a) 新AIと脳科学の接点(1)
<今のAI、深層学習と、脳科学>
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「赤ちゃんが諸物を認知する方法」のページ、このページ下方にリンクが
今主流となっている深層学習は、学習するのに、膨大なデータを必要とします。
これに対し、人間の赤ちゃんは、初めて見るものでも、数回の学習で判別できる
ようになります。
その違いは一体何なのか、どうやったら今のAIの限界超えられるのでしょう
か?
そのための指針としては、やはり、原点に立ち返ること、すなわち人間の脳
の構成や働きを見直し、今のAIと比較して、新しい可能性を探ることだと思います。
比較のため、まず、今のAIの概略を説明します。
今主流のディープラーニング(深層学習)は機械学習を発展させたものですが、
機械学習は次の3つに大別されます。
@教師あり学習
A教師なし学習
B強化学習
@教師あり学習
学習データと正解データを与えて訓練し、正解を判定できる能力を獲得させます。
訓練に back propagation 法 (誤差逆伝播法)を用います。
予測や分類に使用。
A教師なし学習
正解なしのデータを与えて、それらの特徴抽出等を行わせます。
B強化学習
動物の調教に似た方法。
試行の度に、プラス、マイナスの報酬を与えながら、目標達成に導く方法。
(目標達成: 最適な行動の習得等)
エージェント: 像や犬、猫等 環境: 調教する人等
アルファ碁や自動運転にも使われています。
ディープラーニング(深層学習)を用いた今のAIは、産業、生活、学問、医療等
あらゆる分野で盛んに活用されつつあります。
ディープラーニングは、膨大なデータを必要とするのみならず、スーパー
コンピューター等の超高性能装置を必要とする、という欠点があります。
ここでは、今のようにビッグデータやスパコンを使う必要のない、新しい方式のAI
を考え出すことを目指して、まず今のAIと人間の脳との比較を行います。
脳内神経細胞と人工ニューロンに関する説明は、別のページにまとめました。
クリック
(ややこしいところは読み飛ばしてください。)
ディープラーニングのついての解説も長くなるので、次のページにまとめました。
クリック
ここからが本論です。
(枠組み作りに時間がかかって、これにかける時間が不足したため、少しづつ
書き加えていきます。)
今の人工知能の学習と赤ちゃんの脳発育を比較した場合、私は、例えば、
次のような点が本質的な相違ではないかと感じます。
1.今のAI は、元々、脳内の視覚系、網膜から側頭部(腹側視覚経路)の経路を
模倣して考案されたもの。 実際の脳には、領域間の多次元的な相互作用が存在。
つまり、脳の一部だけ(図 1Aの矢印部分)の働きを、数学的な方法で再現した
だけなのではないか、と考えられる。 これは、ニューロン群の平面を、一次元
的に数珠繋ぎしているだけである。 (図 1C 参照)
図 1A 腹側視覚経路
図 1B 腹側視覚経路 V1、V2、V4、PIT、AIT
実際の脳では、大脳皮質内の領域間での相互作用や、より内部の辺縁系
(記憶、感情)、脳幹(本能)との相互作用が行われている。 つまり、より立体的
なシステムとして、相互作用しながら活動している。
実際に、画像認識するAIの構造は、次に示すようなもの。
図 1C AI の層の一次元的結合と各層ごとの働き
しかも、図 1C のAIでは、学習として、数学的な方法(勾配法等)で処理する。 実際
の脳は、勾配法のような処理方法は使わないのではないだろうか。
実際、ヒントン氏自身が、「神経学者は、バックプロパゲーションのようなことを脳が
できるかどうかについて非常に懐疑的でした。 大きな問題の1つは、脳が勾配をどうやっ
て伝えるかということです。 AIのバックプロパゲーションでは、誤差の勾配に比例して
重みを更新します。」 と述べています。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01583/00003/
ヒントン氏は、「今のAIは、脳の一部を模倣してるにすぎません。 学習回数を
少なくて済むようにするためにも、これからのAIは、脳をお手本として改良されていく
ことが望まれます。」といったことも述べています。
(このURL を見失ったので、探して後ほど掲載。)
2.赤ちゃんの脳内では、図 1C のような特定の線分だけを認識する層(ニューロン群)等
の構造の形成は、遺伝子によって、誕生前に作成されていると考えられる。 いろんな
ところで、遺伝子の働きによる脳組織の形成がひとりでに行われ、あまり学習せずとも優
れた判断力をつ構造や神経回路網が作られていくのではないか、という疑問。
(信号の通り道は、誕生後に外からの刺激に反応することで形成されるが、図
2 のような
大脳皮質視覚野のコラム構造等は、誕生前に作られていると考えられる。それが、AI より
はるかに少ない回数での学習を可能にすると考えられる。)
図 2 視覚野の線分担当コラム構造
3.そもそも、人間には、誕生前に意識という統一体ができあがっており、それが、誕生後
新しく出会うものを学習する際に、高い効率でいち早く理解することを可能にしているので
はないか、という疑問。
以上の3つの疑問点のうち、3はすぐには取り掛かれないので、まず1と2について
考えていきたいと思います。
その前に、赤ちゃんが、初めて触れるこの世界のいろんなものを、どのようにして、脳の
中に取り込んでいくのか、それについての考察を、新しいページにまとめていきます。
クリック
(赤ちゃんが諸物を認知する方法、のページへ)
(鋭意作成中、随時アップロード)
今年のロボット教室も、まだコロナの影響も治まらず、10回未満でした。 次の
動画は、西が丘小、瑞穂野小(別学年)、幼稚園等のものです。 自前サーバ
工事中で容量制限のため、動画は短くしています。
クリック クリック クリック
今年は、ロボット教室以外のイベントにも参加しました。 ロボット教室でいつも
おなじみの小学校では、子供達との1日バス旅行にも招かれ、群馬県の明太子や
こんにゃくワールド(?)、フランス式ベーカリ^等を一緒に見学してきました。