春の星雲・星団

ブレセペ(M44)

 

かに座の飼い葉おけの星(γ-δ-η-θ)に囲まれて、肉眼でもぼんやり見える。双眼鏡で見るのがベスト。
ドーム内では60が一番綺麗に見えるが、大きな望遠鏡で見せてくれないんですかと言われてしまうので
副鏡で極低倍率で見るがそれでもまばらな感じだ。広い星空には必ずそれぞれの機材にあった天体がある。

M44(かに座。散開星団) 3.1等 視直径:95'

 

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M 67

 

かに座の中では明るいα星の西にありファインダーでも見え、光芒の中にいくつか星が見えて星団らしさが伺える。
主鏡で見ると、個々の星に別れ、星が半円形を幾重にも描くように並び、まるでテアラのように輝いている。
(外周は写角外のため微星は星団周辺のみ)

M67(かに座。散開星団) 6.9等 視直径:30'

 

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子持ち銀河(M51)

 

5cmファインダーでも二つ並んだ光芒がわかる。
主鏡では本体を取り巻くリングぽい腕が見える(春霞だと濃淡程度)。
条件の良い晩は写真を彷彿させ、伴銀河に伸びる淡い腕が見えゾクッとする銀河の逸品。
淡い星雲は低倍率が定石だが、やや中倍率よりの方が構造がよく見える。お勧めの銀河だ。

M 51(りょうけん座。銀河) 8.4等 視直径:11.7-7.8'

 

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M 3

 

M3はコルカリロと麦星(アークツールス)のほぼ中間にある。肉眼でも見える球状星団。
低倍率で傍らの6等星もいれて眺めてから、倍率をあげて三角形をつくる暗い星の真ん中に鎮座する姿を楽しむ。
倍率での見え方の違いを楽しもう。どちらかといえば地味な? 銀河ばかりの春の空では派手な存在で、
春の星空観望のシメの逸品。

M 3(りょうけん座。球状星団) 6.4等 視直径:16.2'

 

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おおぐま座のペア銀河(M81-M82

 

ハの字に並ぶおおぐま座の銀河のペア。M82は爆発銀河のニックネームがある。
60でも二つ並んだ姿が見える、それぞれの違いが判る。
主鏡ではM81は中心が明るい大きな楕円の光芒で、淡い2本の腕が微かにわかる。
M81は倍率をあげても見やすくので、中倍率ていどで見ると中央部がくびれて複雑に入り組んだ細部構造がわかる。

M 81(おおぐま座。銀河) 6.9等 視直径:25.7-14.1'
M 82(おおぐま座。銀河) 8.4等 視直径:11.2-4.6' 

 

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M97(ふくろう星雲)とM108銀河

 

見え方が対照的なペア。
M97は12等だけど意外によく見え、春霞の空でも見える。倍率を上げてもそれほど薄れない。
しっかりとした丸い光芒の中に目に当たる暗い部分がよく見え、倍率を上げ単品でも見ておきたい。

M108は淡い細長い光芒で、周辺がでこぼこした感じで光芒の中に濃淡があるのがなんとか分かる程度。
倍率をあげると逆に見辛くなってしまう。低倍率でM97とともに見た方がいい。

M97(おおぐま座。惑星状星雲) 12.0等 視直径:3.2' 
M108(おおぐま座。銀河) 10.1等 視直径:8.3-2.5'  

 

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回転花火銀河/M101

 

5cmファインダーでも微かな光芒がわかる。
主鏡で見ても印象は変わらず、
視野いっぱいに広がる淡く大きな光芒でとらえどころがない。
よく見ると明るい中心部から腕が3本でているのがわかり興味深い。
副鏡の低倍率で見た方がまとまりがある感じ。
ただし腕の見え方は主鏡で見た取り巻いた感じでなく
3方向につんつん出ている感じ。

M101(おおぐま座。銀河) 7.7等 視直径:26.9-26.3'

 

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黒目銀河/M64

 

中央に暗黒帯があることから黒目銀河と呼ばれている。
目を半分閉じているから眠れる森の美女銀河の別名も(^^;

さてこの黒目を見るには、主鏡で空が良い時なら
かなりはっきり見える。暗黒帯が途中で折れ曲がっていて、
裂けた餃子のような感じ? に見え
黒目というより銀河のウインクのように見える(^^;

空の状態が悪いと中心部の明るい核とその周りを取り巻く光芒がみえるだけで、
裂けてない普通の餃子のような感じ?

M64(かみのけ座。銀河) 8.5等 視直径:9.3-5.4'

 

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NGC4565銀河

 

針のように細い(エッジオン)銀河の代名詞的存在(…で憧れていた(^^;)
意外とくっきり見えて感動的。
ほんの少しぷっくらとした中心部(暗黒帯が横切るので見た感じはもう少し膨らみが小さい)と
中央を横切る暗黒帯が素晴らしいが、ちょいと難物で
空の状態が悪いと暗黒帯がなんとなくあるのがわかるけどその反対側がかなり不明瞭。

NGC4565(かみのけ座の銀河) 9.6等 視直径:16.2-2.8'

 

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マルカリアンの銀河鎖(おとめ座銀河団)

 

おとめ座の銀河のお花畑の一番華やかな場所。
ちょうど銀河を散りばめたネックレスの様に連なる。
マルカリアンは発見者の名前。
見た目も地味な光のシミだけど、
地球から何千万光年も離れた遙かなる銀河のネックレスだと思うと見え方が違ってくる。
この辺で適当に望遠鏡を振っても、次から次と銀河の光芒が視野に入ってくる。
どれも特徴のあまりない光のシミで星図とにらめっこしないとどれがどれだか判らない。
この視野内でも6個以上の銀河が同視野に収まっている。
数個見つけるのは割と簡単だったけどそれ以上はなかなか気がつけなかった。
この日はなんとか5個はわかった。
透明度と(小さいシミなので)シーイングもよくないとかなり難しい。
中央に二つ仲良く並んでいるのはM86とM84。


M86(おとめ座。銀河) 9.2等 視直径:7.4-5.5'

 

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ソンブレロ銀河/M104

 

天体写真のソンブレロをイメージして覗くと肩透かし。
どちらかと言えば、NGC4565の写真のイメージが近いかも?
眼視では意外とスリムでソンブレロというより甘食。
はっきりした光芒で多少倍率をあげて見た方が見やすい。
暗黒帯がスパッと中央を横切り素晴らしい。
対岸は微かな光芒。

M104(おとめ座。銀河) 8.3等 視直径:8.9-4.1'

 

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ししの鼻先の銀河/NGC2903

 

ししの鼻先にある春の銀河シーズンのさきがけ。
光度のわりに見つけやすく意外に見える、双眼鏡でも存在が分かる。
主鏡では、はっきりした棒状を淡い星雲がくるんでいる。
棒状の先から腕が回っているのがわかるがこちらは非常に淡い。
濃淡のある棒状部分の特に明るい部分はNGC2905らしい。

NGC2903(8.9等 視直径12.6-6.6’)

 

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ししの三つ子銀河

 

しし座の足の付根にある三つ子銀河。主鏡低倍率で同視野で見えるので得した気分になる。
倍率を少し上げると細部の違いがわかりやすくなるけど、集光を取り巻く光のシミ状なので同視野でみたほうが見応えがある。

M65-66は中央に集光がある明るく見やすい銀河。M65はスリムで細長い光のシミ(たぶん腕?)。
M66は歪な楕円で65より広がった光のシミ。
NGC3628はちょっと見づらく、台形の淡い光のシミで条件が悪いと存在が分かる程度。

M65 9.3等(視直径10.0-3.3)
M66 9.0等(視直径8.7-4.4)
NGC3628 9.5等(視直径14.8-3.6)

 

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