■2011年12月号

今月の潮流
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今月のできごと


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バイオジャーナル

今月の潮流●認可に向け、動きだしたGM鮭


 米国食品医薬品局(FDA)が環境影響評価を終了させたことから、まもなくGM鮭が認可される可能性が出てきた。アクア・アドバンテージ社が開発したこのGM鮭は、カナダのプリンス・エドワード島にある同社の施設で採卵され、パナマで養殖される予定。 〔Canadian Biotechnology Action Network 2011/10/11〕

 赤毛のアンの島として有名なプリンス・エドワード島は、自然が豊かで環境保護の象徴とされてきた。環境保護団体は、島のイメージが崩れると警告した。 〔Canadian Broadcasting Corporation 2011/10/24〕

 約30の業界団体で構成されている全米動物農業連盟は、GM鮭を承認しないよう米連邦議会に要請書を提出した。 〔Los Angeles Times 2011/8/2〕
 他方、科学者やバイテク・ロビイストは、GM鮭の承認を求めて、政府や議会に圧力を加えている。 〔Purdue University 2011/8/5〕

 オバマ政権は、アクア・アドバンテージ社の財政が承認の遅れにより逼迫していることから、救済措置として50万ドルを助成した。
 米国内では、サウスダコタ、ウェストバージニア、ウィスコンシン、オハイオ各州で興味を示している養殖場があるという。 〔The Guardian 2011/10/18〕

 アラスカ州選出の連邦議会上院議員マーク・ベギッヒとリサ・マコウスキーは、2012年度の農業関連予算案について、2項目を加える修正を提案した。1つは、すべてのGM魚の市場への導入禁止、もう1つは、GM鮭の承認に際し、合衆国の財源を用いることの禁止である。 〔Food Safety News 2011/10/19〕