もともと私は連休がとれるお盆はここぞとばかりに遠出の旅行する不信者。古くは屋久島で台風に遭遇し、帰りのフェリーも飛行機も欠航、当時、まだ普通の社会人やった私は、数人乗りのチャーターセスナで嵐の中を枕崎空港まで飛ぶという、今では考えられへん(贅沢な)こともした。お盆が来るたびに、あの日のことを思い出す。あの旅もマンガ級に波乱万丈やった。 ・・・とまあ昔を懐かしみながら、今年は京都でおとなしくしてるんで久しぶりに大文字の送り火を見た。 送り火は子供の頃よう見に行った。うちの両親にはビルや建物の屋上に上がるという発想はあらへんかったみたいで、特に見所スポットというんやなく、近所の「とりあえず大文字が見える」道端で見てた。同じ様にその時間になるとあちこちから人がようさん集まって、そのうち「わあー」という声がして、空に(本当は山に)オレンジの大の字が浮びあがってたのを、父の肩車から見た記憶が一番懐かしい。 この大文字山、実は小学校の遠足で登ったんやけど、歩くの嫌い、登るのはもっと嫌いな私にはえらいしんどくて、「二度とこおへんで!」と子供心に誓ったもんや。しかしや。大人になってから知り合うた友人は「犬の散歩」で毎日大文字(山)に登ってるという。世の中には奇特な人がおるもんや。 お盆の京都は様々な行事がある。私はこの時期は「京都の穴場観光期」だと思ってる。みんなが押し寄せる紅葉や桜の頃もええけど、幻想的な夏の夜祭りが楽しめるこの時期もけっこうええんちゃう? 8/16は送り火の他、嵯峨の広沢の池や渡月橋では灯篭流しが、大谷さんでは万灯会、車折神社でも万灯祭が、私は行ったことないけど西方寺や壬生寺では六斎念仏が行われる。いずれも精霊送りの行事なので敬虔な気持ちを忘れたらあかんけど、写真的にも観光的にも見応えあるので、機会があったら行って見てください。 (参考画像は 夢宵想 、 宵待想 をご覧下さい。) *五山送り火 (8/16 20時から順に大文字、妙法、船、左大文字、鳥居と点火される。) *広沢の池 灯篭流し (8/16 広沢の池に5色の灯篭が流される。背景には送り火の鳥居が浮かぶ) *渡月橋 万灯流し (8/16 渡月橋から大堰川を流れる灯篭が見れる。自転車と体力があれば広沢の池とハシゴできる。) *東大谷さんの万灯会 (8/14〜16 京都タワーを遠景に、お墓に供えられた灯篭が約2万個並ぶ。) *車折神社の万灯祭 (8/14〜16 境内に三面灯篭が並ぶ。・・・今年初めて行ったけど、オリンピックのせいか、いつもそうなのか、とても静かやった。人はほとんどおらんのに蚊がたくさんいました笑) *花背の松上げ (8/15 河原の約1000本の松明の中心に立つ大柱に、火縄を廻しながら投げ入れる様子はまるで火の玉入れ) *千本釈迦堂の六道参り (8/12 参道に絵灯篭が並ぶ。) *壬生寺の万灯会 (8/9 無数の灯篭が本堂を覆うように飾られて、金色のお堂のように見えます。) *六波羅密寺の万灯会 (8/8 本堂に灯明で型どられた小さな「大文字」が灯る。) *六道珍皇寺の六道参り (8/7 迎え鐘をつく参詣客で賑わう。私も信者ではないけど鐘を突きました。) *醍醐山万灯供養会 (8/上旬 青森出身のお坊さんの指導のもと作られたミニねぶた金魚の紙灯篭が参道に並ぶ。小学生達作の紙灯篭を並べて作った 船 もあった。) お盆の行事は今年は終わってしもうたけど、8/20の 大覚寺の宵弘法 はまだこれからやさかい、ぜひ! 押入れの中 Copyright (C) 2004 Yuka Hoshino. All rights reserved. |