■2010年3月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●遺伝子組み換え作物
●GM作物畑の土壌昆虫に多量の組み換え遺伝子見つかる

 GM作物が栽培された畑の土壌に生息する生物の体内に、高い割合で組み換え遺伝子が取り込まれていることが明らかになった。調査したのはカナダ・ゲルフ大学のミランダ・M・ハート等の研究チームで、「Agronomy for Sustainable Development」に掲載された。それによると除草剤ラウンドアップ耐性トウモロコシの畑で、節足動物、線虫、ミミズなどを、5月、8月、10月に採集し、組み換え遺伝子の有無とその量が調査された。その結果、8月に採集された線虫を除くすべての生物から組み換え遺伝子が見つかり、その量は、土壌中に含まれる組み換え遺伝子よりはるかに多かった。作物の生育期には、線虫とミミズでは組み換え遺伝子の量は少なく、節足動物では多かった。〔Ecological Farming Association 2009/12/4〕

●IRRIが新たなGMイネ開発に着手

 IRRI(国際イネ研究所)は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援を受けて、C4イネ・プロジェクトを開始した。同財団は、プロジェクトに1100万米ドルを投ずる。イネは本来C3植物だが、GM技術を用いて、トウモロコシのようにCO2吸収量が多いなどの光合成効率がよく、早く成長するC4植物に転換させようというもの。〔The National Newspaper 2010/1/12〕

●ゴールデンライス商業化へ

 IRRI(国際イネ研究所)が、2012年にはフィリピンとバングラデシュでゴールデンライスが承認され、直後に商業栽培が始まるだろう、と発表した。ゴールデンライスは、ビタミンAライスとも呼ばれ、ベータカロチンを増やしたGMイネである。IRRIによると、両国に続きインド、インドネシア、ベトナムでも在来品種を用いた新たなゴールデンライスを開発中だという。〔IRRI 2009/12/22〕
●北米事情
●米政府、バングラデシュへBtナス導入計画

 米国国際開発庁は、コーネル大学との共同プロジェクト「農業バイオテクノロジー支援計画2」で、インドに続きバングラデシュにBtナスの売り込みを図ろうとしており、同時にGMジャガイモの開発も進め始めた。〔The Dairy Star 2010/1/14〕

●高コストなGM綿栽培

 米国の綿の生産コストが、GM綿を導入する以前に比べて高くなっている。Delta Research and Extention Centerの昆虫学者ジョフ・ゴアの調査で判明した。GM綿が登場する以前の1995年に必要な種子や農薬代は、1エーカー当たり12.75ドルから24ドルだった。それがGM綿に変わり、種子や農薬代が嵩み、2005年には1エーカー当たり約52ドルになり、2010年には85ドルに達している。〔Delta Farm Press 2010/1/15〕

●米国でGMユーカリ植林計画

 米国農務省は、米国東南地域の松林をGMユーカリに植え換える計画を明らかにした。この計画は、多国籍企業インターナショナル・ペーパー社とメッドウェストバコ社と共同で進めているもので、急成長するオーストラリアの木材産業に対抗しようというもの。 〔The New York Times 2010/1/29〕
●欧州動向
●GMO容認に揺れ動くブルガリア

 これまでGMOに対して厳しい政策をとってきたブルガリアが方針を転換し、EUの規制にあわせたGMO容認法案の準備をしていた。しかし、抗議を受けたボリソフ首相が、5年間GM作物の栽培試験を禁止する条例を提案し、同国議会が可決する見通しとなったことで事態は収拾に向かった。〔Novinite Sofia News Agency 2010/2/5〕
●裁判動向
●上越GMイネ裁判の2審始まる

 1月25日、東京高裁で、新潟県上越市にある北陸研究センターのGMイネ野外栽培実験をめぐる裁判の2審が始まった。このGMイネは、ディフェンシンと呼ばれる抗菌タンパク質を作る遺伝子を導入し、複数の病気に抵抗力をつけようと開発された。
 今回の裁判の焦点は、すでに実験が終わっていることから、差し止め請求をどう判断するかにある。原告によると、実験は終わったものの耐性菌が出現した可能性があり、その確認と汚染の除去を求める。また、今後も同様の実験を行う可能性があることから、行わないよう求める、としている。この日は、原告の農家と消費者代表が意見陳述を行い、次回(4月26日)日程を決めて閉廷した。
●GMOフリー
●西豪州政府がGMOフリー条例を解除

 1月25日、西オーストラリア州のテリー・レッドマン農業大臣が、「GM作物フリー地域条例2003」の解除命令を承認した。これにより同州でのGMナタネの商業規模での試験栽培が可能になった。この命令に対してコリン・バーネット首相は、選挙公約を実現させたものである、とコメントを発表した。〔Sydney Morning Herald 2010/1/26〕
 モンサント社はこの結果を受けて、次のターゲットに南オーストラリア州を据え、同州政府に栽培承認の圧力をかけ始めた。〔The Age 2010/1/28〕

●ドイツでGMOフリー・ミルクに補助金

 ドイツでは、GM飼料を用いないミルクを生産した農家は、1リットル当たり40セント余分に受け取れることになった。ミルクには「GM技術が使われていない」と表示され、スーパーなどで販売される。〔Trace Consult 2010/1/26〕