作成:2010/11
関東大震災の跡と痕を訪ねて
番号 : 横浜 Y-18
写真1 白滝不動尊への石段
写真2
案内板に示されている不動滝
白滝不動尊の案内板より
幕末に完成した外人遊歩道に面して、百級*の石段がまっすぐに不動堂のある丘陵に向かって続いています。
不動尊拝殿からは根岸湾の景勝が眺望できましたが、今はその風景も変ぼうしました。
本尊不動明王立像は、境内の懸崖の中段にあった井戸の中から出現したという伝説があります。
この不動尊を信仰する人々は、房総・三浦まで広がり、不動下には、明治中ごろまで茶店や旅籠が軒を並べ、参詣の人々で賑わっていました。
不動堂の丘の下の滝は、高さ20m、幅5mの滝で、市内で最も見事な飛瀑で不動滝の名で呼ばれていましたが、丘陵地帯が開発されて水源を失い、現在はわずかに一筋の水が滝の名残りをとどめて落下しています。
【参考】百級*:百段のこと
不動堂に向かう石段の左側に不動滝があります。石段は低地と台地を結ぶ通路として使用され、かっては台地からの湧水が崖を流下して滝となっていたのでしょう。滝のある崖は段丘崖です。
写真3
階段脇にある大震災記念碑
写真4 白滝不動尊の大震災記念碑
撮影:2010/11
大震災記念碑は写真3に示すように、石段を登り始めると直ぐ左側にあります。
大震災紀念碑は13回忌にあたる昭和10年に死者の慰霊と当時の惨状を記念するために建立されたものであり、背面上段には碑文が、下段には発起人11名と団体名(根岸町衛生組合、在郷軍人会、青年会)などが刻まれています。
震災記念碑の碑文(背面)