概要
X80系の場合,フロントドアにはカーテシランプがついているが,
リヤドアにはついていない.夜に後席から荷物を取り出したりする時に,どうも手元が暗いので,
リヤドアにもカーテシランプを新設してみることにした.
準備品
まず,解体屋などでカーテシランプを拾ってくる.値段はおそらく左右セットで数百円といったところだろう.
あとドアを分解するのに,+ドライバーと内装リムーバを,あと前席から配線を引いてくるため,
0.2〜0.5sq程度の電線がトータルで10mほど必要になる.カーテシランプのLED化を行っている場合は,
プラス・マイナスを区別するため二色の電線を使って極性を合わせておくことが望ましい.
あと,ドアのサービスホールカバーをはがして再取り付けする時に,ブチルテープや透明の荷造りテープがあるとよい.
実際の作業
・配線引き出し
リヤドアにはカーテシランプの配線はきていないから,どこかから配線を引っ張ってくる必要がある.
いちばん簡単なのは,フロントドアのカーテシランプの配線から分岐させてくることである.フロントドアへの配線は,
前席足元の外側にあり,カーペットをめくらないと見えないようになっている.最初にスカッフプレートを取り外しておき,
それから助手席側の場合は,発炎筒の奥にある袋ナットを緩める(下写真↑).
運転席側も,アクセルペダルの奥に同じようにナットがある.
次に,フロアカーペットの側壁部分を強く引き下げながら手前に引くと,クリップの引っかけてある部分が抜けて,
カーペットをめくることができる(下写真左).
そして,配線を通すために,サイドの爪をはずしてワイヤーのプロテクタもめくっておく(上写真右).
さて,カーペットをめくるとドアへの配線のコネクタが見えるが,この中でカーテシランプへの配線の位置は,
助手席側だと下のようになっている.
配線の色は,マイナス側が黄緑,プラス側が青に黄線で,どちらも太い方である.同じ色の細い線は,
電動ミラーおよび超音波ミラー関係の線なので間違えないように.運転席側は下の位置である.
配線の色は,マイナス側が黄緑に赤線,プラス側が青に黄線で,どちらも太い方である.こちらも同じように,
同じ色の細い線があるので間違えないように注意する.
で,配線をつないでみたのが次の写真である(助手席側).
ここだとフロントドアの作業時に配線を取り外さないといけないので,本当はあまりよくないのだが,
作業が最も簡単なのでここにした.余裕があればインパネロアなども外して,車体側ハーネスの対応する線に接続できればベストだろう.
次善の策としては,分岐直後にギボシ端子などで分離可能にしておくことが考えられる.
分岐作業が完了したら,先にめくっておいたハーネスプロテクタの中に配線を収納してセンターピラーロアまで配線を引き通しておく.
・リヤドア分解
まず,アームレストを取り外す.
アームレストはビス3本(上の写真▲)で固定されている.
アームレストが外れると,パワーウィンドウスイッチへのカプラがつながっているので,それを抜くと完全に取り外すことができる.
次に,アームレストの下にビスが1本(上の写真▲)あるので抜くのと,
ドアインサイドハンドルベゼルのビス(上の写真▲)を抜いて,
ドアインサイドハンドルベゼルを取り外しておく.あとドアトリムは裏からクリップで留まっているだけなので
(上の写真○),クリップ位置をこじってドアトリムを取り外す.
クリップが外れた後,ドアトリムが抜けにくい場合は,できるだけドアトリムを引き起こすような感じで上に持ち上げると抜けやすい.
ドアトリムを外すと次の写真のようになっている(ドアの左右が逆になってしまっているが).
配線をドア内に引き込むため,まず表面を覆っているビニールシート(サービスホールカバー)をめくってやる.
カバーを破らないように,マイナスドライバーなどで慎重にブチルテープはがしていく.ブチルテープが切れると,
そこから走行中に風切り音が入ってくるので,ブチルテープがどちらか一方だけ(写真ではカバー側)に残るように注意する.
とりあえず配線引き込み作業の時は,写真の程度にはがせば充分だが,あとでカーテシランプの裏側への出っ張りを逃がすために,
上の写真の↑のあたりまではがす必要が出てくる.
・センターピラーロアからドア内への配線引き通し
クリップ位置をこじって,センターピラーロアガーニッシュを取り外す(下写真左○).
そうすると,リヤドアハーネスへのコネクタが見える(下写真右).
このコネクタを取り外して,車体の外に向かって押し出す.さらに,押し出したコネクタをドア貫通穴からドア内部へ向かって押し込むと,
ドアハーネスがフリーになる(前もって,ドア内ハーネスのクリップをはずしておくとよい).
このゴムの蛇腹に巻いてあるハーネステープをむけば,蛇腹の中に電線を通すことができるようになる.
配線をドア内に引き込んだら,ドア内ハーネスに沿ってカーテシランプの予定位置まで線を通し,
ここでハーネスランプ用のコネクタを取り付けておく.LED化を考えている場合には,極性に注意すること.
・トリムボード穴あけ
トリムボードに,カーテシランプユニットが入る穴をあけるわけだが,
その前にカーテシランプを取り付ける位置を考えておかないといけない.リヤドアのトリムは,フロントドアのトリムほど厚みがないので
(フロントはドアポケットがあるので,かなりトリムが分厚い),不用意に穴を開けると,カーテシランプがドアの鉄板に当たって,
取り付けられないという事態が起こる.ドアの内側をよく観察して,内側の鉄板のない部分(サービスホール部)
にカーテシランプを設置しないといけない.今回の私の場合は,ドアの下方後ろ側のサービスホールの部分で,
できるだけ低位置の前寄りにすることにした.低くするのは,足元を照らすという本来の趣旨に沿うためであり,
後ろ側の前寄りというのは,開けた時に後方の車から見えやすいということと,
ドアを閉めた時にリヤシートクッションに隠れないように,ということからこの位置を選んだ.
最終的な位置は,次の写真の通り.
ドアトリム下縁から75mm上,トリムクリップから15mm後方にカーテシランプ基部の前下方の角がくるようにして,
そこから,高さ33mm,幅45mmの穴をあける.トリムボードは軟らかい木の合板なので,カッターナイフで数回切れば切り抜くことができる.
穴が大きすぎると,カーテシランプの爪がかからなくなって固定できなくなってしまうので,心配なら最初は少し小さめに切って,
あとヤスリで広げるようにしたほうがいいかもしれない.また,写真では斜めになっている角が上側にきていて,
これはフロントドアと同じ取り付け向きなのだが,こうするとカプラが下向きに出るのでちょっと取り付け時に苦しくなる.
上下を逆にした方が余裕があって良さそうだった.
・最終取り付け
穴あけしたドアトリムにカーテシランプユニットを取り付け,ドアに仮組みしてみる.
裏側のサービスホールカバーが強く押されるようなら,サービスホールカバーを中央に寄せて貼り直してみる
(下の写真↓方向).この際,周囲にすき間ができてしまっても構わない.
できたすき間は,透明な荷造りテープで塞いでやればよい.
問題なければ,ドアトリムやアームレスト(カプラをちゃんと差し込むように),ドアインサイドハンドルベゼルを取り付ければ,
作業完了となる.
結果
夜,リヤドアを開けた時に明るいのはなかなか気持ちがいい.今回は,すでにLED化してあるユニットを取り付けたので,
なおさらである.リヤシート足元にも光が入るので,ゴミが散らかっているのがよく見えてしまう,という問題も・・・.
あと,リヤシート上は明るくならないので,これについては別に考える必要がありそうだ.
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