のぞみの日記・4年生になって
春
5回
暫くするとおばあちゃんが晩ご飯の用意を始めました。今日は豆ご飯で豆を鞘から 出しています。の〜のと翔も豆を出してお手伝いしました。 パパは小さい頃から豆ご飯が大好きだったそうです。の〜のと翔も豆ご飯やタケノ コご飯が大好きで、タケノコや豆の季節の時には1週間に2回くらい食べます。 「パパ〜、今日は豆ご飯だよ」 「おっ、今日は豆ご飯か」の〜のと翔が二階に上がってパパに言うと、パパは嬉し そうに笑いました。
夕方、パパと翔と3人でサチの散歩に行き、帰る途中で雨が降ってきました。 「パパ〜、雨が降ってきた〜」翔が言って走って帰ると、おばあちゃんが玄関で タオルを持って待っていました。 「お風呂は沸かしているから入ったらいいわ。濡れたままにしてたら風邪引くよ」 おばあちゃんが言うと翔がパパ〜と手を引っ張りました。 「そうやな、先に風呂で温まろうか。風邪引いたら大変やしな」パパが言うと翔 が嬉しそうにお姉ちゃん、と言っての〜のも一緒に入りました。
☆
6月の中頃にパパと翔がキス釣りに行きました。今まではの〜のが連れて行っても らっていたけど、今年は翔も1年生になったからの〜のと交代で行きます。 「翔、いっぱい釣ってきてな」出かける時に声を掛けると、うん、と嬉しそうに笑 っていました。翔がパパとキス釣りに行くのは、5月にの〜のがパパと釣りに行く 話をしていた時のことです。 「いっつもお姉ちゃんばっかりで翔はいっこも連れて行ってもらってへん」と少し ふて腐れていました。 「今回は我慢しぃ。今回はボートやなくてテトラの上からの釣りやから翔にはまだ 無理やねん。その代わり、6月にボートでキス釣りに行く時は翔を連れて行くから な」パパが翔のふて腐れた顔を見て笑いながら言いました。
「ほんま ? ボートの釣りに翔を連れて行ってくれるん?」途端に嬉しそうな顔を してパパを見ています。 「翔、いっぱい釣ってくるんやで」の〜のが言うと、うん、いっぱい釣るよ、と嬉 しそうにママやおばあちゃんを見ています。 「良かったなぁ。翔も小学生になったんやから、これからはお姉ちゃんと交代で連 れて行ってもらったらいいわ」ママが笑いながら言うと嬉しそうに頷きました。だ から5月の終わり頃にの〜のが行く時も笑顔で見送ってくれました。今回の〜のが 連れて行ってもらったのは初めての場所でした。同じ若狭湾だけど堤防のテトラか らの釣りです。竿も4メートルくらいの長い竿で、釣り方も今までと違うのでパパ が教えてくれました。餌もキスの時と違ってオキアミというエビです。
氷みたいに凍っているのを溶かして少しずつ撒きながら釣ります。でもキスみたい にいっぱい釣れません。パパの話だと1日釣って3、4匹釣れたらいい方だそうで す。パパがテトラの低い所へ連れて行って用意をしてくれました。パパが少しずつ 餌を撒きながらリールの使い方、竿の扱い方を分かりやすく教えてくれ、合わせ方 もキスの時と違って素早く合わせないといけません。最初は難しいと思ったけどだ んだん慣れてきました。ウキがす〜っと沈んだ瞬間に合わせるんだけど空振りばか りです。ウキが沈まなくても仕掛けを上げて餌のエビを付け替えます。車で寝て朝 の6時頃から釣り始めたけど、9時頃になっても1匹も釣れません。パパはの〜の の横で釣っているけどパパも釣れていません。
「パパ〜、いっこも釣れんね」の〜のが笑うとパパも笑いながら頷いています。パ パが餌を撒くと小っちゃい魚がいっぱい群がってきます。あれは餌取りで、直ぐに 餌を取るけど中々釣れないと言い、釣っても美味くないねんと笑っていました。時 々小さい魚が釣れるけど、あまりに小さいので逃がしてやります。暫くするとまた ウキが沈みました。どうせまた餌取りだろうと思って軽く合わせると、途端にグイ グイと引っ張られました。 パパ〜、パパ〜、の〜のがパパを呼ぶと直ぐに来て体を支えてくれました。あまり にも強い引きに体が落ちそうな感じです。 「そのまま、そのままやで、竿をゆっくり立てるんやで」パパの言う事を聞きなが ら必死に竿を操りました。昔、キス釣りに行った時、チヌが釣れた時のような感じ の引きです。魚の引きに竿が折れるかと思うくらい弓なりに曲がっています。
魚がグイグイ引く時はリールを巻かないで竿の弾力で我慢し、引くのが弱くなった ときに少しずつリールを巻きます。何度か繰り返すと少しずつ魚が浮いてきて水面 に姿を見せました。 「そのまま空気を吸わせるんやで」パパが言いながら玉網を使って魚を掬いました。 「希、やったな〜。これはグレ(メジナ)といって、本来は沖磯で釣れる魚やけどこ この堤防ではよく釣れるんやで。でもこんなに大きいグレは久しぶりやなぁ」パパ がポケットからメジャーを出して測ると37センチありました。キレイな深緑色の 魚です。パパがクーラーに入れたのを見ながら、こんなに大っきい魚を1人で釣っ たのは初めてだったので凄く嬉しかったです。それよりもグレが引く時の感触が忘 れられません。その後パパが24四センチのグレと28センチの鯛を釣りました。
「パパ〜、こんな所で鯛が釣れるん?何でも釣れるんだね〜」の〜のは堤防から鯛 が釣れたのでびっくりしました。パパがテレビで釣り番組を見ているのを何度か一 緒に見たことがあるけど、鯛釣りはいつも船から釣っています。 午後3時頃まで釣ったけどそれ以上は釣れませんでした。道具を片付けてから大っ きなグレを持ってパパが写真を撮ってくれました。お家に帰ったのは6時半頃で、 おばあちゃんと翔に見せるとびっくりしていました。グレは釣った時はキレイな深 緑色だったけど、帰って見ると黒くなっていました。 「色は黒いけど鯛よりも美味しいお魚だよ」とおばあちゃんが料理を始めました。 ママは7時頃に終わるそうで先にお風呂に入りました。
|
4回へ | 6回へ |

|