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ニュース
●欧州事情
●GM花粉混入蜂蜜は特別の認可が必要
9月6日、GM作物の花粉が検出される蜂蜜は販売に特別の認可を要する(そのままでは市販できない) という見解が欧州司法裁判所によって示された。これは控訴審による最終確定判決である。裁判は2005
年、独バイエルン州の養蜂家が、GMトウモロコシの花粉に汚染された蜂蜜や健康食品について、近隣の 畑でモンサント社のGMトウモロコシを試験栽培していた州政府に補償を求めていたもので、農家側の訴
えが認められた。〔Court of Justice of the European Union 2011/9/6〕
この判決によりEUでは、認可されない限りGM花粉が混入した蜂蜜や健康食品は販売できなくなったた め、アルゼンチンや中国の蜂蜜がEUに輸出できない可能性が出てきた。現在、EUで出回る蜂蜜の4割が
輸入品である。 〔Agence France Press 2011/9/7〕
●ウクライナがGM食品のトレーサビリティ導入
ウクライナ議会は、GM食品のトレーサビリティ導入を求めたバイオセーフティ法の改正案を、299票 中263票の多数で可決成立した。これにより同国では、GM作物の生産・輸送・消費の全般にわたって、
追跡可能性が求められる。 〔Inter fax Ukraine 2011/9/7〕
●英国、GM小麦の試験栽培承認
英国ハートフォードシャーのローザムステッド研究所がGM小麦の試験栽培を申請していたが(前号参 照)、政府によって承認された。これは専門家によって構成されている環境放出に関する諮問委員会が
、問題ないと結論付けたことによる。 〔Bloomberg 2011/9/16〕
●GMOフリー
●ラトヴィア全土がGMOフリー宣言
バルト海に面したラトヴィア共和国では、昨年までに全地方政府がGMOフリーを宣言したことが明ら かになった。宣言は、少なくとも5年間は有効で、その間、GM作物の栽培が禁止される。〔The
Baltic Times 2011/9/28〕
●北米事情
●北米でNon−GMO月間開催
北米で毎年行われている10月のNon−GMO月間に、1000を超える食料を扱う店舗が参加し、非遺伝子組 み換え食品をアピールした。この期間には、ニューヨークからワシントンDCまでの行進や、子どもたち
をGM食品から守るための母親のパネルが展示された。〔Non−GMO Project 2011/10/4〕
●米国で共存の議論始まる
米国トム・ヴィルサック農務長官は、初めてGM農家・有機農家・慣行農家の共存問題に踏み込み、GM 作物の意図しない交雑・混入による、有機農業や非GM農業にもたらす経済的影響、賠償のあり方などを
諮問委員会に諮問した。〔soyatech 2011/9/2〕
●GM食品への「ナチュラル」表示で訴えられる
大手食品メーカーのコナグラ社が、GM原料を使った食用油に「ナチュラル」と表示して販売しているのは虚偽広告にあたる、として訴えられた。米国食品医薬品局(FDA)が「ナチュラル」という言葉の定義を定めていないため、食品メーカーは基本的にどのような食品にもこの言葉を表示することができ、消費者の自然派思考の高まりを受けて、販売促進の目的で「ナチュラル」と謳っている製品は多い。米国ではすでに、スーパーに並ぶ食品の7割がGM原材料を含んでいるとみられ、「ナチュラル」と謳っている製品も少なくないため、この訴訟のゆくえは広範な影響を及ぼす可能性がある。〔Food Safety News 2011/8/24〕
●メキシコで大規模GMトウモロコシ試験栽培を申請
Agro Bioを通して、モンサント、デュポン、パイオニア、ダウの4社が、大規模なGMトウモロコシの試験栽培をメキシコ政府に申請した。Agro
BIOは、今年中にも栽培許可がおりるだろう、とその見通しを述べた。栽培地点は、メキシコ北部のシロアナ州、タマウリパス州などで、広範囲で行われる。〔Thomson
Reuters 2011/9/19〕
●カナダ小麦局がG20にGM小麦反対の文書提出
カナダで小麦の流通を一手に扱っているカナダ小麦局が、G20諸国による「小麦改良のための国際イニシアティブ」に対して、GM小麦に反対する文書を提出した。同局は、カナダの農民はGM小麦を求めておらず、市場性はない、としている。
〔Canoe 2011/9/19〕
●米国のアフリカ戦略、ガンビアへ
米国政府はGM作物をガンビアに売り込むため、同国米大使館においてバイテクに関するセミナーを開催した。いま米国はアフリカへの働きかけを強めており、西アフリカ諸国にバイテクの専門家を派遣している。今回のセミナーは、その一環として行われた。〔Foroyaa
2011/9/18〕
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