■2011年9月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

今月の潮流●独立研究論文が証明する、除草剤ラウンドアップの毒性


 除草剤ラウンドアップは、現在、日本でもっとも使われ、遺伝子組み換え作物の拡大にともない、世界的にも消費量が増えている農薬である。その除草剤ラウンドアップの主成分であるグリホサートの毒性について、環境保護団体のグリーンピースとGMフリーズが共同で報告書をまとめた。対象は、企業と結びつかない独立した研究で、審査を経て学術誌などに掲載された論文200近くを分析したものである。

 報告書によると、グリホサートはがんを引き起こし、出産に悪影響があり、パーキンソン病を含む神経系の疾患をもたらしている。また、ヒト胚(受精卵)を含む細胞にダメージをもたらし、ホルモン・バランスを崩す、と指摘している。さらには水系を汚染し、そこに棲息する動植物、土壌の栄養素など環境への影響も明らかになった。

 除草剤ラウンドアップを使用する除草剤耐性作物を広範に栽培しているアルゼンチン、ブラジル、アメリカなどでは、すでにラウンドアップで枯れない雑草が20種類以上確認されており、こうした雑草との闘いがGM作物栽培農家の悩みの種となっている。メーカーは、除草剤の散布回数や濃度を上げるよう勧めているが、このことは農家や環境にとって、グリホサートへの曝露が増すことになる。報告書は、ラウンドアップを使用する除草剤耐性作物は栽培禁止にすべきで、これ以上認可すべきでない、と指摘している。〔GM Watch 2011/6/30〕