vol.4 金谷ホテル:マダムへの決意 (2001.10.16) 昨秋、奥日光に行った時、中禅寺湖畔の金谷ホテルの前を通りかかった。洋館の前に美しく紅葉した蔦の絡みついた木々があり、それがものすごく素敵に見えたので、おもわず車を停めて、フラフラとホテルの中まで入ってしまった。ちょうどチェックアウトの時間帯で、運転用のビーチサンダルをはいたままの、みすぼらしい格好をした私でも、紛れ込めた。 フロントには物語に出てきそうな大きな時計があり、暖炉の回りにあるソファーからは、窓越しに赤や黄色と枯葉色のまざった林が見渡せる。 奥のほうにある食堂には、おそらくランチタイム用のテーブルセットがおしゃれに整えてあり、小さなギャラリーもある。 だからって今時のちょっとしたホテルならどこでもこれ位はお洒落だろうし、わたしだってめったに泊まらないものの、国内外様様なホテルを見ている。でも直感的に「ここだっ」と感じた。将来、もっと年をとった時、このホテルにふさわしい女性になってここに泊まりたいなあ。できたら滞在したい。このホテルのランクとかは知らないけど、このホテルにいても異和感のない、上品さが身についていたらいいなと。 とてもじゃないが現在の私では、外で野宿してる方が似合ってるし、もちろんお金を払えば泊まれるだろうけど、それじゃ意味ない。ここで朝ゆっくりと外の林を散歩して、暖炉の前でコーヒーを飲みながら、また外を眺め・・・先づはそういう心のゆとりを持てるようにならないとね。今は旅先と言えば低血圧と戦いながら早起きし、化粧もろくにしないままカメラをかまえるから、薄暗いうちはいいものの、太陽が昇っていくにしたがい、化けの皮がはがれていくような。もしくは朝起きれずに、敗北感に苛まれながら寝起きの顔を晒す毎日である。景色だってのんびり眺めてる余裕なんかなくて、たえずキョロキョロしながら三脚を引き摺って歩いてる。(チビだから) こないだの雨の日には、黄色いリュックカバーをつけてたのを、「後姿が小学生」とからかわれた。(チビだから) マダムへの道のりはまだまだ遠そうだ。...もっとも背はもう伸びないか・・・ |
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*21世紀以降の国内撮影は特に表示の無いものは全てPENTAX645N RVP使用 キャノンEOS1で撮影の場合はほとんどコダックE100vs使用 |