のぞみの日記・4年生になって

春休み




5日目


          ☆

6時半にパパに起こされて顔を洗い、着替えてからキャスターバッグを廊下に出し
ました。お姉ちゃん達や繭子達のキャスターバッグも廊下に出してありました。お
部屋に忘れ物がないのを確認してレストランに行くと、繭ママと繭子が食べていま
した。
「まゆ〜、繭ママ、おはよう」2人に声を掛け、パパと一緒にパンとジュース、オ
ムレツとフルーツを取って繭子の横に座ると、パパもコーヒーやパンを取って繭マ
マの横に座りました。

直ぐにお姉ちゃん達も来てパンを取りに行きました。食事の後チェックアウトをし
てパパはロビーでタバコを吸っています。
「家族で来たの?暑いけど体は大丈夫?」他のツアーの人達も出発らしく大勢集ま
ってくると、アブシンベルで一緒だったおばちゃんが話し掛けてきました。

「うん、大丈夫だよ。パパと一緒に来たんだよ。パパは3回目で慣れているから気
を付けてくれてるよ」の〜のが笑うと繭子も笑っています。
「お父さんは3回も来てるん。それやったら色々知っているから大丈夫だね。優し
いお父さんだね」おばちゃんは優しく言うとパパの方を見ています。

アデルという人が来てパパと繭ママと話をすると行くで〜とパパが呼びました。キ
ャスターバッグはホテルのボーイさんが運んでくれます。バッグが積まれるのを見
て大きな方の船に乗りました。他のツアーのお客さん達も乗ってきました。あの人
達もルクソールに行くそうです。

「パパ〜、上に行こう」の〜のが言ってみんなでデッキに上がりました。7時半く
らいなのでまだ暑くなく、ナイル川を吹く風はひんやりして半袖では寒いくらいで
す。大きな島の側を通る時に遺跡のようなものが見え、他のツアーのお客さんが写
真を撮っています。パパがの〜のと繭子の写真を撮ってくれました。街側の船着場
からマイクロバスで空港に行き、アデルという人とキャスターバッグを預けて搭乗
券を貰いました。9時に飛行機が動き出すと滑走路の端までゆっくり進んでいます。

窓から見ていると戦闘機みたいな飛行機が見えました。向きを変えてエンジンの音
が大きくなると、ゴトゴトゴトっと振動しながら走り出し、ふわっとした感じで浮
き上がるとぐんぐん上昇して行きます。窓から遠ざかるアスワンの街を見ながら典
子姉ちゃんにさようならと言いました。

アスワンからルクソールまでは40分くらいであっという間に着きました。荷物が
出てくるとアデルという人が誰かを呼び、台車に積んでマイクロバスまで運びまし
た。空港からそのままカルナック大神殿に行きました。10時を少し過ぎていて雲
ひとつないカンカン照りです。少し歩いただけで汗が出てきます。

「わ〜、あれはヒツジのスフィンクスだよ」繭子が指差した方を見るとヒツジのス
フィンクスがいっぱい並んでいます。正面の大っきな壁みたいな所が第一塔門とい
うそうです。中に入ると広いお庭みたいで大っきな像があります。アデルという人
について次の部屋に行くと、大っきな柱がいっぱいあるお部屋です。

「わ〜、大っき〜ぃ。パパ〜、写真撮って〜」パパに言って繭子と並ぶと笑いなが
らカメラを構えました。の〜のもデジカメで撮ったけど大き過ぎて入りきれません。
下の方の一部、上の方も一部だけという感じで写真を撮りました。お姉ちゃん達も
パパや繭ママと撮っています。高くて尖った塔みたいなものがオベリスクだそうで
す。入りきらないので少し離れて撮りました。他にも色んな壁画やレリーフ、スカ
ラベの像というものも見ました。

「あれはシャンポレオンのサインやねんで。昔来た時にハッサンというガイドに調
べてもらってん。本物らしいわ」奥の方の葬祭殿という所に行くとパパが柱の上の
方を指差しました。
「シャンポレオンって確か・・・ヒエログリフを解読した人やね。そんな人のサイ
ンがこんな所にあるんですか?」由香里姉ちゃんが不思議そうにアデルという人に
聞いています。

「もうガイドは辞めけど、何年か前にハッサンというガイドに、日本人の観光客に
教えてもらったって聞いた事があるけど、ひょっとしてその時の観光客って大原さ
んですか?」アデルという人が驚いた顔をするとお姉ちゃん達も驚いています。
「もう10年くらい前の事やけどね。ハッサンって同じ会社のガイドやったん?」
とパパも驚いていました。10年くらい前にママと来た時、いろいろ手配をしても
らった事などを話しています。

カルナック大神殿の次はルクソール神殿という所に行きました。ここは入り口の横
にオベリスクというものが1本建っていて、横の方にラムセス二世の顔だけの像が
ありました。パパがフィルムを入れ替えているのを見ての〜のがデジカメを見せる
と、まだ大丈夫だと笑いました。朝ホテルを出る前にメディアを入れ替えてくれま
した。電池は毎晩寝る前に充電しているから大丈夫です。

アデルという人と一緒に見学していると、ホテルで一緒だった他のツアーのおばち
ゃんが手を振りました。ここでも沢山写真を撮り、男の人と女の人が並んだ像も撮
りました。これはツタンカーメンとお妃のアンケセナーメンだそうです。
ツタンカーメンはカイロの博物館で見た黄金のマスクや色んな宝物の持ち主です。
お妃のアンケセナーメンは黄金の玉座という椅子にレリーフで描かれていました。

ルクソール神殿の見学が終わるとお昼ご飯です。時計を見ると1時前になっていま
した。何軒かお店が並んでいる所でマイクロバスが止まるとお土産屋さんに入り、
奥の階段から2階に上がるとレストランでした。バイキングだったけどパスタやご
飯など食べやすい物が並んでいました。パパ達はビールを頼んでの〜のと繭子はラ
ッシーを頼みました。神殿の観光中は暑かったので冷たいラッシーが美味しかった
です。

の〜のがパスタとご飯を皿に入れ、お魚の煮付けとピクルスを持って来ると、繭子
はご飯とパスタを少しだけ持って来ました。
「繭、少し食欲が落ちているみたいやな。しんどいんか?」パパが聞くと繭子は首
を振りました。
「しんどくはないけど、脂っこいもんが飽きてきてん」繭子が笑うとお姉ちゃん達
も一緒やわと笑いました。

「繭、ホテルに帰ったらご飯を食べるか?山用やけど、山菜ご飯かワカメご飯を作
ってやろうか」パパが言うと嬉しそうに頷きました。
2時半くらいにシェラトンホテルに着いてアデルという人がチェックインをしてい
ます。このホテルはパパが最初に来た時に泊まったホテルと言っていました。

今日は7時からカルナック神殿の音と光のショーに行きます。ショーは7時からの
分が日本語だと言いました。帰りが8時半くらいになってそれから晩ご飯だそうで
す。音と光のショーは6時半に出発すると言いました。2階のお部屋に入ると冷房
が効いていて気持ちがいいです。カーテンを開けるとベランダがあり、その向こう
が広いテラスみたいだけどベランダの手摺を越えないと行けません。

パパが海外旅行用のコンロを出して山菜ご飯の用意を始めました。山菜ご飯を2袋
入れ、水を入れてスイッチを入れた時ドアがノックされて繭子が繭ママと来ました。
ポットの方でお湯を沸しています。
「お兄ちゃん、これ」繭ママが袋を渡すとカップうどんが入っていました。直ぐに
お姉ちゃん達も来ました。

「パパ〜、の〜のもうどん食べたい」の〜のが言うと繭ママが笑ってうどんを出し
ました。山菜ご飯がグツグツ炊けてくると時々蓋を開けて見ています。その間に沸
いたお湯でカップうどんを作り、山用のワカメご飯にお湯を入れています。このワ
カメご飯はお湯を入れてファスナーを閉めると15分くらいで出来ます。プラスチ
ックのスプーン付きです。残ったお湯を紙コップに入れてお茶も作り、もう一度ポ
ットに水を入れてコーヒー用のお湯を沸かしています。

「繭、出来たで。遠慮せんでいっぱい食べや」食器がないので紙コップに山菜ご飯
を入れてスプーンを渡しました。
「の〜のパパ〜、ありがとう」繭子が美味しそうに山菜ご飯を食べると、パパ、繭
ママは安心したように見ています。繭子は紙コップで3杯お代わりをしました。
の〜のもカップうどんを食べると、久しぶりに食べる日本の味が美味しかったです。
パパと繭ママ、お姉ちゃん達はコーヒーを飲んでいます。

「繭、ちょっとこれを食べてみ」パパが山用のワカメご飯を少しだけ紙コップに入
れてやると美味しい〜と食べています。
「食べれそうか?じゃあ明日の朝ご飯にそれを作ってやるからな」パパが言うと繭
子が嬉しそうに頷きました。山菜ご飯が紙コップ1杯くらい残ったのをの〜のが食
べるとお姉ちゃん達が笑っています。ワカメご飯の残りをお姉ちゃん達と繭ママが
少しずつ食べ、案外美味しいやんと笑いました。

昼ご飯の時に元気がなかったから心配だったけど、バテたり体調を崩したりじゃな
くて、脂っこいもんが食べ難くなってお腹が減っているだけだと笑いました。繭子
の笑い顔を見てみんな安心しました。
「夜は冷えるから長袖を着ぃや」6時半少し前にパパが言って、みんな長袖のシャ
ツを持って下に降りるとアデルという人が待っていました。

7時少し前にカルナック大神殿に着くと大勢の日本人がいました。アスワンのホテ
ルで一緒だったおばちゃん達のグループもいました。の〜のがこんばんは〜と挨拶
するとおばちゃん達もこんばんは〜と挨拶しました。
アデルという人が入場券を買って来てみんなに渡しています。

7時にショーが始まり、案内のガイドの人の説明を聞きながら神殿の中を進みます。
陽が落ちて暗くなった神殿がライトに照らされて凄く幻想的です。所々で立ち止ま
ってナレーションを聞いたけど、の〜のにはエジプトの大昔の時代の事は分かりま
せんでした。それでもライトに浮かび上がる神殿はすごく綺麗でした。時々繭子と
写真を撮りながら奥の方へ進んで行きました。池の所で椅子に座ってみる神殿は池に
映ってすごく綺麗です。

ショーが終わり、出口に戻ると次の回の人が大勢並んでいたので迷子にならないよ
うに手を繋いでマイクロバスまで戻りました。
帰る時にルクソール神殿がライトアップされていて、思わずわ〜っと言ってしまい
ました。お姉ちゃん達も綺麗だね〜と見ていました。8時半くらいにホテルに戻る
とそのままレストランで食事です。パパ達はビールでの〜のと繭子はファンタを頼
ました。

パンとお肉、卵料理とバターライスみたいな物を少しとパスタを盛ってテーブルに
行くと、パパ達もお肉やイカのフライ、スイカも乗っていました。
「パパ〜、スイカは何処にあったん?」の〜のが聞くと向こう側のテーブルだと笑
って教えてくれました。
「まゆ〜、スイカが有るで」の〜のが言うと繭子も嬉しそうな顔で一緒に取りに行
きました。

繭子は山菜ご飯を食べていたのでパンを2つだけとジャム、フルーツを少しだけだ
ったけど、スイカはお皿にいっぱい持って来ました。ここのスイカは赤味の所だけ
を小さく切ってあります。アデルという人が、繭子が昼ご飯の時あんまり食べなか
ったので心配して聞きに来ました。繭ママが脂っこいものが食べ難くなっていると
話すと、明日の朝はお粥を頼みましょうかと言ってくれました。外国のお米だけど
お粥にすると食べやすそうです。繭ママがお願いすると笑いながらフロントの方に
行って話をしていました。

「繭〜、よかったな。お粥やったらお漬物だけでも食べれるやん」の〜のが言うと
繭子が嬉しそうに頷きました。
「明日は西岸の王家の谷やハトシェプスト葬祭殿に行くけど、だいたい午前中で終
わるからな。夕方5時頃からルクソール博物館に行くけど、それまでのんびりした
らいいわ」パパが繭ママに言うと頷いています。



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