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時計ジャーナリスト篠田哲生が選ぶ【2025年新作時計ベスト5】

日本、そして世界を代表する著名なジャーナリストたちに、ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025で発表された時計からベスト5を選んでもらう企画。今回は時計ジャーナリストの篠田哲生氏が選出したモデルを紹介する。2025年は創業やコレクション初出の周年を迎えるブランドが多く、そのため良作もまた多かったとしつつ、篠田氏がナンバーワンに選んだのはヴァシュロン・コンスタンタン。しかし「本当に気になった」という2本の腕時計も一緒に取り上げる。

1位:ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーション -ラ プルミエール-」
ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーション -ラ プルミエール-」

ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーション -ラ プルミエール-」Ref.9600C/000G-231C
自動巻き(Cal.3655)。204石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kホワイトゴールドケース(直径45mm、厚さ14.99mm)。ユニークピース。(問)ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755
唯一無二という点で、今年のナンバーワンモデル。IWC スーパーコピー時計に触れることもでき、大感激。天文関係の機構はかなり難解だが、つまるところ時計や時間というのはロマンであり、1分1秒を争って生きてはいけないのだと実感。

2位:パルミジャーニ・フルリエ「トリック パーペチュアルカレンダー」
パルミジャーニ・フルリエ「トリック パーペチュアルカレンダー」Ref. PFH952-2010002-300181
パルミジャーニ・フルリエ「トリック パーペチュアルカレンダー」Ref. PFH952-2010002-300181
手巻き(Cal.PF733)。29石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KRGケース(直径40.6mm、厚さ10.9mm)。30m防水。世界限定50本。8万5000スイスフラン。(問)パルミジャーニ・フルリエ pfd.japan@parmigiani.com
一目見てため息、じっくり見てため息、ムーブメントを見てため息。とにかく美しい時計だ。永久カレンダーという見慣れ過ぎた機構も、デザインセンスでこれほどまでに上品になるものなのかと感心した1本です。

3位:ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」
ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド
ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」Ref.Q713216J
手巻き(Cal.822)。19石。2万1600振動/時。18KPGケース(縦45.6×横27.4mm、厚さ7.56mm)。3気圧防水。642万4000円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833
ここ数年盛り上がっているゴールドブレスレット。どのブランドも気合を入れているジャンルだが、今年はこれが最上級。繊細で美しく、しかも存在感もある。ケースを反転させ、ソリッドバックのままブレスレットとして使いたい。

4位:ウブロ「ビッグ・バン 20th アニバーサリー」
ウブロ「ビッグ・バン 20TH アニバーサリー キングゴールド セラミック」Ref.431.OM.1338.RX
ウブロ「ビッグ・バン 20th アニバーサリー キングゴールド セラミック」Ref.431.OM.1338.RX
自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kキングゴールド+ブラックセラミックケース(直径43mm)。100m防水。世界限定250本。526万9000円(税込み)。(問)LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055
ウブロが時計界に衝撃を起こした5つのスタイルに合わせた、5モデルを同時リリースという手法がうまい。個人的にはキングゴールド×セラミックモデルが好み。ふたつ目のデザインも新鮮だ。

5位:A.ランゲ&ゾーネ「1815」
A.ランゲ&ゾーネ 2025年新作
A.ランゲ&ゾーネ「1815」Ref.220.028
手巻き(Cal.L152.1)。21石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径34.0mm、厚さ6.4mm)。3気圧防水。385万円(税込み)。(問)A.ランゲ&ゾーネ Tel.0120-23-1845
直径34㎜というサイズ感が素晴らしい。小ぶりだがぎゅっと濃縮された雰囲気があり、ムーブメントのみっちり感も素晴らしい。深いブルーのダイアルとゴールドケースの組み合わせはとっても華やか。スーツに合わせたい。

総評
毎回のことではあるが、各時計ブランドの企画や開発、デザインに関わる人々の情熱と才能には驚かされる。時計という小さな世界の中で、もはやできることなんて無いんじゃないのと思いながらスイスに行くのだが、きちんとワクワクさせてくれる時計がリリースされる。今年は周年ブランドや周年モデルが多く、気合が入っているせいか良作が多かった。

ジュネーブ到着日に本社で極秘プレゼンを受けたヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・ソラリア・ウルトラ・グランドコンプリケーション -ラ プルミエール-」はその筆頭。41の機構を搭載した世界で最も複雑な腕時計は、創業270周年にふさわしいマイルストーンだ。もうひとつの重要なアニバーサリーといえばウブロの「ビッグ・バン」の20周年。時計史に残る大傑作の記念碑モデルは、ウニコ2を搭載した正常進化。ふたつ目レイアウトで端正に見せる手腕も好感が持てる。そしてアニバーサリーモデルではないが、創業者生誕210周年のA.ランゲ&ゾーネの小さなケースの「1815」も気になる存在だ。

でも本当に気になったのは、上品なラグジュアリーを体現した2モデル。パルミジャーニ・フルリエの「トリック パーペチュアルカレンダー」とジャガー・ルクルトの「レベルソ・トリビュート・モノフェイス・スモールセコンド」は上質な時間を楽しみたい大人のための時計であり、こういう時計が似合う大人になりたいものである。