TRIP
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![]() ソーリーの写真 |
11月27日 日曜日 はれ (その2) しばらく下っていくと草原が広がり、たくさんの牛がいる。 放牧なのだろうか? 何人かの人が棒で牛のお尻を叩いて誘導している。 船を岸につけてその様子を見に行った。 川から見るよりも牛の数はかなり多くて、 数百頭はいそうだ。 「トム、俺は牛が大好きなんだ。 写真を撮ってくれないか?」 「うん、いいよ! じゃあ写すよ〜、 3・2・1・カシャッ!」 シャッターを押したと同時に ソーリーは顔を向こうに向けてしまったので、 こんな写真になってしまいました。 あ〜ぁ・・・(写真参照) |
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再び船に乗って出発した所に向かう。 だいぶ高く上ってきた太陽がどんどん気温を上昇させる。 そのとき目を閉じ、ソーリーが空に向かってつぶやいた。 Sun is energy. 太陽はエナジー Sun is freedom. 太陽は自由 Sun is Africa. 太陽はアフリカ |
![]() 川沿いの風景1 |
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![]() レストランのマスターと |
出発したところまで戻ると 船を降りがけにお兄さんにチップを 500CFA(セーファーフラン 約100円)渡すと、 とても喜んでくれた。 3人で朝ごはんを食べることになり 海岸沿いを歩いていると、 大きな塩の板が置いてあるところがある。 うわ〜、今でも塩の交易をしとるんじゃ〜!!! 近寄って板をなめてみると、 当たり前だがしょっぱかった。 でも、旨味も効いていて、なかなかいい味だった。 近くの掘っ立て小屋レストランで 朝食をとることになった。 今日は激甘コンデンス・ミルクコーヒーに、 パンはフランス・パンの横を切り開き、 た〜っぷりのマヨネーズを塗ったものを食べる。 これが思いの他おいしい! 「ソーリー、もう一本食べてもいい?」 あまりのおいしさに、もう一本おかわりしてしまった。 「マスターと写真撮りたいな〜!」 ソーリーはマスターに交渉してくれ、 写真が出来上がったら送ってくれるという約束なら 撮ってもいいということになった。 ハイ、チーズ カシャ! |
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食事が終わり家の前まで戻る。 「トム、久々にモプティまで帰ってきたから 友達に会いに行ってきたいんだけど、 待っててくれるか?」 「ああ、もちろんいいよ! じゃあ家で日記書いてるから!」 ひとりで家に入ると 屋上の寝床はすでに片付けられていた。 今日はこれからジェンネまで移動するので 荷物の整理をしていると、 お兄さんがやってきた。 「片付けてもらってすみません。」 「あ〜、アクナマタタ〜。 そこの部屋が私の仕事場なんだけど見るかい?」 「いいんですか?」 「もちろん!」 台所の奥の部屋が仕事場らしく、 中に入ると小さな机がひとつと、奥には棚があり、 その中にはたくさんのアクセサリーが飾ってある。 お兄さんはこのアクセサリーを作るのが仕事のようだ。 |
![]() お兄さんの仕事場 |
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![]() お兄さんから買ったお土産 |
「どうですか?」 「ステキですね!」 「安くするから、買っていきませんか?」 う〜ん、あまり買う気は無かったのだけど、 一晩お世話になったことだし、 買ってもいいかな〜!!! 意外なところで初の買い物が始まった。 お兄さんはネックレスを2つ取り出し、 紙に20,000CFAと書く。 おぉ、インドで買い物したときと同じだ。 こういう場合は相手が書いた20,000CFAと 自分の書いた金額の中間に歩み寄っていくので、 最初は思い切って安い金額を書くべきだということを インドで学んでいた。 お兄さんのペンを取り、600CFAと書いてみた。 お兄さんは「プフッ!」と呆れたように笑い、 今度はお兄さんが18,000CFAと書くので、 俺は1,000CFAと書き、 お互いがすこしずつ歩み寄っていく。 15,000−2,000、 10,000−3,000・・・ ラスト・プライスが近づいてきた。 お兄さんは8,500CFAまで下げてきた。 ここで俺は7,000CFAにするか 8,000CFAにするか迷った。 よ〜し、7,000CFAだ!!!(約1,400円) 「よし、売った!」 えぇ?! 意外にあっさり同意してくれ、 おまけにブレスレットを2つもオマケしてくれると言う。 アチャ〜、高く買いすぎたか〜・・・ まあ、一晩お世話になったんだからいいことにするよ! バンバラ族の石でできたものと、 コヤス貝のついたバオバブの実のネックレスを選んだ。 |
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しばらく、台所横の吹き抜けのところで日記を書いていると、 外からフランス人観光客を連れたガイドが入ってきた。 お兄さんはその人たちを連れて家の中を案内する。 そりゃ〜これだけの家だもの、 欧米人の旅行客には珍しいに違いない! 一通り案内し終えると、お兄さんは先ほどの仕事場に連れて行き お土産にアクセサリーを売る。 うまい!!! たぶん、ここに連れてきたガイドと 上手く連係プレーをとっているのだろう。 こりゃ〜、一丁やられました! |
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ソーリーが帰ってきていよいよ出発だ。 お兄さんに挨拶をし外に出ようとすると、 昨日入り口辺りで挨拶したおばあちゃんが座っていた。 ソーリーがおばあちゃんに出かけることを告げると、 ソーリーもおばあちゃんも少し寂しそうな顔になった。 「トム、おばあちゃんは目の病気を患っているんだ。 日本に帰ったら、おばあちゃんのために目薬を送ってくれないか?」 「うん、解ったよ。」 日本から勝手に薬を送るなんてことは出来そうにないし、 どんな病気かも解らないのに適当に薬を送るなんて出来ないと思えたが、 この場ではそう答えるしかなかった。 「おばあちゃんにお世話になりました、と伝えてくれないか?!」 ソーリーがおばあちゃんに何か告げると、 おばあちゃんはしわくちゃのステキな笑顔で見送ってくれた。 |
![]() おばあさんと一緒に |
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外は朝の涼しさとは打って変わってかなり暑い! ソーリーは相変わらずミネラル・ウォーターの でっかいケースを持っているので、 近くからタクシーに乗って移動する。 街には人が溢れ出していた。 昨日バスから降りたところに着くと、 出発にはまだ時間があるらしく、 近くの喫茶店(?)に入って コーヒーを飲むことにした。 |
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![]() 喫茶店にて |
喫茶店といっても、造りは適当に木を組んだものをトタン板で囲み、 日本でゴミを出すときに使うような黒いビニールの袋を裂いたもので 周りを覆っている。 こんな粗雑な造りでも影ができるととても涼しい。 「やぁ、トムじゃないか!」 振り向くと、夕べ散歩したときに会った ガソリン・スタンドのお兄さんだった。 握手をして一緒にコーヒーを飲む。 アフリカにも知り合いが出来た気分で、 すごくうれしかった。 記念にお兄さんと写真を撮っていると、 横にいた民族服の若い女性が 「私と一緒に撮って〜!」 といいながら俺の横に座ったかと思うと、 笑いながら向こうに走って行ってしまった。 一瞬の出来事だったので、 何が起きたのかよく解らなかったけど、 ソーリーが言うには「彼女はジョークだったんだよ。」 って笑っていたけど、 本当に一緒に撮ってもらえばよかったな〜と、後から悔やんだ。 アフリカの女性はなかなか写真を撮らせてくれないのだが、 その後も女性と一緒に写真を撮るチャンスは 巡ってこなかった。 残念! |
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