趣味(詩・俳句・短歌) 

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             俳句              短歌

最初大あわてでこのページを作ってから、それぞれ詩、俳句、短歌と古いものから最近のものまで増えたので、下の方にリンクを作ったのですが、そこまで読まれずに帰られる方がいらっしゃるようなので、上の方にもリンクを載せておきます。まあ、駄作に呆れて帰られるのでしょうが、、、、。書き始めたのは小学校くらいかなあ。でも漢字の書けない子でしたから。書いても恥ずかしくて見せられなかった、、、。
 投稿は大学を出てからで、先生になる前からでした。最初は小説など純文学(?)世代なもんで、せっせっと投稿しても目もでず、そのうちSFなど書いてたら、職場の人からおもしろがられ始めたっけ。一度官能小説もどき(そんな気持ちは無かったんだけど、言いたいこと書いていたらそれっぽくなってしまいましたが)を書いて投稿したら載せてもらいましたが、、、、。
 だんだん本来無口なものなので、ますます言葉が少なくなりました。
 最近のは2005年、春季号です。
どうぞお手数ですが、このページの古い作品だけでなく、リンクの新しいのもご覧になってください。

ささやかな趣味(・・・趣味で終わりたくはないんだけど、それに趣味ですって言えないんです。もちろん大上段に構えられるほどのものができないんですけど。私には教師の仕事も、音楽も、旅も、創作も、上手く言えないけど、自分になれる場所・時・世界、何だろうか・・・)で、作ってます。ページに載せるのはいささか恥ずかしいですが投稿雑誌に出して掲載されたものです。いずれ退職するまで書きため、死ぬ前に自費出版でもします。

ほとんど季刊抒情文芸に載せてもらったものです。


抵抗

                           平成12年冬季号

「わたし病気じゃないよ
気ちがいじゃないよ」
「先生怖いよ、教室行けないよ」
じゃあ先生と一緒に入ろうよ
ワン、ツー、スリー

「先生なんで早く来ないのよ、わたしの試合もう始まるよ」
こら、やっと試合に出たな、どうだすっきしたか?
「うん、でもこわいよ」
負けていいんだよ、負けるのも勉強さ
「わたしいじめられてるの、わたしが可愛いから?わたしが男子と仲良くするから?あれがいじめじゃなくて何というのですか?」
わたしは黙って聞いていた。
いじめの妄想がわたしをよぎった。わたしがそうだった。
「先生怖い、教室に入れない」
学園祭楽しいって言ってたじゃないか。
肩組んで少女を連れて行った。
「先生本当はわたしのフアンでしょう。」
バカモン、うぬぼれるな、何でもいい。
そうだぞー。
「わーいセクハラー」
ほら、入れよ。

でも今日は黙って去っていったわたしの横を何か言いたそうで、でも言われたくない、今日は声はかけまい。
テレビだとここでドラマが始まる。
現実はそんなに美しくない。
かつてわたしが小児ノイローゼだった時だって誰も助けてくれなかった。
だから助けたい、恋するような気持ちでね。
もと学級委員の突然の変容。
それが本当は抵抗なんだってみんなは知っている。君が気づかない抵抗なんだって知っている。
お疲れになった王女様。
ゆっくりあるきなよ。わたしもぐうたらになったらすごく楽になったのだもの。
お母さんピアノを弾いてください
                         平成13年春季号

妄想の中に一日いて
おびえ閉じこもる母よ
死ぬほど私は辛いのです
小学生から大学まで首席の母
数カ国語を話し、独学で弾くピアノ
簡単なメロディーはすぐに採譜してしまう母私にはできすぎた母だった
高等文官の娘に生まれ
私にも明治流の武士の作法を教えた母
母よ、あなたは私には重かった
父が浮気症でなかったら
あなたはもっと幸せでおおらかに私を育てたろうに
悲しみとやり場のない怒り
私はもう子供じゃない
母には私はまだ十五の子供に見えるらしい
二度目の童子となった母
母を悲しませまいと自分を殺して生きてきた少年時代、青年時代
母よ時には恨みもあるのです
私は普通の人なのです、あなたの家族のようなエリートにはなれません
それもあなたの悲しみの一つです
私は独りです、それもあなたには悲しみですか
両親の不仲が私を学習に集中させなくなったほとんど上の空の授業、とうとう不安神経症になった私
荒れた少年時代、机も椅子もよく投げた
立ち直らせてくれたのはあなただった
母よそのあなたが目の前で狂ってく
なぜ、なぜ、なぜと叫ばずにおられない
心優しき弟はけなげに母をいたわり料理を作る
兄は共産主義に走り、以来家には無関心
挙げ句の果てに「お前達でやれ」とはそれがあなたの主義が出した正義ですか
私だって弱いのだ、いや本当に私は弱いのだでも仕事でも、家でも強い自分を演じてきたそうしなきゃ誰があなたをはげませたでしょう
私の救いはどこにある
私を慰める人はどこにいる
二度目の童子となった母
もう一度ピアノを弾いてください
私は歌うから、、、、、、。

アトムが泣いた日
                         平成13年夏季号
アトムは泣いた
荒れた上級生の学校でよく耐えて
みんなで直そうと決めてから
こんなすばらしい学年になってくれた
先生いらずのレク
先生いらずの卒業式練習
就職する君が胸を張って「僕は寿司屋になるんだ。」と、そしてみんなも君をほめたっけ
高校普通科だけが進路じゃないと言って非難された一年の保護者会
でもそれが現実なんだ
金髪の不登校だった君が持ってきてくれたCD「先生の言ってたことと同じ様なことが書いてる歌だよ」だって、おまえ泣いてたよな夢、希望、君の手紙に書いてあった
教室に入れなかった君、手を引っ張って連れて行ったけ
甘えん坊の君は式で泣いてたね
「先生、私のフアンでしょう。」だって
ああ、ああ、困ったお嬢さん、でもそんな君がとってもかわいい
アトムは去っていく
心は子供のままで考えは大人にってしょっちゅう話してた
アトムの踊りとアトムのTシャツ
周りの先生からは超変人、受けねらいといわれたが、大切なのは建前じゃない
僕は学年全体の担任だ、それだけだった
学年主任でこれだけメールと花束、段ボールにいっぱい、俺幸せだ
俺も落ちこぼれだった、ケンカやだった
三十過ぎて先生になった
やっとおなさけで初めての主任
中途採用、独り者、私立出身、血縁、地縁もない、給料も低いまま、俺みたいな者には絶対不利なこの社会
でも、こんな俺を慕ってくれて、歌の好きな僕に最高の大合唱してくれた
学問も地位もないが、理論や議論なんてくそ食らえ
先生になってよかった
さよならは言わない
本当は僕もこの学校卒業なんだ
また逢う日まで
アトムはいつまでも子供のままだから

アトムは泣いた


俳句

道化師を 演じて帰る職員室
                           2000年 春季号

雲が行く 木は独りで立っている

                           2000年 秋季号

死に際に歌うと決めた夕焼けこやけ
年とった たばこをかかとで消している
                           2001年冬季号


クラス会 キレてた僕今教師です     
                           2001年 春季号
フーテンの 旅に出でたし春近し
                           2001年夏季号

短歌


釣り銭の 中にしみじみ君の手のぬくもり感じて今日は○
    
                                       2000年秋季号


爪もとれ歯も毛も抜けて食うて寝る やっかい猫だ幸せなやつ 

                                       2000年春季号


そろそろと帰っていこうあの頃に 心よお前ももういいだろう

                                       2000年夏季号

老いてゆく あたりはばかる恥もなく 子らと素直にたわむれるかな

                                       2000年秋季号

街角で思いを抱いた君を見た 小さな君をしまっておくよ

草むらに寝ころびて手を丸め 空の青きところのみ眺めいる

                                       2001年春季号

池の端に座りて波を見つめおれば 我が身船に乗りたる少年の日々

                                       2001年夏季号

このページ作った後で失敗したと思いました。なぜならホームページではHTML言語は縦書きに対応してないので、いちいち画像として一行作らねばならない。そうすると、横書きの本文と重なり、編集が難しく、更新がややこしい。かれこれ創作は大学時代からやってるから、過去にさかのぼると今後増えるし、分かち書きや、一字あけも一応作者としては考えて作っているので(日本語のみならずこれも文学の妙でしょう)、以降は下の通り、それぞれのジャンルに付け加えていきます。
 なお抒情文芸については以下の通り。これは同人誌ではありません。宣伝も頼まれてもいませんが、広く読まれるといいなあと思うのでご紹介します。

2005,3,13  新しいホームページビルダーだと縦書きできますが、今の私には時間がないので(療休中なんで)、横書きにしました。




原則として直接購読制。一部全国主要都市の店頭でも販売。

編集人       川瀬理香子  発行人   小山内 剛
発行所       抒情文芸刊行会
選者 小説:伊藤桂一 詩:清水哲男 
    短歌:河野裕子 俳句:坪内稔典
歴代の選者: 短歌: 佐々木幸綱 俳句: 金子兜太、三橋俊雄
         一行詩:天野祐吉(俳句とも) 山村祐
〒167−0034 東京都杉並区 桃井1−30−2
電話  03−3399−3704 FAX 03−33993605
抒情文芸25周年記念会にて

 何気なく手にした雑誌、まさかこんなすごい雑誌だったとは私も今更ながら驚きました。手元には最初に買った第5号がありました。河野先生には15周年の時お会いして以来だったので、是非ご挨拶したくて写真を撮らせていただきました。感激でした。
 前任校、台中へ来た時は精神的に教師(教師の世界)というものに失望した時だったので、それが災いし、何も書けなくなり、5年間ブランクがあった。その時期が今思うと悔やまれてなりません。

左から川瀬女史、私と河野裕子女史、河野女史と第二回抒情文芸賞俳句受賞者雨宮玲子女史、
会場風景



 追加の詩、俳句、短歌は下からリンクします

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