TRIP



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12月4日 にちようび  はれ            (その2)

イスに座り、しばらく日記を書いていると、
エア・セネガルのカウンターに職員がいるので、
フライトの変更について尋ねてみた。
「ダカール行き“V7 705便”の
 フライトは何時ですか?」
「15:30発だよ。」
「ええ、本当ですか?変更されたと聞いたのですが・・・」
「いや、15:30だ。
 14:30からチェック・インが始まるから、
 そのときに来なさい。」
本当なのだろうか? 
15:30ということは、
まったく変更されていないことになる。
まあ、14:00頃もう一度確認しに行こう。














イスに座り、再び日記を書いていると
横に座っている民族服のマダムが
「ボールペンを貸してくれない?」と、
話し掛けてきた。
マダム達もエア・セネガルを利用するようだ。
「ダカール行きの飛行機は何時に出発ですか?」
「15:30らしいわよ。
 14:00過ぎにはチェックが始まるわ。」
う〜ん、やはり元に戻ったようだ。
早めに空港に来ておいて良かった〜。













ドゴンの人が見えるかな?
空港玄関の様子























空港にはアフリカ各国の首相らしきものはまったく現れず、
相変わらずのんびりした雰囲気だ。
とにかくハエがすごい!
追い払っても追い払ってもすぐに全身ハエだらけになる。
それにもかかわらずウトウトと眠くなってくる。
アフリカでうたた寝をするなんて
俺も度胸が据わってきたのかな。
日記を書いたり、少し眠ったりして
のんびりと時間を過ごしていると、
昼過ぎに外から太鼓の音が聞こえてきた。
急いで空港の外に出てみると、
ドゴンの人たちが仮面ダンスの格好で
列を成して歩いているではないか!!!
いったいどうしたことだ!!!
俺が想像するに、どこかの国の首相がやって来て
ドゴンの人たちが出迎えに来たんだと思う。
急いでカメラを構え写真を撮ると、
近くにいた警官がやって来た。
「こらっ、写真はダメだ!」
「解りました。すみません。」
あわてて警官に謝ると
「金を払えば撮らしてやってもいいぞ。」
も〜、そんなことまでして撮りたくありませんよ〜だ!
まったく、めんどくせ〜な〜、こいつら!!!














14:00を回るとエア・セネガルのカウンターで
チェックが始まった。
一応列に並んでんだけど、
本当に俺の乗る飛行機のチェックなんだろうか?
俺の順番が回ってきた。
「V7 705便のダカール行きですか?」
「そうだ!」
そう言って、その人は俺のチケットを作り始めた。
もう知らないよ〜だ。
この飛行機がダカールに行くことは間違いなさそうだし、
俺としちゃ〜ダカールにさえ行ければ
別に便なんてどれでも構や〜しない。
「窓際の席をお願いします。」
「窓際はもう無いよ。」
「じゃあ、通路側で・・・」
カバンは無条件に機内持ち込みは不可だと言われ、
ベルトコンベアーに載せられて、流されていく。
自分の荷物はなるべく
自分の手元に置いておきたいと思っているので、
今回の旅で荷物を預けるのは初めてだ。
お〜い、大丈夫なんか〜、俺の荷物は・・・
次は出国手続きだ。
先ほど書いておいた出国カードを提出して、
イエローカード
(黄熱病の予防接種を受けていることを証明する黄色い紙)
を見せると手続き完了。
これでなんとかダカールまでは行けそうだ。














向こうに小さく見えるのがドゴンの人だ!
ドゴンの人たちがやって来た




























階段を上がると待合室があり、そこでしばし休憩。
イスに座ってから
、もう一度作ってもらったチケットを確認してみる。
“V7 733便”となっている。
でも、俺の乗るのは“V7 705便”だ。
まぁ、俺の名前も入っているし、
出発時間も15:35になっているから、問題ないじゃろ。
俺のせいで乗れん奴がおっても
知らねぇ〜よ〜だ。
ついでに今後の旅の予定も確認しておこう。
お大事袋からフライトのスケジュール表を見てみる。
水曜日の夜には日本に向けて出発だ。
んっ? ちょっとまてよ〜?
水曜日の2:25に出発ってことは、
火曜日の夜ってことじゃん。
お〜〜〜危ね〜〜〜!
俺、水曜日の夜に行くつもりだったよ。
そうか〜、7日の2:25ってことは
6日の夜中ってことだもんな〜。
早く気づいてよかった。
ってことは、この旅もあさってには
日本に向けて出発ってことか〜〜〜・・・
早く日本に帰りたいよ〜!














3:15頃ボーディング・タイムになった。
セキュリティーを通り、階段を降りると搭乗口だ。
おぉー、涼しい、クーラーじゃ!
マリにもクーラーってもんがあるんじゃ〜
驚きだね!
イスに座り搭乗の時間を待つ。
隣にスーツ姿のかっこいいお姉さんが座った。
黒人女性がスーツを着てるとかっこいいな〜、
などと見とれていたのだが、そ
れにしてもなかなか搭乗が始まらないな〜。
窓から飛行機が離陸していくのが見える度に
俺の乗る飛行機が飛んでったんじゃないかと思って
冷や冷やするんだよね〜。
もう16:20だ。 1時間近く遅れている。
も〜、アフリカンタイムなんだから〜・・・














そんなことを思っていると、
やっと搭乗が始まった。
今回もタラップまではバスで移動するようだ。
係員に何度も何度もダカール行きか確かめた。
どうやら大丈夫そうだ。
バスに乗った人を見ると、
たいして多くの人が乗っているわけではないのに、
なんで窓際の席が無いんだろうと
不思議に思いながら飛行機に乗り込んでみると、
ほぼ満席になっている。
えぇ? この空港はどんな造りになっているんだろう?
俺たちが待っていたところ以外にも
待合室があったのだろうか?
あっ、そうか、ひょっとしてこの飛行機の
最初の出発地はバマコではなくて、
どこかからバマコを経由して
ダカールまで行くのかもしれない。
席に着くと隣はフランス人の男性だった。














飛行機は間もなく動き出し、
滑走路まで来ると一気に飛び立つと思いきや、
グルリとUターンして元の位置に戻ってきて
そのまましばらく動かなくなってしまった。
おいおい大丈夫か?
どうなったのかはよく解らないが、約30分そのまま停止し、
結局飛行機は17:20、
予定より約二時間遅れて再び動き出した。
17:20か〜、
この時間にはダカールに着いているはずだったのにな〜・・・
外はまだ明るいので、この時間に着いていれば、
宿を探すのも楽だっただろうが仕方がない。
滑走路に出ると飛行機はいったん停止し、
それから一気に加速。グワッと機体が上がると
地面にへばりついたような村々が見える。
約10日前、初めて空からこの村々を見たときには、
何があるのか、どんな所なのか全然知らなかった。
だが、こうして10日間、いろんな村を周って
あらためてこうして空から眺めると
感慨深いものがあった。
空の上から見ても、マリは赤茶色だった。














安定した飛行になり、食事が配られ始めた。
やった〜、今日初めてのちゃんとした食事だ。
鶏肉にスパイスソースが掛かったもの、
ポテトを煮たもの、グリーンピース、
小さなフランスパンにケーキ、
どれもとても美味しい。
特にフランスパンの味は最高だった。
それに、エア・セネガルのスチュワーデスは
とてもスタイルがよくてステキだ。
紺色の生地に赤の縁取りがしてある制服が
とてもよく似合っている。
あ〜、ここは天国じゃ〜!
このまま日本に帰れればどんなにいいだろう。
でも、あと2日、セネガルで頑張んなきゃな〜!!!
18:40頃飛行機は高度を下げ始めた。
今度はあらかじめスチュワーデスが入国カードを配っている。
やっぱ、こうじゃなくちゃね!
この入国カードを書き込むのも3回目なので手慣れたもんだ。




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