嘘のような話だが四国には生まれて初めて行った。まだ写真にも旅にも興味が無かった頃、瀬戸大橋が完成し、その何千円という通行料に驚いて「行くもんか行くもんか」と固く誓ったこともあり、四国には憧れはあるけど遠い別世界というイメージがあった。「死国」という映画をTVでみた後は、余計に別世界の印象が強くなり、道後温泉に憧れる反面、霊場巡りみたいな過酷な修行覚悟でなければ足を踏み入れてはいけないような気がして、今まで一度も行こうと考えた事はなかった。そんな私の重い腰を持ちあげたのは桜だった。四国は面積の割に立派な一本桜が多い。それに私は讃岐うどんがブームになる何年も前から大好きで、夏になるとダンボールで取り寄せて、冷やしうどんで食べるのが楽しみだった。こうして桜とうどんに釣られて四国上陸が実現したのである。 (上写真:徳島川井峠) |