(A) オス(手前)とメス(奥)を背中側から見たもの。どちらの個体も、左右の後肢は4趾であった。オスの切れて再生した尾に、ひれが発達していることや、メスには尾ひれが見られないことに注目。
(B) オス(手前)とメス(奥)を腹側から見たもの。喉元に見られる白パッチが、繁殖期である4〜5月の水生型のオスの特徴であった。比較のために、この白パッチは、キタサンショウウオでは非繁殖期である9〜10月の陸上にいる時期に認められた(Hasumi, 2001)。オスの腹を手で押すと、精液の一部が総排出口から出て来た。メスの後肢の近くにある胴体の腹側の皮膚を通してベージュ色をした卵管子宮部を識別することは出来なかったが、これは恐らく卵管子宮部で卵嚢の形成が既に完了しているからであろう。オスの総排出口周辺部の膨らみと、メスの総排出口がスリット状から穴状へと変化しつつあることに注目。
雌雄の体の大きさは、安息香酸エチルの飽和溶液で麻酔してから計測した(オス: 体重=5.3g、最大頭幅=11.2mm、最大尾高=8.5mm、総排出口前端までの頭胴長=56.1mm、総排出口後端までの頭胴長=61.3mm、尾長=36.1mm。メス: 体重=5.0g、最大頭幅=9.6mm、最大尾高=5.8mm、総排出口前端までの頭胴長=55.4mm、総排出口後端までの頭胴長=59.3mm、尾長=33.1mm)。
同行した調査者(アルファベット順、敬称略): 懸川雅市(東京都立小松川高等学校)、岸冨士夫(しろうま自然の会)。