部長は「条例の施行を機に、市民や観光客には
マナー向上の意識を高めてもらいたい」と話している。


(2006.10.1)  静鉄タクシーが禁煙車を拡充 藤枝地区にも

                      ヤフーニュース(中日新聞) 9月25日

 【静岡県】静鉄タクシー(静岡市駿河区)は藤枝地区に禁煙車5台を新たに
導入し、25日から静岡市内と藤枝市の全営業区域で禁煙車を運行する。

 導入から2年たって禁煙車が浸透し、利用の希望が増えたため。禁煙車に
は換気性能のあるバイザー(雨よけ)やオゾンの作用でにおいを分解する装
置を備えた。喫煙車両でも同様の装備を順次導入する。

 併せて既に配備している区域でも禁煙車を拡充。静岡地区(静岡市葵、駿
河両区)は30台増やし、区域内のタクシーの50%を禁煙車にする。清水地
区も10台増やし、15台とした。


(2006.9.29)  レッドアロー、全車両禁煙に 10月1日から実施・
             西武鉄道
                                 Web埼玉 9月26日

 西武鉄道(本社・所沢市)は10月1日から、特急レッドアロー号を全車両禁
煙にする。これまで全七車両のうちの1車両だけを喫煙車にしてきたが、健
康増進法や全車両禁煙化への要望を考慮し実施を決めた。

 特急レッドアロー号は西武新宿線の西武新宿駅―本川越駅間(41分)と、
池袋線の池袋駅―西武秩父駅間(75分)の二路線で運行。昨年度の利用
者は新宿線約325万人、池袋線約530万人。ともに1車両だけを喫煙車に
している。

 2003年5月1日に施行された健康増進法は施設管理者に受動喫煙防止
の措置を求めている。同鉄道は同法施行に合わせ全線の駅構内を禁煙にし
ている。

 特急レッドアロー号では、車内の仕切り扉の開閉に伴う喫煙車から禁煙車
へのたばこの煙や匂いの流入に対し、利用者から意見が寄せられ、禁煙化
の要望が高まっているという。

 同鉄道は受動喫煙への理解と関心が深まるなか、乗車時間が比較短いこ
となどから全車両禁煙を決めた。

 これで西武線は全車両と全駅構内が終日禁煙になる。同鉄道は中吊りポ
スターなどで理解と協力を呼び掛けている。

 【写真】全車両禁煙になる特急レッドアロー号


(2006.9.27) 路上喫煙被害防止条例:呉服、七間町通りで禁止区間−
           −静岡市 /静岡
                       ヤフーニュース(毎日新聞) 9月23日

 ◇来月施行の詳細発表
 静岡市は22日、来月1日施行の市中心地の路上喫煙を禁止する条例の
詳細を発表した。禁止区域は呉服町通り(国道1号―本通り)と七間町通り
(札の辻ビル前―国道362号)の1・3キロで、違反者には2000円の過料
が科される。

 条例は「静岡市路上喫煙被害等防止条例」で、市内の中学生の請願を契
機に制定された。施行にあたり来月1日からは市職員2人、過料徴収が始
まる来年4月1日からは非常勤職員6人が禁止区域を1日2回ほど巡回す
る。違反が判明した場合はその場で過料が徴収され、市の一般歳入に組み
込まれる予定。小嶋善吉市長は「今後も紺屋町など範囲拡大を考えている。
商店街に協力を呼びかけたい」と話した。【賀川智子】


(2005.9.25)    投書 「マナー灰皿の設置は理不尽」 

                                 静岡新聞 9月23日

 19日に浜松駅前にマナー灰皿が設置されました。利用者は心地よく一服く
ゆらすことでしょう。しかも駅前に設置してあり、遥々浜松まで来られる人たち
に、「受動喫煙」と云う煙幕でお出迎えするわけです。果たしてこの施策は必
要なことなのでしょうか。

 駅のコンコースに降り立った人の70%は非喫煙者で、中には途中で禁煙し
た人もいます。その方々は、かつてなじんでいたたばこ煙を大変不快に思っ
ています。きっとこの対処を理不尽に思っているに違いありません。

 全国津々浦々で、街中の灰皿は撤去の方向に向かっています。この時代
にしかも最も公共性の高い駅前に、マナー灰皿を設置しなければならない理
由は何でしょうか。しかも国際音楽都市浜松を辱めるような「ト音記号」を煙
に見立てていて、反感を買うのは必至です。

 東京都千代田区や名古屋市、広島市の路上喫煙禁止区域では、啓発看板
のみで灰皿はありません。灰皿があるから、喫煙者は歩きながら火をつける
のです。この図式では「受動喫煙を防止しなければ」と云う市当局の意識は感
じられません。

 マナー灰皿を設置しないことが、確実に市民へマナーを周知・徹底させるこ
となのです。

 (説明) 「こどもをタバコから守る会」の加藤一晴氏の投書です。


(2006.9.23)  松江で子どもをたばこから守る研修会/島根

                              山陰中央新報 9月19日

 子どもをたばこから守る教育研修会が18日、松江市内であり、防煙教育に
熱心な宮崎県串間市の野田隆医師が講演。最初の1本を吸わさないための
喫煙防止教育の必要性を訴えた。

 野田医師は、喫煙者の両親を持つ9歳の子どもの4割が、9年後に喫煙者
となったカナダのデータなどから「受動喫煙は健康被害だけでなく、将来の喫
煙者を増やす弊害がある」と指摘した。

 国内の調査結果でも、18―19歳の男子の5割に喫煙経験があり「10代
のうちに最初の1本の誘惑に勝つことが重要」と強調。「子どもは自分の力で
はたばこの害から逃れられず、大人が守ってやるべきだ」として防煙教育を
呼び掛けた。

 研修会は県内の医師や養護教諭で昨年結成した「しまね子どもをたばこか
ら守る会」が主催。市内の小中学生に防煙を教える模擬授業も公開、市民
100人が耳を傾けた。

【写真】喫煙予防の模擬授業を受ける松江市内の小中学生


(2006.9.19)  県立校全面禁煙へ/教育庁 来年度から実施

                               沖縄タイムズ 9月16日

 仲宗根用英県教育長は15日、2007年度から県立学校の敷地内を全面
禁煙にすると発表した。県教育庁はすでに県立高校、特殊教育諸学校に通
知。幼・小・中学校に関しては各市町村教育委員会に「協力依頼」として文書
を送付した。各市町村が応じれば、県内の幼稚園から高校まですべての学
校で禁煙となる。

 仲宗根教育長は受動喫煙による児童・生徒の健康被害を防ぐことなど、全
面禁煙に踏み切った理由を説明。今後、公立図書館などの教育施設でも敷
地内の禁煙を進めていく考えを示した。

 県立高校教職員の喫煙率は10.2%(2005年10月)。「教職員が吸って
いる姿を見て子どもたちはどう思うだろうか。範を示すためにも、これを機に
教職員の間で禁煙の動きが広がってほしい」と期待を寄せた。

 8月末現在、敷地内全面禁煙は全体で26.2%。内訳は小学校33.8%、
中学校16.0%、高校21.8%、特殊教育諸学校12.5%。


(2006.9.17) 全飲食店にステッカー 受動喫煙対策中央区が配布
            /東京
                           Chunichi Web Press  9月17日

 受動喫煙防止のため、中央区は今月末までに、銀座や日本橋をはじめ区
内の全約1万店の飲食店と2000カ所の理容店や薬局・薬店、学校や郵便
局などの公共施設に「禁煙・分煙ステッカー」を送付する。同区によると、全
面禁煙の店舗を登録するなどの制度を持つ区はあるが、すべての飲食店に
一斉にステッカーを送付して協力を求める例は「23区初ではないか」として
いる。

 ステッカーは「全面禁煙」「時間分煙」「完全分煙」「空間分煙」の4種類。各
店の状況に合わせ、入り口などに表示するよう協力を求める。送付時に返
信用はがきを同封、表示状況を知らせてもらい、これをもとに各店の禁煙・
分煙状況をホームページで表示する。

 区は受動喫煙防止対策で各店にアンケートをとったところ、「したいが、客
への遠慮からやりにくい」「区に協力する形なら説明しやすい」などの意見が
寄せられた。

 区は、各店が同じスタイルで保健所の名前が入ったステッカーを表示する
ことで利用客の理解が得やすくなり、利用客も店が禁煙かどうか分かりやす
くなるとしている。
 都内では千代田、板橋など7区が、禁煙を実施している店を登録・認証し
たりしているが、店側からの申し出が必要なため、特に飲食店の参加は数
店−30数店ほどにとどまっている。 (金杉貴雄)


(2006.9.15)   市外の違反者多いんだがね 
             名古屋市幹部が路上禁煙PR行脚
                           Chunichi Web Press 9月11日

 路上禁煙の違反者に対して7月から2000円の過料徴収を始めた名古屋
市は、市外に住む違反者が目立つことから、幹部職員が主に東海三県の市
町村を行脚し、広報紙掲載などの協力を求めることにした。12日の愛知県
一宮市を皮切りに10月末まで計101自治体に依頼する。
 名古屋駅、栄、金山、藤が丘の市内4カ所の路上禁煙地区で7、8月に過
料処分を受けたのは計835人。そのうち住所が判明している419人の約
7割の288人が市外在住。愛知県外は違反者全体の約25%、住所判明者
のほぼ半数にあたる205人(東京都、大阪府各40人、岐阜県24人、三
重県17人の順)に上った。
 市は、路面に禁煙表示をしたり、駅などにポスターを張って広報している。
しかし、「知らなかった」と話す市外在住の違反者が目立ち「一層の周知を
図る必要がある」と他都市訪問を決めた。
 主な訪問先は、仕事などで名古屋市への流入人口が多く過料処分を受け
た人がいる岐阜市、津市、愛知県豊橋市など東海三県の81市町村。本庁
に勤務する市環境局の全課長級職員24人が、各市役所・役場の広報担当
の課に依頼文と資料を持参する。東京都庁や神奈川県庁にも行くほか、一
部の府県には郵送する。名古屋市環境局は「事前に電話で問い合わせ、感
触の良かった自治体もあった。路上禁煙の広報は最重要課題で、できること
は何でも取り組む」としている。


(2006.9.13) 国際通りを禁煙に 月内にも条例提案 那覇市議会

                       ヤフーニュース(琉球新報) 9月7日

 那覇市議会で、路上喫煙防止条例を議員提案で制定する動きが出ている。
条例化すれば県内初となる。国際通りを禁止地区に指定することが想定され
ており、今後各会派が議論に入る。歩きたばこの副流煙を防ぎ、子どもたち
の目にたばこの火が入る、他人の衣類を傷つける―といった事故を避ける
など、歩行者の健康と安全を守ることを目的に条例制定を目指す。 与党の
最大会派、自民・無所属連合がたたき台となる案をまとめ、他会派に賛同を
呼び掛けており、今後各会派間で調整する。同会派は「じっくり協議して条例
をつくりたい」としているが、早ければ開会中の9月定例会に提案される見通
し。実効性を疑問視する会派もあるが、野党も同調し、全会一致を目指して
協議していく方向性だ。

 条例制定には観光都市那覇市にとってイメージダウンとなる、目抜き通りで
のたばこのポイ捨てを防ぐ狙いもある。たたき台の条例案では「禁止地区を
設けることができる」としているが、トランジットマイル事業と連動した国際通り
での実施を想定している。また罰金を設けているが、議員の中には「罰則は
ない方が良い」との意見もあり、今後の議論次第となる。

 「路上喫煙等の防止に関する条例」は東京都千代田区で始まり、政令市な
どに広まっている。那覇市と市議会は医師会などから条例制定の要請を受け
ており、前向きな姿勢を見せていた。


(2006.9.10)  ハワイでタバコが吸えなくなる!? 新禁煙法

 「ハワイで暮らす」  ガイド:上野 元          All About 9月4日

 ハワイ州では、非喫煙者の健康を間接喫煙の害から守ることを目的として、
2006年11月16日より、公共の場所が全面禁煙となる「新禁煙法」を施行
することが決定いたしました。

 この法律が施行された折りには、観光施設の周囲も含めて、かなりの場所
で喫煙が不可能となります。場合によっては罰金も科せられるとのことですの
で、タバコが吸える場所、吸えない場所をきちんと理解しておきましょう。

 こんなにある! 全面的に禁煙となる公共の場所
 11月16日から施行される新禁煙法では、かなり厳しく外での喫煙が制限
されます。ご注意を!

 近年は、レストランなどでは完全に喫煙が禁じられてきましたが、今回の新
禁煙法「Healthy Air & Workplaces Law」の実施で、禁煙場所がさらに拡張され、
かなり気をつけていないと罰金対象になってしまいそうです。

 タバコが吸えなくなる場所は、下記の通りです。
  1.レストラン、バー、ナイトクラブ
  2.ショッピング・センター
  3.空港、公共交通機関(バス・タクシーなど)
  4.ホテルのロビーや通路
  5.スポーツ・アリーナ、屋外アリーナ、スタジアム、円形競技場などの座席
  部分
  6.チャイルド・ケアや介護施設に使用している個人の住居

 そしてさらに厳しいのが、この付加事項。
  「なお、上記の場所の出入り口より20フィート(約6メートル)圏内も、上記
場所への煙の流入を防ぐため、禁煙区域となります。」

 ビルや施設の中だけではなく、その周囲6メートル四方でもタバコが吸えな
いとなると、事実上、吸える場所はとても限られてきます。よくビルの入口に
灰皿が置いてあってタバコを吸ったりしていますが、そういう光景も、ほとんど
の場所で見られなくなっていくのでしょう。

 (中略)

 なお、同法律に違反した場合、個人には最大50ドル、企業には最大500
ドルの罰金が科せられます。


(2006.9.7)   路上禁煙地区:名古屋市・過料2カ月で835件 
             当初予想の4倍 /愛知

                        ヤフーニュース(毎日新聞) 9月5日

 名古屋市は4日、7月から始まった路上禁煙地区での喫煙者に対する過料
(2000円)処分件数を発表した。8月31日までの2カ月間で、路上禁煙指定
の4地区で計835件(7月413件、8月422件)に上った。市が当初予想して
いた一月あたり100件の4倍で推移しており、市環境局は「禁煙地区が浸透
するよう引き続き努力したい」としている。

 4地区の内訳は▽名古屋駅283件(7月142件、8月141件)▽栄387件
(176件、211件)▽金山127件(75件、52件)▽藤が丘38件(20件、18
件)。1日あたりの処分件数は7月13・3件、8月13・6件と横ばいだった。

 違反者の住所の内訳は▽市内131件▽市外288件(県内83件、県外20
5件)▽不明416件――だった。過料を拒否して逃げた人は21件(7月15件、
8月6件)だった。また、過料をその場で払わない人は納付書を切り、翌月末
までが支払い期限となっているが、納付対象者97人のうち、8月末までに支
払っていない人は82人に上った。市は督促状を送付して支払いを求めてい
く。【式守克史】


(2006.9.4) 県:庁舎内、全面禁煙に 脳血管・心疾患、死亡率上位で−
          −来年4月から /茨城
                        ヤフーニュース(毎日新聞) 9月2日
 
 ◇「否定的」だった知事が方針転換
 橋本昌知事は1日、来年4月から県庁舎内を全面禁煙にする方針を明らか
にした。

 県庁舎内には現在、4カ所の喫煙所が設けられ、それ以外の場所を禁煙
にする完全分煙を実施している。来年4月からは喫煙所を撤去し、庁舎内を
全面禁煙にし、庁舎外の敷地内に喫煙所を設ける。

 県保健予防課によると庁舎内禁煙は他に全国で9県が実施しており、庁舎
を含めた敷地内禁煙は長野県だけという。県は今月を循環器疾患予防月間
と定め、毎週水曜日を庁舎内の禁煙デーとし、喫煙者に禁煙を呼びかける。
来月以降は毎週水曜日と金曜日を禁煙デーにする方針。

 橋本知事は当初、「(たばこを)生産して税金を取って吸う場所をなくすのは
つじつまが合わない」と禁煙化に否定的だったが、県民の脳血管疾患や心疾
患による死亡率が全国で上位にあるため、禁煙化に方針転換した。【土屋渓】


(2006.9.2) 禁煙・分煙施設拡大 県、完全実施を呼び掛け /沖縄

                      ヤフーニュース(琉球新報) 8月30日

 県が認定する「禁煙・分煙施設」は8月16日現在で107施設あり、5月末
の67施設から2カ月半で40施設増えていることが分かった。県歯科医師会
の加藤進作理事によると、歯科医師会会員83施設が新たに認定を申請中。
禁煙・分煙施設の取り組みが広がりを見せている 県禁煙・分煙施設認定
制度は受動喫煙防止対策を推進し、禁煙・分煙施設の拡大を図ることが目
的。施設が各保健所に申請し、すべての出入り口への禁煙表示や敷地内の
吸い殻の有無、たばこの自動販売機設置状況などでランク付けし、基準を満
たした事業者に保健所長が認定証を交付する。

 8月16日現在の認定施設は、敷地内完全禁煙が22施設、施設内完全認
定が81施設、分煙認定が4施設。認定施設の内訳はホテル1、官公庁30、
学校12、病院51、レストラン10、その他3となっている。

 認定された学校は敷地内完全禁煙9校、施設内完全禁煙3校。しかし、県
教育委員会保健体育課が05年に実施した調査では小、中、高、特殊教育諸
学校の全517校が禁煙、分煙のいずれかの対策を取っている。敷地内全面
禁煙は21.7%(112校)、建物内全面禁煙が39.6%(205校)、分煙は
38.7%(200校)となっており、申請して認められれば、認定施設はさらに
増えることが予想される。

 県健康増進課成人保健班の前田光幸班長は「5月から全県で始めたため
広がった」と認定施設増加の理由を説明。「滑り出しとしてはまずまず。医療
機関や学校には敷地内完全禁煙を目指してほしい」と呼び掛けた。

 【写真】分煙認定施設のステッカーが張られたレストラン=宜野湾市のカル
チャーリゾートフェストーネ


(2006.8.31)禁煙タクシーなかなか増えません 東海3県1%弱136台

                              Yomiuri Online 8月21日

 会社、売り上げ考え消極的 民間団体は「全車」要望へ

 交通機関の禁煙が進むなか、禁煙タクシーの普及が伸び悩んでいる。全国
の法人の導入台数は今年3月現在、2・8%の5867台にとどまり、東海3県
は0・9%の136台と低迷している。公共施設で受動喫煙の防止措置を定め
た健康増進法が2003年5月に施行され、各施設で禁煙化の流れが加速し
ているが、タクシーは取り残された形だ。民間団体からは、全面禁煙化を求
める要望書を提出する動きも出ている。

 法人タクシーの事業者団体「全国乗用自動車連合会」(東京都)によると、
東海地方の禁煙タクシーは今年3月現在、愛知県97台、岐阜県31台、三
重県8台。名古屋で最大手の名鉄グループは昨年3月、愛・地球博(愛知万
博)に来場する外国人らの需要を見込み、約1270台のうち38台を完全
禁煙にした。屋根に禁煙マークのあんどんを設置し、ドアにはステッカーを
張った。しかし、一般のタクシーに比べて売り上げは不振で、増やす計画は
ないという。
 名鉄交通の大屋隆昭・事業企画部長は「知名度が低いせいか、期待して
いたほどの需要がない。飲食店から帰宅する時に一服したいというお客さん
からは、乗車を拒否されるケースもある」と打ち明ける。

 岐阜市の日の丸タクシーは03年1月に10台、津市の三交タクシー中部は
昨年2台導入したが、ともに増車の予定はない。

 これに対し、大分県タクシー協会では、全国最多の約2100台の禁煙車を
導入している。大分市と別府市などでは、個人タクシーも含めて全車禁煙化
し、県内全体で8割が禁煙車となった。乗客とのトラブルもないという。「地域
全体で取り組まないと知名度は上がらないし、お客さんの理解も得にくい」と
協会幹部は指摘する。

 タクシー運転手が、国や会社を相手に受動喫煙の健康被害を訴える裁判
も相次いでおり、昨年12月の東京地裁と今年5月の横浜地裁小田原支部
は、判決でともに棄却としたものの、「車内は分煙不可能で、全面禁煙が望
ましい」と指摘した。

 名古屋市の医師らで結成する「子どもをタバコから守る会・愛知」は、全面
禁煙を求め、タクシー会社などに要望書を10月にも提出予定だ。世話人の
家田重晴・中京大教授(健康教育学)は、「タクシーは狭い空間にたばこの煙
がこもるので、全面禁煙にすべきだ。同乗した子どもの健康にも悪影響があ
る」と指摘している。

 【写真】台数が伸び悩む禁煙タクシー (20日、名古屋市中区で)


(2006.8.28) 「ポイ捨て防止条例」で市内中心部 民間の灰皿撤去次々
            愛煙家から不満の声も
                              北海道新聞 8月19日

  札幌市の「ポイ捨て防止条例」で喫煙制限区域に指定され、歩きたばこや
空き缶の投げ捨てが禁止となった市内中心部で、コンビニなど民間企業の
店頭からも灰皿が次々と撤去されている。市の調査では、同区域内の民間
の灰皿は昨年8月1日の条例施行前に比べ約7割に減り、さらに減る見通し。
愛煙家からは「吸える場所を確保して」との声も出ている。

 喫煙制限区域(南北が北八条−南四条、東西が西一−西四丁目)では、灰
皿のある場所以外での喫煙は禁止。歩きたばこ防止のため携帯灰皿の使用
もできない。昨年10月から違反者に千円の過料(罰金)を適用、区域内を指
導員が巡回して監視にあたっている。
 市は条例施行直前に、大通公園や駅前通など同区域内の四十六カ所に設
置していた市の灰皿について、市民会館の3カ所を除き一斉に撤去。条例ス
タート時は、灰皿は市民会館を除くとコンビニの店頭など民間企業の私有地
に設置された126カ所となっていた。

 罰金が適用となった昨年10月以降は、「制限区域内にもかかわらず、灰皿
を設置し喫煙を助長するのは適切でない」(サンクス札幌時計台北店)など、
私有地からも灰皿を撤去する動きが加速。市環境局が今年6月20日に行っ
た調査では、区域内の民間の灰皿は86カ所だった。撤去の動きは続いてお
り、ベンチと灰皿3カ所を設置し立地の良さから喫煙者の「人気スポット」だっ
た札幌西武も「顧客サービスの一環として設置していたが、受動喫煙を懸念
する声に配慮した」と、今月末での撤去を決めた。

 こうした動きについて愛煙家は一様に渋い表情。60歳の男性会社員は「た
だ締め出すだけでなく、公共の喫煙場所を設けるべきでは」と主張。観光で訪
れた男性も「ベンチに座っている時くらい携帯灰皿の使用を認めてほしい」と
話す。市環境局では「市の灰皿の一部復活など共存できる方法を探りたい」と
話している。(中村公美)

<写真:札幌市中心部の喫煙制限区域。民間の灰皿もどんどん減っている>


(2006.8.26)  呉服町名店街、路上禁煙地区指定を要望/静岡

                                静岡新聞 8月18日

 静岡市内の中学生の誓願をきっかに、市議会6月定例会で可決された「市
路上喫煙による被害等の防止に関する条例(歩きたばこ禁止条例)」の施行
(10月)に向けて、同市葵区の静岡呉服町名店街(永田正明理事長)は17
日、小嶋善吉市長に要望書を提出し、同名店街がある呉服町通りの路上喫
煙禁止地区指定などを求めた。

 要望書には青葉シンボルロードに「喫煙ルーム」を設置することなども盛り
込まれている。永田理事長は「子どもたちに危険を及ぼすこともある歩きた
ばこを呉服町通りから無くし、安全安心の街づくりを進めたい」と要望の趣旨
を説明し、「喫煙を否定するのではなく、マナーを守ってほしいという思いが
強い」と話した。周辺の商店街にも協力を求め、「中央商店街全体を禁止地
区にしていきたい」という。小嶋市長は「屋外の喫煙ルームについては今後、
検討していきたい」と話した。

 禁止地区は市が人通りなどの状況を判断し、随時指定していくという。禁止
地区では路上喫煙や火の付いたたばこを持つ行為を禁止し、違反者には来
年4月から過料を科す。


(2006.8.24)   熟年男性が急増 住宅火災死者 無職、独居、
              たばこが特長
                                Web 埼玉 8月18日

 2005年の住宅火災による死者は前年比18%増1,220人、住宅火災で
高齢者や子どもだけでなく、熟年男性が死亡する危険性が高まっていること
が、消防庁のまとめから明らかになった。県消防防災課によると、本県でも
住宅火災による死者数は、04年の40人から、05年は27人約40%増の
67人を記録した。

 消防庁の調べでは、住宅火災による死亡率(人口10万人当たりの死者数)
は、過去十年間、0.7〜0.8程度で推移していた。しかし、05年は0.95と
なり、データの存在する1979年以降、最悪を記録した。

 住宅火災死者の半数以上を65歳以上の高齢者が占め、死亡率も他の年
齢層に比べ、2倍以上高い点は従来と変わらない。

 しかし、ここにきて熟年男性の死亡率の上昇が大きく、特に男性55歳〜59
歳までは死亡率の上昇傾向が高く、団塊世代の人口の多さと相まって、死者
数もこの10年間で年間約40人から約80人と倍増した。

 特徴として[1]無職の割合が多い(約6割)[2]一人暮らしの割合が多い(約
5割)[3]たばこの出火―と多く、05年は前年に比べ倍増した。

 また、自殺者に関する研究(国立保健医療科学院、03年)で指摘された自
殺者の傾向と住宅火災死者の傾向とに共通する点が見られるという。

 本県では住宅火災の死者数の年齢的内訳などのデータはないが、昨年の
車火災など含む全火災死者数110人(一昨年は101人)では、46歳10人
台、46歳〜50歳12人、51歳〜55歳10人、56歳〜60歳11人、61歳〜
64歳13人を数える。同データでも46歳〜64歳の熟年世代が46人と、約
41.8%を占めている。


(2006.8.23)  路上禁煙:過料対象の違反7人 
             名古屋市、金山地区で夜間パト/愛知

                      ヤフーニュース (毎日新聞) 8月19日

 名古屋市は17日夜、路上禁煙地区に指定している4地区のうち、金山地
区の金山総合駅周辺で夜間パトロールを初めて実施した。午後8時半〜9
時半の1時間で、過料(2000円)徴収の対象となった違反者は計7人だっ
た。市によると、違反者7人の内訳は、市内1人▽市外4人(県内2人・県外
2人)▽不明2人。駅周辺の路上で座り込んでたばこを吸っていたり、コーヒ
ーショップを出た途端にたばこを吸い出した人がいたという。

 過料徴収は市条例で規定しているが、時間規制はなく、禁煙地区では24
時間たばこが吸えない。ただ、実際はパトロールの時間帯は午前8時から午
後8時までが原則で、夜間は監視の目が届かないのが現状だ。今回の夜間
パトロールは従来の指導員4人に対し倍の8人で臨んだが、市環境局作業
課は「指導員を増員し、監視の目を強化した割には違反者は少なかった」と
分析した。今後の夜間パトロールについては「定点調査などの状況を見なが
ら検討していきたい」と述べるにとどまった。【式守克史】


(2006.8.20) 【名古屋市】夜間の路上喫煙パト実施 17日、
            名古屋・金山地区で
                           Chunichi Web Press 8月17日

 市内4カ所の路上禁煙地区で2000円の過料徴収をしている名古屋市は
17日、夜間に吸い殻のポイ捨てが目立つ金山地区で、夜間の特別指導パト
ロールを初めて実施する。
 市によると、名古屋駅、栄、金山、藤が丘で一定の範囲内に落ちている吸
い殻の合計は、過料徴収の2−3カ月前まで1日平均200−400個あった
のが、7月以降は100個弱に減った。しかし「金山は他の3カ所に比べて多
い上、夜間のポイ捨てが目立つ」として、今回の特別パトロールを企画した。

 指導員は交代制で、朝から夜まで勤務しているが、17日は金山地区のみ、
ふだんより遅い時間まで巡回する。過料徴収を求められ、怒った人から暴行
を受けるなどのトラブルを避けるため、指導員を増やして市職員も加わる。
今回は1日限りだが、市は今後も必要に応じて実施する方針。

 市によると、7月から今月15日までに計626人が過料処分を受けた。地
区別では栄282人、名古屋駅216人、金山101人、藤が丘27人。全般的
に路上喫煙者の割合は減ってきている。(原一文)


(2006.8.18)  西武鉄道、10月1日から特急レッドアロー号を
             全車禁煙化
                             Nikkei Net 8月16日

 10月1日(日)より特急レッドアロー号を全車禁煙化します。

 西武鉄道(本社:埼玉県所沢市、社長:後藤高志)では、10月1日(日)より、
特急レッドアロー号を全車禁煙化いたします。

 当社では、平成15年5月1日より、受動喫煙を防止するために必要な措置
を講じる努力を施設管理者に求めることを定めた健康増進法の施行に合わ
せ、西武線全線の駅構内を全面禁煙させていただいていますが、健康増進
法の施行から3年が経過し、受動喫煙への関心と理解が深まるなか、その措
置をさらに一歩進め、仕切り扉の開閉に伴う喫煙車から禁煙車へのタバコの
煙や臭いの流入に対するお客さまからご意見や、禁煙化のご要望の高まり
に応えるとともに、加えて特急レッドアロー号への乗車時間が比較的短時間
であることなどを勘案し、全車禁煙を実施するものです。


(2006.8.16)  「歩きたばこ」に過料 環境美化条例改正へ骨子案 
             岡山市総合政策審議会
                              岡山日日新聞 8月11日

 岡山市総合政策審議会環境・安全部会(部会長・奥田節夫京都大名誉教
授)で10日、規制区域内での歩きたばこ、灰皿のない公共の場所での喫煙、
吸い殻のポイ捨てにその場で過料を徴収する規制強化を盛り込んだ市環境
美化条例改正の骨子案が示された。

 同骨子案では、吸い殻や空き缶、飼い犬のふんの放置に過料を課す「美
化推進重点区域」(仮称)を設置。さらに歩行中や自転車乗車中の喫煙や灰
皿がない場所での喫煙にも過料を課す「喫煙制限区域」(仮称)を設ける。

 歩きたばこやポイ捨てなどに対する過料は岡山県内で初めて。地方自治
法で過料の上限は5万円と定められているが、改正案での金額は決まって
いない。

 同市では1996年度に同条例を施行。ポイ捨てや空き缶回収用ごみ箱が
設置されていない自動販売機に2万円以下の「罰金」を課す条文が盛り込ま
れているが、告発と検挙が必要。また起訴、判決で賦課することになってい
るため、立証が困難で実効性に乏しかった。

 過料は罰金と異なり、市長が賦課を決定でき、権限を持つ市職員がその場
で徴収できる。

 同市は区域内を巡回し、過料を現場で徴収する4人程度の美化推進巡視
員(仮称)を置く方針。また、喫煙制限区域内の灰皿数も限定し、これまで設
置していた灰皿も一部撤去する方向で検討している。

 9、10月に同部会を開催し、条例改正案を作成。11月定例市議会に上程
し、来年4月1日の施行を目指している。


(2006.8.14)  来月から路上喫煙禁止 商店協力、ポスターでPR 
             所沢市
                              WEB埼玉 8月11日

 路上喫煙禁止条例を施行した所沢市は九月一日から、西武線七駅前と周
辺商店会などを禁止地区に指定する。

 市は七月一日の条例施行後二カ月間を告知期間とし、歩きたばこや吸い
殻のポイ捨てをしないようPRしてきた。罰則のない条例だが、市は理解と協
力を呼び掛けている。

 条例の正式名は「所沢市歩きたばこ等の防止に関する条例」。道路や公園
など屋外の公共施設で、歩行中や自転車に乗っての喫煙を禁じている。

 市内の商店街や住宅街では、ポイ捨ての吸い殻が後を断たないという。歩
きたばこは子どもの目の高さに近く危険だとの指摘もある。

 条例には西武線所沢、新所沢、西所沢、航空公園、小手指、狭山ヶ丘、下
山口の七駅前などの三十三商店会が協力を表明。駅前などに、女の子の目
と同じ高さにある歩きたばこのイラストを描いた「路上喫煙禁止!」のポスター
=写真=を張り、行き交う人にアピール。九月からの禁止地区指定に協力を
求めている。

 路上喫煙禁止地区は六駅前周辺のほか、北野地区、椿峰ニュータウン東
地区。禁止地区には表示を設置する。

 条例は喫煙者へのマナーを訴え、喫煙者と非喫煙者が互いを尊重し、共存
する地域社会を目指している。市は「ぜひ協力していただきたい」と話してい
る。

 禁止地区などの問い合わせは同市環境課(電話04・2998・9370)へ。


(2006.8.12) 客室の9割を禁煙に 万座ビーチホテル&リゾート

                                  琉球新報 8月9日

 沖縄全日空リゾート(柴田光彦社長)が経営する恩納村のホテル、万座ビ
ーチホテル&リゾートは来年4月から客室の約9割を禁煙とする。

 広報担当者は「せっかくのリゾートなのに部屋にたばこのにおいが残ってい
るといった声が多く寄せられた」と話している。

 現在は3割強の127室が禁煙だが、来年4月1日からは全399室の87.
7%に当たる350室を禁煙とする。スイートルームは全室禁煙。

 宿泊予約は原則すべて禁煙室への案内とする。喫煙希望の宿泊客には3
階の一部喫煙室を案内するほか、1階の常設喫煙スペースを拡充するとして
いる。

 同ホテルは昨年7月に館内レストランを全面禁煙としていた。


(2006.8.9)  加速? 禁煙タクシー  大分・半数以上で導入 
            福岡、長崎・売り上げ減懸念
                               ヤフーニュース 8月5日

 タクシー禁煙化の流れが九州各県で加速している。大分県では、半数以上
のタクシーが「禁煙車」。宮崎や佐賀県などでも、乗客に自発的な禁煙を求
める「禁煙協力車」 の導入が進む。一方で、福岡や長崎県の禁煙化は「極め
て低調」(九州運輸局)。競争激化に伴う“タクシー不況”の中で、「禁煙が売り
上げ減につながる」と懸念する事業者も少なくない。

 同運輸局によると、6月末時点の各県の「禁煙車」導入状況は、県タクシー
協会を挙げて取り組む大分が57・0%と断トツ。ほかは熊本4・9%▽佐賀4・
0%▽宮崎3・8%▽長崎2・7%▽福岡0・7%▽鹿児島0・3%―と低調。

 「協力に感謝します」などと記したステッカーを車内に張り、乗客にやんわり
と禁煙を呼び掛ける「禁煙協力車」は、宮崎(60・0%)、佐賀(56・7%)、鹿
児島(36・3%)で広がる一方、福岡(ほぼ0%)や長崎(1・5%)ではほとんど
普及していない。

 車内の喫煙は、乗務員の健康被害が指摘されており、たばこを吸わない乗
客にとっても車内に残るにおいが不快。「禁煙は時代の流れ」(同運輸局旅
客二課)だが、対応は十分に進んでいない。

 2002年の道路運送法改正で、業界への新規参入や増車は原則自由化さ
れ、九州のタクシーは改正前から約2000台増え約2万9000台(今年3月
末現在)、特に福岡県では約1000台増え九州全体の約4割に当たる約1万
1000台(同)になった。福岡市のタクシー会社幹部は「規制緩和で競争が激
化した。禁煙化すれば喫煙者の利用が減りかねず、したくてもできない」とこ
ぼす。

 同市内の乗務員の意見はさまざま。「このままだと副流煙で体を壊す。禁煙
化すべきだ」という声もあるが、「半数以上の客がたばこを吸う。禁煙なんてと
んでもない」 との意見が目立つ。「自分も吸うから困る」と言う乗務員もいる。

 とはいえ、福岡県タクシー協会は5日の「タクシーの日」を機に、乗務員の車
内禁煙に乗り出した。「乗務中車内では禁煙します」というステッカーを車内に
張り、乗客に自発的な禁煙を促す効果も期待する。タクシーで“ちょっと一服”
できなくなる日も、そう遠くなさそうだ。 =2006/08/05付 西日本新聞夕刊=


(2006.8.6)  親の禁煙、小児科後押し・「煙害」から子ども守れ

                              日本経済新聞 7月31日

 受動喫煙による子どもの健康被害を減らそうと、小児科医が大人の禁煙
治療に取り組んでいる。小児科医は診療を通じてタバコの子どもへの悪影
響を痛感しており「自分たちこそ治療の先頭に」と意気込む。学会も検討会
を立ち上げ、治療法のマニュアル作りなどタバコ対策に力を入れ始めた。

 「禁煙したら、子どものぜんそくの調子も良くなったみたい」。横浜市保土ケ
谷区の会社員、川辺ゆみさん(44)は1日1箱以上吸っていたタバコを2年半
前にやめた。小児ぜんそくの長男(14)の治療で訪れた神奈川県立こども医
療センター(同市南区)で「禁煙外来」を受診したのがきっかけだった。

 河辺さんはニコチンパッチを処方され、約1カ月でタバコを断つことができ
た。「子どもの付き添いのついでに気軽に受診できた」と振り返る。

 同センターで禁煙外来を担当する萩原聡子医師は「親は自分の治療より、
子どもの付き添いで病院に行くことの方が多い。子ども専門の病院に禁煙外
来があれば、親が禁煙を始めるきっかけになる」と期待する。同センターは
2003年8月に禁煙外来を開始した。約30人が受診、禁煙成功率は約6割
という。

 国立成育医療センター(東京・世田谷)は5月に禁煙外来を始めた。小児科
医、原田正平医師はタバコがぜんそくなどの呼吸器疾患を悪化させるだけで
なく、免疫力を低下させて風邪や中耳炎などを頻発する原因になっていると
指摘、「タバコの悪影響に日々の診療で触れている小児科医こそ、禁煙治療
に取り組むべきだ」と強調する。

 (中略)

 「治療の先頭に」 学会など対策急ぐ
 小児科の学会も禁煙への取り組みを加速している。日本小児科学会、日
本小児科医会、日本小児保健協会の3団体は昨年3月、「子どもをタバコの
害から守る」合同委員会を設立、同年12月に「子どものための無煙社会推
進宣言」を採択した。

 開業医中心の日本外来小児科学会も04年8月に「タバコ問題検討会」を設
立し、小児科医向けの治療マニュアルの作成を進めている。同検討会の世
話人で、宮崎県串間市の診療所で7年前から禁煙外来を開く野田隆さんは
「マニュアルを作成することで、すべての小児科が禁煙治療や喫煙防止教育
をできる体制を目指したい」と話している。


(2006.8.3) 路上喫煙413人処分 名古屋市の過料徴収から1カ月

                            Chunichi Web Press 8月1日

 名古屋市が、名古屋駅、栄、金山、藤が丘の市内4カ所の路上禁煙地区
で、2000円の過料徴収を始めて1カ月が過ぎた。市は違反者を月に100
人と想定していたが、当初1カ月は413人が処分を受けた。暴力などのトラ
ブルはなかったが、徴収の求めに応じず、逃げた人は15人に上った。市外
在住者への周知徹底と逃走や徴収逃れへの対応が課題となっている。

 413人のうち、現金を徴収できたのは316人。残りは徴収できず、過料を
後日振り込んでもらうための納付書を手渡した。住所が判明している違反者
のうち66%は名古屋市外の在住。愛知県外も46%に上り、「知らなかった」
と弁明するケースが目立った。

 7月31日には、東京都内の40代男性が地下鉄栄駅近くで徴収を受け、
「路上禁煙を知らなかった。名古屋は全国的に告知しているのか。おまけに
表示も分かりづらい」と不満を訴えた。

 指導員の金子栄一さん(62)は「違反者が『知らない』と声を荒らげるケー
スが多いが、十分説明して納得してもらうしかない」と話す。

 路面に張ってある禁煙の表示が小さくて見えにくいなどの指摘があるため、
市は新たに大型の表示を張る検討を始めた。

 逃走に対しては、指導員はトラブルを避けるため、体をつかんで引き留め
たりしないため、事実上の“逃げ得”になっている。市は対策として、2人1組
の指導員を狭い範囲に2組配置し、時には4人で違反者を囲める体制にした。

 一方、1カ月間に納付書を受け取ったのは計97人。いずれも支払い期限
は8月末だが、先月末までに払ったのは6人。他都市では期限内に支払わな
い“徴収逃れ”が目立っており、名古屋市も課題となりそうだ。


(2006.7.30) 県病が10月から敷地内全面禁煙/青森

                            東奥日報ニュース 7月27日

 青森市の県立中央病院(原田征行院長)は10月から、敷地内を全面禁煙
とすることを決めた。

 これに合わせて保険が適用される禁煙外来を同月から開始する方向。

 同病院は健康増進法施行を受け2004年7月から館内全面禁煙としてい
る。しかし、館内禁煙では、玄関前で喫煙する人もあり、周辺を通行する利
用者から苦情が出ていた。

 そこで一層の禁煙の推進と受動喫煙の防止を徹底することを目的に、今年
10月から敷地内を全面禁煙とするとともに、禁煙外来も開始することを決定
した。

 外来の診察日は現在調整中。同病院は「県民の健康を守る使命を担う病
院として、敷地内全面禁煙とすることとした」と協力を呼び掛けている。

 県内の公立病院では、青森市民病院、国立八戸病院が敷地内全面禁煙と
しており、国立八戸病院が保険適用される禁煙外来を開設している。


(2006.7.29)    禁煙パッチ、保険生かせず
              …福岡県内大病院ほとんど対象外

                              Yomiuri Online 7月25日

 禁煙補助剤「ニコチンパッチ」の保険適用が認められたのに、保険を使えな
い禁煙外来が多く、患者に戸惑いが広がっている。「敷地内禁煙」の基準をク
リアできないためだ。病院側は「喫煙する患者もおり、全面禁煙は無理」と訴
えるが、厚生労働省は「禁煙治療する施設に喫煙所があるのはおかしい」と
突っぱねる。7月にたばこが値上がりし、禁煙への関心が高まる中、患者か
らは「何のための禁煙外来か」と不満の声が出ている。

 禁煙外来での治療は4月の診療報酬改定で、「ニコチン依存症管理料」とし
てカウンセリングや検査に保険が適用された。6月にはニコチンパッチも適用
となった。しかし保険適用施設となるには「敷地内が全面禁煙」という条件が
ある。敷地が広く、入院患者が多い病院はほとんど保険適用の対象となって
いない。

 福岡社会保険事務局によると、8月1日までに保険適用する福岡県内の医
療機関は、医院やクリニックなど小規模施設を中心に123か所で、病院は
21か所しかない。

 九州大病院(福岡市東区)では、禁煙外来を訪れる患者は増えているが、
院内に喫煙所が2か所あり、保険は適用できない。久留米大病院(福岡県
久留米市)も同様で、同病院は「小さな医院なら敷地外で吸うように言えるが、
敷地が広いとそうはいかない」と訴える。

 鹿児島赤十字病院(鹿児島市平川町)は1月に禁煙外来を開設したが、全
面禁煙の基準を満たせず、保険適用を断念。専門治療を望む患者には、保
険適用の病院を紹介しており、禁煙外来は“開店休業”状態だ。

 担当の永井慎昌医師(45)は「禁煙相談にはボランティア的に応じている
が、自己負担のニコチンパッチを勧めるわけにもいかない」と説明する。

 同病院は「全面禁煙にすべきという思いはあるが、簡単にはいかない。国が
禁煙治療を推し進めるなら、もっと基準を緩めてもいいのでは」と漏らす。

 患者は保険適用の医療機関を探すのに苦労している。12日から保険適用
となった福岡市健康づくりセンターで治療している同市城南区の会社員(30)
は「4か所の医療機関で『保険適用していない』と言われ、ようやくここへたど
り着いた」と話した。

 厚労省には、医療機関から「敷地内でも、建物外の喫煙所なら良いではな
いか」「禁煙促進の熱意をそぐ」と苦情が相次いでいる。だが、同省医療課は
「まず医療機関が禁煙への厳格な姿勢を示してほしい」と譲らない。

 こうした状況を受け、小倉記念病院(北九州市小倉北区)は「全面禁煙の時
期が来た」として、病棟の外に設けているプレハブ喫煙室を8月1日に撤去す
る。


(2006.7.28) 歩きたばこ禁止条例:呉服町通りなど3区域、候補地に−
           −静岡市長 /静岡

                       ヤフーニュース(毎日新聞)7月26日

 静岡市の小嶋善吉市長は25日、10月1日施行が決定している市中心地
での歩きたばこを禁止する条例で、具体的な禁止区域の候補地を述べた。
 候補区域は▽呉服町通り▽七間町通り▽静岡駅北口広場の3区域。同日
の定例会見で小嶋市長は「商店街や市民の協力ご理解を頂けるよう、市の
ホームページ(HP)などで広報していきたい」と述べた。市市民生活課による
と、呉服町については商店街の了承を得ており、残り2区域とは協議中とい
う。
 条例は「静岡市路上喫煙による被害等の防止に関する条例」。市内の中
学生の呼びかけがきっかけとなり、昨年12月、市議会が全会一致で採択、
6月定例議会本会議で市議会の全会一致で可決された。来年4月1日以降、
違反者は5万円以下の過料が科せられる。【賀川智子】


(2006.7.24)    「世界禁煙デーin愛知2006」の画像

 世話人の家田重晴です。

 5月28日に開催した「世界禁煙デーin愛知2006」の画像を、私の個人ホ

ームページに載せましたので、ぜひご覧ください。

 「世界禁煙デーin愛知2006」
 http://www5d.biglobe.ne.jp/~seagull/nokidsmk0605.htm

 後日、「子どもをタバコから守る会・愛知」のホームページに、リンクしていた

だく予定です。


(2006.7.22)    禁煙外来診療を開始 市立大病院
               初診は1人ずつ指導
                                中日新聞 7月14日

 4月から医師による禁煙指導が健康保険で受けられるようになり、市立大
学病院(瑞穂区)で13日、禁煙の外来診療が始まった。

 初診は1人ずつで、この日も患者1人が受診。循環器内科の土肥靖明医
師(49)が、なぜ過去に禁煙に失敗したのか、どんなときに吸いたくなるのか
などを確認しながら、約30分間指導をした。

 禁煙外来は毎週木、金曜日の午後3−4時。完全予約制で、ニコチン依存
症と診断され、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じた数値が200以上である
など保険診療の条件を満たしている人が対象。7月中の予約はすでに埋まっ
ているという。市内で保険適用の医療機関は51カ所、うち200床以上の病
院は市大病院を含めて3カ所ある(1日現在)。土肥医師は「ニコチンパッチ
を使えば禁煙成功率は約2倍になる。禁煙に失敗している人が多いので、き
め細かい指導を心掛けたい」と話していた。予約などの問い合わせは同大
病院医事課=電(858)7125。


(2006.7.20)   甲南・神戸女学院など、大学丸ごと無煙化作戦
              ──新入生誓約書やイエローカードも
                         Nikkei Net 関西版 7月15日

 キャンパスの受動喫煙をなくそうと、敷地全体を禁煙とした大学が「排煙作
戦」に知恵を絞っている。教職員らが巡回する地道な取り組みから、新入生
に誓約書を書かせたり、喫煙者に「イエローカード」を出す奇策まで様々。た
だ喫煙者の協力がいまひとつで、目立たない場所で隠れて喫煙する学生に
手を焼く大学もあり、「煙追放」への道は平たんではなさそうだ。

 今年4月からキャンパスを全面禁煙とした甲南大(神戸市東灘区)。ベンチ
脇など、40カ所以上に「キャンパス内禁煙」と書いた看板が立ち、それまで
屋外の喫煙所にあった灰皿約30個はすべて撤去した。

●受動喫煙ゼロへ
 「受動喫煙を完全になくす」(学生部)のが主な理由。学生や教職員の評価
も上々で、文学部研究生の城下奈苗さん(22)は「講義後に校舎を出た途端、
煙に巻かれていたのがうそみたい」と歓迎する。

 学生部は喫煙者の理解を深めようと、体育会の学生らと週1回、落ちてい
る吸い殻を拾う「クリーン作戦」を実施。構内で堂々とたばこを吸う姿は大幅
に減った。

 ただ生協前の階段など、目立たない場所での喫煙はなくならない。理工学
部1年の男子学生(20)は「その場で注意を受けるだけでペナルティーがない
ので、つい吸ってしまう」。

●学外マナー課題
 キャンパス内での取り組みの一方で、周辺の住宅街には思わぬ“被害”が。
側溝に吸い殻がたまり、近くの主婦(60)は「校門に入る直前、たばこを投げ
捨てる学生が最近増えた。大学はマナー向上にしっかり取り組んでほしい」
と不満顔だ。

 学生部は「掛け声倒れにはしたくない。数年はかかる覚悟で地道に取り組
む。地元との連携策も検討したい」と話す。

 今春から敷地内を全面禁煙とした神戸女学院大(兵庫県西宮市)は入学ガ
イダンスの際、新入生全員に「喫煙禁止の規則を順守する」との誓約書を提
出させた。健康増進が第一の目的だが、「イメージアップという狙いもある」
(同大)。

 隠れて喫煙する人をチェックするため、1日2回、警備員が構内を巡回す
る。「喫煙者を見つけたら、誓約書を書かせて自覚を促したい」(学生生活支
援センター)という。

●成人でも停学に
 関西国際大学(兵庫県三木市)はユニークな取り組みが際立つ。
 背中に「禁煙マーク」をあしらった黄色いジャケット姿の教職員がキャンパス
を巡回し、喫煙者には「イエローカード」を切る。数枚たまった学生は禁煙指
導を受け、なおも改善しない場合は成人でも停学になる。

 ここでも学外までは監視の目が及ばず、近所の住民から、ポイ捨ての苦情
が寄せられることも。大学側は「学内だけで実現しても意味がない。今後も喫
煙者の意識を変える取り組みを工夫したい」と話している。


(2006.7.18) ニュースワイド2006:健康増進法3年で禁煙・
             分煙定着/北海道

                 ヤフーニュース(毎日新聞)7月9日

 ◆“喫煙天国”も様変わり
 受動喫煙の防止を義務づける健康増進法が施行されて丸3年が経過し、
道内でも禁煙・分煙化が定着してきた。官公庁や公共施設にとどまらず、列
車内や企業などで喫煙が出来ない場所が次々と拡大。喫茶店など飲食店で
も禁煙タイムを設定したり、灰皿そのものを置いていない店が多くなった。今
月からのたばこ税の増税に伴い、たばこが値上げされ、愛煙家にとって喫煙
環境は厳しさを増す一方だ。全国で喫煙率が男女ともトップという“喫煙天国”
北海道の禁煙事情を探った。【内藤陽】

 ◇学校・病院は敷地内禁止
 JR北海道は、3月から長距離の特急を含む全車禁煙に踏み切った。利用
客からは「長時間吸えないのはつらい」など不満の声がある一方で、「以前か
ら喫煙車両のにおいが気になっていた。快適でありがたい」など感謝の声も
寄せられているという。同社広報室は「乗客が減ることもなく、順調に理解が
進んでいるのではないか」と見ている。

 学校や病院では、建物内にとどまらず、屋外でも敷地内は一切たばこが吸
えない「敷地内禁煙」が増加している。

 札幌市立の小中学校、高校(計317校)では、既に04年9月から敷地内
禁煙を実施。市教委は「教育現場なので、教職員や保護者の協力も得られ
ている」と定着ぶりを強調する。

 一方、札幌市以外の公立小中学校と高校では、2029校中840校と約
40%(05年4月現在)にとどまっている。残る約60%の大半は市町村立
の小中学校で、建物内禁煙や分煙などを実施しているところや、禁煙対策そ
のものに取り組んでいない学校が含まれる。対応が分かれるのは、設置主
体となっている市町村によって喫煙制限への考え方が異なるためだ。道教
委は「流れは敷地内禁煙の方向へと進んでいくだろう。引き続き市町村に協
力を求めていきたい」と話す。

 北大病院は今月から病院敷地内を全面禁煙にした。2年前に病院建物内
での禁煙を実施したが、玄関付近など敷地内での受動喫煙が避けられない
状況にあったという。同病院総務課は「病院は患者の健康を守る施設なので、
根本的な排除でなければいけない」と敷地内禁煙へと強化した理由を説明す
る。

 旭川医大病院は04年3月から、札幌医大付属病院も今年4月から敷地内
禁煙を始めている。00年1月に道内の病院の中で先駆けて敷地内禁煙をス
タートした札幌社会保険総合病院では、敷地内へ乗り入れるタクシーも禁煙
タクシーに限られるという徹底ぶりだ。

 日本学校保健学会「タバコのない学校」推進プロジェクト代表の家田重晴・
中京大教授(健康教育学)は「学校や病院の敷地内禁煙は全国的に増えて
いる。病気を治療する病院や診療所で喫煙を禁止することは治療効果を上
げ、病気の予防にも重要だ。学校では、喫煙防止教育の推進に大きなメッセ
ージとなる」と、病院や学校が率先して喫煙制限を強化することの意義を評
価している。

 ◇ポイ捨て防止条例に効果−−制限区域内は灰皿も減り
 札幌市の「ポイ捨て防止条例(たばこの吸い殻及び空き缶等の散乱の防止
等に関する条例)」の施行以降、札幌市中心部で歩行喫煙や吸い殻の投げ
捨てはほとんど見られなくなった。同条例が知られることで潜在的な“違反者”
の抑止につながっているようだ。

 昨年10月に施行された同条例では、制限区域内の灰皿が設置されていな
い場所で喫煙をしたり、吸い殻を投げ捨てると罰金1000円が徴収される。
市の指導員2人と警備員1人が3人体制で、毎日3回、制限区域内を中心に
巡回し、順路もその都度変更している。市環境局業務課によると、昨年10月
のスタート時から先月末までの9カ月間に罰金を支払った違反者は延べ342
人。1カ月当たりの違反者は施行直後の昨年10月の66人をピークに減少
傾向が続き、今年5月以降は月20〜30人で推移している。

 一方、施行直前に制限区域内に計129カ所あった屋外の灰皿は現在、約
4割が撤去された。主にコンビニエンスストア前にあった灰皿が姿を消したも
ので、歩行喫煙を助長すると各店舗が自主規制したものだ。指導員の赤石
新司さん(59)は「罰金を取ることが目的ではないが、罰則がある効果は大
きい。路上喫煙、ポイ捨ては確実に減っている」と話している。

 ◇道民の喫煙率、全国一−−職場・家庭で許容意識高く
 日本たばこ産業(JT)の「全国たばこ喫煙者率調査」(05年6月現在)によ
ると、道民の喫煙率は男女とも全国1位。男性は全国平均を8ポイント上回
る53・8%、女性も4・3ポイント高い18・1%だった。JTが81年から続けて
いる同調査で、道民の男女別喫煙率が全国平均を下回ったことは1度もな
い。

 この要因の一つには、喫煙を許容する北海道特有の職場や家庭環境にあ
るようだ。製薬会社「ファイザー」が今年6月、全国7都市(札幌、仙台、東京
23区、名古屋、大阪、広島、福岡)で喫煙者の意識調査を実施したところ、
「喫煙を制限する環境は特にない」と回答した人は38%で、7都市中最も高
かった。これに対して「職場が禁煙・分煙」は36%、「自宅が禁煙・分煙」は
17%で、いずれも7都市中最低だった。

 ◇訴えたい「禁煙こそ愛」−−オーストラリア人講師マーク・ギブンスさ
ん、お遍路姿で行脚
 「禁煙は愛です」。徒歩で日本を縦断しながら禁煙を訴えるオーストラリア人
英語講師、マーク・ギブンスさん(43)=愛媛県在住=は、6月30日、立ち寄
った札幌市の受動喫煙防止シンポジウムで語りかけた。ギブンスさんは母国
で12年間、看護師として喫煙による死者を看取ってきた経験がある。その後、
日本で6年間英語講師をして、国際的な禁煙の流れに反して、レストランやタ
クシーでたばこが吸える日本の喫煙環境に大きな違和感を抱いてきたという。

 9月の帰国を前に「大好きな日本に恩返ししたい。私がお遍路姿で歩くこと
で喫煙被害について考えてほしかった」と話す。ギブンスさんは「日本では喫
煙で年間11万4000人が死亡し、1日に換算すると約300人になる。ジ
ャンボジェット機が毎日墜落しているようなもの」と禁煙の必要性を強調して
いる。

 ◇依存症治療に保険適用−−サポート制度、整備進む
 禁煙をサポートする制度の整備も進んでいる。ニコチン依存症患者の禁煙
治療に4月から公的医療保険が適用されるようになり、6月からは禁煙治療
の張り薬「ニコチンパッチ」も保険の対象となった。北海道社会保険事務局に
よると、禁煙外来での5回の治療を受けた場合、保険が適用されると自己負
担は2886円(薬剤料除く)だが、適用がなければ9620円となる。実際に保
険の適用対象となっている道内の医療機関は4月以降146機関(7月3日現
在)と急増している。

 札幌医大で禁煙外来を担当している谷口治子医師は「治療を受けている人
の9割が10代で喫煙を始めている。どこでも吸える、子どもでも自動販売機
で買える環境を変えないといけない。喫煙をストレス解消という人がいるが、
単なるニコチンの切れた禁断症状に過ぎない。禁煙はもちろん本人の努力が
必要だが、周りの応援も不可欠」と指摘する。

 (補足) 世話人の家田(重)が、この記事の取材に少し協力しました。


(2006.7.17)   名古屋市、路上禁煙で152人過料処分

                                 中日新聞 7月11日

 【愛知県】名古屋市は市内4カ所の路上禁煙地区で、違反者から2000円
の過料徴収を始めた1日から10日までに、計152人を過料処分にした。市
は違反者を月に100人と想定していたが、当初は月に400−500人ペー
ス。松原武久市長は10日の定例会見で、路上禁煙地区や過料徴収を知ら
ない人がいるとして「公平な過料徴収が課題だ。引き続き啓発、周知を図っ
ていきたい」と強調した。

 152人のうち、現金を徴収できたのは126人。残りは徴収できず、過料を
後日支払うための納付書を渡した。住所が分かっているのは86人で、うち6
割強が市外在住だった。

 地区別では名古屋駅と栄が各55人、金山32人、藤が丘10人。

 松原市長は「名古屋駅や栄での違反者は市外、県外の人が多い。車内放
送や地下街の階段にステッカーを張るなどして広報してきたが、まだ不十分
な面がある。一層の強化、拡充をしていきたい」と話した。

 路上禁煙地区の通行人のうち、喫煙している人の割合(喫煙率)は昨年2
月24日と今月6日を比べると、4.74%から0.07%に減り、市が基準として
いる0.1%を初めて下回った。たばこの吸い殻数は、4地区で553個から
169個に減ったが、基準の55個以下には達しなかった。


(2006.7.16)   清志郎「人生経験」 喉頭がん

                              Sponichi Annex 7月14日

写真 入院前最後の仕事となった9日のファンクラブイベントでの忌野清志郎

 ロック歌手の忌野清志郎(55)が喉頭(こうとう)がんで入院したことを13日、
明らかにした。初期で発見できたため、声帯を傷つける可能性がある切開手
術はせずに治療していく見通し。今夏予定していたライブへの出演はすべて
キャンセルした。ファンには公式ホームページで「人生経験と考え、この新し
いブルースを楽しむような気持ちで治療に専念できれば」と報告。がんと前向
きに闘っていく。

 医師からがん宣告を受けたのは今月7日。6月末に「のどが痛い。風邪か
なあ」とスタッフに違和感を訴えてから約10日後だった。関係者によると、想
像もしなかった病名に思わず「えっ!?」と口にし、驚いていたという。12日
に入院した。

 医師の診断によると、初期の喉頭がん。喫煙者に多いとされる。清志郎は
以前1日1箱半程度吸っていたが、1年以上前に禁煙。酒はもともとたしなむ
程度で、今年1月からやめている。心配されるのが「ロック界の宝」である、あ
の声。初期段階で発見できたため、切開手術以外の治療法になる見通しで、
手術によって声帯を傷つける心配はなさそうだという。

 ただ、治療にどのくらいの時間がかかるかは現段階では不明で、不安はあ
る。それでも入院初日の夜にいきなり「外出許可証」を願い出て医師に止め
られるなど“不屈のロック魂”は健在のようだ。

 5月20日から1カ月間、米ナッシュビルでアルバムの製作を行い、帰国後
も市原悦子(70)主演のドラマ「雨やどり」(日本テレビ、18日放送)に出演す
るな ど、歌に芝居に精力的に活動中だった。久しぶりに「RCサクセション」時
代の盟友、仲井戸麗市(55)らと共演するはずだった計6本のライブもキャン
セルせざるを得なくなり、その悔しさは計り知れない。

 ホームページではライブのキャンセルについて「申し訳ない気持ちでいっぱ
い」と謝罪。その上で「新しいブルースを楽しむような気持ちで治療に専念でき
れば。またいつか会いましょう。夢を忘れずに」と前向きに記している。

 2児の父。50歳で自転車乗りを始めた時には「強いお父さんになりたい。
不死身の男を目指す」と話した。過酷な100マイル(160キロ)レースにも挑
戦。その 強い精神力で、がんに立ち向かう。


(2006.7.15)   大分市ポイ捨て防止条例/巡回職員に暴行も

                      アサヒコム マイタウン大分 7月12日

 ポイ捨て防止条例を今月施行した大分市は11日、路上喫煙などが禁止さ
れている同市中心部で、男性の喫煙を注意した職員が胸ぐらをつかまれたと
発表した。

 市清掃管理課によると、6日午後2時半ごろ、同市中央町のガレリア竹町
のドーム広場で、喫煙していた40代の男性を巡回中の職員2人が注意した
ところ、1人が胸ぐらをつかまれた。もう1人が派出所に電話で通報したところ
男性は暴力行為をやめ、職員にけがはなかったという。

 現場は、路上喫煙も禁止された条例の「強化区域」。市職員2〜3人が毎日
巡回している。同課によると、強化区域内では3〜9日の1週間に歩行喫煙や
たばこのポイ捨てなどで150人に注意をした。多くの人が指示に従ったが、
無視する人も若者グループを中心に約1割いたという。

 同課はトラブルを避けるため、8月にも警察官OB4人を嘱託として採用し、
巡回要員とする。担当者は「条例をいかに守ってもらうかが重要。地道に啓
発したい」と話している。


(2006.7.14) 中学生呼びかけの「歩きたばこ禁止条例」可決 静岡市

                                 アサヒコム 7月12日

 静岡市議会は最終日の12日、市内の中学2年生大石悠太君(13)が制定
を呼びかけた「歩きたばこ禁止条例案」を全会一致で可決した。

 街中の受動喫煙の被害をなくすため、大石君は昨年から、同級生たちと街
頭に立って条例制定を求める請願書の署名活動を始めた。賛同の輪は広が
り、2万4000の署名を集めた。大石君は昨年12月、市議会委員会で請願
の趣旨を説明。請願は委員会、本会議とも全会一致で採択され、市が条例
案を今議会に提出していた。

 条例の正式名称は「静岡市路上喫煙による被害等の防止に関する条例」。
路上喫煙による被害が特に発生する恐れがある区域を市が「路上喫煙禁止
地区」として定めることができ、禁止地区で路上喫煙をした人に5万円以下の
過料を科すことを定めた。施行は10月1日から。過料は額を定めた上、来年
4月1日から科せられる。


(2006.7.13)    禁煙訴え日本縦断、オーストラリア人到着

                              Nikkansports.com 7月9日

 お遍路姿で禁煙を訴え日本を縦断していた愛媛県西条市のオーストラリア
人英会話講師マーク・ギブンスさん(43)が9日、北海道稚内市の宗谷岬に
到着、ゴールした。

 東京などから駆けつけた友人らに迎えられた元看護師のギブンスさんは
「(道中)信じられないほど、多くの人に支援してもらった」と感謝。少し疲れた
様子で「ゴールしても、たばこが原因で、(日本では)多くの人が亡くなること
は変わらない」などと話した。

 ギブンスさんは、4月13日に鹿児島県の佐多岬を出発。四国霊場八十八
カ所にちなんで88日間をかけ、各地でたばこ問題のイベントなどに参加しな
がら約3000キロを歩いた。


(2006.7.12)  路上喫煙 過料徴収 違反 1週間で106人/名古屋

                               Yomiuri  Online 7月8日
 月100人予想 監視強化へ
 名古屋市内4か所の路上禁煙地区で、過料徴収がスタートしたが、開始後
1週間で、過料を徴収された違反者が106人に上ることが7日わかった。市
は当初、違反者を月に100人程度と見込んでいただけに、「制度の周知や
喫煙者の意識改善が足りない」として、監視やPRの徹底を図ることにしてい
る。

 市によると、91人はその場で過料2000円を払ったが、15人は持ち合わ
せがないとして後日納付する手続きを取った。違反者のうち、住所がわかっ
たのは59人で、名古屋市在住者は22人(37%)だった。また、7人は外国
人だった。

 市ではこれまで、警察官OBの指導員を2人一組で巡回させ、徴収にあたっ
て来たが、2人では対応しきれないケースもあった。このため、当面は1地区
に4人を同時に投入し、連携を取りながら指導する方式に改める。


(2006.7.10)   路上たばこ“罰金制”始動 名古屋市内4カ所で

                             Chunichi Web Press 7月1日

 名古屋市は1日、市内4カ所の路上禁煙地区で、違反者から2000円の過
料徴収を始めた。取り締まりにあたる警察官OBら16人の指導員が街頭に
繰り出し、午前中に計13人から過料を徴収した。多くは不服そうながらも支
払ったが、中には「知らなかった」と拒否するケースも。周知不足によるトラブ
ルも懸念される中、東海地方で初めて導入される“罰金”の効果は果たして−。

 栄、名古屋駅、金山、藤が丘の4禁煙地区では、市職員や市民ら計250人
が参加して徴収開始セレモニーが行われた。栄地区では松原武久市長が
「昨年3月に路上禁煙地区を指定して以来、1年半の周知期間を経てきた。
歩きたばこはかなり減ったが、ポイ捨ては減らず、やむを得ず過料徴収に踏
み切る」とあいさつし、パトロールに出発した。

 栄ではこの日から百貨店のバーゲンが始まり、朝から買い物客らの人出が
目立った。

 午前10時半ごろ、百貨店前でスーツ姿の若い男性がたばこに火を付けた。
指導員が駆け寄り「ここは禁煙地区です。今日から徴収されます」と告げると、
男性はむっとした表情で2000円を差し出し、所定の用紙に住所、氏名を記
入した。指導員が「領収書はいりますか」と尋ねると「いらん」と立ち去った。

 中区役所付近で喫煙していた愛知県蟹江町の男性(24)は、指導員が近づ
くと慌ててたばこを手のひらに隠した。指導員が「たばこを手にしていますね」
と指摘すると、「(禁煙は)知らんかったもん」と声を荒らげた。男性は現金が
なく、振り込み用の納付書を受け取った。「皆、どこでも吸っているのだから悪
いとは思わない。今度は逃げる」

 名古屋駅前には過料徴収開始を告げるのぼりが並び、駅を出た人が慌て
てたばこの火を消す姿が目立った。大阪から出張に来たというビジネスマン
は喫煙が見つかると「知らなかった。禁煙を示す表示が少なくて分からない」
と支払いを拒否。5分以上にわたる指導員の説得にもかかわらず、支払わず
に立ち去った。

 松原市長は「知らなかった、なぜ徴収するのか、などという人とのトラブルが
起こることが最も心配」と話す。特に市外からの来訪者に路上禁煙を知らせ
るのは難しく、周知の徹底と、徴収の公平性が課題として浮かび上がった。

 【過料徴収の仕組み】  現金2000円をその場で支払うか、後日振り込む
こともできる。支払いがなければ地方税の滞納処分と同様の扱いとなり、市
が財産調査をして本人口座から強制的に引き落とすことも可能。住所、氏名
も告げずに逃げた場合は方法がないため、市は現場での徴収に全力を挙
げる。指導員は「公務員」とされ、暴力をふるわれた場合は公務執行妨害罪
で逮捕することも可能。7月−来年3月までに計180万円の徴収を見込んで
おり、路上禁煙対策の広報費などに充てる。


(2006.7.9) 西船橋駅周辺も重点地域に指定 路上喫煙禁止10日から
           /船橋市千葉
                            Chunichi Web Press 7月6日

 船橋市は10日から、過料の徴収の規定がある市路上喫煙・ポイ捨て禁止
条例の「重点区域」に、新たにJR西船橋駅周辺を指定する。違反者に対す
る2000円の過料徴収は、周知期間後の8月1日から実施。区域指定を前
に、路上喫煙禁止などを呼び掛ける路面シートの設置作業が行われた。

 市の条例は2004年10月に施行。過料を徴収する最初の重点区域として
JR船橋駅周辺を指定、05年4月から巡視員による徴収を始めた。

 西船橋駅周辺も駅利用者や歩行者が多く、市民から規制を望む声が大き
かったという。重点区域は同駅北・南口前周辺で、北口側は京成西船駅付
近まで。10日から巡視員のパトロールを始める。市クリーン推進課は「駅周
辺は歩道が狭く歩きたばこが危険な場所も多い。今後、重点区域指定の周
知を徹底していきたい」と話している。(小川直人)


(2006.7.6)   路上喫煙者から“罰金”徴収、名古屋で始まる

                               Yomiuri Online 7月1日

 名古屋市内の主要4駅周辺に設けられた「路上禁煙地区」で1日、喫煙し
ている人から、過料2000円を徴収する制度がスタートした。
 同市は東京都千代田区などに続いて、昨年3月に路上禁煙地区を指定、
道路での喫煙や吸い殻のポイ捨てを禁止してきた。しかし、地区内での喫煙
者が後を絶たないことや路上の吸い殻が減少しないことから、ルール強化に
踏み切った。

 初日は、地区の一つに指定されている同市中区の地下鉄栄駅周辺の繁華
街で、午前10時過ぎから市職員や地元住民ら約200人がパトロールし、過
料徴収開始をPRした。

 一方、過料を徴収する指導員も早速、路上喫煙者からの徴収を始めた。違
反第1号となったスーツ姿の若い男性は、指導員から過料徴収の声をかけら
れると、少しぶぜんとした表情で、2000円を支払った。

 徴収した指導員(57)は「過料徴収のことはわかっている様子だった。引き
続き、路上禁煙への協力を求めていきたい」と話していた。


(2006.7.6) 路上喫煙過料スタート 栄など4地区 逃げる違反者も 
           初日19人
                               Yomiuri Online 7月2日

もっとPRを/2000円安過ぎ
 名古屋市内の主要4駅周辺に設けられた「路上禁煙地区」で1日、喫煙者
から過料2000円を徴収する制度が始まった。初日に処分を受けたのは19
人で、徴収に伴うトラブルはなかったが、中には過料を納めず、走り去る違反
者もいた。

 同市は昨年3月、4か所の路上禁煙地区を指定し、吸い殻のポイ捨て防止
などを呼びかけてきた。しかし、吸い殻減少などの効果が見られないことから、
ペナルティー導入を決めた。市によると、過料徴収に乗り出すのは、東京都
千代田区などに次いで全国9番目。

 同市中区の地下鉄栄駅周辺では、午前10時過ぎから市職員や地元住民
ら約200人が過料徴収開始をPRする一方、警察官OBの指導員10人が、
路上喫煙者を見つけては徴収した。だが、過料を払った同市緑区の男性会
社員(28)は、「これまで禁煙地区を示す看板やのぼり旗に気づかなかった。
テレビCMなどで知らせてほしい」と不満そう。同市中村区の名古屋駅近くで
指導員に囲まれた男性は、「どこに(路上禁煙だと)書いてあるんだよ」と、大
声を上げた末、走り去った。

 路上禁煙対策は、街の美化につなげると同時に、歩きたばこによる危険を
なくすのが目的。買い物中の愛知県春日井市の主婦(36)は「歩きたばこを
する手は、子どもの目や頭と同じ高さ。子どもがけがをしないかと、本当に怖
い。過料2000円では安いくらい」と話していた。

 名古屋市では「過料徴収だけでなく、路上禁煙全体のPRに力を入れたい」
としており、14日まで連日、市職員によるパトロールなどを行うことにしてい
る。

 【写真】路上喫煙の過料徴収が始まり指導員に注意される男性も(1日、名
古屋市中村区で)


(2006.7.6)  名古屋路上たばこに過料 初日課題浮き彫り

                           Chunichi Web Press 7月6日

 名古屋市内4カ所の路上禁煙地区で違反者への過料徴収が始まった1日、
計19人が2000円の“罰金”処分になった。警官OBの指導員が暴力を受け
るトラブルはなかったが、指導員が過料の支払いを求めると「知らなかった」
との声が相次ぎ、声を荒らげて拒否する人も。言葉の通じない外国人喫煙者
からは徴収できないケースもあり、さまざまな課題が浮き彫りになった。
(社会部・原一文)

 午後1時すぎ、中区栄の栄交差点近く。指導員が、たばこを持った50歳前
後の男性外国人を見つけた。

 指導員が「ノースモーキングエリア」と話し掛けると、外国人は差し出された
携帯灰皿でたばこをもみ消した。 続けて、日本語で「ここでたばこを吸うと
2000円。

 お国はどちら」と言うと「トルコ。日本語あまり分からない」。そんなやりとり
が続き、結局、指導員は徴収をあきらめた。

 市は、公平性の観点から、人種に差別せず過料徴収する方針を掲げてい
る。指導員は英語など5カ国語のガイドを持ち歩いているが「言葉が通じない
と徴収は難しい」のが実情だ。

 午後2時半ごろ。中区栄の百貨店前で、若者がたばこを吸っていた。指導
員は「路上禁煙地区に“隣接”しています。ご協力を」と話し掛けた。

 若者がいたのは、歩道から1−2メートルの百貨店敷地内。公道の禁煙地
区内ではないため、徴収の対象外となり指導にとどまった。市側はトラブルを
避けるため、「確実に歩道にいた人だけを対象に徴収する」という。だが、わ
ずかな距離の差で徴収する場所と、しない場所に分かれることには市の担当
者も「問題意識を持っている」という。

 約10分後。旅行かばんを持ち、たばこを吸っていた男性が指導員に呼び
止められた。男性は「忙しい」と言い残し、所定の用紙への住所、氏名の記
入を拒み、2000円だけ渡して立ち去った。

 禁煙地区の4カ所は栄、名古屋駅、金山、藤が丘。19人のうち、5人は名
古屋市民だったが、10人は市外在住、4人は氏名、住所を名乗らなかった。
市外からの来訪者や外国人にどう周知徹底し、拒否する場合はどう徴収する
のか。

 「過料徴収を始めたのなら、不公平感のないよう徹底してやってほしい」。
市民からは、そんな声も出ていた。


(2006.7.4)  歩きたばこやめて! 路上喫煙防止条例/埼玉

                             Chunichi Web Press 7月2日

 歩きたばこ、やめて−。志木市は1日から、県内で初の罰則規定を設けた
路上喫煙防止条例を施行した。3カ月の周知期間を置き、10月1日から罰
金が科される。所沢市でも同日から条例を施行。駅周辺など繁華街での歩き
たばこを禁止する動きが広がっている。

 志木市は近隣の朝霞、和光、新座市とともに「路上喫煙防止条例」を3月議
会で可決、制定した。駅周辺などを「路上喫煙禁止地区」に指定し、指導、勧
告、命令に従わず、喫煙した場合は1万円以下の過料が科される。朝霞、和
光、新座の各市は罰則規定を含め、10月1日からスタートする。

 所沢市では「歩きたばこ等の防止に関する条例」が1日、施行された。罰則
規定はないが、市内全域で歩きたばこ、吸い殻のポイ捨てが禁止されるほか、
駅周辺など「路上喫煙禁止地区」での喫煙が禁止される。 (土門哲雄)


(2006.7.2)  禁煙治療の患者 保険適用に集中

                      アサヒコム マイタウン愛知 6月28日
 
 患者が増え、診療時間を増やして対応する安藤晶子医師=国立病院機構
名古屋医療センターで

  <「適用外」病院はピンチ 導入3カ月>
 禁煙治療の保険適用が始まり約3カ月。6月から、はり薬も適用対象となり、
患者負担が大幅に軽減された。一方、「敷地内禁煙」などの施設基準を満た
せず、適用外の病院も多い。県内では、保険が適用される禁煙外来に患者が
集中する傾向があり、適用外の病院は窮地に立たされている。(松永佳伸)

 名古屋市中区の国立病院機構名古屋医療センターは5月25日から、敷地
内全面禁煙を実施し、保険適用の条件が整った。

 1日60本のたばこを吸い、一度も禁煙経験がないという同市内の会社員の
女性(36)は、禁煙外来を初めて訪れた。「やめたくてもやめられなかった。
保険が適用されると聞いたので禁煙しようと思った」と話す。

 担当の安藤晶子医師は「ニコチン依存症という病気であることを認識し、治
療に取り組むことが大切。保険適用により治療を受ける人が増えている」と話
す。

 同センターの禁煙外来患者は、適用前の20人から適用後は40人に倍増
した。月2回、1日2時間だった診療を1時間延ばしたが、申し込みや問い合
わせが相次ぎ、「これ以上は応じられない」と悲鳴を上げる。

 「ニコチン依存症」と診断された患者は通常、12週間で5回の診察を受ける。
これまでは約3万4千円が必要だったが、はり薬の「ニコチンパッチ」が6月か
ら保険適用の対象となり、サラリーマンの自己負担は約1万4千円で済み、2
万円の負担軽減になる。

 保険適用の施設条件には、敷地内禁煙、禁煙治療の経験がある医師や専
任看護師の配置、呼気一酸化炭素測定器を備えていることなどがある。

 しかし、県内で禁煙外来を実施している約30の病院のうち、施設基準を満
たして保険適用が受けられるのは、同センターのほか、小牧市民病院や安城
更生病院、トヨタ記念病院など一部に限られている。

 一方、敷地内禁煙の基準が満たせず、保険適用が受けられない病院も多く、
治療費は全額自己負担になっている。

 岡崎市民病院や名古屋掖済会病院(名古屋市中川区)などは、患者らの理
解を得て敷地内禁煙を実施し、早い時期の保険適用を目指すという。

 保険適用は本来、禁煙治療を広め、喫煙者を減らして疾病予防を図ること
が目的だが、現場の医師や看護師からは「施設基準が厳しすぎる」という不
満も聞かれる。

 名古屋医療センター禁煙外来専任看護師の谷口千枝さんは「保険適用さ
れる病院に患者が集中し、適用外の病院では禁煙外来の存続が危うくなりか
ねない。早急に施設基準を見直す必要があるのでは」と指摘する。