問題点
1:報告書の時間の謎〜救急車は何時来たの?〜

1回目と2回目の報告書で2つある大きな差異の1つが『時刻表示の記載方法』です。
1回目はほとんどが00分、05分、10分となっています。これは時刻をいちいち確認しながら行動したわけではないので、だいたいこんな感じだったな〜という感覚で記載したのでしょう。
一方2回目の報告書ではその点改善されていて、ほとんどの時刻に『頃』がつきます。これはこれで正確なわけでよいことなのですが、ここで注目していただきたい時刻があります。
午後0時07分
午後0時12分
です。10月18日の項目ではここと午前9時00のところだけ『頃』がありません。他は全て『頃』がついています。しかも、これは訂正・修正した報告書です。練習開始がほとんどはっきりしている午前9時00分はともかく、なぜこの2つだけ時刻がはっきりしているのでしょうか?
管理人は救急車を呼んだ時刻に関係していると思います。
1回目の報告書だと
午後0時05分に119番通報
午後0時20分に救急車到着
です。通報から到着まで15分。失礼ですが、地方都市でこれはかかりすぎではないでしょうか?
常識的に考えて5分=早い、10分=普通、15分=遅い、だと思うのですが。
もちろん前述したとおり、はっきりこの時間に通報した、とは思えないので10分前後で到着しただろうとは思います。
で、2回目の報告書だと
午後0時07分に119番通報
午後0時12分に救急車到着です。
ここだけです。2回目の報告書の18日の項目でここだけ追加されて、ここだけ『頃』がないんです。そして通報から到着までかっきり5分。
最初はあやふやだった時間が、5ヵ月後の報告書ではここだけはっきり。
なんか無茶苦茶作為的なものを感じるんですが。
救急車到着まで15分なんて遅くね?という突っ込みを回避するべく作られたような気がするんですがね。


追記:TV見たら消防署では12:07通報といっていました。すいません、管理人の深読みしすぎだったようです。
お詫びに疑問点1個追加。
裁判では今頃「畳がボロボロだった」VS「いや、畳は安全だった」というのが争点になりつつあるようですが東北政経の記事ではその問題に何も言っていないですよねぇ。露骨な引き伸ばし戦術と思うのは、これも深読みしすぎですかね。
2:その連絡体制はありなの?〜美しき押し付け合い〜

とにかく解きほぐすのがめんどい報告書ですが(あれで給料もらえるんだからうらやましい)、事件当日の上への連絡体制は次の通りです。(今回は時間の正確さは関係ないので『頃』は省きます)
午後0時07分:教諭(学校)⇒教頭、教務、養護教諭(学外)
午後0時10分:O教諭(学校)⇒校長(学外)
午後0時30分:教諭(学校)⇒S学年主任、担任(学外)
午後0時50分:S講師(病院)⇒O教諭(学校)※病院到着連絡
午後1時07分:教頭(病院)⇒O教諭(学校)※病院到着連絡
まあ普通ですな。
そして午後1時58分に教育委員会へ連絡を入れるわけですが、これがすごい。
校長が教頭に連絡をいれるよう指示して教頭がO教諭に指示してO教諭が教育委員会に連絡。
場所も加味して並べるとこうなります。
校長(病院)⇒教頭(病院)⇒O教諭(学校)⇒教育委員会
すげぇ押し付け合いw
ちなみにこのO教諭、特活室で対応していた4人の先生達ではありません。つまり、この人も詳しいことは知らないわけで、何か哀れさすら感じてしまいます。
詳しさから言えば病院にはS講師(特活室で対応していた4人の内の1人)がいたわけで、校長か教頭がS講師から事情を聞いて委員会に報告するのが一番良さげです。
そんなに嫌だったんでしょうか?上に報告するのが。

3:病院には誰がいた?〜執刀医の言葉の行方〜

まず、病院に向った面子を数えましょう。
母親、S講師⇒救急車
校長、教頭、養護教諭、S主任⇒自家用車
計6人。
(※1:報告書には養護教諭の病院到着時間が記載されておりません。しかし、手術後ICUに入っているので病院にいたのは間違いありません)
では病院から出たのは?
教頭は手術中に校長からの指示で学校に帰ってますから、少女の手術が終わった時、病院には4人の先生方(+両親)がいたことになります。
(※2:S講師だけ病院を出た記載がありません。ひょっとすると3人かもしれません。あまり関係ありませんが)
さて、あんまり事件と関係の無い数字遊びをしているように見えますが、管理人は地味に盛り上がってきたと思っております。
TVで被害者のお父様ははっきりとこういっています。
「(執刀医が)開口一番叱責した」と。
例の「してはいけないことをしていましたね」「いったいどんな指導をしていたんだ」等、校長を叱責した、というやつです。
報告書には書かれていませんが(当たり前か)、これは本当でしょうか?
さて、もう一度言いますが病院には4人(もしくは3人)の先生がいました。
医者が学校の先生にも手術結果を報告するのは当然でしょう。
そして、報告書をよっく見ていただきたい。
先生がたは、その手術結果等を連絡しています。
S主任:教頭(学校)へ手術終了のメール
養護教諭:教頭?(学校)へ被害者のバイタルを連絡(学校)
そして教頭は教育委員会へ『医師からの詳しい手術結果』とバイタルを報告しています。
誰が何を連絡した、はきちんと書かれている報告書ですが、『医師からの詳しい手術結果』を使えた人物は何故か不明です。(バイタルは養護教諭の項目に入っている事に注意!)
医師の説明内容と時間から、手術完了メールにそれが含まれるのは不自然でしょう。
これでS主任は除外
養護教諭は別項目でわざわざ書かれているので除外
残るは校長とS講師。
この二人で、執刀医からの説明を受けるにふさわしい立場の人間は?
そして校長はなんで、なにも報告していないの?
以上のことから、医者から説明がてら怒られたから報告書には書けなかった、と推測するのですが、どんなもんでしょう?
4:どっから沸て出たその言葉

1回目と2回目の報告書で2つある大きな差異の2つ目が『言ってもいない言葉の追加』です。
あの
「今まで何をやってもボーっとしていて、動きがおそく中途半端だったので」
「小さいときはよくつまづいて転んだり、おっちょこちょいの所がある。」
云々ですな。
報告書を概要だけよんでもわかりますが、この部分だけ極めて異質です。それはなぜか?ここ以外は「〜した」「〜との事」と簡潔に記載されているのに、ここだけ文章なんです。
そして、ここだけ1回目より詳細にバージョンアップしています。
事件後の報告書より5ヶ月あとの報告書の方が(1回目は実は11月提出で、修正・訂正作業が入っている事に注意。だから本当は2回目の報告書は3回目)詳しいというのも、怪しいんですが11月まで忘れてて、翌年3月に思い出したんでしょうか?それとも憶えていたけど1回目は省略して、2回目でわざわざ入れたんでしょうか?後者だとすると、事件前の頭部打撲を強調したいように見えます。
1回目には「伝聞」と言うものすらかかれているわけで、だったら「〜対して母親は言っていないと主張」と書けばいいだけです。どちらも参考事項にかかれてる事柄ですから。
では、なんで学校は訂正に応じないのか?
それは最後の「医師の見解」が書かれているためだと思います。
以前から頭部を打っていたとありますが、被害者少女は以前にも部活で頭部を打っています。これと関連付けられることを避けるために、追加したんじゃないか?
子供の頃からから頭部を打っていたので、今回の柔道部の件はトリガーになったにすぎない、そう主張したいが為に追加したんじゃないか?
そう思えてならないほど、2回目の報告書で追加されたこの部分は妙に浮いています。
5:ダブルスタンダード

これまでの報道その他で、2月末ごろまでには「イジメに近いものが存在した」ということは、保護者・学校双方が確認しています(教頭の恫喝がどっちの意味でも、イジメの内容を教頭が受けている事に注意)。
しかし、学校は「生徒の証言があやふやで確定できないから」と報告書には載せませんでした。
ある柔道部員の母が、「あのお母さん、学校や部員に責任はないっていってましたよー」という伝聞は載せるのに。
世間一般ではこれをダブルスタンダードといいます。
あ、ちなみにその発言は『加害者の少年の母』です。

以下、報告書以外も含めての問題点

6:どんな練習だったの?

報告書では「おそらく原因は柔道の練習」とだけしかでてきません。しかし、3月11日の時点で学校・両親側双方ともに練習中の中身に問題があったことを確認しています。

●ご両親:弁護士ととも1・2年生より聞き取り調査。
結果=1年部員全員より、部長が頭部集中攻撃などのイジメまがいの集中攻撃(部員達が命名)をしていたことを証言

●学校:独自に聞き取り調査。このとき教頭の恫喝問題がでる。
結果=「部員によって話が異なり、確定できなかった」

学校側は一部であれ、双方とも証言は得ているわけです。そして被害者は『脳が半分になる』ほどのダメージを受けています。
問題が無いと判断する学校側の神経を疑います。
7:事件後の教頭の対応〜そのステキなお言葉〜

報告書にある、被害者両親が言っていない、とされる言葉の問題。少し長いですが引用します
-------------------------------------------------
・今回事故があったことで、1年生の保護者の皆さん柔道部をやめることのないようにお願いします。
(電話で被害者の保護者と話をした部員の母親からの話。)
・今回の事故について本人の母親は、柔道部、柔道部員の責任でもないし、学校の責任でもない。こんなにはげしく頭をぶつけたことはない。柔道部員の保護者や先生方に心配をかけて申し訳ありませんということ。また道場(特活室)で倒れたことは、何かあるかもしれないので、良い環境の中で(タタミ)やらせたい。ということ。
-------------------------------------------------
全て捏造された!とちょっと誤解されがちですが、この中で
「道場(特活室)で倒れたことは、何かあるかもしれないので、良い環境の中で(タタミ)やらせたい」
の部分、これは言っています。
実は柔道場(特活室)にある畳は、サイズばらばら、ところどこ隙間あり、という状態で、ケガをした部員もいたのです。
以下、政経東北10月号34Pより、病院を訪れた教頭と少女の母親の会話

母:娘の事故を機に、柔道場の畳を柔道畳に交換するよう市教委に働きかけてもらえませんか。

教頭:柔道畳は高いんです。柔道場はもともと和室億滴で畳を敷き、後から柔道部が利用した形なんです。だから問題ない。

母:しかし、畳が原因でケガをした部員がいるのは事実です。

教頭:ケガの件は顧問に言ってください。

母:畳の問題は顧問の責任ではないと思います。保護者からは「犠牲が出ないと学校は動かないんだ」という意見も聞かれます。娘は以前、畳の隙間に髪を挟み、抜けてしまったことがあります。いまは上級生の保護者のアドバイスで、頭に手作りのキャップをかぶって練習しています。こういう状況を教頭はおかしいと思わないんですか?

教頭:
実は最近私も抜け毛に悩んでいるんです。ワハハハ。

これは「意識不明・呼吸困難・呼びかけ反応なし・よだれを垂らして失禁状態・脳は半分縮んだ状態で病院にはこばれ、8時間の大手術」をおえ、医師から「覚悟してください」と言われている状態の少女が寝ている病院での会話です。
感想は読んだ皆様にお任せします。
8:事故直後教師の対応

意識不明・呼吸困難・呼びかけ反応なし・よだれを垂らして失禁状態・脳は半分縮んだ状態で病院にはこばれ、8時間の大手術をおえ、医師から「覚悟してください」と言われている状態
の少女の両親に対し

「たいしたケガではないし、他の生徒が動揺するといけないので口外しないでください」

福島県須賀川市では
意識不明・呼吸困難・呼びかけ反応なし・よだれを垂らして失禁状態・脳は半分縮んだ状態で病院にはこばれ、8時間の大手術をおえ、医師から「覚悟してください」と言われている状態
というのは
たいしたケガではないらしい。ずいぶんとワイルドな地域だな>須賀川
9:学校の聞取り調査なるもの

学校も聞取り調査を行いましたが、「証言がまちまちで確定できない」「生徒を信頼しています」ということで報告書にも記載しなかったし、イジメはなかった、リンチはなかった、という事です。
その聞取り調査なるものは2年生5人に対する調査で、内3人が「イジメ・暴力はなかった」と証言しました。
ちなみに、その3人の内訳は


暴力を振るったとされる部長本人、その友人2人です。

ここの校長・教頭はバカなのか?
ところでなんで1年には聞かないの?
10:校長のマスコミに対する態度

スーパーモーニングの取材では「本当の事を言っても、TV朝日は嘘だと断定するから応える義務はない」とインタビュー拒否しておりました。
2006年10月19日、フジテレビの特ダネではやはりコメント拒否でした。
あれ〜?フジは今回初取材ですよ。嘘だなんて言って無いですよ。テレビ朝日に嘘だと決め付けられている汚名を返上するチャンスですよ。
どうしてインタビューに応じないのかなぁ?
不思議不思議。

以下、今更ながらですが、改めて根本的な問題点

11:原因不明?

改めて事件を振り返ると、少女がなんでこうなったのか?という直接的な原因(イジメがあったなっかったという問題ではなく、なんで急性硬膜下血腫になったのかという原因)は、学校・教育委員会は未だに『原因不明』というスタンスです。
ええとですね、柔道の練習していて急性硬膜下血腫になった場合、通常考えられる原因は『頭部打撲』になると思うんですが。
イジメの有無は置いといて、頭を強く打ったからこうなったと考えられるのは当然かと思います。っていうか、誰でもわかるよ。
で、病院に運ばれて両親と校長がずっと待っていたとき、校長が言い続けていた言葉は
「頭は打っていないのに、なんでこうなったのかなぁ」
・・・・バカ?
これから須賀川にお住まいになる方がいたら気をつけた方がよろしいでしょう。
誰かに殴られて急性硬膜下血腫になっても、『原因不明』片付けるのが須賀川の流儀のようですから
戻る