TRIP




関西空港

















11月24日 木曜日 はれ   (その3)

まずは手荷物検査だ。
アメリカで同時多発テロが起きてから
手荷物検査は厳しいと聞いていたが、
噂どおりかなり厳しかった。
俺の前に並んでいた若い女性は
履いているブーツを脱ぐように言われ、
X線でカバンの中を見る機械に通された。
俺は俺で、先ほど買ったペットボトルの
中身を調べるとかで
特殊な円筒状の機械にかけられたが、
もちろん問題は無かった。
エスカレーターで3Fに降り
今度は出国審査だ。
今日は平日だからかほとんど人はいなくて、
手続きも職員にスタンプを
押してもらうだけの簡単な出国だった。
これで日本を出る準備がすべて整った。









今度は出発ゲート5に向かう。
矢印をたどっていくと、
モノレール乗り場に着いた。
関西空港はとても広いので、
空港建物から遠いゲートは
モノレールで移動できるようになっている。
窓から俺の乗るアリタリア航空
AZ795便が見える。
やっぱ、国際線の飛行機はでっけ〜わ〜!
モノレールを降り、
少し歩くとゲート5に着いたのだが、
待合室はものすごくたくさんの人で
ごった返していた。
こんなにたくさんの人が
イタリアに行くのか〜・・・
なんとかイスを見つけて
日記をつけていると、
まもなく搭乗となった。
さすがに気の早い日本人、
ツアー観光のおばちゃま達が
搭乗開始と同時にドッと
ゲートに押し寄せ、
アッという間に長蛇の列が
できてしまった。
やれやれ・・・










でか〜い!
アリタリア航空795便
























俺は少し人が空いてからゲートに向かった。
飛行機までの連絡路を通ると
少し気持ちが高まってきた。
いよいよ、フライトだ!!!
久しぶり〜〜〜!!!
飛行機の入り口には、
イタリア人の男性と女性の
乗務員が立っており、
女性の方が俺のチケットを見て
「エラ、エラ」と言っていたけど、
どういう意味かは解らなかった。
たぶん、あっちとかこっちとか、
そんな意味なのだろう。









俺の席の15Eを探すと、
エコノミー席の前から2番目なので
確かに降りやすくていいのだが、
飛行機の中の座席は両サイドに3席ずつと
通路を挟んで真ん中に3席あり、
15Eはその真ん中の3席の真ん中、
つまりド真ん中だった。 やぁ〜や!
こりゃ、まいったわ・・・
(やぁ〜や は、広島弁でありゃりゃの意味)
しかも、両隣はイタリア人の
お兄さんとおじさんだ。
隣にはイタリアーナ
(イタリア人の若い女性のこと)が
座ることを期待していたのに、
残念・・・っと思っていたら、
しばらくすると隣のお兄さんは
スチュワーデスに案内されて
別の席に行ったので、
早速通路側に移動させてもらった。
それにしても、イタリア人のスチュワーデスは
ベッピンじゃの〜!!!










きれいだな〜!
外の景色














13:55、飛行機は定刻通りに動き始めた。
滑走路までは数台飛行機が並んでいたけど、
14:00過ぎには轟音とともに離陸した。
外の風景が見えないのがなんとも残念だ。
ミラノまで9,628Km、
約12時間20分のフライトだ。
やっぱ、国際線はいいね〜!
この気分は格別だ!
安定した飛行になると、
スチュワー男(男性乗務員のことを
勝手にそう呼んでいる)が
ヘッド・ホンを配り始めた。
「グラーツィエ(ありがとう)!」
「プレーゴ(どういたしまして)」
この旅の最初の外国語会話は
イタリア語だった。









14:45過ぎに飲み物を配り始めた。
ビールをもらおうかと思ったが、
せっかくのアリタリア航空なんだから
ワインをもらおう!
小さなビンに入ったワインを
ビンごとくれた。
昼間っから堂々と
お酒を飲めるのはうれしい。
さっそく一口飲んでみると、
あまり甘くなくて美味しい。
名前を調べてみると
“CANTINETTA VENTO 
Bianco Garganega”
という長ったらしい名前だけど、
日記にメモしといて日本に帰ってから
探してみようかな!
ワインを飲み終わる頃には
かなりいい気分になってきた。









おぉ、食事が来るぞ!
食事はイタリアンと日本食の
どちらかが選べるようになっているが、
海外旅行では日本食を食べる気には
ならないのでイタリアンにした。
メニューは、鶏肉を香草で
煮込んだものがメインで、
ペンネ、ハム、サラダ、パン、果物、
チーズにクラッカーと、かなりのご馳走だ。
斜め前に座っている日本人は
日本食をもらったのだが、
メニューはあなご飯のようだ。









おいしそ〜!
機内食










「ワインをもう一本いかが?」
すっかり飲み干していた
ワインを見つけたスチュワーデスが
勧めてくれる。
俺は、あまりアルコールは強くないし、
フライト中は気圧の関係で
かなり酔うと聞いていたので、
迷ってしまう。
う〜ん、久々の海外旅行なんだから、
飲んじゃえ〜!あ〜、もうヘベヘベ・・・










食事も、バリうまい!!!
チーズはクラッカーに載せて食べると、
とてもクリーミーでワインとよくあう。
食事を全て平らげて
食後のコーヒーがこれまたうまい!
もー、バリ満足じゃ!!!
海外旅行はいいね〜。
さっきまで寂しがっとった気分は
どこへやらじゃ〜!!!
う〜、酔ったぜ〜!
画面の表示によるとスピードは855Km、
外の気温はマイナス52℃だって。
でも、フライトはかなり安定していて快適だ。
ここまできて、やっと海外旅行に
出かけた気分になってきた。
今まではとにかく怖いばかりだったけど、
この調子でいきゃ〜アフリカなんて、
大したことね〜ぜ〜!










いい眺め!
外の景色 その2









食事が終わると、
トイレに行きたくなった。
順番を待つ間、
トイレ横にある小さな窓から
外の風景を眺めた。
雪の積もった山が連なり、
夕焼けに染まって
とても美しい。
窓際の席なら飽きることなく
ず〜っと眺めてるのにな〜・・・










俺の順番になったので
トイレの中に入り鍵を閉めると、
外から扉をドンドンと叩かれる。
『入ってます。』という意味で
こちらから叩き返すと、
再びすごい勢いで叩かれる。
なんで〜?
と思い扉を開けてみると、
スチュワーデスが立っていて、
トイレ内にあるボタンを指差して
「エマージェンシー・ボタン!」
と言っている。
飛行機のトイレの中には、
気分が悪くなった人のために
呼び出しボタンが付いていて、
それを押すとスチュワーデスが
駆けつけてくるようになっているのだが、
俺がそれを押しただろうと言っている。
いやいや、俺押してないし・・・
たぶん、俺の前に入っていたおばさんが、
用を済ませて出てくるとき
扉を開けるのにてこずっていたので、
きっとそのときに押したに違いない。
ムッカーーー!!!



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