Part4 阿蘇のトーチカ・別府の地獄

11/1日〜2日


 
11月1日(月)

湯布院ICの前の道の駅
 朝になり目覚めたカミさんに寝心地はどうだったと聞いたら、ICから出てくるトラックの排気音がヘリコプターの騒音みたいにすさまじくゆっくり眠れなかったという。いつもは何があっても起きない娘ですら、何度か起きたみたいという事だった。フィールド・デッキのポップアップルーフはウエットスーツの生地でできていて、寒さと大雨はしのげるのだが、外の音はがんがん中に入り車内で寝るのとは大違いなのだ。通気性を確保しながら、騒音も防げる素材・構造が見つかればポップアップルーフはさらに快適になるのだが。音も振動と考えれば、逆の位相を持つ振動を発生させれば音を打ち消すことはできないなのでしょうか。
 朝飯を軽くカップラーメンで済ませ、うす曇の中昨日見れなかった阿蘇山の火口にリトライするべく、再度やまなみハイウェーを走った。途中から青空も広がり草千里も見渡せるようになっていた。火口に登るロープウェイ乗り場についてビックリ「火口行きロープウェーは火山ガスのため運休します。」という事だ。高千穂峡といいなんということだとガックリ。しょうがないので記念になるようなお土産を買い車に戻ったのだが、あきらめきれず再度お土産売り場に戻り、店員のおばちゃんに今日一日運休になるのか訊いてみたら、一日の中で何度も風の向きで運休したり運行したりを繰り返すとの事だ。それならば車で待つことにし、最近カミさんもおばさんになりハマっているヨン様主演「ホテリア」をDVDに録画してきていたので、それを見て待っていたら2話ほど見終わった頃「運行」の表示が出た。(閑話休題:俺は初めて「ホテリア」を見たのだが中々興味を引かれる。続きも見よう!!)
 ロウプーウェーで登った所には、ところどころコンクリートのトーチカ(若い人にはわかるかな?)みたいなものがあった。急な噴火時の一時避難場所なのだろうが、戦争映画のロケ地みたいだ。火口を覗き込んでみたら噴煙のすきまからエメラルドグリーンの水面が見えた。周りを見渡せば荒涼とし広々とした大地と青い空、阿蘇は確かに雄大だ。火口付近を散策して気づいたのだが、ここまでくるのはロープウェーの他に有料道路を車で来るという手もあるようだ、知らなかった。
雄大なる阿蘇 噴火対策?トーチカ
エメラルドグリーンの火口 珍しくバンダナを巻いていない俺


志高湖キャンプ場
 車に戻りここで高千穂峡のボート乗り場が気になり、もし水位が下がっていたらリトライするかと観光協会に電話をしてみたが、やはりまだ水位は下がっていないと言うことだった。高千穂は今日はあきらめ再度やまなみハイウェーを湯布院、別府方面に戻ることにした。昨日今日で3度も走るやまなみハイウェーはもう通りなれた道、こんなにここを走る観光客もいないだろう。
 別府温泉の近所で国立・志高湖キャンプ場で2泊することにし、受付でリーズナブルな料金を払い広場の真ん中に、タープと9年前に3980円で買ったテントを張った。ちなみにテントは寝るためじゃなく、今年一度も使っていないので虫干しのために張ったのだった。ここのロケーションはすばらしく、目の前に晩秋の湖を眺め静かな芝生のフリーサイトだ。遠く離れた場所でもう2組ほどのキャンパーが見える。キャンプ好きにはやはり秋だよねと思ってしまう。テントサイトができた後は、別府の温泉に浸かり久々にうまいものでも食べようと別府駅前に行ってみた。
高 等 温 泉
 途中のGSで観光ガイドマップを手にいれ、いたるところにある公衆浴場から町営の駅前高等温泉に向かった。ここの銭湯のような温泉には、町民用のシャワーなどない100円で入れる風呂と、タオルにプラスチックの桶が渡される200円の高等風呂と二種類あるようだ。100円の方で良かったのだが、受付のオバチャンに最初から200円と請求され素直に従っった。風呂に入る前に息子がトイレと言うので、2Fにあるトイレに行きすがら建物を観察してみたら、昭和初期のような黒光りするような板の廊下、そして昔の木賃宿(あくまでもイメージです)のような宿泊できる部屋もあるようだ。ちなみに一泊の値段を聞いてみたら二千円と少しのようだった。脱衣所からタイル張りの階段を下りると3畳くらいの湯船と半洞窟になった2畳ほどの湯船に分かれていた。お湯はとうとう掛け流し、湯温もちょうど良い。高等の湯らしくシャワーもついていて、他にお客さんもいなく我家の貸しきり状態なので、息子は水泳の練習を始めのびのびのんびりだ。
 風呂から上がりどこで晩飯を食べようかと商店街を散策し、別府らしくは無いだろうが関西風お好み焼き屋さんに入った。地元東北と関西風でどこが違うのか良くわからなかったが、子供たちは久々の自分たちで焼くお好み焼きにご満悦だ。とっぷりと日が暮れ暗闇の中キャンプ場に戻り、改めて発泡酒でぐびぐび乾杯し心安らかにポップアップルーフで息子と眠りについた。

11月2日(火)

 今日も青空が広がっている。テントのそばでは白鳥のカップルが朝の散歩をしていた。白鳥は北の鳥という感覚があるので、南国九州でご対面するのも似合わないような気がした。しかしこの白鳥たちは結構人間慣れしていて、そばまで近寄っても多少後ずさりするくらいで逃げようとはしない。
 軽く朝食を済ませ今日は別府といえばこれ、地獄巡りに行くことにした。山から下りて町中に向かう途中、朝日の中に町のところどころから温泉の湯気が白くあがり、これぞ温泉の町別府を感じた。
 地獄めぐりではまず山地獄に行き、すべての地獄の共通入場券を購入し中に入ってみた。ここはもうもうと湯気が上がる中にカバ・アフリカゾウ・熱帯植物園などがあり、幼稚園児が遠足に来ていて、地獄に期待してきた俺には????でした。次は綺麗なエメラルドグリーンの大きな露天風呂のような海地獄。そこでゆで卵を作っているところを見ると温泉には不向きなほど熱いのだろう。次の地獄は鬼石坊主地獄という泥の中からガスが噴出し、それが小さな泥の泡のドームを作っては消え作っては消えているのを見学。次に訪れし地獄は、ぶんぶく茶釜と赤鬼が置かれたかまど地獄だ。ここでもところどころ岩の隙間から噴煙があがり、エメラルドグリーンの熱湯の池があった。どうせなら一つくらい水で薄めて、地獄露天風呂とでもしてもらいたいもんだ。売店に行き茶褐色のちょっと苦めでおいしいゆで卵をほうばり、近くにあった足湯でしばし休息。ここでは「毎日が地獄です!」とか「私は地獄に行ってきました!」という購買意欲をそそるTシャツが売られていた。中には「これがうちのバカ息子です!」という子供サイズのやつもあり愚息に買ってやろうと思ったが、カミさんの「それは、あんまりでしょう」という反対にあい断念した。
紫 石 温 泉 露 天 風 呂
 この後も金龍地獄白池地獄などを見て回ったがそろそ地獄も飽きてきたので、ちょっと離れた血の池地獄に向かう途中で「紫石温泉」によって昼からひと風呂浴びていく。ここも町営の公衆浴場で、値段も安くそれでいて歴史を感じさせる建物も立派なら、お風呂も立派。石のタイル造りの湯温もちょうど良い内風呂に、露天風呂、蒸し風呂も付いていた。3つの風呂を交互に息子とめぐり、ぷはぁ〜〜〜極楽・ゴクラク・Go9ラックってかぁ〜!! 別府温泉はすばらしい!!
 風呂上りには地獄巡りのなかでも人気抜群の「血の池地獄」に行ってみた。行ってみての感想は地獄はもういいですって感じ。そしてダメ押しで最後の「竜巻地獄」に行ってみた。ここは間欠泉を鑑賞する地獄なのだが、その間欠泉は高さ2m位の石作りの箱の中(仏壇の様に見えるが)に噴出すようになっていて、噴出したお湯が上蓋部分にぶち当たるようになっていた。どうせなら上蓋部分を取り去って、思いっきり噴出させてやりたいと思ってしまう。

別 府 ・ 地 獄 め ぐ り

山 地 獄 海 地 獄 鬼石坊主地獄
かまど地獄 白 池 地 獄 鬼山地獄: ここでは多数のワニを飼っていた。 その中でも最大級のワニの剥製。

金 龍 地 獄


血の池地獄



 竜

 巻

 地

 獄

夜のキャンプサイトにノートPC
 風呂にに入りながらりじっくりと地獄を見てまわり、すべてを見終わったのは夕方になっていた。今夜も何か美味しい物を食べようと別府駅に向かい、海外沿いに走りフェリー乗り場の近くの、壁、天井、テーブル、イスなどに竹をあしらった「ちくし」竹のレストランに入ってみた。ここでは大分県に入ってからよく目にしていた「だんご汁」と「ふぐのから揚げ定食」を注文した。「だんご汁」とはこの地方の郷土料理らしい小麦粉を練った大きなひっつみのような物と、野菜、きのこ等で味噌仕立てにした鍋料理だ。「ふぐのから揚げ」は淡白な白身を塩味でから揚げにしたようで少し塩辛。
 満腹になりキャンプ場に戻ったら、もうとっぷりと日が暮れタープは暗闇の中だった。タープとフィールドデッキを連結させ、デジカメのメモリーをノートPCに取り込み、発泡酒でぷっはぁ〜〜といつもの夜でした。
 この夜はいつもの様に息子と俺はポップアップルーフの中で眠りについたのだが・・・1時過ぎだろうか、ルーフが前後左右に揺れるくらいの強風で目が覚めた。ポップアップルーフの弱点は騒音以外にも強風なのだ。眠りこけている息子をそのまま下で眠っているカミさんと娘の間にもぐりこませ、外に出てタープとテントのペグを打ち直して俺はどうしたものかと・・・・・俺は息子と娘の隙間にもぐりこんだ。ステップワゴンって広いのう親子4人が横になれる。しかし身動きできない状態だった。 車体の中に入れば、台風波の強風で車体が前後左右に揺れようとも、それはゆりかごに抱かれているようなもの・・・心地良い!!赤子のように眠れるのは車中泊になれすぎたせいだろうか???
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