凡例 |
一、本文は、上賀茂神社蔵今井似閑自筆写本、広島大学蔵浅野家旧蔵写本、国立歴史民 族博物館蔵高松宮本を底本にした解説書を参照した。 一、仮名づかいは歴史的仮名づかいのままとした。 一、会話部分など段落以外の部分では特に改行せずに続けたが、読みやすさを考慮して、 濁点、句読点、会話部分の鉤括弧は付けた。また、和歌の部分は改行した。 一、注釈は、本文と見合わせやすくするために、別ウインドウで見られるようにした。 また、写本によって異なる部分があれば、なるべく注釈に書き加えるようにした。 一、現代語訳は、もちろん現在使用されている言葉で表したが、歌の一節など特に訳す 必要のない場合はそのままにして注釈に内容を解説した。また、会話の一部に成っ ている和歌は訳を加えた。 |
用語 |
[用言] 自立語で活用のある語。物事の動作・存在・性質・状態を表し、単独で述語 になる。動詞、形容詞、形容動詞。 [体言] 物事の実態を表す語。名詞。 [未然形] 活用形の一つ。まだ実際に起きていない事実を述べるのに用いられる。 助動詞「ず」助詞「ば」などに続く。 [連用形] 活用形の一つ。用言に連なる事を主な用法とする。 [連体形] 活用形の一つ。体言を修飾することを主な用法とする。 [已然形] 活用形の一つ。すでにそうなっている事態を表す。「書けど」「よけれど も」「遠ければ」のように助詞「ど」「ども」「ば」が付いて使われる。 [語幹] 活用語で活用語尾を除いた形の変化しない部分。例えば「高し」の「高」、 「静かなり」の「静か」など。 [語根] それだけでは単独で用いられない、それ以上分解できない単語の基本的意味 を持つもの。「ほのめく」の「ほの」、「静かに」の「静」など。 [係助詞] 種々の語に付いて助詞を含む文節に強意・疑問などの意味を添え、それを 受ける文節に一定の制約を加える助詞。文を結ぶ時に制約があり(係り結び)「ぞ・ なむ・や・か」は連体形で結び、「こそ」は已然形で結ぶ。「は・も」は終止形 で結ぶが意味上の制約がある。 [謙譲語] 動作する人に関することを謙遜して言うことによって、動作を受ける人へ の敬意を表す言い方。「与ふ」の謙譲語は「奉(たてまつ)る」(=さしあげる)、 「もらふ」は「賜(たまは)る」(=いただく) など。 [中世] 平安時代(794-1185年)の末期平氏政権の成立(1160-1185年)から室町時代(1338 ↓つづく -1573年)まで。 [近世] 織田信長の上洛(1568年)から徳川慶喜の大政奉還(1867年)まで。 |