作図データは写真集中の震災の碑など(未掲載含む)38基から
図1 建立時期と建立頻度
図2 建立者
関東大震災は被害規模の大きさを反映し、「震災の碑」の建立数が多いだけでなく地域的にも広範囲(東京都・神奈川県など)に及んでいます。
その中の一部ではありますが、38基の建立年度をグラフに表わしてみると次のような特徴が認められます。
【図1のグラフ】
--- 3回忌(2周年)以内の建立実績が圧倒的に多い ---
震災直後の被災地には建立資金がないにもかかわらず、復旧・復興に優先するかのように建立されている。
--- 法事と関係する年の建立が多く慰霊を目的とする ---
震災の碑の名称は多種にわたるが供養・慰霊・追悼など死者の慰霊を意味する名称が多く、全体の2/3は慰霊を目的としている。
--- 10周年附近に2つ目のピークがある ---
復興を成し遂げたころ、震災当時を振り返りつつ一つの区切りとして建立されたと思われる。特に公共的な職業と関連した建立が目立つ。
--- 数十年経過しても建立は続く ---
13回忌を過ぎると少なくなる。その後も建立が続くが中には再建などが含まれる。
[注]横軸は対数表示となっています。
3回忌とは2周年です。7回忌・13回忌等同様。
【下段のグラフ】
建立者は町内・地区といった比較的狭い地域である場合が大半を占める。
次いで同業者・勤務先などであるが、勤務先としては警察署・裁判所・電話局など公共的な職業が目立つ。
「関東大震災の跡と痕を訪ねて」全般的参考資料
力武常次 地震・津波碑探訪 連載その2~その8 地震ジャーナル 1995~1998
平野富雄 地震の石碑 観測だより 神奈川県温泉地学研究所「なまずの会」 1977~1997