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2001年1月

1月19日(金)

 (新聞より)
「安土桃山時代」は,正しくは「安土大坂時代」である,という話. 織田信長は安土城を居城として全国を支配したので,織田信長の時代を「安土時代」というのは正しいが, 豊臣秀吉は京都での在住場所として伏見城を築いたものの,あくまで本拠地は大坂城であり, 政治権力の中心地としては大坂であったということ,また「桃山」という地名は豊臣秀吉の時代にはなかった, ということから,上記の主張につながっている.また一向宗の本拠地であった「石山本願寺」も, 当時は「大坂本願寺」という呼称の方が一般的であった,ということも書かれていた.
GPSを使用して大気中の水蒸気量を測定し,天気予報の精度を上げようという研究. GPSの電波は,大気中の水蒸気量が多いと屈折するらしい.これはカーナビなどに用いるには困った現象だが, 逆に固定点で精密に変動を観測することで,途中の大気中の水蒸気量が推定できるようになる.

1月20日(土)

今日は朝から所用で,滋賀県の日野町というところに出かける.朝のうちは天気は曇りで,道路も-2℃とは出ていたが乾燥していた. 昼頃,仕事が終わって帰ろうとすると,外は一面の銀世界.私の住んでいる滋賀県南部は雪の降るのは年に数日しかないのだが, いちおう仕事で車を使う関係上,冬は必ずスタッドレスタイヤにしているため,少々,路面が凍っていても走ることはできる. それでもなるべくアップダウンの少ない道を選んで,名神竜王インターに向かって走り出した.日野町あたりでは車も少なく, また住民も慣れているせいか,30km/h程度とゆっくりながらも車は走っていた.それでも途中,脱輪しているトラックを発見. 牽引ロープも持っていたのだが,パジェロのような四駆ならともかく,マークIIのようなFR車では引っ張ろうとしても滑るだけなので, これは横目で通り過ぎる.ふだん竜王インターに向かうには国道477号線を通るのだが,477号の竜王インターへ向かうところは, 部分的に坂のきついところがあり,大型車が立ち往生している可能性があったため,いったん竜王町中心部で名神高速をくぐり, 坂が少なくて車も少ない道から竜王インターへ向かった.竜王インター前まできたとき, ふだんなら反対方向から(いつもは私も向こう側から走ってくる)名神高速に入ろうとする車がたくさんいるのに, 今日はだれもいない.ここまでは自分の判断が正しかったと思ったが,問題は次の大津までの道である.そのまま名神高速に乗るのと, 一般道を走って国道8号を横切り,琵琶湖大橋を渡って国道161号または湖西道路を南下する道を考えたが, さきに名神高速をくぐるとき,名神高速はそれなりに走っているように見えたのと,高速道路の方が一般道路より道幅が広く, 勾配やカーブも緩いということを考えて名神高速を選択.名神高速にはいるといきなり渋滞.路面も雪がシャーベット状になっており, チェーンを着けているトラックも多かった.昨年,竜王インターから菩提寺パーキングエリアにかけての部分で, 消雪装置を路肩にとりつける工事をしていたのだが,今日は作動しておらず.ただ,登坂車線のある区間だけ路面に雪がなく, ここはロードヒーティングがされているものと思われた.そこからは渋滞は解消し,降りしきる雪の中を30〜50km/hで走行. 名神高速はノーマルタイヤの車が多いと思われたが,このときの路面状態はノーマルタイヤでは走行は極めて困難と思われた. 私はスタッドレスだったのでよかったが,それでも50km/hだと少しの登り坂で後輪が滑るような車の挙動が生じ, かなり神経を使った.この時点では,名神高速は京都東インターより西側が通行止めで, 渋滞がそこから瀬田東インターまで伸びてきていた.瀬田東インターまでは渋滞なく走れたので,そこで降りることにした. いつもはそこから瀬田唐橋を渡って湖岸道路へ入るのだが,京滋バイパスも通行止めだったため,そこからあふれてきた車がずっと連なっており, これは動きそうにない,というわけで,京滋バイパス沿いに草津方向へ戻って,国道1号を横切り,近江大橋へ向かうルートをとる. しかし,国道1号線の渋滞は想像を遙かに超えており,見ていると10分で2〜3台進むかどうかというほどだった. このペースだと,京都まで今日中にはたどりつけないだろうと,他人事ながら思ったのだが,こちらもこの渋滞のため, 瀬田のアル・プラザ前の交差点を抜けるのに1時間近くかかってしまった.結果的には,京滋バイパスを草津方向へ向かい, 草津市役所のところを左折して近江大橋へ向かうのが,かなり遠回りのようだが,1号線の京都方面行きを横切らなくてよい (立体交差になっている)ので,いちばん速かったのではないかと思った.国道1号線を越えると,そこからはそれなりに車が流れていた. で近江大橋を渡るが,橋の途中からは浜大津まで渋滞が続いていた.橋の上で待っていたが,あたりは一面,灰色の世界で, 何も見えない.外はまだ明るいのに何も見えないということで,異世界に迷い込んだかのような錯覚を覚える. 近江大橋を渡って湖岸道路に入ったが,渋滞がひどかった.この渋滞は,逢坂山を先頭に, 浜大津交差点を越えてここまで伸びてきていることが普段の経験でわかっているので(夏の休日の夕方によく生じる), 大津プリンスホテルのところから横道にそれ,琵琶湖ホテルの横から湖岸道路を逆に横断して浜大津駅の裏側にまわりこんだ. ここの交差点は左折車が極めて少ないので,逢坂山の渋滞の影響を受けにくい.案の定,すっと国道161号を越えることができた. このとき国道161号の北行きは,浜大津交差点で車がせき止められているため,車が少ない.反対車線がまったく動かないのを尻目に, こちらはそれなりの速度で走って,なんとか家に帰り着くことができた.ふだんなら1時間かからないくらいなのだが, 今日は4時間近くかかった.
**後日談**
この日,私と同じ頃に日野町から京都へ向かった人は,大津駅まで約12時間,京都まで16時間かかったという. このあたりは抜け道に関する知識がものをいった形だが,夏の渋滞と違って,スタッドレスタイヤなどの備えをしていない車は, 地図で抜け道を調べたとしても立ち往生する危険を考えると抜け道を選択できない,という事情もある. たとえば夏の渋滞だと,逢坂山から大津赤十字病院周辺の街路に車がつまり,西大津のジャスコのあたりへ渋滞が伸びてくるのだが, このときは裏通りの交通量は少なかった.
夜,西大津のジャスコへ買い物に行く.家の近くの川を越える坂で,ちょっとタイヤが滑りぎみ.トラクションコントロールが作動して, 失速してしまう.とりあえず,慎重にわだちを選んで走る.スーパーの立体駐車場は,屋根があるので坂も大丈夫. で,店にはいると・・・あれ?なんか暗いぞ.聞くと,今日は大雪の影響で早く閉店しました,とのこと. 閉店したんなら駐車場も閉めろよ!(駐車場入り口にはまだ誘導の係員がいて,ちゃんと入り口を誘導してくれてたのに) と思わず言いたくなりましたが,仕方がないので引き返す.駐車場を出るときに,あとから入ってくる車とすれ違う. もう閉店してるのに.立体駐車場から出る出口は,建物の外にあるスロープの方は,さすがに凍結で危険のためか通行止め. 屋根のある方を下って国道161号線に出る.京都方面行きはあいかわらず動いていない.こちら側は走ってます. でも,さすがに中央線変移区間の中央車線を走る車は少ない.私もふだんは真ん中車線を走るのだが, 今日はおとなしく左側車線を走る.夜になって雨になり,気温も少し上がったためか, こちら側の車線はわだちのところは雪が融けてアスファルトが出てましたが,反対側車線は渋滞で車が動かないため, しっかり積雪しておりました.やっぱり,車が走ってないと凍ったり雪が積もったりしやすいのね.

このあと,弟が遊びに来る.さすがに車では来ずに電車で来た.電車は10分ほど遅れが出ている程度で,ちゃんと走っていたという. この程度の雪だと,電車の方が強い.家の裏側を湖西線の特急が100km/hくらいで走っていくのを見ると,そう思う. 電車は,20cmくらいの積雪なら自分でラッセルしながら走れますからね.1mになるとさすがに除雪車が必要ですが. 湖西線は雪国を走るということで,ポイントの凍結防止などの雪害対策がされているので,この程度の雪ではなんともないです.

このあと,インターネットで道路情報を調べる.名神は通行止め区間が栗東インターまでのびていた. 栗東インターより東側,関ヶ原にかけての区間は,降雪地帯ということで道路が対策されているから通行止めになりくいんでしょうけど, でも名神高速って,どんな雪でも,除雪のため一時的に通行止めになってもチェーン規制にはしないんですね. まぁ,あの交通量でチェーンのチェックとかできないでしょうけど.で,それより東側だと,名古屋付近の高速道路は壊滅状態ですね. 東名高速も,静岡県内はさすがに温暖地のためか規制なしですけど,御殿場付近が通行止め,東京インター付近はチェーン規制, などなど.テレビでも羽田空港で飛行機の羽根の雪下ろしなんかしてて,どこも大変そうでした. でも,大阪はずっと雨で,雪の「ゆ」の字も降ってなかったそうです.う〜ん.

1月22日(月)

朝,山中越えで京都に向かう.昨日がわりあい暖かく,雪も降らなかったため,ほとんどの場所では道路は乾いていた. もちろん路肩には雪がたくさん残っていたが,途中,山中町の裏側で,雪が路面に残っているところが何カ所かあり, みなそこを避けて通っていた.また,おそらく土曜日に雪で動けなくなったのであろう車が放置されていて, そこを先頭に少し渋滞していた.それでも,朝のこの時間でも路面温度は0℃であり, それもおそらく路肩に残った雪の温度だと思われ,次の雪までは大丈夫と考えた.なお, 比叡平の中の細い道はまだ雪がたっぷり残っていた.

京都にはいると,京都市内でも路肩に雪が残っていた.でも窓から見える北山は少し白い程度で,妙法の文字も雪はなかった. しかし大文字は少し北向き斜面にあることもあってか,文字のまわりが真っ白の状態であった.

昼間,向日市のほうに仕事で出かける.こちらでも日陰には雪が残っており,名神が通行止めになったのもむべなるかな,と思った.

1月23日(火)

(新聞より)
大雪の降った1月20日の,滋賀県におけるJAF救援要請が,1日の件数としては過去最高を記録したとのこと. 1位はスリップによる脱輪等,2位が雪による立ち往生,3位がバッテリー上がりだった.
**注釈**
エンジンがかかっているのに,どうしてバッテリーが上がるの?と思われる方のために解説しておくと, このような雪が降っているとき,ほとんどの車は,暖房は最強で,ワイパーが作動し,ヘッドライトをつけていて, 場合によってはリアの熱線も作動しているかもしれません.これらはいずれも大量の電力を消費します. このとき車が走っていれば,エンジンの回転数も高く,車の発電機が十分にそれらをまかなうことができます. しかし渋滞で止まっているような状況だと,エンジンの回転数が落ち込むため,発電機が十分な電力を供給できなくなります. そうすると不足分の電力はバッテリーから持ち出されることになります,そうしてバッテリーの電気が徐々に消費され, ついにはバッテリーが上がってエンジンも止まってしまいます.これを防ぐには,渋滞で止まったときにはヘッドライトを消す, ワイパーを間欠作動にする,しばらく動きそうにないときはギヤをニュートラルにする,といった処置が必要になります. 同じことが,夜間,降雨時の渋滞の際にも言えます.

1月25日(木)

今日は,車の部品を買うためにトヨタ部品滋賀共販へ行く.膳所駅前の営業所に行くと・・・あれ?もぬけのからだ. どこか移転したのかしら? というわけで,家に帰って電話をしてみると,湖城が丘のほうに移転しているとのこと. 行ってみると,1号線の北側でハナテン中古車センターの向かいにありました.移転してるんだったら, 前の営業所にも「移転しました」くらい,張り紙でもしといてくれたらいいのに,と思ってしまった. トヨタ純正部品だけでなく,TRDの製品も取り寄せられるということだったので,そのうち何か頼んでみよう. ここでは「日本自動車新聞」なるものを発見.普通の新聞と同じ外見で,内容はすべて自動車に関すること. これで毎日発刊だったら,すごいです.

1月26日(金)

今日は雨.夜,雨の中を歩いて駅に向かうと,ふだん通っている道が明るい.どうも空が明るいようだ. 雨で街が煙っているため,街の明かりがもやに反射して,街全体が明るくなっている.雪の時ほど明るくはないが, でも歩くのには十分であった.電車に乗って大津に着くと,やっぱり京都よりは暗い. 大津の中心部の方はかなり明るかったが,京都の空が白っぽかったの対し,大津はオレンジ色だった. 街の明かりの色の成分が違うということなのだろうが,何が違うのだろうか.今度,山に登ってチェックしてみよう.

1月27日(土)

今日は,関東は大雪らしい.こちらは朝からずっと雨である.山中越えも気温は3〜5℃で,雪の降る気配はない. 天気予報を見ると,この季節,関東地方をかすめるように低気圧が通ると,関東地方に大雪が降るらしい. 先週に続き,関東地方は2週続けて大雪に見舞われて大変そうだ. でも首都高速道路は,大雪でもチェーン規制でなんとか走らせるのね.阪神高速だとちょっとでも雪が積もりそうだと, たちまち通行止めだけど.大阪の人はムチャするから,まぁ,しょうがないんだけど.

1月28日(日)

ひさしぶりに琵琶湖大橋を渡って南湖を一周してみた.日曜日の夕方とあって,湖西道路から琵琶湖大橋西詰の交差点まではかなりの渋滞. それでも,その手前で「朝どれ玉子」をgetする.この玉子,大きさはMサイズほどで,12〜3個入りが¥300と少し高めだが, その日に産み落とされた玉子ということで,黄身の弾力や味はすばらしい.スーパーでも,高いと10個パックが¥228とかするときがあるので, それだとこっちの方がいいとか思ってしまう.渋滞は堅田駅方面へ右折する車が原因なので,琵琶湖大橋上は空いている. 東詰の交差点でも,夏だと湖岸道路はかなり混雑するのだが,今日はガラガラ.というわけで湖岸道路を南へ走っていくと, 琵琶湖博物館の交差点の角にコンビニが新しくできていた.たしかにこの道路は,近江大橋をくぐると次は琵琶湖大橋までの間, 道沿いに店というものがなかったので,ここにコンビニ作ったら儲かるだろうな,とは思っていたのだが. 確かに周囲に民家なんてものはないので,基本的には車で通る人だけ相手の商売ということになるから, 昔ならあまり商売にならなかったのだろうけど,博物館や水生植物園ができて観光客が増え,採算がとれるようになったのだろう. ということを考えながら,近江大橋を渡ってまた大津に戻ってきた.で,西大津のバーミヤンで夕食. 滋賀県は,人口増加率が日本一であることもあり,人口あたりの飲食店の数が日本で2番目くらいに少ないらしく, おいしい店を探すのが難しいという.その中でも,ここは安くてまぁまぁの味.

1月29日(月)

今日は夕方から冷え込んでくる.山中越えで帰ったのだが,夜7時頃ですでに-3℃と出ていた. 空は晴れ渡って空気も澄んでおり,山から見る大津の夜景もくっきりしていた.車を降りると満天の星. 大津市も,浜大津付近は夜でも明るいが,ここ唐崎のあたりまでくると空はかなり暗く,都会では見えない星までよく見える. もちろん,旅行で見たような,山奥の村での星空ほどは見えなかったが.

1月31日(水)

夜,蹴上から三条通を走っていると,東山ドライブウェイの入り口の所に「凍結注意 3℃」という温度計付き警告表示が見えた. ここは週に2回は通っているが,この表示を見たのは初めてで,つい最近,設置されたものらしい.地下鉄蹴上駅の前にある「凍結注意」 の警告は,警告文だけで温度が表示されないので今ひとつ実感がわきにくかったが,温度表示があればドライバーにもよくわかるだろう.
 (新聞より)
昨年末より富士山付近で低周波地震が増加している,とのこと.この低周波地震は,火山活動に伴って発生することもあるが, 関係ないこともあるので,直ちに噴火の危険があるわけではなく,現時点では地震以外の,マグマの活動を示唆する観測データはないという. ただ富士山自体は活発な火山であり,この1000年間でも7回の噴火があった.1707年の宝永の大噴火では,江戸でも火山灰が4cm積もり, 富士山麓では2mを越えたという.富士山の噴火に対する防災対策はほとんどなされていないということであるが, もし噴火すれば付近の交通や近隣住民の生活は壊滅的な打撃を受けると予想されるので,平時よりの対策が望まれる.
朝日新聞夕刊の,田久保英夫氏の「ひとり 車で雪道を」を読んだ.ひとりで群馬県嬬恋村にある山小屋まで車で行った, という話だが,とても親近感を覚える文章であった.私も昨年,岐阜県朝日村の氷点下の森へ行ったが, 基本的に雪のない地方で育った者として,この文章における雪道の描写は,実際の風景が目に浮かんでくるようだった. しかし,重要なことは風景の描写ではなくて,ふだんの都会の喧噪から離れて,誰もいないし,また周囲にも人気のない山小屋に行くという, 非日常的体験が,日常に縛られている我々にとって新鮮に感じられるのだろう.昔話を読めば, むしろ100年以上前は冬の山村ではこちらのほうが当たり前だったはずなのに.そう考えると,実はそれは懐古の感情なのかもしれない.
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