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英語の比較表現


ここで紹介する比較表現の内容は、下記の通りです。(すべてこのファイルにあります)

[1]形容詞・副詞の級変化    [2]原級を使った比較表現
[3]比較級を使った比較表現    [4]最上級を使った比較表現
[5]比較表現の文の書き換え    [6]比較を使った慣用表現

[1]形容詞・副詞の級変化

英語の動詞(V)には、原形・現在形・過去形などの変化形があります。形容詞・副詞にも変化形を持つものがあります。形容詞・副詞は原級・比較級・最上級という変化形を持ちます。意味はそれぞれ、

原級比較級最上級
表す意味(そのまま)より〜
もっと〜
一番〜
最も〜

となります。

級の変化のさせ方の主なものを紹介しましょう。以下はすべて、原級・比較級・最上級の順で左から書かれています。

1音節の語全部と2音節の語の一部は、語尾にer, estをつける。

背が高いtalltallertallest
古い・年取ったoldolderoldest

英和辞典などを見てください。英語の見出しが、“an・swer”などと印刷されているはずです。英単語が“・”で分けられています。これが音節わけです。answer は、an と swer の2つの音節から出来上がっているということです。

3音節以上の語全部と2音節の語の一部は、前にmore, mostを置く。

美しいbeautifulmore beautifulmost beautiful
有名なfamousmore famousmost famous

early を除き、“―ly” で終わる副詞には、前にmore, mostを置く。

ゆっくりとslowlymore slowlymost slowly
親切にkindlymore kindlymost kindly

文中では、最上級の前には、the を置くことも多いので、the oldest, the most famous と、the も含めて最上級だと覚えさせる先生もいます。

以上が基本なのですが、er, est をつけるときに、次の点に注意してください。

“―e” で終わる語には、r, stだけをつける。

広いwidewiderwidest

“短母音+1つの子音字”で終わる語には、その子音字を重ねて、er, est をつける。

大きいbigbiggerbiggest
暑い・熱いhothotterhottest

“子音字+y”で終わる語には、yをiにかえて、er, est をつける。

幸福なhappyhappierhappiest
早い・早くearlyearlierearliest
易しい・簡単なeasyeasiereasiest

今までに紹介したものに当てはまらずに、不規則に変化するものがあります。これは覚えてください。非常に重要なものもありますので、しっかりお願いします。

よい・うまいgoodbetterbest
よく・上手に・健康なwellbetterbest

「〜した方が、ベターだ」とか「ベスト10」という風に、日本語としても使われていますよね。


悪いbadworseworst
病気の・悪くillworseworst
悪く・ひどくbadlyworseworst

「ベスト」の反対言葉として、「ワースト3」(最も悪い3つ)などと使うこともあるようです。


多数の・たくさんのmanymoremost
多量の・非常にmuchmoremost

これも大切です。


少量の・少なくlittlelessleast

かなり渋いです。


おそい・おそく(時間)latelaterlatest
(順序)latelatterlast

later や last は、比較表現に限らず、よく出てきます。


遠い・遠く(距離)farfartherfarthest
(程度・距離)farfurtherfurthest

ここまではいいと思いますが・・・。

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[2]原級を使った比較表現

原級は、同級と呼ばれることもあります。普通、原級を使った比較表現は、下のようになります。

as形容詞・副詞as〜と同じくらい形容詞・副詞
not as[so]形容詞・副詞as〜ほど形容詞・副詞ではない

You areasbeautifulasshe.
副詞形容詞の原級接続詞S’
あなたは、彼女と同じくらい美しい。

この文がどのように出来上がっているかを、ちょっと詳しく見てみます。やや説明が難解になりますので、よく読んでください。1度でわからない場合は、何度も読み返してください。わからないままだと、時間の無駄となるばかりでなく、英語が嫌いになってしまいます。

この文は、英語も日本語も

あなたは美しい。彼女は美しい。
You are beautiful.She is beautiful.

という2文がくっついたものなんです。

日本語は、先に2文目を言います。「彼女は美しい」。この後ろに「のと同じくらい」という日本語をつけます。「彼女は美しいのと同じくらい」となりました。さらに1文目を続けます。「彼女美しいのと同じくらいあなたは美しい」。「は」を「が」に変えます。「彼女美しいのと同じくらいあなたは美しい」となります。ちょっと変のように思うかもしれませんが、「あなたは」を文頭に持ってきて、「あなたは彼女が美しいのと同じくらい美しい」とします。「美しい」は2度も出てくるとくどいので、「が美しいの」の部分を省略して、「あなたは彼女と同じくらい美しい」となります。

英語もほぼ同じなんです。英語で「同じくらい」の意味に相当するのは、副詞の as で、これは比べたい形容詞・副詞の直前に置かなければいけません。

You areasbeautiful.She is beautiful.

となります。さらに、2つの文をつなげるには、英語では接続詞が必要です。「同じくらい」と言いたいときの接続詞は、asと決まっているんです。したがって、

You areasbeautifulasshe is beautiful.

という文ができあがります。接続詞の前後で、両方とも使われている単語は省略できるんです。

You areasbeautifulassheis beautiful.

この文では、接続詞 as の前後で、are と is が同じVbeとして共通で、beautiful も前後に2つあります。今回は、as の後方の is と beautiful を省略して、

You areasbeautifulasshe.
副詞形容詞の原級接続詞S’
あなたは、彼女と同じくらい美しい。

となります。 is は省略しない場合もありますが、as で修飾された形容詞の beautiful は省略することになっているようです。また、is も省略した場合、口語(こうご:話し言葉)ではshe を目的格の her で代用することも行われています。受験用の問題集にも she とすべきところ her となっているものがありました。「her だから間違い」と言えない時代になってきました。


副詞の例も紹介しておきましょう。

She studies EnglishashardasI.
副詞副詞の原級接続詞S’
彼女は私と同じくらい一生懸命に、英語を勉強しています。

これもちゃんとつくってみます。辛抱して付き合ってください。

彼女は一生懸命に英語を勉強しています。私は一生懸命に英語を勉強しています。
She studies English hard.I study English hard.

この2文を合成します。

日本語は、後ろの文に「のと同じくらい」をくっつけて、前の文の「彼女は」の後ろに割り込ませます。「彼女は、私一生懸命に英語を勉強していますのと同じくらい一生懸命に、英語を勉強しています」となります。変なので、「私は」を「私が」に変えます。「彼女は、私が一生懸命に英語を勉強していますのと同じくらい一生懸命に、英語を勉強しています」となり、さらに「一生懸命に英語を勉強しています」が2度も出てきてくどいので、前の方のその部分を消して、ついでに先ほどの「が」も消して、「彼女は、私と同じくらい一生懸命に英語を勉強しています」という日本語になります。

英語は、「一生懸命さ」を比べて「同じくらい」と言っているので、hard の前に as を置きます。さらに2文をつなげる接続詞 as を、1文目と2文目の間に入れて、

She studies EnglishashardasI study English hard.

接続詞 as の前後で、共通な“study English hard”を省略します。後ろの方を省略です。

She studies EnglishashardasI.
副詞副詞の原級接続詞S’
彼女は私と同じくらい一生懸命に、英語を勉強しています。

かなりややこしい話しをしましたが、1行1行じっくりと読んでもらえば、相談したわけではないのに、「英語・日本語とも共通した考え方がある」ことに感動してもらえるはずです。

この文の I も口語では me で代用されることが多いようです。あまり省略しない場合は、接続詞as の後ろに I do とするようです。me do は、いけません。


次は、否定の表現です。これは今までの話しに、否定を加えただけなので、例文を紹介するにとどめます。

He isn'tastallasBob.
副詞副詞形容詞の原級接続詞S’
彼はボブほど背が高くない。

This story isn'tasinterestingasthat one.
副詞副詞形容詞の原級接続詞S’
この話しは、あの話しほど面白くない。

Kate cannotplay the pianoaswellasBeth.
副詞副詞副詞の原級接続詞S’
ケートはベスほど上手に、ピアノを弾くことができません。

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(増補・音声付)TOEIC(R)で920点を取った医師の英語勉強法


[3]比較級を使った比較表現

形容詞・副詞の比較級than〜より形容詞・副詞
not形容詞・副詞の比較級than〜より形容詞・副詞ではない

She isbusierthanhe.
形容詞の比較級接続詞S’
彼女は彼よりいそがしい。

こちらは、やや簡単に解説します。

彼女はいそがしい。彼はいそがしい。
She is busy.He is busy.

の2つの文からできています。

日本語は、2文目が「のより」を伴って、1文目の「は」と「い」の間に割り込みます。「彼女は彼はいそがしいのよりいそがしい」となります。次に「はいそがしいの」を省略します。「彼女は彼よりいそがしい」となります。

英語は、She is busy. He is busy. の2文をつなげたいとき、「より」にあたるのは、[形容詞・副詞の比較級]です。ですから、1文目の形容詞 busy の y を i にして、er をつけて、busier にしてやります。さらに、2文をつなげるために、接続詞をつけるのですが、比較級が好きな接続詞 than を選んでやります。

She isbusierthanhe is busy.

接続詞 than の前後で、2重に使われている単語の is, busy を省略して、

She isbusierthanhe.
形容詞の比較級接続詞S’
彼女は彼よりいそがしい。

ができあがります。is は省略しない場合もありますが、比較級となった形容詞の busyの繰り返しは許されないので、than の後ろの busy は省略します。is を省略した場合、he の代わりに him とするのが口語です。


副詞の比較表現も紹介しておきます。

Jimmy can runfasterthanhis father.
副詞の比較級接続詞S’
ジミーはお父さんより速く走ることができます。

これも、2つの文が合体しています。

「ジミーは速く走ることができる」「彼のお父さんは速く走ることができる」

Jimmy can run fast.His father can run fast.
Jimmy can run fasterthanhis father can run fast.
Jimmy can run fasterthanhis father can run fast.

次に、比較級を使って、選択疑問文がつくられる場合があるので、それを紹介しておきます。

Whichismore interesting,this bookorthat one?
S(疑問代名詞)C(形容詞の比較級)S1接続詞S2
この本とあの本では、どちらが(より)面白いですか。

one = book です。名詞の繰り返しをさけるために使われる代名詞です。答え方は、

This one is.
This one is more interesting.
This one is more interesting than that one.

などとなります。


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[4]最上級を使った比較表現

(the)形容詞・副詞の最上級in
of
〜の中で一番・最も形容詞・副詞

原級・比較級を使った比較は、基本的に「2つのもの」の比較でしたが、「3つ以上あるもののうちで一番〜」と表現したいときは、この最上級を使います。


He isthe tallestinhis class.
the + 最上級前置詞まとまり・範囲
彼はクラスの中で一番背が高い。
He isthe tallestofthe five (students).
the + 最上級前置詞同種類の名詞・数字・allなど
彼はその5人の中で一番背が高い。

最上級が形容詞の場合、形容詞の後ろに名詞がなくても、形容詞の前に the をつけることになっています。

in の後ろには、1つのまとまりや範囲を表す名詞が来ます。

of の後ろには、比べる人・物と同種類の名詞(今回はHeとstudentは、ともに「人間で生徒」)が来るのですが、しばしば省略されて、数字や all しかないことがあります。そのときも students や boys の省略とみて、of を使います。



The girl can play the violin(the)bestinJapan.
省略可副詞の最上級前置詞まとまり・範囲
その少女は、日本で一番上手にヴァイオリンを弾くことができます。

この文の best は、副詞 well の最上級です。副詞の最上級の前には、the は置かなくても良いことになっています。置いてもかまいませんが。


in, of が両方使われる文もあります。

The girl can play the violin bestof all the girlsin her school.
その少女は、彼女の学校のすべての少女の中で、一番上手にヴァイオリンを弾くことができます。

納得できますよね。

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[5]比較表現の文の書き換え

(1)Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
(2)Mt. Fuji is the highest of all the mountains in Japan.
(3)Mt. Fuji is higher than any other mountain in Japan.
(4)No mountain in Japan is higher than Mt. Fuji.
(5)No mountain in Japan is as high as Mt. Fuji.
(1)富士山は、日本で一番高い山です。
(2)富士山は、日本のすべての山の中で一番高い。
(3)富士山は、日本の他のどの山よりも高い。
(4)富士山より高い山は、日本にはない。
(5)富士山ほど高い山は、日本にはない。

どれも、同じ内容を表していますね。特に(3)

比較級 than any other 単数名詞 他のどの[単数名詞]より〜

という意味になり、よく出題されるので、確実にマスターしておいてください。

(1)I am older than he.
(2)He is younger than I.
(1)私は、彼より年上です。
(2)彼は、私より若い。

こんなのも、同じ内容を表していますね。

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[6]比較を使った慣用表現

as 〜 as S can   できるだけ〜

I ranas fast as I could.
私は、できるだけ速く走った。

Vの ran が過去形なので、can ではなく、過去形の could になっています。「できるのと同じくらい〜」と言う意味になるはずなので、理解できますね。


as 〜 as possible   できるだけ〜

I ranas fast as possible.
私は、できるだけ速く走った。

“as 〜 as S can”と同じ意味になります。possible は形容詞なので、時制(現在形とか過去形の区別)を気にする必要はありません。


as soon as 〜   〜するとすぐに、〜するやいなや

As soon asshe got home, she went to bed.
彼女は家に着くと、すぐに寝てしまった。

“as soon as”で“when”と同じように使えるので、接続詞として覚えておけと教えることもあるようです。


more than 〜   〜をこえる、〜より多い、〜以上

We have lived here formore thanthree years.
私たちは3年以上、ここに住んでいます。

χ>3で、χ≧3ではないので、「以上」を使うのは間違っているんでしょうが、普通、「〜以上」と訳しています。“〜”の部分には、数字や a(n) などがきます。


比較級 and 比較級   ますます〜、だんだん〜

It's gettingdarker and darker.
だんだん暗くなってきています。

「〜」の部分は、比較級になっている形容詞・副詞の意味が当てはまります。


do one's best   全力を出す、ベストをつくす、最善をつくす

Pleasedo your best.
全力でやってください。

“one's”の部分には、全力を出す人の「所有格」がきます。my や their, Kate's などです。

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