■2011年12月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

できごと(10月11日〜11月10日)報道媒体発表時



13日 ・米ハーバード大などのチーム、長寿ねずみのハダカデバネズミのゲノム(全遺伝情報)を解読。
・英サンガー研究所の日本人研究員ら、肝硬変や肺気腫を起こす遺伝性疾患の患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、原因遺伝子を修復した上で肝臓の細胞に変え、マウスの肝臓に移植して正常に機能することを確認した。
17日 ・東大医科学研究所教授・中村祐輔研究室、ゲノム情報を応用する形で、これまで治療薬がなかったがんの一種、肉腫に対する新しい抗体薬を作り出した。仏保健当局から正式承認が下り、臨床試験は仏リヨンの病院で12月にも始まる。
18日 ・ES細胞に関する研究論文のねつ造などで有罪判決を受けた韓国の黄禹錫元ソウル大教授、京畿道との共同プロジェクトとしてコヨーテのクローン8頭を作製。
19日 ・欧州司法裁判所、人間の受精卵から作った胚性幹細胞(ES細胞)を使った技術について、研究目的であっても特許を認めないとする決定を下す。
20日 ・文科省、遺伝子組み換え生物の不適切な管理があったとして、二者に対し厳重注意した。農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は2007年1月〜今年5月、大豆の遺伝子組み換え実験で、閉じておくべき実験室の扉を開けたままにするなどした。製薬会社「第一三共」の葛西研究開発センターは09年6月〜今年7月、遺伝子組み換え生物を接種したマウスなどの死骸を滅菌せずに処分した。
24日 ・大阪大の研究グループ、マウスのES細胞にレトロウイルスなどを導入し、標的の遺伝子の一方を破壊、さらに染色体間の組み換え操作でもう一方の破壊を誘発して遺伝子の働きを解析する技術を開発。
31日 ・英エディンバラ大学や理化学研究所などによる国際チーム、人間の脳細胞では遺伝子組み換えが高頻度に起き、各細胞ごとにゲノムが異なっていることを発見。
11月2日 ・独BASF社、欧州委員会にジャガイモ疫病菌に抵抗性のある遺伝子組み換えジャガイモ「フォルトゥーナ(Fortuna)」の商業栽培および飼料・食用利用のための認可を申請。
5日 ・仏モンペリエ大学のチーム、101歳の人から採取した、活発に細胞分裂をしない細胞からiPS細胞を作製。高齢者の再生医療、細胞の若返りにつながるという。
6日 ・12月からハワイ産の遺伝子組み換えパパイア(品種・レインボー)の日本への輸入解禁。生食用の輸入解禁は初めて。
8日 ・重症の肝臓病で治療法がなく、肝移植も難しい0歳児に、人のES細胞からつくった肝細胞を移植する治療を、国立成育医療研究センターが計画。ES細胞による治療は国内では例がなく、肝臓病への応用は世界初とみられる。研究センターは3年後をめどに、倫理委員会の承認を受けて臨床試験に臨む。
10日 ・理化学研究所発生・再生科学総合研究センターと名古屋大の研究チーム、生命維持に必要なホルモンを作り出す組織「下垂体」をES細胞を使って作製。作製した下垂体をマウスに移植し、正常に機能することも確認。