それにしても、とアルクェイドに目を向ける。
 石の塊らしい姿で、目を向けるというのも何だけど。
 やっぱり、目を惹きつけられるよな、このアルクェイドの姿には。
 先輩の言うように、おかしい格好なもしれないけど似合っている。
 意外なマッチング。

 確かに、巫女服と言うか巫女さんの概念をがたがたと揺り動かす姿だけど。
 目に見えて胸のボリュームが凄いことになっている金色の髪の巫女さん。
 うん、確かにおかしいかも。
 ……いや、真祖のお姫様の、吸血鬼の巫女さんという時点で何か言い様のな
い常識との断絶を感じる。

 でも似合っているのは確か。
 いつものアルクェイドのように、快活で太陽のような笑みを浮かべてでもい
たら、もう少し違和感が大きかったかもしれない。
 けれど今の少し哀しげな瞳で憂いを帯びた顔をしていると、そのしっとりと
した雰囲気と相まって、何とも巫女服に似合っている。

 少なくともそう俺には思える。
 こんな楚々としたアルクェイドなんで、初めて見た。
 いつも、あのにぱーとした笑みがないと気後れしそうだなと思っていたけど、
こういう姿だと、見惚れて、近寄りがたい感じがする。

 そんな処も神に仕える巫女さんらしく見える。

 綺麗だ。
 本当に綺麗だ、アルクェイド。

 ただ、やっぱり巫女服が。
 ふっと気を抜くと、やっぱり若干の違和感を持ってしまう……。 

 俺は、アルクェイドの巫女服の姿を見て―――――

 
     1.巫女服なら、流れる黒髪の方が似合うなと思った。

     2.アルクェイドなら何だってアリだと思った。
 


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