冬の星雲・星団

すばる(M45/プレアデス星団)

 

すばるの名で古来から親しまれてきた星団。肉眼で5〜7個の星が見える。双眼鏡で見るのが一番美しい。
副鏡では視野いっぱいに広がります。明るい星がどことなく潤んで見えます。これは反射星雲が取り巻いているからで、主鏡で見てみると南側の星(メローぺ)の回りにゴーストのような淡い光芒が広がっているのがわかります。他の星もなんとなくあるようなですがはっきりしません。
写真でおなじみのハケではいた様な星雲は主鏡でもその片鱗が微かにしか判りません。やはり双眼鏡で見るのが一番ですね(ということで通常は副鏡やミニボーグで観望し、
はみだしてしまう主鏡では見ませんのでご理解ください)。

すばる(プレアデス星団/M45。漢字で昴。六連星むつらぼしとも。地方名多し)

M45 1.2等 視直径:110°

 

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かに星雲(M1

 

かに星雲と呼ばれている1054年に出現した超新星の残骸(日本では藤原定家の「明月記」
に記され、金星より明るく輝いたという)。
おうし座の角のζ星からたどれば見つけやすいけど、双眼鏡では星とほぼ見分けがつかない。

望遠鏡では倍率を上げてもそれほど見づらくならず、
(空のコンデションにはかなり左右される)。中倍率くらいで見たほうが形がよくわかる。
かなり大きく思ったよりはっきりしているけれど、
「かに星雲」の由来になったフィラメント構造はみえない(^^;
どちらかと言えば佐渡ヶ島星雲かな? 佐渡島のようないびつな平行四辺形をしているのがよくわかる。

M1 8.4等 視直径:6-4'

 

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M35星団

 

ふたご座のカストルの足元にある肉眼でも位置が分かる明るい星団。時々どっちの足だっけど迷う(笑) (※北側・ぎょしゃ座側の足です)
双眼鏡でも星雲状の光芒にパラパラといくつか星が見える。望遠鏡では八の字状に並んだ星の列が印象的で、オレンジ色ぽい星が数個めだって意外とカラフル。
南西に密集した小さな星団(NGC2158)を従えていて、一粒で二度おいしい星団。主鏡の最低倍率(×52/1.3°)だと星雲状で、もう少し倍率を上げる(×70/1°)と星に分解し始めるが、M35が視野からはみ出してしまう。
なかなかベストの倍率が決められない(笑) 今のところ副鏡の低倍率で全体を見て、主鏡×105/0.8°でNGC2158を中心にその回りの星の群れを見る二回見にしている。その後、広視野アイピースを購入(倍率をあげても広い視野が確保できる)したのでまた見え方が変わってきた。同じ天体で、同倍率でもアイピースが変わると見え方もかなり変わる。楽しみは尽きない。

M35 5.1等 視直径:28'

 

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とも座の二重星団(M46・M47散開星団)

 

シリウスを目印にしてM41やとも座の二重星団を探し出せる。どちらも双眼鏡で見てもらいたい星団だ。明るく大型(満月くらいの大きさ)の星団なので、主鏡ではまばらに見えてしまうからだ。
とも座の二重星団(M46-47)は1.5°離れていて、副鏡の最低倍率(×25 2.8°)でなんとか同視野だが、もうすこし二つ並んだ姿が綺麗におさまるよう広視野が欲しいところ。やはり片方ずつでは魅力は半減してしまう。明るくごつごつしたM47と糠星の群れのM46の対照的な姿が美しい。M46は5センチ双眼鏡ではちょっと見にくくザラッとした星雲状でよく見れると星の粒なのが判る。
片方ずつでは魅力は半減と書いたけど、M46はおまけがついていて単品でも味わい深い。主鏡で見ると視野いっぱいに広がった糠星に群れの中に惑星状星雲のNGC2438(青色に着色)の小さなリング(丸い光芒)を見つけることができる。

M46 6.1等 視直径:30'

M47 4.4等 視直径:27'

NGC2438 10等 視直径:1.1'

M46・NGC2438(青色に着色)

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M78星雲(ウルトラの星)

 
  画像

ウルトラの星として有名なM78星雲です。ウルトラマンがいる様子はありませんが(^^;
目印がオリオン座の
三つ星なので探すのも楽で、暗いながら双眼鏡でも星雲なのがわかります。
望遠鏡では2個の8等星を包んだ楕円形の光芒でよくみると彗星の頭部のように見え、
丸っこい三角形状のはっきりした北側から徐々に拡散していく様子がわかります。
北側にある恒星を滲ませたようなNGC2071も同視野に見えています。


2004年に近傍でアマチュアの小型望遠鏡(口径7.6cm!)で小型の星雲が発見されました。
その後、可視光で急激な変光をする変光星雲であることがわかりました。
増光しても15等と暗く肉眼では見えませんが、写真では写ったり写らなくなったり(減光で)
しています


M78(散光星雲) 10.5等 視直径:8-6'

 

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オリオン大星雲

 

三ツ星の下に縦に並ぶ小三ツ星の真ん中の星・・・星のような光芒が大星雲だ。5cm双眼鏡でも桜貝のような姿をみることができる。
望遠鏡では鳥が羽根を広げたような姿に見えことさら美しい。
小三ツ星の北側の星の周りにも淡い星雲が見える(NGC1977)。大星雲に目を奪われがちだが、主鏡低倍率で同視野なので注目してほしい。
鳥の頭にあたるのがM43星雲。M42がオリオン大星雲だ。条件のよい晩は(主鏡低倍率で)仄かに色を感じることができる。ピンクと言う人もいるけど、私には緑ぽくみえる。
すべての色が青ぽく見える黄昏時と同じように、星雲の色ではなく色を感じ始める程度の光量のためだと思われる。

オリオン大星雲(正式にはオリオン座の大星雲。いつのまにか大星雲イコールに)

NGC1977(散光星雲) - 等 視直径:40-25'
M43(散光星雲) 6.9等 視直径:20-15'
M42(散光星雲/大星雲) 2.9等 視直径:66-60'

オリオン大星雲/トラペジュウム

 

オリオン大星雲は低倍率で淡い広がりを見るのもいいけど、中倍率に上げて見ても美しい。
複雑に入り組んだ星雲、入り江の奥に輝くトラペジュウムなど実に素晴らしく寒さを忘れて見ほれてしまう。
片目の複眼がにらみを利かしたデビルマン? ぽい顔に見えるのは私だけだろうか?

トラペジウムは4つの星で台形を作る美しい多重星。それぞれ微妙に色合いが違う。条件がよいと更に多く見える(+1〜2個)。大星雲を輝かせている張本人なのだから、オリオン大星雲と共に楽しもう。

M43(散光星雲) 6.9等 視直径:20-15'
M42(散光星雲/大星雲) 2.9等 視直径:66-60'


トラペジウム (多重星/オリオン座 θ1=5.1等)
主星との離角はそれぞれ12.8’13.8”16.8”で
光度=主星/5.1-6.7- 6.7-8 (変)等
色合い=ざくろ色-薄紅-白-薄紫

 

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 三ツ星( オリオン座)

  

画像

オリオン★★★ベルトの三ツ星は、ともに2等級で1.5°の等間隔で3°1列に並んで同じような明るさで輝いて非常に目立つ。
視野平坦・星像などのテストにも使われる。西(または上)から順に δ(ミンタカ)、ε(アルニラム)、ζ(アルニタク)。

双眼鏡や広視野低倍率の望遠鏡で見ると三ツ星に絡みつくようなδとΩを合わせたような曲がりくねった星列が面白く視野内は賑やかで見事な眺めです。
それもそのはず三ツ星は散開星団(Col70)でオリオン・アソシエーション=散開星団よりは広がっている同じ年齢と運動を持つ星の集団の一部。

写真で撮るとζ星にくっついてる火炎星雲や馬頭星雲が美しくオリオン全体を撮ると大星雲(M42)を含む巨大分子雲の一部だとわかる。
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線香花火星団(NGC2362 : おおいぬ座τ星)

 

一番明るく輝いているτCMa(4.3)を囲むように60数個の微星がとりまく。
線香花火星団の別名のほか、おおいぬ座タウ星団、北の宝石箱(日本では南天に見えるが南十字の宝石箱より北)とも。

短焦点屈折の低倍率で見ると、τ星の周りにチラチラと星団が見え線香花火のようだ。
主鏡では見えすぎて興ざめ。チラリズムの美は各口径で適倍は異なるけど、30倍程度を目安にどうぞ。


NGC2362 恒星+星団
光度 4.1等 視直径 8.0'

τCMa(4.3等)

 

 

 

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とも座の南の二重星団(NGC2477-2451)

 

とも座のもう一つの二重星団。オレンジの4等星を中心に明るい星がパラパラとまばらにある星団。
NGC2451と同視野にはいる低倍率がおすすめ。対比が面白いんだけど、NGC2477が双眼鏡では星雲状。
南中高度が低く8cmクラスでも空の状態が悪いと、微星が集まっている塊があるな程度にしか見えない。
主鏡では微星がエビフライ状に集まっているのがわかる。
鹿角平でも南天低空は首都圏の光害の影響があるので、ひどい日は身が細くスカスカ。
条件の良い日は、太くてきめ細やかな身がビッシリ詰まって素晴らしい。


ちなみに改造デジカメでこの付近を撮ると非常に淡く巨大なガム星雲の一部が写る。


NGC2477 (5.8等 視直径27’)
NGC2451 (2.8等 視直径45’)

 

 

エスキモー星雲 (NGC2392)

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ふたご座にある惑星状星雲。光度よりかなり明るく見えて輪郭もはっきりしている。中心星らしきものも見える。
倍率をあげると輪郭部と中央集光部の間にはっきりした暗部があるのがわかるが、エスキモーの顔はわからない。
エスキモー星雲の愛称の由来となったフード部は微かに見え南側がやや見やすい。


NGC2392(9.9等 視直径0.2-0.7’)

 

 

 

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