Ms.の京都
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【町屋美容室 Fino】
自分だけの隠れ家的な空間、持ってますか? 喫茶店、バー、レストラン、花屋さん、公園・・・女性なら美容室という方も多いはず。
私が髪型を変えたい時、気分を変えたい時に訪れる美容室 Fino さんは西陣織屋だった町屋を改装したとっておきの場所。美容室っぽくない外観と 薄利多売にはなりたくないというご主人のポリシーのため、宣伝はせず、訪れるお客さんは口コミがほとんど。



ながーい麻の暖簾をくぐると、待合室がある。糸屋格子から差し込む光は優しい。ここのテーブルもそうだが、インテリアは海外から取り寄せた物が多く、純和風の建物の中に、さり気なく溶け込んでいる。
待合室と言っても、完全予約制なので、待ち時間はほとんどない。それでもこういう空間を作ることによって、前後のお客さん同士がかち合うことなく、気兼ねなく自分の時間を過ごすことができる。




いざ、洋物の分厚い扉の向うへ。数歩進むと、ぱあーと視界が広がる。吹き抜け天井の70坪の広々した店内にセット台は3席だけ。一人のお客さんにじっくり時間をかけている。




高さ9mの天窓、光時計の映る土壁、床暖房付きの足元は土を焼いたタイル、今も水が湧き続ける井戸があり、窓の外には緑の庭が見える。庭に出るとかすかに渦巻き型蚊取り線香のなつかしい匂いがした。
画面左上の丸い明りが光時計。ただ今5時25分
よく見ると内側の円が秒針代わりでチクタク動いている。
右下は井戸の滑車。



大きな地球儀のランプが置かれている和室は、冬になると囲炉裏に炭が焚かれる。炭の「はぜる音」も大切にしたいという。

水は荒塩を利用して水を柔らかくする器械を使っているので、皮膚にも頭皮にも優しい。アトピーの方でも安心だそうだ。
「お金を貰っておいて、髪を傷めるヘアカラーは出来ない」というこだわりで、どうしても髪の色を変えたいというお客さんには、自宅で簡単に出来て髪にも影響の少ない中性カラーリングを勧めている。私もこれを愛用しているが「技術料をもらうのが悪いほど簡単なので・・・」と教えてくれた。 事実、不器用な私でもあっけないほど簡単だった。




建物も、何気ないインテリアも、ヘア用品も小物も、全てをこだわり尽くしている。
押し付けがましい贅沢ではなくて、空間や時間の贅沢な使い方には“粋”という表現がぴったり。誉めっぱなしだが、心地好い時間を過ごせる私の隠れ家だ。

ヘアスタジオ Fino
京都市北区紫野下鳥田町
完全予約制 Tel:075-495-3208

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