■2010年1月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●GM汚染
●津で遺伝子組み換えブロッコリー見つかる

 GMナタネの自生調査をしてきた「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」が、11月上旬に三重県津市内の国道脇の空き地で除草剤耐性ブロッコリーと見られる株を見つけた。簡易キットによる検査で陽性と出たため、PCR法によるDNA検査の結果、ラウンドアップ耐性の組み換え遺伝子が見つかった。同じアブラナ科の植物であることから、GMナタネとの交雑が起きたものと思われる。国内で初めて農作物への汚染が確認され、キャベツ・白菜・小松菜といった他のアブラナ科の農作物への汚染拡大が懸念される。 〔東京新聞 2009/11/21〕

●日本でも未承認GM亜麻の種子検出

 11月16日、世界のあちこちで混入が発覚している未承認GM亜麻の種子が、日本でも見つかった。他の国同様、カナダから輸入された種子から見つかったと厚生労働省が発表した。日本は亜麻の種子を2008年には1万1713トン輸入しており、その全量がカナダ産である。カナダにとって日本は輸出国第3位を占めている。主に工業用の油だが、一部飼料や食品にも用いられている。〔ロイター 2009/11/16〕

●英国ではパンからGM亜麻の種子検出

 英国でマークス&スペンサー社が販売したパンから、未承認GM亜麻の種子が見つかった。亜麻の種子は、高い割合でオメガ3脂肪酸を含んでおり、さまざまな健康食品に用いられていることから、今後、さらに検出が続くものと思われる。 〔The Daily Mail 2009/11/6〕
●アジア事情
●インドでBtナス承認をめぐり、反対運動強まる

 インドの遺伝子工学承認委員会(GEAC)が、10月14日、Btナスを承認したことが波紋を呼び、多くの州政府が反対声明を発表するなど、反対運動が強まっている。声明を発表したのは、ケララ、チャティスガール、オリッサ、マッディヤプラデーシュ州など。
 GEACの専門委員会のアルジュラ・レディ委員長は、承認をめぐってGEACや工業会から「大変な圧力があった」と述べた。その背後には米国政府やモンサント社の働きかけがあったと考えられる。
〔CNN-IBN 2009/11/30〕

●インドでGMトウモロコシ商業栽培へ

 モンサント・インド社は2012年から2013年にかけて、インドでのGMトウモロコシ商業栽培計画を発表した。現在、GMナス承認やGMトウモロコシ試験栽培への反対運動が起きているが、同社の管理責任者は、あくまで計画通り進めると述べた。 〔Business Standard 2009/11/6〕

●フィリピンでBt綿の試験栽培開始

 フィリピンでBt綿の試験栽培が始まった。インドから種子を輸入し、北イロコス州バタック市にある政府機関の綿花畑で行われている。農業省によると、2012年には商業栽培に踏み切る予定だという。〔Business Mirror 2009/11/24〕

●シンジェンタ社、アジア米市場に打って出る

 スイス・シンジェンタ社は、タイのバンコクでジャーナリストを招待して説明会を開いた。ゴールデンライスを柱にGMイネをアジア市場に売り込むのが目的と考えられる。 〔Stock & Land 2009/11/17〕
●オセアニア事情
●西オーストラリア州でGM作物栽培解禁への抗議行動

 西オーストラリア州議会前で、GM作物栽培一時停止(モラトリアム)解除に反対して、市民による抗議行動が行われた。西オーストラリア州政府が募集した市民からの意見書では、89%がモラトリアムの継続を望んでいる。 〔Green Left Weekly 2009/11/25〕
 また、キャンベラ・タイムズの調査によると、オーストラリア国民の3割がGM作物は危険だと認識し、それ以外の人々の25%が安全性に疑問を持っていることが明らかになった。 〔The Canberra Times 2009/11/20〕
●欧州事情
●モンサントが高リジン・トウモロコシ申請取り下げ

 米モンサント社は、欧州食品安全庁(EFSA)に提出していた高リジン・トウモロコシの申請を取り下げた。このGMトウモロコシは、高濃度のリジン(アミノ酸の一種)を含み、殺虫性の性質を合わせ持つもので、安全性に重大な懸念が生じたことから(前号参照)、承認される見込みがほとんどなくなっていた。〔GM Free Cymru 2009/11/9〕

●欧州食品安全評価担当者がバイテク企業へ

 欧州食品安全庁(EFSA)のGM食品安全性審査で中心的な役割を果たしていた科学者スージー・レンケンズが、スイス・シンジェンタ社に引きぬかれた。彼女は今後、同社のヨーロッパ・アフリカ・中東地区の担当責任者となる予定。 〔Test Biotech 2009/11/10〕

●非GM食品を求め発言する欧州のシェフたち

 フィンランドの著名なシェフたちが、GM作物を認めると、生産から消費までの食べものの安全で自然なありようが失われる、とGM食品の輸入と販売の禁止を政府に求めた。 〔Yleis radio 2009/10/21〕
 アイルランドのシェフたちは、政府のGMOフリー政策を評価した(前号参照)。GMOフリーの表示を認めたので、GM作物を使わない料理を消費者に提供できると歓迎している。 〔The Irish Times 2009/11/17〕