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 私は毎朝5時に起きて、6時前に外に出る。雨の日も風の日も雪の日も外に出て2〜3
時間して帰ってくるのを日課としている。このおかしな習慣はもう十年にもなるだろうか。

 となり町の○駅近くをぐるりと回ったりする。駅の周辺には数人の浮浪者が外で寝泊ま
りしている。私はこの人達と何か話をすることがある。私がいかなるいでたちで外に出掛
けるかはリアルに書くことはこの際、はぶくことにする。私の日常生活などというものは
確かに贅沢とは言えない。いくらでも金があるわけでもない。金がいくら入ってきても構
わない、入るならどんどん入ってきても拒みはしない、入るなら自由に入ってきて良い、
金の入る自由を束縛しない、自由にしてよいと考えている。但し金の方がこの自由に変に
こだわりを持っているので、実に気の小さい意気地なしの金だと思っている。

 そんな訳で私の着るものといえば、まさに寒山に負けじ劣らじの服装であるから、これ
を正確に記述する必要がない。いやしくも美術を仕事とする者が想像に難くないものにつ
いて、詳細にくどくどしく説明を加えるくらい本来の美に背く事はないのである。

 ○駅近くの浮浪者は、どこかの駅の浮浪者と違い沢山はいない。ごく少数である。従っ
て、ほとんどが顔見知りである。若い人もいれば歳をとった人もいる。比較的若い人が多
い。歳をとって働けない人はともかく、いい若い者が昼間からぷらぷら何も仕事をしない
でいるという事はとんでもない事である。体が利く自由な時に、どんどん仕事をして、自
分の住む所ぐらい確保する、そんな事はやればできるだろう。身体に障害があるとか、何
か特別な理由もないくせにぷらぷら日を送っている。

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