犯罪被害者もしくはその家族となったとき、建前論を受け入れる自信はあるでしょか?
この作品は相当描写がエグイです。
読み始めの冒頭にそのエグイ描写があります。
『ここまで書く必要あんのかな…』と正直思ったりもして、読むのをヤメようと思ったくらいです。
ただ…このエグイ描写が最後まで残ります。
・冒頭で少年たちが事件を起こします。
・その事件の被害者となった親は、まだ捕まってない犯人のことを憎むわけですが、
・警察は被害者家族に対して捜査情報を漏らせません。
・そんなやるせない気持ちの中で、犯人に関する密告電話が親元に入ります。
・そして親が犯人宅へ侵入し…
この作品は少年法、犯罪加害者の人権尊重、犯罪被害者へのケア不足…
難しい問題に切りこんだ東野圭吾の意欲作です。
最近は小さい子を狙った犯罪が増えていますが、
こんなワケわかんない犯人に対し、人権尊重を考える必要があるのか、
法治国家の元での建前論をその親は受け入れなければいけないのか…
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さまよう刃/東野圭吾
そんなことを考えさせられる作品です。