(仮)
Lesson
since 2002/8/2
Lesson コラム

 8、ベースの音色

レッスンを進めていくと必ず話題になるのがベースの音色。と言ってもベースはエレキギターのように"歪み"や"クリーントーン"などわかりやすい音色変化の場面が少ないのでベースはそれよりも、
基本となるいわゆる"普通の音"をどう作るかが音作りのメインになる。
結果ベースアンプでの音作りが重要になってくる。
もちろん最初はベースにつまみがいっぱいあるしアンプのつまみも分けワカメ。そもそもいい音って何ですか?って状況な人も多いはず。そんな時、何を基準にして音を作るかにはいくつかの要素があります。

そのひとつが、バンドの中でもちゃんと聞こえる音色か?ということ

よくあるのがバンドの中で自分の音が聞こえなくなるって状態。自分の音が聞こえないと力んでしまいピッキングに無駄な力が入りすぎて本来の自分の演奏を見失う原因になります。
ヴォリュームがちゃんと上がっているのに聞こえない、そんな時はアンプについている"Bass"とか"Mid"とかイコライザー(EQとも言う)と呼ばれるもの調整で格段に聞こえるようになる事も多い。



(↑こちらはリハーサルスタジオでもライブハウスでもよく見られるampegのベースアンプのEQ部分)
初心者にとっては訳の分からないつまみだらけかもしれないけども、これらを使って音色を調整します。



向かって左側の回すつまみ側はパラメトリックイコライザーと呼ばれ、音作りのメインセクション。
一番左の"Gain"と一番右の"Master"はヴォリュームでここでは割愛。(実は深いとこですが。。)残りの"Bass""Ultra Mid""Treble"の3つのつまみが『音質』を調整するEQセクションだ。
ざっくり説明すると

Bass=低音成分

あげると重低音が増すように太くなるけどあげすぎるとフレーズが不鮮明になる。

Ultra Mid=中音域
音の芯の成分。かと言ってもあげれば音が太くなる訳ではなくコンコン言い出す。下げると音の芯がなくなっていく。非常にデリケートなつまみ。 またUltra Midの"Ultra(ウルトラ)
"はこのアンプだけの呼び方。一般的には"Mid"だけの事が多い。いろいろなメーカーのベースアンプもこだわりを見せる所で迷いやすいところでもある。

Treble(トレブル)=高音域
メーカーによっては"Hi"って書いていたりもする。あげるとカキン!という金属成分的なところが強調される。あげ過ぎはカチカチ言うだけなので注意。またあくまで高音域を"強調"するだけなので弦が古かったりして元々のベースの高音成分がないと効果は半減。ちなみにベースのトーンつまみを絞るのはトレブルを下げる事と同じとも言える。なのでベース側のトーンは絞ってしまうとアンプのトレブルをあげても意味がない。

そしてほとんどのアンプはつまみが12時(真上、真ん中)状態で平常時に設定されてるのでまずはEQつまみを全部真ん中にして弾いてみるのが最初にやるべき事だ。その状態でこんどはBassつまみを全上げして弾く→全下げして弾く。そうすると音のどの成分が強調、カットされるかわかるはずだ。その後Bassつまみをデフォルト状態に戻し今度はMidのつまみで同じ事をする。そうするとそれぞれのつまみの意味もわかりやすくなってくる。
この要領を得ていると目指している音色に寄せる近道になるのでぜひ試していただきたい。

そして今回は"バンドの中でもちゃんと聞こえる音色か?"というのが目指している所なのでポイントはBassとTrebleに絞ってみます。Bassは上げすぎると弾いているフレーズが不鮮明になってバンド全体の音も飽和させかねないので注意が必要だ。逆にちょっと下げてやったりすると音がすっきりしてフレーズが鮮明になる事も多い。

このコラムを読んでるというマニアックな方だけにお教えするBassつまみの調整のコツは
アンプのスピーカーの真横で聞いてみる事
です。というのも重低音はスピーカーの横から広がるように出ます。低音成分の量を調整するにはこれがわかりやすいです。ここで低音成分が出過ぎていないように調整します。

次にTreble。これはわかりやすく耳に聞こえやすくなります。フィンガーピッキングの場合は特に効果的で自分が弾いてるフレーズが聞こえなかったら上げてみましょう。
しかし低音成分とは違って高音成分はスピーカーからまっすぐ前方に出るので
調整する時はスピーカーの真ん前に耳を持ってきて調整しましょう
立ってたりすると足下を高音成分が通り抜け、 つい上げすぎ、正面のヴォーカリストの
耳をクラッシュさせかねません。←これは言い過ぎとしてもこの音域は色んな楽器が
おいしい所で出しているので過度の設定は気をつけましょう。

これだけで結構な音作りが出来るはずです。アンプによってはEQセクションがBassとTrebleしかないのもあるくらいなので。


そしてこの辺のとこを意識しつつ音作りをしているとBassとMidの中間をいじりたい!など細かい設定をしたい欲が出来てます。そこで使うのが


アンプ右側にあったスライダー式のつまみのグラフィックイコライザーです。通称グライコ
先ほどの3つのつまみをもっと細かく調整できるものですが用途は同じです。
でもこちらはあくまで補助的な使い方がベターです。

イメージとしてはパラメトリックイコライザーは"塩"、"醤油"、"味噌"みたいなざっくりとした調味料でグラフィックイコライザーは粗塩や岩塩、クレイジーソルトみたく細かな調味料を使えるって感じです。当然それぞれの塩の違いがわかるまではざっくりと"味塩"
で挑戦するのがよいです。

レッスンではこの基本を含めグライコの実践的な使い方やおいしいポイント、まはたEQ以外の音作りのポイント(実はこれが一番楽しい)などの企業秘密もお話ししています。



 7、ベースの存在

レッスン中よく曲の練習やフレーズの練習をしているとき私はギターを弾いています。ホントは鍵盤弾きたいのですが生徒さんに背を向ける事になるので自粛しています。まぁ2人でベース弾いちゃうと音域が近かったりで自分の音が不明確になるのも理由の一つなのですが、それ以上の理由は自分が他の楽器好きだからです。
自分は作編曲家の肩書きも持ってるのでギターもピアノもそれなりに弾けます。ドラムを叩くのは得意じゃないですが打ち込みは得意です。んで話題になる事は『ベース以外の楽器弾けた方がよい?』という事。
もちろん出来た方が良い、というか”楽しい”。なんでもいいのだけれど和声(コード)的な事ならギターか鍵盤楽器が理想的。専攻のベースほど弾けなくてもよくて持ってるだけでも吉。
和音楽器に触れると言う事はベーシストにとってとても重要でベースで弾く和音では到底かなわないサウンドを意識できます。んで特におすすめなのが鍵盤楽器。和声とルートを音域的に離して弾けるのはベースしか弾かない人にとっては次のステップへ導いてきます。


↑は簡単なピアノ譜。これをバンドでとらえるとト音記号がギターやピアノの和音楽器、ヘ音記号はベースになります。1、2小節目の1拍目、1、2小節目の3拍目のト音記号の方の音はコードは違うのに全く一緒。違うのはヘ音記号の方のベースが弾くルート音。そう考えるとベースが弾くルート音の重要さがわかると思います。また、実際の演奏では和音楽器はルートをベースに任せて省いて弾くのが一般的(その分他の事が出来るから)。和音楽器はベースの存在を信頼した上でサウンドしてるのです。スラムダンクでいう三井寿です。(古)こうすると他楽器がベースに求める事が見えてきて、ベースを弾くとき何を重要にするかもわかってきます。色んな事をすればいいってもんじゃないのです。逆に和音楽器の領域に意識的に手を伸ばす事もできます。ルートの重要性とその上に乗るサウンド、この感覚があるかないかは良いベーシストの必要条件かもしれませんね。


ベースはサウンドを決定づける最も重要なパートです。さらにリズムの要でもあります。
はい、最強です。他の楽器に触れればそんな事も見えて自分の責任も感じます。
ちなみにギターも良いです。和声の中でルートを離す事は出来なかったりしますが同じ系統の楽器なので直接的にコード弾きとかエフェクターの技術をベースの奏法に取り入れられます。
ドラムの事は長くなるのでこれまた別の機会に。

結果ベース以外の楽器に触れる事によってよりベースの本質が見えてくるのでお勧めです。
前回のコラムで『次回は2本目購入編』とうってますがそれはまた次回に。(笑)


 6、楽器選び

恐ろしく不定期なコラムですが文章こそおもしろくしてそうですが内容が込み入ってきましたね。(汗)ここでいっちょ肝心な楽器(ベース)選びにふれたいと思います。実際レッスンの問い合わせにも『ベースをこれから買うんですけど何がいいのかわかりません。』ってなこともしばしば。まして初めてのベースならチンプンカンプンなのは当たり前です。これが正解ってわけでも無いですが、私の思うベース購入論を段階を経てつらつら書こうと思います。参考程度に読んでもらえれば。。。

初めてのベース選び
初めてのベースとは謎に包まれすぎてて楽器屋、特に大手楽器屋では種類がありすぎて嫌悪感まで持ちます。(嘘)実際弾いてみてって言うけどこれからはじめるのだから善し悪しなんてわかるはずもありません。それで基準になるのが値段でしょうね。ざっくり言うと5万〜10万円くらいでしょうか。はじめの1本としては5万円が普通、10万円近い楽器は少しリッチです。ちなみにベースのグレードは5万〜10万円、10万〜20万円、20万〜30万円の区切りで大体上がります。2、3万円のベースもありますがもし後々バンド組んでライブしたいと考えていたらお勧めしません。「値段だけかい!」って話ですがここはざくっと言うとあとは色と形でかっこいいと思うもので選べば良いと思います。これくらいの値段では楽器の個体差もそれほどありませんし、見た目が気に入ってるかどうかも楽器愛にかかわりますから。(笑)まあしいて例を挙げればFender(フェンダー)と言うメーカーのJazzBass(ジャズベース)という形が定番です。ジャズベースと言っても音楽のジャズとは関係なく楽器の形を意味します。ちなみにこれです↓↓↓。



値段もピンキリですが日本製なら5〜10万円くらいで死ぬほどあります。その分色とかも選び放題です。ちなみに最もスタンダードなベースの音がして、将来的にやりたい音楽ジャンル が変動しても柔軟に対応する器用なやつです。そー言う意味でも最初の一本にはお勧め。プロと呼ばれる人の95%は所有しているほど信頼もあります。ちなみに95%って言うのは私の偏見です。(実際それくらいだと思いますが。)形の特徴としては


上の画像で記してあるPick Up(ピックアップ)とよばれる弦の振動を拾うマイクが2個並んでいる事です。このPick Upは数や形でベースの型番の種類が分けられるほど重要なポイントです。Fenderというメーカーはベースを生んだメ−カーで今や色んなメーカーからベースが出ていますが現在でも一番人気のメーカーです。車で言ったらTOYOTA、
ペヤングで言ったらソース焼きそば、それくらいのシュアです。等レッスンでも特に良くわからないって方にはこれをお勧めしています。

余談としてJazzBassの次によくあるベースの形はPrecisionBass(プレシジョンベース)と言う物です。先ほど説明したPick Upが真ん中に1個というのが特徴です。
↓↓↓


ジャズベースのような多彩な音は出ませんが、音が太くてパンチがあり世にエレクトリックベースが生まれた最初の形です。
ジャズベースを強くお勧めする私のメインベースもこれです。(笑)
話が長くなりそうなので2本目購入?編は次回へ。。



 5、アドリブ

生徒さんの中でもアドリブでベースを弾いてみたい!自由に弾けるようになりたい!という願望が強く、憧れている方も多いようです。私も今となっては練習以外はほとんどをアドリブでベースを弾いていてもまだまだ自由でアーティスティックなアドリブを目指しています。そんな魅力的なアドリブについて。。
ある程度ベースを操る事が出来るようになった生徒さんには時々レッスンにてアドリブでフレーズを弾いてもらっています。そもそもアドリブって何ぞや?って話もありますが、ここで言うアドリブとはフレーズをその場で作って弾く事を言います。ベースラインでもベースソロでもどちらともです。
コードとドラムパターンだけこちらから提示して「はいっ!何か弾いて!それっ!」って感じです。(笑)でもそれだけではドS過ぎるので、例えばDm7のコードでレとドとファとソの音を使って作ってという制限をつけます。その音らをパラパラ弾いているとだんだんフレーズらしき物が見えてきます。そして1小節や2小節のまとまりが出来たらフレーズとして成立します。そして出来たフレーズに魂を与えるのが自信です。不思議な物で生徒さんが自分で作ったフレーズを弾いているとき「これでいいのかな?
あれっ?ださくない?先生コーヒー飲んでるよ、やる気あるの?ってか聞いてる?そのジャージ臭い!」的な空気があります。(先生〜の下りは嘘です。笑)するとフレーズも消極的に聞こえるんです。そこで私が「そのフレーズかっこいいからもっとしっかり音出すといいよ!」と言うと生徒さんもその気になり音が急に前に出始めます。まさにフレーズが魂を宿します。フレーズを作るには自分で「このフレーズはかっこいい」、「いや、これはかっこわるい」とジャッジを出来る事が大事で、自信を持ってフレーズを弾く鍵になります。そのジャッジが出来るようになる為に研究が待っている訳です。
フレーズ作成→フレーズを弾く。この時間が短ければそれがアドリブとなる訳です。その為には、

1,まずは自分でもフレーズを作る事を意識してコピーをたくさんする事、そうすれば音使いやリズムパターンの法則が見えてくるはずです。

2, そして何かに似ていても良いので自分でも積極的にフレーズを作る事、フレーズメイキングは慣れが必要です!

3, 最後にたくさんベースを弾く事、出来たフレーズも弾けなければ意味がありません。


はて、上記の1〜3はよくある練習じゃないか。そう、その通りです。日頃のコピーなどの練習がアドリブにつながっているのです。アドリブって言っても自分の中に無い物は出てきません。ましてさらに即興的な演奏ならば自分が吸収したものを出すことしか出来ません。ベースを練習する事、そしてアドリブが必要な状況に自分を置く事で必ずアドリブする事が出来るようになるはずです。

余談ですが、即興的でなくても出来たフレーズがかっこいいとレッスンは大盛り上がりです。(私が)


 4、フィンガリング
フィンガリングとは左手の指使いの事をさします。左利きの人は右手になります。レッスンでは1-2-3フレットと順に押さえる時は人差し指→中指→小指と押さえるフォームを徹底していることがあります。これはもともとウッドベースの基本フォームでそれをエレキベースにも取り入れているわけです。一見薬指があまってしまう気もしますが実はこの3本の指で大抵のフレーズが弾けてしまうのです。小指の代わりに薬指でもかまわないのですが、エレキベースの指板の大きさを考えると小指なら意識して指を開く必要もなくなりきちんとフレットの際を押さえられるのです。慣れてしまえば小指を使うほうが楽ですし。

日頃『綺麗なフォームで押さえられたほうが良い』といっているわけですがそもそもベースはフレットとフレットの間が広いし弦も太いので効率の良い押さえ方をしないとまともに音が鳴らなかったり最悪手を傷める危険もあります。例えば中指で弦を押さえるとき、
   
良い押さえ方 悪い押さえ方

右の写真のように関節が曲がってしまうと
      

矢印の方向に力が逃げてしまい良い押さえ方にくらべ余計な力がかかってしまいます。よく指を立てて押さえるのが基本といいますがそれは力が効率よく押弦に注げられるからということです。このことを忠実に守り練習を重ねれば手の小さな女性でもなんなくベースの弦を押さえることができるのです。

私の考えですが普段はどんなフォームで弾いてもかまわないと思いますが、綺麗なフォームで弾かないとスムーズに弾けないフレーズとかが出てきた時にスッと綺麗なフォームになることが出来ることが理想です。綺麗なフォームで弾けることも出来るってのが重要なのです。いつもお上品なフォームではロックじゃないですしね。(笑)

ベースという楽器に慣れてくると気付きますがこの指を立てるという作業は人差し指では例外なこともありますがそれはまた別の機会に…

 3、耳コピ
レッスン生も始めて3〜4ヶ月もすると大分ベースも弾けるようになります。そうすると自然と『もっと色んな曲が弾けるようになりたい!』って欲望が出てきます。ベースの腕の上達と共に色んな音楽に興味が出てきて弾けるようになりたい曲も多くなってきます。でもメジャーな楽曲でもない限り必ずしも譜面があるとは限りません。

そこで耳コピ
(譜面を使わず耳でコピーすること)する必要性が出てくるのです。でもこの耳コピってやつは初めは楽なものではありません。そこで私なりの耳コピ上達法を紹介したいと思います。

1、譜面があるものを弾きまくる。(TAB譜も)

楽器経験がない場合はいきなり耳コピで始めるよりも実は良かったりします。たくさんの曲を弾くことによって『このポジションからこのポジションまででこれくらいの音程の違いがある』『この辺のポジションはこれくらいの音程の高さ』などなどの音程感を体に早く染み込ませることが出来ます。私本人もベースを始めた頃たくさんの曲を譜面を見て弾けるようにしました。そのおかげで耳コピもわりと抵抗なくスラスラ出来るようになりました。

2、音楽理論をかじる

音楽理論と言ってもほんの入り口くらいの知識でも充分です。たとえばマイナーペンタトニックというスケールを知ればそれだけで耳コピの早さは3割は増すかもしれません。ベースやギターはペンタトニックで作られているフレーズがとても多いからです。コード理論もしれば『次はこのコードだろう』って予想もついてしまいます。

3、慣れる

極論かも知れませんがこれがなんだかんだ言って一番の上達かもしれません。私は年間100曲近くコピーをしています。それだけやればさすがに慣れます。六本木のお店で弾いていた頃は2日間で20曲以上コピーをさせられました。それで鍛えられたのか一晩で15曲くらいならコピーが出来るようになりました。

こう色々と書いてしまうと余計難しいことにも思えてきてしまいますが、耳コピが出来ることによってたくさんの曲も弾けるようになり、それが上達へと直接つながります、しかも耳もだんだんと良くなります。そして大事なのは苦労して耳コピするのだからコピーしたものを自分の引き出しにすることです。コピーして気に入ったフレーズが他の曲でも有効に活用できれば耳コピしたかいがあるってものです。そうやって色んなネタを自分でたくさん持つことで曲を弾く時の自由度が上がり自分のキャラクターにもつながっていきます。耳コピするだけでこれだけの可能性が広がっています。

 2、ダイナミクスと飲む音
曲をかっこよく弾くのに大きな影響を与えるのが『ダイナミクス』である。簡単に言ってしまうと音量の大小である。よくあるのがAメロでは抑え目に、サビでは盛り上げるって形。それが抑揚であり楽曲に演奏者の魂がこもり聞く人の心に届く。音量の大小の差をダイナミクスレンジといいダイナミクスレンジが広ければ広いほど抑揚のある演奏が可能になる。

ダイナミクスには大まかに分けて2種類ありさっき述べたような曲全体にかかる大きなダイナミクスと、フレーズごとの(1小節くらい〜数小節内)ダイナミクスがある。前者は意識すれば結構すぐできるものだが、問題は後者。これはレッスンでもよく思うこで、簡単にいうと一つのフレーズにアクセントや弱く弾く場所を作るということ。コピーなどをして『どうも本人のプレイに似ない』ってなってしまうのはアクセント(アーティキレーション)までコピーしていないのが原因。

理論的には強く弾いたり弱く弾いたりするだけだが、強く弾くのも瞬間的にリズムの中で瞬発力を出すのはやはり鍛錬が必要、しかも弱く弾くのは実はもっと難しかったりする。

ここで、エレクトリック楽器の特性の話になるが、実はある程度強く弾くとそこでコンプレッションがかかりそれ以上強く弾いても出てる音量が変わらないことがる。ってことは必要なのはいかに弱くも弾けるか?ってことになる。

フレーズの中には楽譜にすると音にはなるが実際弾くときは聞こえなかったりミュート音と区別できなかったりするものがある。私はこれを
飲む音と呼んでいる。飲む音と言ってしまうと必要性が0の音のように聞こえてしまうがそうではなく、その弾いてるか弾いてないか、聞こえるか微妙な音が実はフレーズにノリや抑揚を付けてくれるのである。
よく譜面に出てくる『×』(ミュート)も同じ役割である。ソウルファンクなどは特にこのミュート音が多い。試しにこのミュートを全部無視して弾いてみるとその差が歴然とわかる。

まとめ:このフレーズごとのダイナミクスを習得するためには『ここを強く、ここを弱く』と意識して弾くのも悪くはないが、現実的には難しいし音楽ではなくただの筋肉の運動になってしまう。一番いい方法はコピーするときにそのベースを
良く聞くこと。それも弾き方、アクセント、ノリなどすべてを耳で聞き取るつもりで聞くこと。そしてそれを自分のなかで理想のアーティキレーションでフレーズを歌えるようにすること。自分の中で歌っていればそれが勝手に両手に伝わり自然とそのように楽器から演奏できるようになるのである。
もちろんそれは理想だが自分の中で歌ってるものを楽器で出すのも試練が必要である。確実に自分の物になるまでは何事もゆっくりなテンポから身に付けるのが大事になる。

 1、読譜 リズム
日頃レッスンでは譜面を使ってやってますが、TAB譜は一切使っていません。もちろん生徒の皆さんバリバリに譜面が読めるわけではありません。当の講師自身もある程度読めますがクラシック奏者の読譜力に比べれば足元にも及びません

極端な話、実際演奏を仕事にしない限り譜面を読む必要性って大事ではなかったりします。それでもレッスンで譜面読みを大事にするのはリズムを読むためです。おたまじゃくしの音符がドとかレだとかはすぐ読めなくてもいいからリズムだけはばっちり読めるようにします。するとリズムの種類を知り体に入れる事が出来るようになるのです。そうするとそれまでなあなあに感じていたリズムも正確なリズムにどんどん近づいていきます。

読譜という響きだけで嫌になってしまう方も多いでしょうが、私は初心者でも1レッスン1時間のなかで8分音符くらいのリズムなら読めるようにしています。案外誰でもそれくらいで出来るものです。実際今まで何人かのベース初心者の方はいましたが、1時間で読めるようになりました。音符の高さとかを読むことに比べればリズムだけ読むって事は本当に簡単なことなのです。

よくリズムが『重い』だとか『軽い』だとかいいますが、正確なリズムを知らなければどちらともいえません。ある程度正確なリズムに対して後ろ=重い、前=軽い、と言う世界です。また例えば4部音符の音価(音の長さ)の中で6連符、あるいわ32分音符を感じられる人の事を重いと言う人もいます。例えばドラム、2拍4拍でスネアを叩く事が多いですが日本人はこのスネアが遅れがちです。これはリズムが重いのではなく『遅れている』のです。ただでさえハイハットの『チッ』といういとに比べ『ターン』という余韻のあるスネアの音は重たく聞こえます。私はドラムの打ち込みもやりますがスネアが遅れて聞こえるのが嫌な時は性格なリズムよりじゃっかん早く打ち込みます。それによってタイトな位置にスネアが聞こえたりします。

リズムとは一言では語りきれない種類があり、一つのジャンルのノリも一生をかけて習得するものもあります、でもそれを聞き分ける
持つためなるべくタイトで正確なタイム感を養うたクリック等に合わせた譜面読みを大事にしています。

1