顔面神経は、脳から出る8本の神経のうち7番目から出てくる神経です。顔面神経管という骨の管を通り顔面に分布しています。その経路のどこで異常が起きても顔面神経麻痺が起こりますが、その大部分は骨の内部での障害でおこります。その中で最も多いのが、顔面神経管の中の顔面神経が水脹れになり、顔面神経麻痺となるもので、ベル麻痺という名前で呼ばれています。ベル麻痺は痛みを伴うことはありません。
また顔面神経管の中の顔面神経にウイルスが感染し、顔面神経麻痺となる場合がありこの場合は痛みを伴うことが多くハント症候群という名前で呼ばれています。この場合、耳たぶや外耳道に水泡を伴い、これで気づく場合もあります。それ以外にも腫瘍や中耳炎、脳血管障害などでも顔面神経麻痺が起こることがあります。
ほとんどの場合耳鼻科や内科を受診し血流改善剤やビタミン剤、ステロイド剤にて治療をし、ウイルスによるものの場合は抗ウイルス剤を使用することで治療します。なかなか治療に反応しない場合や重症例ではペインクリニックにて
星状神経節ブロックを併用します。それ以外に当院では低周波治療器にて顔面筋のマッサージを行い、顔面筋が硬くなるのを防ぐ治療も合わせて行っています。