【ゲド戦記】   ☆☆☆
声の出演者: 岡田准一、手嶌葵、菅原文太、風吹ジュン、田中裕子 
 “有限”の命をどう生きるか・・・、根底に流れるテーマは、人が生きていくうえでとても大切なこ
とだとは思うんですが、イマイチ盛り上がりに欠けるといいうか・・・、なぜか感動を覚えることも
なく見終わってしまいました。原作ではハイタカ(ゲド)の少年時代から話が始まるみたいですの
で、やっぱり途中からだと無理があるのかしら?! 私にはどうしてアレンが父親を殺してしまう
程苦しんだのか、その理由がさっぱりわかりませんでしたし、アレンだけでなく、ハイタカ、テナー、
クモの説明も不十分で、どうして彼らが今に到ったかが、すごくおざなりだったように思いました。
とにかくテーマが前面に出すぎているのが、かえって裏目にでているような気のする作品でした。
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【スーパーマン リターンズ/SUPERMAN RETURNS 】   ☆☆☆★
出演者: ブランドン・ラウス、ケイト・ボスワース、ケビン・スペイシー、ジェイムズ・マーズデン
 とにかく映画「スーパーマン」マニアがスーパーマンファンのために作った作品です!! です
ので、台詞のここかしこに「1」の引用が見られ、飛行機を救った後の「統計学的には・・・。」な〜
んてフレーズまでそのままです。ブランドン・ラウスは違和感なくてしかもキュート(とくにクラーク・
ケントの時)ですし、ケイト・ボスワースもマーゴット・キダーより美人。CGも冒頭のスペースシャ
トル打ち上げのトラブルなんて手に汗握りました。(あれだけ急降下したら普通は助かりません
よね。(笑)) といいことづくめなんですが、何故か見終わった後の爽快感はなし。それはスー
パーマンとロイスとの関係がイマイチ煮え切らないせい?!(笑)
【ワールド・トレード・センター/WORLD TRADE CENTER 】   ☆☆☆★
出演者: ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マリア・ベロ、マギー・ギレンホール
 高層ビルに開いた穴、落ちてくる人、泣きながら逃げていく人・・・、最初は思わず息をのんで
しまいます。そして、事情もよく把握できないまま救援に向かう主人公達の不安な気持ちが伝
わってきて緊迫感のある出だしです。いつもどおりに起きて、いつもと同じように一日が終わる
はずだったのに・・・、家族との思い出が二人の胸によぎります。また妻も不安と絶望に苛まれ
ながら夫との思い出を胸に夫の無事を祈ります。そんな家族愛のストーリーですが、実話とい
うことに立ち戻って考えた時に、自分に出来ることをやろうとやって来る元海兵隊員やウィスコ
ンシン州警察、、二次災害の危険にさらされながら懸命に救出作業に励んだ警察官や消防士
などなど、その勇気に敬意を表したいと思います。
【ブラック・ダリア/THE BLACK DAHLIA 】   ☆☆★
出演者: ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、
      ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー
 とくに展開が早いというわけではないのですが、前半ではよくストーリーが掴めず、後半の謎
解きになってようやくそういうことだったのか・・・と理解できた次第です。監督はデ・パルマだし
予告の印象からドキドキハラハラのサスペンスかと思っていたんですが、どちらかというと主人
公たちの人間関係に重点を置いていますので、スリル感は一切なし。原作があるから仕方ない
んでしょうけど、かなり期待はずれでした。
【ナチョ・リブレ 覆面の神様/NACHO LIBRE 】   ☆☆☆
出演者: ジャック・ブラック、ヘクター・ヒメネス、アナ・デ・ラ・レグエラ、セサール・ゴンザレス
 テレビで紹介されている時に、あまりにもくだらなさそうで、バカバカしそうなところに惹かれて
見に行ったんですが、相手のレスラーはとんでもない奴ばかりだし、笑いの要素がぎっしり詰ま
った作品なのに、なぜか見事に(私の)笑いのツボをはずれていました。(笑) 笑いにも好みっ
てのがあるんでしょうか?? 主役の二人は芸達者なんですけどねぇ・・・。なんとなく先が読め
てしまうのが原因でしょうか?!
【プラダを着た悪魔/THE DEVIL WEARS PRADA 】   ☆☆☆★
出演者: メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、スタンリー・トゥッチ、サイモン・ベイカー
 そんなに高価な服を買えるわけがない、モデルさんとはプロポーションが違うんだから似合う
はずがないってわかっていても、女性なら誰しもファッション雑誌に見入ってしまったことがある
はずです。そんな夢のような世界の舞台裏を面白おかしく描いた作品ですが、何と言ってもメリ
ル・ストリープの鬼編集長がすごい!! 公私混同も甚だしいし、超ワンマン。だけど、自分の
するべきことを知っていて、ちゃんと自分に与えられた仕事を果たしている部下のことを認める
公平さもある。そんなスーパーウーマンを貫禄十分に、かつ彼女の人間性をも醸し出している
のは流石の一言です。ストーリーはツメが甘いというか、そんなこと出来るわけないじゃん!!
ってところも多々ありますが(だって、アシスタントのアン・ハサウェイだけがサンプルを好き勝手
に着まわすなんてありえない〜!!)、目の保養にはもってこいの作品です。
【父親たちの星条旗/FLAGS OF OUR FATHERS 】   ☆☆☆☆
出演者: ライアン・フィリップ、アイラ・ヘイズ、レイニー・ギャグノン、バリー・ペッパー
 面積22平方キロメートルの小さな島で繰り広げられた1ヶ月以上にも及ぶ死闘・・・、60年経
った今でも毎年遺骨を捜し続けておられる方々がいらっしゃる現実を考えると、日本人としては
決して忘れてはならない過去です。それを勝者のアメリカ側からの視点から描くというので、正
直なところなんとなくわだかまりがあってなかなか見にいけなかったのですが、へんに理屈を並
べたてるのではなく、ただ淡々と主人公達の心情が綴られているところにそんなわだかまりも
消えていきます。戦いに勝つためには“英雄”が必要なのかもしれませんが、その現実は愚か
しいほどに残酷です。彼らは何のために命を捧げたのか・・・。少なくとも、“英雄”になるためで
なかったことだけは確かです。
【武士の一分】   ☆☆☆☆
出演者: 木村拓也、檀れい、笹野高史、坂東三津五郎、桃井かおり
 さすが山田監督です。文庫本で40頁ちょっとの原作にしっかりと人間性や生活観を描き出し
ています。ただ、ちょっと「武士の一分」にこだわり過ぎてるかな?!というきらいもあります。(笑)
主人公が戦ったのは「武士の一分」かもしれませんが、上司の小林稔侍や果し合いの相手で
ある坂東三津五郎が最後にとった行動は、「武士の一分」というよりも「家名」を残すために行
ったやむを得ない(自らは望まない)行動です。(仮に尋常な果し合いであっても、主君を持つ
藩士にとっては厳禁です!) ホロッとさせるところも、さらりと笑わせるツボも心得た作品です
が、ちょっと「武士の一分」という言葉が重く感じる作品でもありました。
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