GM | : | それでは始めるよ。君達はイスカリア地方の西部、ロマの砦の南西部辺りにいます。 突然ですが『知覚技能−20』で判定して下さい。 |
ロット | : | 成功〜。 |
レイク | : | 失敗しました。 |
GM | : | 二人成功? 近くの茂みから獣じみた荒々しい息遣いとかすかな呻き声が聞こえます。 |
ロット | : | ハルバードを構える! う〜ん、この瞬間が嬉しいんだ(笑)。 |
レイク | : | 誰か調べて来て。 |
ラーニス | : | できればレンジャーであるレイクに行って欲しいんですけど(笑)。 |
ロット | : | 様子を見に行くなら僕も行こう。 |
GM | : | 目の前の雑草をかき分けるとですね……。 |
レイク | : | なにがいる? |
GM | : | 一風変わった虎らしきものが男の首に食らいついている。『知識技能』で判定して。……成功? なら、サーベルタイガーだと分かった。 |
ラーニス | : | バルバスの眷属か。 |
GM | : | 辺りには血の匂いが漂っている。男は抵抗しようと必死になって虎の首にダガーを突き立てているけど、力が入らないのか毛皮すら貫けていない。そのうち『ゴキッ』っと鈍い音が響き、男の首は力を失ってだら〜んと垂れ下がります。 男を始末した虎は君達の方に振り返ります。そしてサーベルタイガーの表情が……しまった、虎の表情なんて分かるのか?(一同爆笑)。君ら普段からリザードマンで慣れてるからね、分かった事にしよう。ニヤッと笑ったような気がする。 |
ラーニス | : | まるで、人の感情を知っているような? |
GM | : | そんな雰囲気だね。動揺する君達を尻目に、サーベルタイガーは薮の中へと姿を消します。 |
レイク | : | あの虎は何だったんだ。 |
ロット | : | ……ヤツとなら、いい勝負ができるかもしれない。 |
レイク | : | ……今から追いかけるなんて言いだすなよ。 |
ラーニス | : | 追いかけても追いつかないと思う。 |
ロット | : | ニヤッと、ねぇ。≪タイガーフォーム≫か? |
レイク | : | 男の人はどうする、埋める? |
バシル | : | 今はまず状況を確認しよう。まずは男からだ。生きてる? |
GM | : | 男はどうやら沈黙の部族ですね。涙を流して必死に何かを訴えようとしていますが、“ゴボッ”と血の固まりを吐き出し、意識を失います。 |
ロット | : | レシュタの出番だろ。 |
GM | : | そうだね。 |
レシュタ | : | 「ラーニスさんも一緒にお願いします!」 |
ラーニス | : | (マイペースに)手伝おうか? |
GM | : | お前に治せって言ったんだよ!(笑)。 |
バシル | : | はよ治せ! |
ラーニス | : | やったよ! |
GM | : | 2人でタレントを使用したなら、男は危険な状態から回復した。しばらくして男は意識を取り戻します。男は喋ろうとしますが、眷属のサイレントパロットがいないので── |
レイク | : | 喋れないね(一同笑う)。 |
ラーニス | : | だったら字を書くんだ!(笑)。 |
GM | : | ま、身振り手振りで君達に何かを伝えようとしますが、さっぱり伝わらない。やがて男は観念し、 |
沈黙の部族 | : | 「まず、僕から名を、名乗るよ。」 |
レイク | : | えっ? 喋ったの? |
ロット | : | そいつは掟破りなんじゃないのか? |
沈黙の部族 | : | 「言葉は混沌を生む。だから喋ってはならない。ただ、慎重に言葉を選べば、決して混沌にはならない。……と、僕は考える。」 |
ロット | : | なるほど。名乗るぐらいならいいか。 |
沈黙の部族 | : | 「僕は、沈黙の部族の戦士ラグーン。元々は、アデルの砦にいたんだが、砦が滅んでしまったから、今はロマの砦にいる。ここには、双面の部族の村を守る為に、派遣されて来た。」 |
レイク | : | へっ? |
ラグーン | : | 「ラーナという集落で、人食い虎が出た。」 |
ラーニス | : | 「双面の部族だろ? 裏切らないのか?」 |
ラグーン | : | 「この村の双面の部族は、獣の牙に味方している。その方が、都合がいいんだ。」 |
GM | : | っていうか、今更裏切っても逆にヤバイっていうか(笑いながらマップに位置を示す)。 |
ロット | : | この位置じゃな(苦笑) |
バシル | : | では我らも名乗ろう。 |
ロット | : | リーダーからどうぞ。 |
GM | : | まあ、自己紹介はしたということで。 |
ラグーン | : | 「よろしく頼む、銀狼の兄弟達。じゃあ、集落に案内する。」 |
レイク | : | 「すいません。ありがとうございます。」 |
GM | : | ラーナの集落に着きました。向こうからサイレントパロットが飛んでくる。 |
ロット | : | こいつの? |
GM | : | そう。サイレントパロットはラグーンの肩に止まるとですね、 |
ラグーン | : | (甲高い声で)「やあ、やっと普通に喋れるさぁ!」 |
ラーニス | : | それ普通じゃねぇ!(一同爆笑)。 |
ロット | : | なんか聞いててむかつくわ(笑)。 |
GM | : | で、サイレントパロットを追うようにして三人の若者が出迎えてくれる。一人は孤高の部族の女性、一人は銀狼の部族の女性、一人は影の部族の男性のようです。 |
ラグーン | : | (甲高い声)「孤高の部族のルシィル、銀狼の部族のアーリス、影の部族のガクだよぉ!」 |
ロット | : | なんだかぞろぞろ出てきたな。 |
GM | : | 彼女らはラグーンの事を心底心配していた様です。その後、彼のサイレントパロットが── |
ラグーン | : | (甲高い声)「そう言えばさ、ローティはどうしたの、ローティは?」 |
レイク | : | ローティさん? |
ガク | : | 「ローティは……死んだ。」 |
バシル | : | 死んだ(笑)。「虎に食われた?」 |
ガク | : | 「そうだ。それにしてもラグーン、よく俺の“予知”から逃れられたな。」 |
レイク | : | 予知? |
GM | : | アルケナのビーストマスターには、未来を予知するタレントがあるんだ。彼の予知で、ラグーンは首をあらぬ方向に曲げて死ぬ未来が見えた。 |
ロット | : | まだまだ修行が甘いな、ハッハッハッハッハ。 |
GM | : | だからラグーンは一人で戻る事にしたのだが、その途中でサーベルタイガーに襲われたのだ。 彼らロマの砦の傭兵達は、サーベルタイガーが思ったよりも狡猾で手を焼きはじめていたらしく、君達に手伝って欲しいと申し出てくる。 |
ルシィル | : | 「頼みます、銀狼の兄弟達。」 |
ラーニス | : | 「……しょうがないなぁ。」 |
GM | : | 頼まれると、ちょっと気分いいでしょ? |
ラーニス | : | ……まあね!(笑) |
GM | : | 同じ部族なので、アーリスがラーニスに、ルシィルがレイクに話しかけてくるよ。 |
ロット | : | 俺も仲間に入れてくれ〜(笑)。 |
GM | : | 大丈夫、一番村八分なのはガクだから(笑)。では村長(むらおさ、と読む)のところへやってきました。ノロノロっとしてるんだけど、何処か油断ならなさそうな雰囲気の村長。 |
村長 | : | 「あなた方が獣の牙の増援かね。」 |
バシル | : | 増援……まぁ増援と言えるな。 |
アーリス | : | 「我々だけで守るにはこの村は広すぎるので、来ていただいた方です。これで警備が万全になります。」 |
村長 | : | 「うむ、よろしく頼みますよ。」 |
ロット | : | では食料をお願いします(笑)。 |
GM | : | お前にはやらん(笑)。 |
レイク | : | 「サーベルタイガーはいつ頃出たんですか?」 |
村長 | : | 「一週間程前からです。村の者も四分の一ほどが手にかけられています。」 |
ラーニス | : | おいおいおい(笑)。「村人は何人ぐらいいるの?」 |
村長 | : | 「もう30人でございます。」 元は40人ということで。 |
レイク | : | 「襲われた時に共通するものは?」 |
村長 | : | 「さぁ……特には…………。屋外に出ている時でしょうか。」 |
ラーニス | : | 「サーベルタイガーに襲われているというのに、何故外を出歩くのか?」 |
村長 | : | 「村の者にも生活がございますでして。皆が家に閉じこもっていてはやっていけません。」 |
GM | : | サーベルタイガーから身を守るために餓死したら笑い話だぞ。 |
レイク | : | 「サーベルタイガーは一人の時しか襲ってこないんですか?」 |
村長 | : | 「いいえ、そんな事はございません。大人数でいようと、出くわせば襲いかかってきますです。」 |
レイク | : | 「出現する所とかは特定されていますか?」 |
村長 | : | 「今は何処にでも出るとしか。」 |
ロット | : | まあ、元からいる連中にはそのまま警備してもらえばいい。そうすれば村の中は大丈夫かな。 |
ラーニス | : | 俺らがサーベルタイガーを探し出して、捕獲すればいいか。 |
レイク | : | 群れでやってきたら? |
GM | : | 通常、サーベルタイガーが群れるというのは聞いたことがない。 |
レイク | : | でも、ニヤって笑ったあの顔が忘れられない。 |
ラーニス | : | 「襲われる時間帯とかはあるか?」 |
村長 | : | 「ありませんな。スキあらば・暇だし・気が向いたらって感じで襲いに来ます。」 |
レイク | : | 「一週間程前に何かやった事はありますか?」 |
村長 | : | 「ありませんな。」 |
ラーニス | : | 「誰かの恨みを買うような事は?」 |
村長 | : | (ちょっと焦り気味な感じで)「そ、そんな事は何もやってないっ!」 |
ロット | : | しかし、勝手に逆恨みされる場合もあるしな。 |
村長 | : | 「わしらは何もやってはおらんっ!!」 |
ロット | : | 「バカヤロォッ!! 何もしないからいけないんだッ!!」 (平手打ち)パチーン(一同爆笑)。 |
村長 | : | 「あぁっ、酷いぃッ!」(一同笑う)。 |
レイク | : | 村長に対してなんて事を!(笑)。 |
ロット | : | いや、今のは冗談だ。 |
GM | : | 何だ冗談だったのか……村長は殴られていないと。 |
ロット | : | いくらなんでも恐れ多いからな(笑)。 |
ラーニス | : | 「それでは、我々も警護にあたらせていただきます。」 |
村長 | : | 「よろしくお願い致しますです。」 |
GM | : | ではこの場は解散しました。 |
レイク | : | さて……どうします? |
ロット | : | う〜ん、いつ襲ってくるかわからないしな。 |
レイク | : | 今は待機するとして、見張り番つける? |
GM | : | 集落を一通りカバーする為には三個所を見張る必要がある。まず、正門・裏通り・畑に面した場所。ここらには柵が無いからね。 |
レイク | : | 戦える奴は何人いるんだっけ? |
GM | : | ん〜……合計で10人かな。 |
ロット | : | ラグーンの職業は何なんだ? |
GM | : | そういや言ってなかったか。ウォリアーだよ。ルシールもウォリアーで、アーリスがレンジャー、ガクはソーサラー。 |
ロット | : | これでウォリアー4人か。シャーマン、ソーサラーは絶対に分けた方がいいだろう。 |
ラーニス | : | 3:3:4に分けて見張ろう。 |
GM | : | 回復役も分けた方がいいだろうな。 |
しばし作戦会議。 | ||
ラーニス | : | こいつら大体なんレベルくらい? |
GM | : | 3〜4レベルだね。 |
ロット | : | ウォリアーを均等に分けるとして……リーダーは第一隊。 |
ラーニス | : | うい。 |
君はそれで本当にリーダーなのか? | ||
ロット | : | 第一隊は正門にしよう。第二隊には僕、裏通り。第三隊、森。 |
分隊表 第一隊……ラーニス、バシル、レイク(ウォリアー1、シャーマン1、レンジャー1) 第二隊……ロット、レシュタ、フラクリス(ウォリアー1、ソーサラー1、スカウト1) 第三隊……ラグーン、ルシィル、アーリス、ガク(ウォリアー2、レンジャー1、ソーサラー1) | ||
ロット | : | このNPC達、バランスの良い見事な編成じゃないか。さすがマスター、調節できてる。 |
GM | : | はっはっは。だろ? |
レイク | : | でもこれヤバイよ。 |
ラーニス | : | 第三隊がNPCばっかりだからな。俺達の知らない所でいつの間にか殺されてる可能性がある(笑)。 |
GM | : | 悲鳴ぐらい上げるよ。銀狼の部族特有の負け犬ボイス(≪ワーニングハウル≫)で。 |
ロット | : | ワオ〜ン(訳:助けて〜)。 |
GM | : | ここは小さな集落だから、ただの悲鳴でも十分村中に届くよ。≪ワーニングハウル≫の利点は、声の中に簡単な意味合いを含ませる事ができる事なのだ。例えば「助けて」とか「逃げろ」とか「今だ!」って具合にね。でも、叫びの意味は銀狼の部族じゃないと理解できない。 |
ラーニス | : | 俺だけが理解できるのだな。 |
GM | : | それ以外の人にも、狼の遠吠えとして聞こえるから便利だよな。 |
ロット | : | 僕は寝転がって≪ボーアセンス≫を使う。これでいつ襲われても大丈夫!! |
ラーニス | : | 第一隊の交代順を決めよう。3交代制で、2人が見張りで1人が眠るってんでいいだろう。 |
ロット | : | 第三隊は二人組で交代制でいいだろう。 僕は≪ボーアセンス≫でずっと眠ってる(笑)。あ〜楽だ楽だ(笑)。 |
GM | : | よく見ると、ロットの所もNPC組なんだ。俺の管轄だな。 |
ロット | : | あっ! 本当だ(笑)。 |
GM | : | それでは、夜も更けて来た頃。森の方から悲鳴というか遠吠えが上がるね。 |
アーリス | : | 「ウォオオ〜ン!」 |
レイク | : | なんて言っているか分かる? |
GM | : | ラーニスだけは理解できた。『御助け〜!!』だって。 |
ロット | : | 僕らは気付いていいのかな? |
GM | : | 『知覚技能』で判定してください。ラーニスは判定不要で気づいていい。ああっとロットは『−20』のペナルティな。 |
ロット | : | ……ああ、眠っているからか!?(一同爆笑)。 |
GM | : | そのタレント、自分へ対する敵意にしか反応しないからな(笑)。 |
ロット | : | はぁ〜あ!! 盲点だった(爆笑)。 |
レイク他 | : | (コロコロ)成功! |
ロット | : | みんな成功したようだな(コロコロ)やっぱり駄目(笑)。 |
GM | : | ロットは失敗か。仕方ない、フラクリスが剣でも振りかぶってやろうか(笑)。 |
ロット | : | おおっと殺気だ(一同爆笑)。起きたぞ〜。 |
ラーニス | : | 第三隊のNPC組から悲鳴が上がったけど、どんな感じ? |
GM | : | せっぱ詰まった感じ。 |
レイク | : | 羽根を生やした方がいいよね。≪イーグルウィング≫を使って、ついでにバシルを抱えて行く。 |
バシル | : | 助かるわい。 |
ラーニス | : | 俺は≪ウルフウォーク≫で駆けつける。 |
GM | : | それなら、君達はとっとと着きました。 |
ロット | : | 僕たち一番遅いチーム(笑)。てってけてってけ。 |
バシル | : | どうなってる? 全滅? |
GM | : | まずね、三人の姿が見当たらない。 |
レイク | : | 三人? 一人はいるの? |
GM | : | 野営していた場所で、アーリスが首を喰い千切られて倒れている。 |
ラーニス | : | 死んでるか? |
GM | : | うん。木々の向こうで騒ぎが続いているよ。 |
レイク | : | じゃあ飛んで行こう。 |
ラーニス | : | タレントはまだ持続しているはずだ。 |
GM | : | 空を飛んでいるレイク・バシルには、ルシィルとサーベルタイガーが揉み合いをしているのが見える。ルシィルの肩には長い牙が深々と突き刺さっているね。彼女自身は必死に抵抗している。 |
ロット | : | 頼む、時間を稼いでくれ〜。僕は到着するのが遅いんだ。 |
GM | : | ラグーンはその傍に倒れている。腹がバックリ割れて痙攣しているね。 |
ロット | : | 二人殺られた。後一人足りないな。 |
GM | : | いや、ラグーンはまだ生きてるっぽいよ。ガクは無傷で離れたところを飛んでます。 |
ロット | : | こ〜の卑怯者め!(笑)。 |
ガク | : | 「俺は絶対生き残るんだ〜」(一同爆笑)。 |
GM | : | 君達が近づいてくるのに気づくと、サーベルタイガーは戦闘不能のルシィルから牙を離し、前足を頭に引っ掛けてそのまま地面に叩きつけた。そして、森の中に姿を消した。ラーニスには見えたが、レイク達は木が邪魔で見えない。 |
ガク | : | 「レイクさ〜ん。助けて〜。」 |
レイク | : | バシルを降ろそう。 |
ガク | : | 「アーリスが向こうにいるんだ!」 |
レイク | : | 「アーリスさんはもう死んでましたよ。」 |
ガク | : | 「えぇっ!? 本当かよっ!?」 |
レイク | : | GM、確かに死んでたよね? |
GM | : | 多分ね。でも彼はその事を知らんのよ(笑)。 |
ラーニス | : | ラグーンは生きてるんだよな? なら≪リッキングキュア≫で回復させるぞ。今回これ使いまくりじゃ〜ん。 |
レイク | : | ここはもう危ないですから、集落の方へ行きましょう。 |
ラーニス | : | 結局、何人生きてるの? |
レイク | : | 亡くなったアーリスさんの所へ行きましょう。 |
GM | : | アーリスは首が半分千切れていて、明らかに死亡しているようです。ラグーンは飛び出した内蔵を必死に引っ込めて、ラーニスに≪リッキングキュア≫で治してもらってます。 |
ロット | : | 眷属の戦闘能力は高けぇなぁ。 |
GM | : | ルシィルは肩の肉が抉られていて、骨がほとんど剥き出しになっている。凄く辛そうだ。 |
ロット | : | まぁ、今は重傷の奴から治そう。 |
GM | : | レシュタの≪フェザータッチ≫も使う? |
ロット | : | まだいいだろう。 |
GM | : | アーリスも綺麗な身体にする事はできるだろうけど。 |
ロット | : | ……このままここに埋めてやるか。 |
GM | : | それで今日は終わるね。回復していいよ。 |