■2011年6月号

今月の潮流
News
News2
今月のできごと


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る





























バイオジャーナル

ニュース


●アジア事情
●インド州政府がすべてのGM作物試験栽培を禁止に

 インドのマッディヤ・プラデーシュ州政府は、あらゆるGM作物試験栽培の禁止を決めた。同州農業大臣のラムクリシュナ・クスマリアは、その理由として、人間や環境への安全性が確認されていないため、と述べた。 〔The Hindu 2011/4/28〕

●インド農相見解、試験栽培は州の同意必要

 インド連邦政府農業大臣は、GM作物の試験栽培を最終的に承認するか否かには州政府の同意が必要である、と述べた。これは遺伝子工学承認委員会が承認した後、ビハール州首相がGMトウモロコシの試験栽培を禁止したため、同委員会が連邦政府農相の見解を求めたことに対して答えたものである。 〔The Hindu 2011/4/4〕

●インドでGMジャガイモ開発

 インドの中央ジャガイモ研究所(CPRI)が、耐病性GMジャガイモを開発した。インドでは、Btナス栽培反対運動が全国化し、現在もGM作物をめぐる論争が活発化している。そのため、このGMジャガイモの行方も不透明だと、報道は伝えている。〔The Himachal 2011/3/28〕

●バングラデシュがGMナス、ジャガイモを承認か?

 バングラデシュ政府が、GMナスとGMジャガイモを承認する可能性が出てきた。これは農業大臣モティア・チョードリが述べたもので、大臣はまた、承認前にはGM作物の安全性について広範囲の研究を行うべきだと述べた。しかし、環境保護グループや専門家の間では承認反対の声が広がっている。 〔The Financial Express 2011/4/3〕

●農業を破壊するBt綿栽培の実態

 南インド・カルナタカ州の州都バンガロールで、インド国立法科大学などが主催し、Bt綿に関する会議が開催された。カルナタカ、タミル・ナドゥ、アンドラ・プラデーシュの各州から集まった11人の農家が、Bt綿がもたらす農業破壊について語った。Bt綿栽培によって経済的な損失が増大し、土壌の毒性が強まり、収穫後の畑に放った家畜が病気にかかったり死亡するケースが頻発している、などが報告された。 〔Daily News and Analysis 2011/3/28〕

●北米事情
●カナダの国立研究評議会がGM小麦に否定的見解

 カナダ国立研究評議会は、GM技術をとらずとも、従来品種の改良によって栽培期間を短縮したり、収量を増加させるなど、環境の変化への対応は可能であるとして、GM小麦の研究に対して否定的な見解を発表した。カナダでは、2004年に除草剤耐性小麦の申請を取り下げたモンサント社が、2009年に開発を再開し、キャンペーンを始めている。農業団体や市民団体は、この見解を歓迎している。 〔Epoch Times 2011/4/11〕

●カナダ緑の党がGMO禁止の綱領発表

 カナダ緑の党がGMO研究禁止を求める綱領を発表した。党首のエリザベス・メイは4月7日、GMOの研究・開発ではなく、有機農業にシフトし、地域ごとの自給自足を目指すとした内容を含む綱領を発表した。 〔Manitoba Co-operator 2011/4/10〕

●EU事情
●EU加盟国の半数がGM作物の採算を否定

 4月15日欧州委員会は、EU加盟国の半数近くが、GM作物では経済的な利益を得られないと否定的な意見を持っている、と述べた。委員会によると、27加盟国中13カ国(イタリアのみ無回答)が否定的な回答をよこしたという。 〔Agence France Press 2011/4/16〕

●スウェーデンがGM飼料排除へ

 スウェーデン最大の食肉処理会社SCANが、消費者の強い抵抗を受けてGM飼料排除を決定した。他の食肉処理会社も追随する方針を示しているため、一部の輸入食品および非食品用のGMジャガイモ(5ヘクタールで栽培が予定されている)を除き、スウェーデンは事実上、「GMOフリー」になるという。 〔GM Watch 2011/4/28〕

●GM汚染
●豪州のGMナタネ汚染、ユーチューブで公開討論

 ユーチューブ上で、GMナタネ汚染によって有機認証を取り消されたオーストラリアの農家と、汚染を引き起こした隣接するGMナタネ栽培農家との公開討論が始まった。GMナタネ栽培農家の「有機農家には隣人が作付するものに制限を加える権利があるのか」という主張に対して、汚染された有機農家は、「有機農家は生計が成り立たなくなってしまう」と述べた。〔Stock & Land 2011/5/5〕

●豪州科学者がオメガ3ナタネの野外栽培に警告

 オーストラリアの健康・環境研究所の責任者で、植物遺伝学者のフィル・デイヴィスは、オメガ3ナタネの野外栽培は危険であると警告を発した。このGMナタネは健康食品として開発中だが、畑やサイロで交雑・混入を引き起こし、それを抑えることができない、と説明している。 〔Australian Broadcasting Corporation 2011/4/13〕