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「ちきゅう」一般公開

ちきゅう全形 2005年9月11日。 地球深部探査船「ちきゅう」の一般公開に行ってきました。 最初にJAMSTECの一般公開に行った時は、まだ名称を募集していた段階だったので、実際に見れるのはわくわくします。 横須賀中央駅で地図をもらいました。 地図にかかれた「ちきゅう」の形を見たら、新港の埠頭のほとんどを占めていて、思わずでかいと言ってしまいました。 横須賀中央駅から新港までは少し距離があるのですが、途中、ビルの合間からすでに櫓がそびえていました。 船橋の前にヘリポートがある特異な形は、浮かぶ工場といった感じです。

CTスキャナ 一般公開は混雑を予想していたのか、列を整えるためのパイロンが並んでいました。 しかし、実際にはかなり空いていて、時間より前に船に乗ることが出来ました。 船の見学通路は登ったり下ったり、あちこち回って迷路を彷徨っている様でした。 船首の下のほうは多数の個室が並んでいました。 最大搭乗人員が、乗組員100名、研究者50名とあったので、100以上の個室があるのかもしれません。 既に名札のかかった部屋も多かったです。 中をチラッと見たら、ベットと棚だけの狭い部屋の様でした。

ガスセンサーと警報機 上部には海底を掘削して得たコア資料を分析する部屋が並んでいました。 CTスキャンや顕微鏡やその他よくわからない機器が並んでいました。 さすがに船だけあって、机や電源などが固定されていましたが、パソコンのモニタなどは、 下に滑り止めシートを敷いただけで置いてありました。 コア資料の中には硫化水素などの有毒ガスが入っている場合があるそうで、 壁面には有毒ガスのセンサーとセンサーに連動する赤や黄色のランプが付いていました。

ムーンプール 前方には船を操作する操舵室があります。 船はかなりの高さで、操舵室の脇から下を見下ろすと人が小さく見えました。 「ちきゅう」はブリッジの前にヘリポートがあるし、かなり変わった構造の船ですが、ヘリポートは船の視界を邪魔してはいませんでした。 午後の早い時間は天気が良く、しかも高い位置だったので、猿島、観音崎、第二海堡、富津の工業地帯、房総半島がよく見えました。 海側で下を見たらUS NAVYの船が走っていました。 興味津々で見に来たようです。 中央部の掘削櫓はとても高く、かなり高い位置の操舵室からも、見上げるような上まで伸びていました。

US NAVYの船 操舵室には横須賀港の海図が置いてあり、線が引いてありました。 多分、実際に入港の際に使用したものの様です。 「ちきゅう」からみると海が浅いようで、狭い海路を通って港に入るのには苦労したのかもしれません。 操舵室にはガス警報システムが置いてあり、有毒ガスにかなり気をつけている様です。

多分、第2海堡 「ちきゅう」は一点に静止して掘削する事に重点を置いた設計のため、推進力も普通の船とは違います。 普通の船は後方に方向を変えられないスクリューがありますが、 「ちきゅう」はタグボートの様な水平方向に360度方向を変えられる6機のスクリュー(アジマススラスタ)を持っています。 GPSや海底のトランスポンダからの信号で位置を測位し、アジマススラスタ等で方位と位置を維持するそうです。 これらの操作は操舵室で行うようです。

「ちきゅう」の胴体は、真ん中に穴が開いていて、その上に櫓があります。 穴を掘るときは、ドリルで海底に穴を掘って、掘った後で崩れないようにパイプを差し込んでコンクリートで固めます。 これを繰り返して掘っていくのですが、崩落防止に差し込むパイプの厚み分だけ、先に行くほど穴の直径が狭くなるそうです。 そのためか、船には様々な直径のパイプが積んでありました。

船を下りると記念品をもらえました。 千葉側から黒い雲が近づいて来たので、あわてて帰りました。


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Presented by Ishida So