TRIP
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セネガルのサンタクロース |
12月6日 かようび はれ (その3) 約30分で再びダカールに戻ってきた。 昨日とは違う道を通って インディペンデンス広場横にある銀行を目指す。 第一目的のゴレ島見学は達成できたので、 次は第二目標のマスクを買うため銀行で 両替をしなくてはならない。 海外で両替をするのは なんとなく難しそうで気が引けてしまうが、 何事も経験だ! 炎天下の中、昨日とは違うルートを歩く。 いや〜、それにしても暑いな〜! おやおや? サンタクロースの看板があるぞ! 店先に大きなサンタクロースが木の板に描かれていた。 この暑い中、お馴染みの赤い分厚いコートを着ているので、 見るからに暑そうだし、 顔も暑そうな表情をしてるのがなんとも面白い。 |
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そこを通り過ぎ、しばらく行くと銀行に着いた。 建物に入ると、外の喧騒が嘘のように静かで 落ち着いた雰囲気だった。 お大事袋から20ユーロ札を取り出したのはいいが、 どこが両替を扱っている窓口か さっぱりわからないので困っていると、 昨日ポンピドゥー通りを歩いているときに見かけた おじさんがいるのに目が留まった。 おでこにイボがあり、キリッとしたスーツ姿が よく似合っていたので覚えていたのだが、 この人は銀行の人だったのか! 「あの〜、両替したいんですけど・・・」 「両替はここじゃない、ついておいで!」 そう言って事務所の中を歩き出した。 ちょっとあわてて後をついて行くと、 裏口から一旦外に出て違う建物に入っていく。 「あそこが両替の窓口だ。」 「ありがとうございました。」 早速窓口に20ユーロ札を差し出して尋ねた。 「セーファー、コンビアン? (何セーファーになりますか?)」 「約12,800CFA」 思っていたレートとそんなに違わなかったので 「OK!」と言うと、 窓口の女の人は受け皿にお金をボンと置いた。 え〜、両替ってたったこれだけ? なんか書類を書いたり、 ちょろまかされそうになったりして 面倒なんじゃないかと思っていたけど、 たったのこれだけで終わって拍子抜けしてしまった。 |
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これで、マスクが買えるぞ〜! よし、おっちゃんのところに行ってみよう! 昨日通った路地を反対から歩いていくと、 たくさんのマスクが掛けられている おっちゃんの店が見えてきた。 おっちゃんは遠くから俺の姿を見つけ、 「また来やがったな〜」 とばかりに、ニヤーっと笑う。 「まあ座りなよ。今日は暑いからな〜。」 身振りで話しながらイスを差し出す。 「アンティーク・マスク、グッド・プライス」 おちゃんは何度もそう言いながら いろんなマスクを出す。 「いや、昨日のが欲しいんだ!」 「あれもいいが、こっちのもいいマスクだぞ!」 「いや、このマスクがいい。 なんとなく俺の顔に似とるじゃろ?」 そういってマスクを俺の顔の横に並べて おっちゃんに見せると、 本当だと言わんばかりに頷きながら笑う。 昨日と同じようにメモ用紙で値段交渉だ。 |
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「50,000CFA」 おいおい、昨日は15,000CFAって 言ったじゃんか! だったらいらないという素振りでイスを立ち、 どこかに行く振りをすると、 おっちゃんはあわてて 「アッタン、アッタン!」と呼び止める。 おっちゃんは大事な客を逃がすまいと、 俺の腕を抱きかかえて何度も 「アッタン、アッタン!」と呼び止め、 なんだかんだと値段交渉をしながら 結局15,000CFA(約3,000円)まで 値が下がった。 これなら昨日の値段と同じだ。 「よし、買った!」 おっちゃんと笑いながら握手をした。 これで第二目標も達成だ! 楽しく買い物ができたお礼に 折鶴を作ってあげるとおっちゃんは結構喜んでいた。 「ありがとう。さようなら!」 そう言ってお店を後にした。 |
アッタンおじさんとお店 |
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リソース |
時間も13:00を回りお腹が空いてきたので、 何か食べよう。 昨日ケルメル市場の辺りが賑わっていたので、 あそこに行ってみよう。 昨日と同じく市場の横に簡易テントを張って、 たくさんの食べ物屋さんに たくさんの人が集まっている。 中を覗きながら歩くと、 キレイな女の人がやっているお店があったので、 そこに入ることにした。 イスに座ると、周りに座っている人達が 俺が何を食べたがっているのか心配してくれている。 「リソース、リソース!」 リソースというのはトマトを煮込んだ鳥の料理で、 西アフリカの伝統料理だと聞いていたので、 ぜひそれが食べてみたいと思っていたのだ。 俺が言ったのを聞いて、 向かいに座っているおじさんが 赤い煮込み料理の入った鍋を俺に見せてくれる。 「リソース?」 そう言うとおっちゃんは大きく頷くので 俺も大きく頷くと、 おじさんはキレイなおかみに注文してくれた。 おかみはそれを聞くと、平べったいお皿に白いごはんを盛り、 先ほどの鍋から煮込みソースを 白いごはんの上にたっぷり掛けて手渡してくれた。 |
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おじさんに、ありがとうと目で合図を送り、 早速食べてみようとして驚いた。 スプーンで先ほどの煮込みスープをすくうと、 ネバ〜〜〜っと納豆のように糸を引くではないか!!! 外は今日もかなりの暑さなので、 発酵してしまったのではあるまいか? 恐る恐る口の中に入れてみる。 うん、味は悪くはないが、喉に流し込んだ後、 鼻に抜ける臭いがウンコ臭い。 大丈夫なんかいな、この食べ物? しかし、周りを見回して 俺と同じものを食べている人を見ると、 平気な顔でパクパク食べている。 これはもともとそういった食べ物なんだろうか・・・ 最初は疑い深く食べていたけど、 食べるに連れて徐々にこの味と臭いが癖になり始めた。 うん、美味しいぞ〜! 食べ物って一癖あるようなものの方が 後から癖になるのかもしれない。 結局キレイに平らげ、 またまたニコニコ顔でテントを出た。 950CFA(約190円)の昼食だった。 |
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さて、満足のいく昼食も食べて、 残るは第三目標のアラビア語版 缶コーラを買って写真を撮る、 これを達成すればとりあえず 今回のアフリカ旅行で思い残すことは無い。 昨日晩ご飯を買ったスーパーに行ってみよう。 扉を開けて中に入るとビックリ! 昨日とは違ってクリスマスのディスプレイがしてある。 マリではクリスマスらしきものは見なかったけど、 セネガルでは結構クリスマスやるんだね! 日本ではここのところ 11月頃からデパート等で クリスマスのディスプレイがしてあるけど、 ありゃ〜ちょっと早いんじゃないかな〜? やっぱ、今くらいからが丁度いいと思う。 店内には音楽が流れているのだが、 ユッス・ンドゥールの曲が流れ始めた。 ユッスはセネガルでかなり人気の高い歌手だ。 クルクルと歩きながら缶のコーラを捜す。 おおっ、あったぞ!!! レジに並び支払いも済ませて、 後はどこかでこの缶コーラの写真を撮れば 任務完了だ! |
アラビア語のコーラ |
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見えてきた水平線 |
さて、まだ14:00を周ったところだ。 これからどうしようか? そうだ、昨日ジャイカのかわいい人が言ってた 海岸線を歩いてみよう。 再びインディペンデンス広場まで出て、 南に向かって歩いていくと視界が大きく拓け、 大西洋が見えてきた。 よし、海岸線を歩こう。 う〜ん、確かにこの道は眺めがいい! 大西洋の水平線が見渡せ、ゴレ島も見える。 海岸線にはたくさんの おしゃれなホテルが建ち並び、 海に突き出した所には パラソルを広げたテーブルで 食事ができるようになっており、 ちょっとしたリゾート地のような感じだ。 現地の人が木陰から俺を見つけて 「サバ? ボンソワール。」 と声を掛けてくれるので、 その度こちらも笑顔で挨拶する。 知らない人でも挨拶すると気持ちがいい。 |
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炎天下の中を歩いていると、 後ろから肩をポンポン、と叩かれた。 振り向くと一人の青年が汗まみれで立っていた。 「ねぇちょっと〜、水を飲ませてくれないかな〜?」 「ああ、いいよ!」 持っていたペットボトルを差し出すと、 青年はかなり喉が渇いていたらしく グビグビと喉を鳴らして水を飲む。 「メルスィー。」 そう言うと青年はニコリと笑って足早に歩いていった。 |
海岸線の風景 |
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