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間接訓練

 食べる機能が十分でない場合、食べるとき以外に食べ物を使わずにする訓練です。口や飲み込む筋肉の動きをよくしたり、敏感過ぎたり、鈍くなった感覚を正常にする目的で行います。

  また、経管栄養や胃ろうなどで経口摂取をまったくしていない場合でも口周辺の感覚や機能を維持するために大切な訓練だと考えています。

 誤ったやり方は、かえって逆効果になります。文字では表現が困難なのですが、参考文献を参考にするか、できれば専門家に直接指導を受けましょう。

注)最近は、脳性麻痺や脳血管障害のかたの嚥下障害が一部の頸部から背部にかけての緊張(痙性)が開放されない限り、改善が難しいのではないかと考えるようになりました。

  どの筋がどういうときに嚥下の足を引っ張っているかは、難しい問題ですが、外科療法を行う整形外科の分野では、頸背部の筋の選択的切断で、姿勢が改善すると嚥下もよくなる症例があります。

  セラピストは間接訓練をするときには、このようなことを踏まえて、臨む必要がありそうです。

 

唇の動きを出す

  

  摂食嚥下の苦手なこどもは、上の唇が良く動きません。上の唇が動かなければ、スプーンからの捕食やコップのふちをはさんで水分を上手に取ることができません。上の唇のストレッチをします。

 人差し指と親指を使って唇を伸ばします。このときひっぱたりしないよう、   つまみあげる感じで。

 真中、右左の三ヶ所ぐらいに分けてします。 下の唇もします。

 自分の唇でやってみてください。間違ったやり方だととても痛いです。

 

 口内法です。人差し指を口唇に差し込んで、飴玉をしゃぶったときのように膨らませて口唇を伸ばします。引っ張ってはいけません。

 下の唇もします。

 

舌の動きをよくする

  舌の動きは意外と重要。外から見えないだけに、どんな動きをしているか,なかなかわかりません。

 口の中で食べ物がばらけている場合は、食べ物をまとめたり送りこむのが下手な証拠。舌の動きを引き出すために、トレーニングをします。口の中からする方法(口内法)と外からする方法(口外法)があります。

 口外法が簡単です。あごの下から真上にぐぐっと親指を挿入します。あごの後ろの柔らかい部分のところを押し上げます。自分でやってみてください。うまくいくと口の中で舌が押し上げられるのが分かります。かなり深くまで挿入しないとと舌が動きません。つめは切っておかないと痛がります。

(図作成中)

首の筋肉の緊張をとる

 胸鎖乳突筋は、頚部の支持とそしゃく嚥下の重要な筋。上の顎をコントロールする筋としても重要です。

鏡で正面から自分の首を見てください。頭を横向きにすると、あごの後ろから、鎖骨(肩から首にかけて水平に浮き出ている骨)につながっている帯状の筋肉です。左右一本ずつあります。頭を前後左右に動かしてストレッチしたり、筋肉に沿ってマッサージします。

(図作成中)

頬の筋肉の動きをよくする

 食事のとき奥歯のところに食べ物がいっぱい残っている場合は、頬の筋肉の力が弱かったり、こわばって動きが悪い証拠です。奥歯ののせられた食べ物は、こぼれないように頬と舌で抑えられます。それがうまく出来ないのです。

 こういう場合、頬のストレッチが大事です。人差し指と親指を使います。ほとんどの場合硬く、こわばった感じで、指も入れずらい感じですが、毎日続けると、柔らかくなり緊張も取れてきて、指も入れやすくなってきます。やっている時の表情もかわってきます。

 過敏がある場合は、脱感作を先に行います。

唇のストレッチと同じ要領です。こちらの方が簡単かもしれません。

(図作成中)

のどの麻痺

 アイシングを行います。零度に近い刺激は口の中ではかなり強い刺激になります。(温度差30度以上)この刺激を利用して、反射を起こさせます。専門家の診査と、方法を指導してもらう必要があります。コミュニケーションが取れれば、刺激のあとすぐに口を閉じさせて、嚥下を促します。

 しかし、アイシングが対象となる児の場合、この方法では不可能なことが多いです。この場合、刺激の後、他動的に顎を閉じて、嚥下反射が始まるのを待ちます。

(図作成中)

脱感作

 共通の練習法へ

 

参考文献「食べる機能の障害−その考え方とリハビリテーション」 

金子芳洋編 医歯薬出版

 


 

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私の間接訓練法

 

 上に記してあるのは、ボイダやバンゲード法など一般的なものですが、実際やってみると(やられてみると)結構痛かったりして不快です。そして、効果の程もいまいちはっきりしませんでした。そこで、私の間接訓練は、マッサージとして、すべて皮膚の上からやってみました。口の中は、指を使わず、歯ブラシを使います。

注意

 皮膚に当てた指は、皮膚上をこすったり滑らせてはいけません。指を動かしている間も、指の腹は、皮膚表面に接着剤で張り付いているような感じで行ってください。皮膚より下の筋肉や血管神経をマッサージすると考えてください。押し付ける強さは、皮膚を通して、骨や歯やはぐきを感じるぐらい強めにやってください。

 一ヶ所の回数は20回ぐらいを目安にしてください。ゆっくりおこないます。

 

顔面神経と耳下腺のマッサージ

 頬骨の下で、下顎のえらの部分を人差し指、中指、薬指の3本を使って大きく円を描くようにしてマッサージします。頬の内側から出る耳下腺を刺激し、唾液の分泌を促します。耳下腺の中を貫いている、顔面神経は顔の筋肉(表情筋)を支配しています。

口唇のマッサージ

 口周辺では、赤唇は最も感覚が鋭敏なところです。唇に平行に人差し指を当てて左右にゆすります。上唇は上に圧をかけて、下唇は逆に下に圧をかけます。歯や歯ぐきの方には圧をかけないでください。感覚が分散してしまいます。

三叉神経のマッサージ

 三叉神経は、目の上(眉毛の中心)、目の下(鼻翼の横)、口角の下の骨に開いた穴から、皮膚に分布します。親指で、円を描くようにマッサージします。

顎下唾液腺のマッサージ

 下顎の縁に沿って後ろから前に、3本指で押し上げるようにマッサージします。舌の下から唾液がジワーッと湧き出てくるのがわかります。舌にも刺激が与えられますので舌の動きが悪い場合にも効果的です。

首の筋肉のマッサージ

 胸鎖乳突筋に沿って3本指でマッサージします。首をどちらかの方向にひねると反対側の筋肉がはっきりと浮き出ます。

舌の筋肉のマッサージ

 舌骨の両端よりやや上を3本指ではさんで左右に押します。舌骨がこりこりと左右に動くのがわかります。舌の筋肉への直接に刺激は、歯ブラシを使った口内法で行います。

甲状軟骨のマッサージ

 舌骨の下にある甲状軟骨(のど仏)をはさんで持ち上げるようにマッサージします。

首のストレッチ

 頭部を前後左右に傾けて、首の筋肉をストレッチします。さらに、首を左右にひねります。ゆっくりと行い、曲げたところでしばらく静止させます。

 

 


 

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