■2002年8月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

今月の潮流
●第三世界に広がる組み換え作物援助の波紋


 このところ遺伝子組み換え作物が第三世界に援助されたり、作付けされることでのトラブルが多い。ジンバブエが遺伝子組み換えトウモロコシが入っている可能性があるとして、食料援助を拒否したのに続いて、ザンビアも拒否した。
 グァテマラでは、6月11日、環境保護運動グループが、国連世界食糧計画を通して同国に輸出された作物の中に、遺伝子組み換えトウモロコシが含まれていたことを明らかにした。同国には遺伝子組み換え食品を規制する法律がないため、混入を防ぐ措置が取られなかったものと思われる。同様のケースが、ニカラグアやボリビアでも起きている。ボリビアではトウモロコシからスターリンク・トウモロコシが検出されている。
 いずれも食料として援助されたものだが、健康への影響が懸念されるとともに、種子として作付けされる可能性もあり、生態系への影響も懸念される。
 その一方で、インドネシアの南スラベシでのBt綿導入の失敗が報道されている。モンサント社はBt綿は環境に安全であり、高い生産性があり、害虫に抵抗力があるためインドネシア農民に大いなる恩恵をもたらす、と宣伝して種子を販売した。同社によると1ヘクタールあたり3〜4トンは収穫されるはずだったが、実際は1トン強にすぎなかった。しかも74%の作付け地で1トン未満であり、まったく収穫できなかった土地もあった。
〔Norfolk Genetic Information Hetworkのメールマガジン 2002/3/27、ジャカルタ、プレスリリース〕
ことば
*偽性妊娠
 
妊娠時のような身体的な兆候やホルモン変化を示すため、妊娠したようにみえる状態。