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■あの頃の誰か

秘密の原型収録

短編集です。しかも昔の。

白銀ジャックで“いきなり文庫化”という試みがあり、 この“あの頃の誰か”もいきなり文庫化。早速買って読んでみると、こちらは短編集でした。

長編かと思って、知らずに買ったら短編集…チョトがっかりするパターンです。。。

でも新参者のときのようなこともあるので、もしや…と思って読み進めましたが、 やはり正真正銘の短編集でした。タイトルは1番最初に収録されてる“シャレードがいっぱい”に引っ掛けられています。 バブル時代に書かれたお話ということで。

この作品はあとがきにも書かれていましたが“ワケアリ物件の集まり”のようです。 以前書いたものの、ワケがあってドコにも収録されなかったみたいな…そういう関係から昔の作品が多くなっています。

…なんとなく雰囲気がこの作品と似てました。年代が似てるからやもしれません。

実は地味に面白い作品です。レビューにも現れてるかと思います。

ただ“あの頃の誰か”には秘密の原型となった作品“さよならお父さん”が収録されています。 こういう原型から味付けされてってひとつの作品になるのだナと…そういう過程を感じたい方は読んでみるのも一興です。

ワケアリの理由があとがきに書かれているので、 『こうやってボツになっていくんだナ…』というのも多少覗き見できます。