■2010年5月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

今月の潮流●生態系と農業経済にダメージをもたらすGM作物


 
 モンサント社の殺虫性トウモロコシが生態系を大きく変え、新たな病害を拡大させている。問題が明らかになったのは米国西部で、生態系の変化によってネキリムシが異常繁殖し、トウモロコシの穂軸の先端まで荒らすようになった。被害は「MON810」が大規模に作付けされているところで起きている。〔Test Biotech 2010/3/25〕

 米国アイオワ州立大学の植物学者マイク・オーエンは、GM作物が広がった同州では、除草剤耐性雑草が農業経済にダメージをもたらしかねない、と警告した。除草剤耐性雑草は以前から存在するものの、GM作物栽培がもたらした耐性雑草ははるかに複雑な問題を提起している、と指摘している。〔The Iowa Independent 2010/3/10〕

 また、GM大豆の経済メリットが失われていることが判明した。2000年以来10年間で大豆の収量はほとんど変わらないのに、GM大豆の種子代は3倍に跳ね上がった。同10年間での物価の上昇率は28%だった。2009年にモンサント社は新たに次世代のGM大豆「Yield2」を市場に登場させたが、この大豆は収量増加を目的にしているものの、イリノイ大学の研究によると、この大豆も実際収量を増やすとは限らない、ということである。 〔Medill Reports 2010/3/10〕