■2011年10月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

ニュース


●北米事情
●米国農務省、GM芝を規制対象外に

 米国農務省(USDA)は、GM芝(ケンタッキー・ブルーグラス)は法規制の対象外であるとの判断を下した。従来の除草剤耐性トウモロコシや大豆などのGM作物は、微生物由来の遺伝子などを使って開発されているため、農務省は微生物や菌類、害虫などを管理する立場から規制してきた。だが、スコッツ・ミラクル・グロ社が開発したGM芝には微生物素材が使われていない(トウモロコシや米などに由来する遺伝素材を使用)ため、農務省・動植物検疫局は、これは「植物農薬」には該当しないとして、同局の規制対象外であるとの判断を下した。この判断により、GMブルーグラスは認可を受けずに試験栽培・市販できることになる。ケンタッキー・ブルーグラスは、西洋芝として日本でもおなじみのものであり、影響は大きい。 〔New York Times 2011/7/6〕

●モンサント社が生食用GMトウモロコシ種子の販売開始

 米モンサント社は、今年から米国内でGMスイートコーン種子の販売を開始する、と発表した。除草剤耐性品種で、今秋から米国内の農業生産者が栽培を始めることになるという。これまでモンサント社が市販してきたGMトウモロコシは、家畜飼料や油・砂糖などの加工用だったが、今回の品種は生のトウモロコシとして店頭に出回る予定で、缶詰や冷凍コーンなどの用途についても検討中だという。 〔Bloomberg 2011/8/4〕

●米国のGMO外交戦略明るみに

 8月24日、ウィキリークスは、米国政府のGM作物外交戦略を暴いた。米国政府は何重にも張り巡らせた外交ルートを用いて、各国にGM作物を承認するように働きかけていた。この戦略で利益を得るのはモンサント社やデュポン社などの多国籍企業である、と伝えられている。 〔Truthout 2011/8/25〕
 公開された文書により、米国の外交筋がガーナ政府に対して、GM作物を導入するように圧力をかけていることが明らかになった。 〔Ghana Business News 2011/8/29〕
●アジア事情
●パキスタン農相がGM作物導入に意欲

 パキスタン農相が「わが国は21世紀におけるバイオテクノロジーのリーダー国になる」と抱負を述べた。GM作物は食料安全保障や持続可能な食品の開発に役立つとし、GM作物導入に意欲を見せている。
〔Pakistan Observer 2011/7/22〕


●インド政府、モンサント社をバイオパイラシーで提訴か

 インド生物多様性局(NBA)が、モンサント社および同社のインド子会社であるマヒコ社を、GMナスに関して「バイオパイラシー(生物学的海賊行為)」の可能性が高いとして、提訴する姿勢を示している。マヒコ社開発のBtナスが、インド固有のナスの生殖質を許可なく使用しており、生物多様性保護法に違反するというもの。NBAは、モンサント社およびマヒコ社に対して、1年以内に調査・報告を行なうことを求めた。 〔The Hindu 2011/08/09〕

●ベトナムが来年にもGM作物栽培開始か

 ベトナム農業副大臣は、早ければ来年早々にもGM作物栽培を開始すると述べた。稲、トウモロコシ、大豆などを予定しているという。 〔Viet Nam News 2011/8/22〕

●アフリカ事情
●ナミビアがバイオセーフティ法制定に動く

 ナミビア政府がバイオセーフティ法制定に向けて動き出した。法案は2006年に公表されたが、未だ成立していない。米国などからアフリカ各国に対して、GM作物が流通できるよう、バイオセーフティ法制定への圧力が強まっているが、その動きと関連しているとみられる。〔New Era 2011/8/11〕


●ブラジル企業がモザンビークで大規模GM作物栽培へ

 ブラジルのアグリビジネスがモザンビークの土地600万ヘクタールを買収した。GM作物栽培を進める予定で、モザンビークの農民や環境保護団体の間で懸念が強まっている。このブラジル企業は、自国内でGM大豆・トウモロコシ・綿を栽培して、生物多様性豊かな草原地帯を荒廃に導いた。同様の事態がモザンビークでも起きることが懸念されている。 〔Global Voices 2011/8/30〕